発表年:1981年
ez的ジャンル:超絶テクニック系男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :デフォルマシオン・・・
人気男性ジャズ・シンガーAl Jarreauのヒット・アルバム『Breakin' Away』(1981年)です。
ミルウォーキー生まれの超絶テクニシャン男性ジャズ・ヴォーカリストAl Jarreau(1940-2017年)の紹介は、2ndアルバム『Glow』(1976年)、『All Fly Home』(1978年)に続き3回目となります。
前回『All Fly Home』(1978年)の紹介は2016年のエントリーだったので、まだ彼が存命中でしたが、その後2017年2月に76歳で惜しくも逝去しています。
本作『Breakin' Away』(1981年)は、前作『This Time』(1980年)に続き、Jay Graydonがプロデュースしています。Jay Graydonとのタッグは、本作以降も『Jarreau』(1983年)、『High Crime』(1984年)と続くことになります。
Al Jarreauのキャリアを代表する1枚ですね。アルバムはUSアルバム・チャート第9位、同R&Bアルバム・チャート第1位の大ヒットとなり、グラミーでもBest Pop Vocal Performance, MaleとBest Jazz Vocal Performance, Maleの二冠を達成しています。
レコーディングには、Jay Graydon(g、prog)、Steve Lukather(g)、Dean Parks(g)、Tom Canning(p、el-p、syn)、David Foster(p、el-p、syn)、Michael Omartian(syn、el-p)、Michael Boddicker(prog、syn)、J. Peter Robinson(syn)、Larry Williams(syn)、George Duke(el-p)、Milcho Leviev(p)、Abraham Laboriel(b)、Neil Stubenhaus(b)、Steve Gadd(ds)、Steve Lukather(ds)、Bob Zimmitti(per)、Tom Scott(horns)、Lon Price(as)、Bill Reichenbach Jr.(tb)、Jerry Hey(flh、tp)、Chuck Findley(tp)、Richard Page(back vo)、Steve George(back vo)、Bill Champlin(back vo)等の豪華メンバーが参加しています。
このメンバーから想像できるように、AOR方面からの再評価も高い1枚ですね。
ヒット曲「We're in This Love Together」をはじめ、フリーソウルな「Closer to Your Love」、Pagesコンビがソングライティング&バック・ヴォーカルのAOR「My Old Friend」、ラテン・フレイヴァーのクロスオーヴァー「Easy」、シングルにもなったメロウ・バラード「Teach Me Tonight」が僕のおススメです。
それ以外にもAORバラード「Our Love」、シングルにもなったタイトル曲「Breakin' Away」、Jarreauらしい語り口の「Roof Garden」、グラミーの>Best Jazz Vocal Performance, Maleを獲得した「(Round, Round, Round) Blue Rondo a la Turk」という充実の全9曲です。
ポップ/R&B/ジャズの3フィールドを包み込む全盛期のAl Jarreauを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Closer to Your Love」
Jay Graydon作。爽快に疾走するフリーソウルなオープニング。本作の適度にポップなクロスオーヴァー・サウンドとJarreauの軽妙なヴォーカルがフィットしていますね。僕の一番のお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=a-QaFbRFYb8
「My Old Friend」
John Lang/Steve George/Richard Page作。Pagesコンビがソングライティング&バック・ヴォーカルということでAORなメロウ・ミディアムに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=AB89MQpJbDo
「We're in This Love Together」
Roger Murrah/Keith Stegall作。USチャート第15位、同R&Bチャート第6位となったヒット・シングル。ハート・ウォーミングなジェントル・メロウ・ポップ。大きな愛に包まれましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=otVH5cv9z1A
George Nooks、Bob Hinz、Allen & Allen、Bitty McLean、Andrew Suvalsky、Johnny Mathis feat. Dave Koz、Pierre Perpall、Boonie "J"がカヴァーしています。
George Nooks「We're in This Love Together」
https://www.youtube.com/watch?v=eHShrzu8rVk
Bob Hinz「We're in This Love Together」
https://www.youtube.com/watch?v=5cNAiN0rHHM
Allen & Allen「We're in This Love Together」
https://www.youtube.com/watch?v=5e3tyz6Nj8w
Bitty McLean「We're in This Love Together」
https://www.youtube.com/watch?v=o5CMhEVkWXE
Andrew Suvalsky「We're in This Love Together」
https://www.youtube.com/watch?v=SLpOvBAAZNQ
Johnny Mathis feat. Dave Koz「We're in This Love Together」
https://www.youtube.com/watch?v=NXcnFXkHjHM
Pierre Perpall「We're in This Love Together」
https://www.youtube.com/watch?v=Q2pPqt1YPAw
「Easy」
Jay Graydon作。Jarreauらしいヴォーカル・テクニックを織り交ぜつつ、ラテン・フレイヴァーのコンテンポラリーなクロスオーヴァー・サウンドで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=3ln4vZJz1HM
「Our Love」
Jay Graydon作。AOR好きもグッとくるであろうオーセンティックな感動バラード。Jarreauのジェントルな魅力を堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=V3gLpiqOxX8
「Breakin' Away」
Jay Graydon作。タイトル曲はアルバムからの2ndシングルにもなりました。本作らしい適度にポップなクロスオーヴァー・サウンドをバックに、Jarreauがハイトーン・ヴォーカルで優しく歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=aZ67bpvH3_U
「Roof Garden」
Jay Graydon作。Jarreauらしい語り口のジャズ・ヴォーカルを楽しめるクロスオーヴァー・チューン。洗練されたバッキングもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=AD7PQySHAZc
Onder Bilge、Take 6、Chris Walkerがカヴァーしています。
Onder Bilge「Roof Garden」
https://www.youtube.com/watch?v=thePVaz9jhE
Take 6「Roof Garden」
https://www.youtube.com/watch?v=p3Avg13fCUc
Chris Walker「Roof Garden」
https://www.youtube.com/watch?v=Isk0HBO2CUM
「(Round, Round, Round) Blue Rondo a la Turk」
Dave Brubeck作のジャズ・スタンダードをカヴァー。グラミーの>Best Jazz Vocal Performance, Maleを獲得した彼ならではの超絶ジャズ・ヴォーカルを存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=ArXmVGR4hhU
Nas feat. Al Jarreau and Keyon Harrold「Jarreau of Rap (Skatt Attack)」のサンプリング・ソースとなっています。
Nas feat. Al Jarreau and Keyon Harrold「Jarreau of Rap (Skatt Attack)」
https://www.youtube.com/watch?v=8BEwNkGYkMM
「Teach Me Tonight」
Gene De Paul/Sammy Cahn作のスタンダードをカヴァー。当ブログではElsie Bianchi Trio、Laurindo Almeida & The Bossa Nova Allstarsのカヴァーを紹介済みです。アルバムからの3rdシングルにもなりました。しっとりとしたメロウ・バラードでアルバムを締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BdQC59WYfYM
Al Jarreauの他作品もチェックを!
『We Got By』(1975年)
『Glow』(1976年)
『Look to the Rainbow』(1977年)
『All Fly Home』(1978年)
『This Time』(1980年)
『Jarreau』(1983年)
『High Crime』(1984年)
『L is for Lover』(1986年)
『Heart's Horizon』(1988年)
『Heaven and Earth』(1992年)
『Tomorrow Today』(2000年)
『All I Got』(2002年)
『Accentuate the Positive 』(2004年)
George Benson & Al Jarreau『Givin It Up』(2006年)
『My Old Friend: Celebrating Geo』(2014年)