発表年:1996年
ez的ジャンル:メロウ&ジェントル系ミナスMPB
気分は... :Pluriverseへ・・・
今回はミナスを代表するシンガー・ソングライター/ギタリストLo Borgesの『Meu Filme』(1996年)です。
1952年、ブラジル、ミナス・ジェライス州生まれ。Milton Nascimentoとの連名によるミナス音楽の金字塔的アルバム『Clube da Esquina』(1972年)で知られるLo Borgesの紹介は、『A Via Lactea』(1979年)に続き2回目となります。
本作『Meu Filme』(1996年)は、前作スタジオ・ライヴ『Solo』(1987年)から9年ぶり、純然たるスタジオ・アルバムとしては『Sonho Real』(1984年)から12年ぶりの新作ということになります。
プロデュースはChico NevesとRonaldo Bastos。
アルバムには『Clube da Esquina』の盟友Milton Nascimento、Caetano Velosoといった大物をはじめ、ブラジルのパンデイロ・マスター/トップ・パーカッショニストのMarcos Suzano、ブラジルの創作楽器グループUakti、ブラジル人女性シンガーCecilia Spyer等が参加しています。
Lo Borgesらしいメロウ&ジェントルな自然体のミナスMPBでアルバム全編貫かれています。
Caetano Velosoとの共演曲「Sem Nao」、Milton Nascimentoとの共作「Alo」、ブラジルの人気レゲエ/スカ・バンドSkankのヒット曲カヴァー「Te Ver」、メロウ&ジェントルな「A Cara Do Sol」、味わいのあるメロウ・フォーキー「Meu Filme」、透明感のあるアコースティック・メロウ「Pura Paisagem」あたりが特におススメです。
Uaktiをフィーチャーした「Solto No Mundo」、「Vai Vai Vai」の独特のクロスオーヴァー・サウンドも興味深いです。
約10年のブランクを感じさせない充実作だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Meu Filme」
Chico Amaral/Lo Borges作。邦題「僕の映画」。自身のギター、Marcos Suzanoのパンデイロ/パーカッションのみの演奏ですが、味わいのあるメロウ・フォーキーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=PRrgALlAw10
「Pura Paisagem」
Marcio Borges/Lo Borges作。邦題「純な風景」。兄Marcioとの共作。この曲も自身のギター、Marcos Suzanoのパンデイロ/パーカッションを中心とした、透明感のあるアコースティック・メロウに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Bp8A_886tiQ
「Sem Nao」
邦題「ノーと言わないで」。Caetano Velosoとの共演曲(Caetano Veloso/Lo Borges作)。この二人の共演らしい雰囲気のボッサ調の素敵なメロウ・チューンはモロに僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=nOjbD-PwQZ0
「Solto No Mundo」
Lo Borges作。邦題「世界に放たれて」。Uaktiをフィーチャー。現代音楽×民族音楽な独特の音世界を満喫しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=7VNtDeHeVyg
「Alo」
Milton Nascimento/Lo Borges作。Milton Nascimento本人もアコーディオンで参加。この曲にもUaktiが全面参加しています。ミナスの香りのする大地の息吹を感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=xVwcCSe9l7A
「A Cara Do Sol」
Ronaldo Bastos/Lo Borges作。邦題「太陽の顔」。Cecilia Spyerがヴォーカルで参加。Lo Borgesらしいメロウ&ジェントルなミナスMPBに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4MqyLbAGZcM
「Vertigem」
Marcio Borges/Lo Borges作。邦題「めまい」。白日夢のような幻想的メロウ・チューン。Marcos Suzanoのパンデイロも効果的です。
https://www.youtube.com/watch?v=NnqIRel2JgQ
「Vai Vai Vai」
Lo Borges作。邦題「進め進め」。Uaktiをフィーチャー。Uaktiとの共演らしい独特のクロスオーヴァー・サウンドを楽しめる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_B-2lxgYQZM
「Blue Girl」
Marcio Borges/Lo Borges作。Lo Borgesのヴォーカル&ギターのみの哀愁メロウ。寂しげなムードがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=T3hpo835HHE
「Te Ver」
Chico Amaral/Lelo Zaneti/Samuel Rosa作。ラストはブラジルの人気レゲエ/スカ・バンドSkankのヒット曲カヴァー。オリジナルはアルバム『Calango』(1994年)収録。ここではユルさが魅力の素敵なアコースティック・メロウで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=oZecnZhDslw
他のLo Borges作品もチェックを!
Milton Nascimento & Lo Borges『Clube Da Esquina』(1972年)
『Lo Borges』(1972年)
『A Via Lactea』(1979年)
Os Borges『Os Borges』(1980年)
『Nuvem Cigana』(1981年)
『Sonho Real』(1984年)
『Feira Moderna』(2001年)
『Um Dia e Meio』(2003年)
『Bhanda』(2006年)
『Harmonia』(2008年)
『Rio da lua』(2019年)
『Dinamo』(2020年)
『Muito Alem Do Fim』(2021年)