発表年:2004年
ez的ジャンル:N.Y.産アフロビート
気分は... :Fela Kutiもご満悦!
今回はN.Y.のアフロビート・バンドAntibalasの3rdアルバム『Who Is This America?』(2004年)です。
1998年にN.Y.ブルックリンで結成された大所帯アフロビート・バンドAntibalas(Antibalas Afrobeat Orchestra)の紹介は『Antibalas』(2012年)、『Government Magic』(2006年)に続き3回目です。
3rdアルバムとなる本作『Who Is This America?』(2004年)は、彼らの作品の中でもアフロビートの元祖Fela Kutiからの影響がダイレクトに伝わってくる1枚です。
闘うアフロビートを感じるアルバム・タイトルからしてFela Kutiに通じるものがありますね。
本作におけるAntibalasのメンバーは、Amayo(vo、per)、Ernesto Abreu(vo、congas)、Victor Axelrod(el-p、org、clavinet)、Philip Ballman(ds)、Stuart Bogie(ts)、Dylan Fusillo(per)、Aaron Johnson(tb)、Jordan McLean(tp)、Nick Movshon(b)、Luke O'Malley(g)、Martin Perna(bs)、Gabe Roth(g)、Del Stribling(b)、Fernando Velez(congas)という14名。
メンバー以外にも10名のミュージシャンが参加しています。
プロデュースはAntibalas。
全8曲で75分。10分以上の長尺も3曲という構成もアフロビートらしいですね。
「Who Is This America Dem Speak Of Today?」、「Big Man」、「Elephant」、「Sister」をアフロビート/アフロ・ファンク好きを大満足させる演奏がズラリと並んでいます。
Antibalasというバンドの魅力をダイレクトに満喫できる、Antibalas入門編あるいはアフロビート入門編にも適した1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Who Is This America Dem Speak Of Today?」
タイトル曲はモロにFela Kutiしているアフロビート直球の演奏です。躍動するビート、覚醒的なオルガンの響き、軽快なギター・カッティング、豪快なホーン・アンサンブル、扇動的なヴォーカル、どこを切っても100%アフロビート全開の演奏に徹しています。アフロビート好きの人は、12分超のこのオープニングだけでも大満足するはず!
https://www.youtube.com/watch?v=IAoEZ0FEhgc
「Pay Back Africa」
不穏なイントロと共にスタートするアフロ・ファンク。彼らの素晴らしいホーン・アンサンブルを楽しめる演奏に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yi8P0JIqo2Q
「Indictment」
ダビーなアフロ・ファンク。ダビーなエッセンスが加わることで第三世界的パワーが増しているのがいいですね。豪快さの中にも緻密さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=zP13dbAEa_E
「Big Man」
直線的で前のめりなアフロビートらしいサウンドを存分に楽しめます。ダンスミュージックとしてのアフロビートを楽しみたい方にはフィットするはず!扇動的ビートとダイナミックなホーン・サウンドが格好良すぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=5_JuwnUKbqI
「Obanla'e」
2分にも満たない短い演奏ですが、アフロ・パーカッション全開の演奏は僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=1iiysg-36mQ
「Elephant」
コレもアフロビート好きにはたまらない演奏です。ただし、ダビーなアクセントや洗練されたホーン・アンサンブルにFela Kutiのコピーに終わらないAntibalasらしさを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZhX6eYGL8a8
「Sister」
本編ラストは19分超の長尺。本作のアフロビートの徹底ぶりを満喫できる演奏です。大所帯バンドならではのスケールの大きなサウンドがいいですね。不穏なクラヴィネットの音色も僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=i_qtcQ4zPkY
「Na Fo Iyawo Mi」
国内盤ボーナス・トラック。開放的なアフロ・ファンク。テンション高い本編よりはリラックスして聴けるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=5615ttjGqfw
Antibalasの他作品もチェックを!
『Albums Liberation Afrobeat』(2000年)
『Talkatif』(2002年)
『Government Magic』(2006年)
『Security』(2007年)
『Antibalas』(2012年)
『Where the Gods Are in Peace』(2017年)
『Fu Chronicles』(2020年)