2021年06月12日

Jerome Richardson『Going to the Movies』

映画音楽を集めたジャズ作品☆Jerome Richardson『Going to the Movies』

録音年:1962年
ez的ジャンル:映画音楽ジャズ
気分は... : 危険な関係のブルース・・・

今回は映画音楽を集めたジャズ作品Jerome Richardson『Going to the Movies』(1962年)です。

Jerome Richardson(1920-2000年)はカリフォルニア州オークランド生まれのマルチ・リード・プレイヤー。

本作はJerome Richardsonが自身のクインテットを率いて映画音楽の人気曲を演奏したアルバムです。

レコーディング・メンバーはJerome Richardson(bs、ts、fl)、Les Spaan(g、fl)、Richard Wyands(p)、Henry Grimes(b)、Grady Tate(ds)です。

「No Problem」(『危険な関係』)、「Moon River」(『ティファニーで朝食を』)、「Never On Sunday」(『日曜はダメよ』)、「Tonight」(『ウエスト・サイド物語』)、「Delilah」(『サムソンとデリラ』)といった名曲を、スタイリッシュな演奏で聴かせてくれます。

DJ方面でも再評価の高い「No Problem」が、今日的な本作のハイライトです。それ以外の4曲も今聴いても楽しめる演奏になっています。

映画音楽好きの人もジャズ好きの人も満喫できる1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「No Problem」
Duke Jordan作。Roger Vadim監督、Jeanne Moreau主演のフランス映画『危険な関係(Les Liaisons Dangereuses)』(1959年)のテーマ曲「危険な関係のブルース」のカヴァー。オリジナルはArt Blakey & the Jazz Messengers with Barney Wilenでの演奏です。ここではクールなボッサ・ジャズで聴かせてくれます。DJ方面でも再評価の高い本作のハイライト。
https://www.youtube.com/watch?v=FdbktRWQPD0

「Moon River」
Henry Mancini/Johnny Mercer作。Audrey Hepburn主演の映画『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany’s)』(1961年)の主題歌としてお馴染み、アカデミー歌曲賞およびグラミーを受賞した大名曲のカヴァー。6拍子4拍子と交錯する小粋なアレンジの「Moon River」で楽しませてくれます。主役Richardsonのサックスも快調でいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=rXwwpHz4KJc

本曲について、当ブログではRoman AndrenOs Tres BrasileirosQuarteto FormaGretchen ParlatoLaurindo Almeida & The Bossa Nova Allstarsのカヴァーを紹介済みです。

「Never On Sunday」
Manos Hadjidakis作。映画『日曜はダメよ(Never On Sunday)』(1960年)のテーマ曲のカヴァー。お馴染みの名曲ですが、こういったジャズ演奏ではあまり聴いたことがなかったので新鮮でした。本作らしい洒落た雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PB7w3TuiTA0

「Tonight」
Leonard Bernstein/Stephen Sondheim作。大ヒット・ミュージカル映画『ウエスト・サイド物語(West Side Story)』(1961年)の人気挿入歌のカヴァー。この曲もオリジナルの印象が強すぎて、あまりジャズ演奏のイメージがないですね。ここではHenry Grimesのベースが牽引し、Richardsonはフルートを演奏しています。
https://www.youtube.com/watch?v=RqPrQt1N6SQ

「Delilah」
Victor Young作。映画『サムソンとデリラ(Samson and Delilah)』(1949年)のために書かれた曲をカヴァー。Richardsonはフルートとアルト・サックスを演奏しています。Richardsonのソロに加え、Les Spaanのギター、Richard Wyandsのピアノもソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=IERLDAcaylY

本曲について、当ブログではClifford Brown & Max RoachMilt Jackson & Wes Montgomeryのカヴァーも紹介済みです。

『Flutes & Reeds』(1955年、Ernie Wilkins & Frank Wess名義)、『Roamin' With Richardson』(1959年)、『Midnight Oil』(1959年)、『Going to the Movies』(1962年)という4作品をCD2枚に収めたセットもあります。

『Flutes & Reeds/Roamin' With Richardson/Midnight Oil/Going to the Movies』 ※2CD
posted by ez at 00:39| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする