発表年:1978年
ez的ジャンル:SSW系AOR
気分は... : カサブランカ・・・
今回はAOR作品からDane Donohue『Dane Donohue』(1978年)です。
Dane Donohueは1948年オハイオ州マンスフィールド出身の男性シンガー・ソングライター。
ロック・ミュージカル『Jesus Christ Superstar』のオーディションに合格し、1970年から2年間全米や欧州を公演しています。その後、地元に戻りデモ・テープをつくりはじめ、オーディションも経てCBSとの契約に成功し、3年間かけて制作されたのが本作『Dane Donohue』(1978年)です。
メイン・プロデュースは男性SSWのTerence Boylan。それ以外にJai Winding、Steve Hodge、John Boylanもプロデュースしています。
楽曲がすべてDane Donohueのオリジナル(共作含む)。
レコーディングにはLarry Carlton(g)、Jay Graydon(g)、Steve Lukather(g)、Jai Winding(p、el-p)、Victor Feldman(vibe、el-p、per)、David Kemper(ds)、Steve Gadd(ds)、Ed Greene(ds)、Bob Glaub(b)、Scott Edwards(b)、Chuck Rainey(b)、Mike Porcaro(b)、Steve Forman(per)、Ernie Watts(sax)、Chuck Findley(tp、flh)、Steve Madaio(tp、flh)等のミュージシャンが参加しています。
特にLarry Carlton、Jay Graydon、Steve Lukatherという超豪華ギター陣はAOR好きにはたまらないのでは?
また、Don Henley、Timothy B. Schmit、J.D. Souther、Stevie Nicks、Bill Champlin、Tom Kelly(Fools Gold)等の豪華メンバーがバック・コーラスで参加しています。
アルバム全体は西海岸的なシンガー・ソングライターによるAOR作品といった印象です。
豪華メンバーの参加が目立ちますが、まずDane Donohueが作る曲と彼のヴォーカルの素晴らしさがあるのがいいですね。
シングルにもなった「Casablanca」と「Dance With The Stranger」、AOR系コンピにも収録された「Woman」、Steely Dan的な「Tracey」や「Freedom」、Jackson Browne的な雰囲気もあるメロウ作品「What Am I Supposed To Do」など充実の全10曲です。
これだけの素晴らしい楽曲を書き、素敵な歌声を持つアーティストがアルバム1枚のみで消えてしまったのは実に残念ですね。
今聴いても、良く出来た1枚と感心するAOR作品です。
全曲紹介しときやす。
「Casablanca」
Terence Boylanプロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。Don Henley、J.D. Souther、Stevie Nicks、Timothy B. Schmitがバック・コーラスで参加。AOR好きにはたまらないアーバン・メロウなミディアムがオープニング。AOR系コンピにも収録されている人気曲。曲調がAOR好きの心をくすぐりますね。シングルにもなりました。豪華なバック・コーラス陣、Larry Carltonのギター、さらに終盤のVictor Feldmanのヴァイブもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Z4yfS0AEoRI
「Dance With The Stranger」
Terence Boylanプロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。Eagles好きの人は気に入るであろうアコースティック・ギターを交えたメロウ・チューン。この曲もシングルにもなりました。ここでもLarry Carltonが素敵なギター・ソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=02JhmTTJPvM
「What Am I Supposed To Do」
Terence Boylanプロデュース。Dane Donohue作。Don Henley、J.D. Southerがバック・コーラスで参加。ギターはJay Graydon。SSWとしてのDonohueの魅力を実感できるメロウ・チューン。甘く切ないムードがたまりません。Jackson Browne的な雰囲気もあるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=XN_2fkVbLBE
「Woman」
Terence Boylanプロデュース。Dane Donohue作。J.D. Souther、Stevie Nicksがバック・コーラスで参加。ギターはLarry Carlton。AOR好きにはグッとくるメロウ・バラード。バック・コーラスで聴こえてくるStevie Nicksのハスキー・ヴォイスとVictor Feldmanのメロウ・エレピも絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=_Y0eCaNL5tA
「Where Will You Go」
Terence Boylan/John Boylanプロデュース。Dane Donohue作。Bill Champlin、Tom Kellyがバック・コーラスで参加。しみじみと歌い上げる素敵な哀愁バラード。「去りゆく君」という邦題がピッタリですね。
https://www.youtube.com/watch?v=c7zo3LZCrKM
「Freedom」
Terence Boylan/Jai Winding/Steve Hodgeプロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。(シニカルではない)素直なSteely Danといった印象です。Ernie Wattsのサックス・ソロが都会的なムードを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=WeSeAem7PDw
「Can't Be Seen」
Terence Boylan/Jai Winding/Steve Hodge プロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。Bill Champlin、Tom Kellyがバック・コーラスで参加。ギターはJay GraydonとSteve Lukatherという豪華布陣。アーバン・サウンドを堪能できるAOR好きのための1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=RqE5RKVGM28
「Whatever Happened」
Terence Boylan/John Boylanプロデュース。Dane Donohue作。ギターはSteve Lukather。僕好みのソフトリーなメロウ・チューン。サンセットが似合いそうな夏向けの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=bDvEbwPpreg
「Tracey」
Terence Boylan/Jai Winding/Steve Hodge プロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。ギターはJay GraydonとSteve Lukather。これはSteely Danしていますね。重厚なホーン・サウンドも含めて洗練されたアーバン・サウンドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=7z-4RPzYnrw
「Congratulations」
Terence Boylanプロデュース。Dane Donohue/David Getreau/Mark Fisher作。ラストはちょっぴり切ないメロウ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GSJBb7rZ3H4
ご興味がある方は本作と同時期に制作されたTerence Boylan『Terence Boylan』(1977年)もセットでチェックしてみては?
Terence Boylan『Terence Boylan』(1977年)