発表年:1993年
ez的ジャンル:Bomb Squad系Hip-Hop
気分は... :骨法用筆
今回は90年代Hip-HopからYoung Black Teenagers『Dead Enz Kidz Doin' Lifetime Bidz』(1993年)です。
Young Black TeenagersはN.Y.ロングアイランドで結成されたHip-Hopグループ。結成メンバーはDJ Skribble、Kamron、First Born、ATA、Tommy Neverの5名。
Public Enemy作および彼らの作品のプロダクションで知られるBomb Squadのバックアップによりデビューし、『Young Black Teenagers』(1991年)、『Dead Enz Kidz Doin' Lifetime Bidz』(1993年)という2枚のアルバムをリリースしています。
2ndアルバムとなる本作『Dead Enz Kidz Doin' Lifetime Bidz』(1993年)では、Tommy Neverが抜け、DJ Skribble、Kamron、First Born、ATAという4名の体制です。
メイン・プロデューサーはBomb SquadのGary G-WizとKeith Shocklee。
さらにはPublic EnemyのTerminator X、Kerwin Young、Paul Shabazz、メンバーのKamron、Hip-Hopのパイオニアの一人Grandmaster Flashがプロデュースしています。
今日では取り上げられることが殆どないHip-Hopアルバムですが、リアルタイムでかなり聴き込んだ1枚です。若々しいグループのパワーとBomb Squadらしい格好良いトラックに魅せられたのかもしれません。
僕のお気に入りは、「First True Love Affair」と2ndシングル「Roll W/The Flavor」。Terminator Xプロデュースの1stシングル「Tap The Bottle」も本作では外せないトラックかもしれませんね。
それ以外であれば、The Rolling Stones「Monkey Man」ネタの「Soul Wide Open」、定番ネタのテンコ盛り「Blowin' Up The Spot」、グループ名を冠した「Y.B. Teenagers」、Grandmaster Flashプロデュースの「Outta My Head」あたりもおススメです。
Bomb Squad好きの方はチェックを!
全曲紹介しときやす。
「In The House」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。
Isaac Hayes「Medley: Ike's Rap III/Your Love Is So Doggone Good」をサンプリングしたアルバムのイントロ。
https://www.youtube.com/watch?v=mFu23ZJDRkQ
「Tap The Bottle」
Terminator Xプロデュース。アルバムからの1stシングルにもなりました。Otis Redding and Carla Thomas「Tramp」をサンプリング。勢いのあるトラックと若々しいラップが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=V8Ypk09SHaU
「Roll W/The Flavor」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。アルバムからの2ndシングル。Ronny Jordan「Cool and Funky」、Joe Tex「Papa Was Too」、Mountain「Long Red」、Biz Markie「Vapors」をサンプリング。個人的には「First True Love Affair」と並ぶアルバムで一番のお気に入り。Ronny Jordan「Cool and Funky」ネタのジャジー&ファンキーなギター・ループがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=zeBAcBDYTeU
「Sweatin' Me」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。Baby Huey「Hard Times」をサンプリング。Bomb Squadらしい重量感のあるトラックと、力強いフロウがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=ov2bhEJV5gk
「Plead The Fifth」
Kerwin Young/Paul Shabazzプロデュース。テンポ良く疾走するトラック&フロウがキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=_carBQVL-dY
「Soul Wide Open」
The Rolling Stones「Monkey Man」をサンプリング。意表を突かれたネタ使いですが、「Monkey Man」のエッセンスを巧みに取り込んだトラックはかなり格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=BwImymRaNHE
「Blowin' Up The Spot」
Gary G-Wiz/Keith Shocklee/Kamronプロデュース。Jean-Jacques Perrey「E.V.A.」、The Emotions「Blind Alley」、Skull Snaps「It's a New Day」、ESG「UFO」、Sly & the Family Stone「You Can Make It if You Try」という定番ネタのテンコ盛りトラックにグッときます。Bomb Squadを満喫できる格好良い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=jFs2AoPREk0
「Y.B. Teenagers」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。Dion & the Belmonts「Teenager in Love」のフレーズを引用、N.W.A「Fuck Tha Police」をサンプリング。グループ名を冠した勢いのあるトラック。エネルギー有り余っている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=7TKJv0GFae4
「On The DL (Down Low)」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。Cypress Hill「How I Could Just Kill a Man」ネタ。少しテンポを落として、3人のMCのフロウがより際立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=SVykbSyRf-o
「Looney Toonz」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。あまりBomb Squadっぽくない雰囲気ですが、あまり力みすぎていない感じが僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=I7Gane11DMQ
「Outta My Head」
レジェンドGrandmaster Flashのプロデュース。Hip-Hop本来の魅力を認識をできる格好良いトラックに仕上がっています。他のトラックと異なる雰囲気で、アルバム構成面でもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=3YsMORo24fE
「Back For Your Head」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。1分にも満たない短いトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=zMO65fNXvyA
「First True Love Affair」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。Duke Williams and the Extremes「Chinese Chicken」、Jimmy Ross「First True Love Affair」をサンプリング。「Roll W/The Flavor」と並ぶ僕のお気に入り。この雰囲気は90年代前半のHip-Hopならではかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=fwUGQokEpZE
「Time To Make The Dough Nutz」
Gary G-Wiz/Keith Shockleeプロデュース。Rush「Tom Sawyer」をサンプリング。Rushネタを活かしたスペイシーなロック・フィーリングが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=nGkLrqjghRc
『Young Black Teenagers』(1991年)