発表年:2007年
ez的ジャンル:ブラジル新世代ビッグバンド
気分は... :ノスタルジックで新しい!
今回はブラジル新世代ミュージシャンらによるビッグ・バンド・ユニットOrquestra Imperialの1stアルバム『Carnaval So No Ano Que Vem』(2007年)です。
Orquestra Imperialは古いサンバのカヴァーを演奏するガフェイラ・オーケストラとして2002年から活動開始。ライヴ活動を重ねるうちに、オリジナル作品を作るようになり、2007年に1stアルバム『Carnaval So No Ano Que Vem』、2012年に2ndアルバム『Fazendo As Pazes Com O Swing』をリリースしています。
第一弾となる本作『Carnaval So No Ano Que Vem』におけるメンバーは、Moreno Veloso(per、vo)、 Domenico Lancellotti(ds)、Kassin(b)、Pedro Sa(g)、Stephane Sanjuan(per)、Berna Ceppas(syn、per)、Nina Becker(vo)、Thalma de Freitas(vo)、Rodrigo Amarante(vo)、Max Sette(tp、flh)、Rubinho Jacobina(ley)、Nelson Jacobina(g)、Bartolo(g)、Felipe Pinaud(fl)、Bidu Cordeiro(tb)、Mauro Zacharias(tb)、Leo Monteiro(per)、Cesar Farias(per)、Wilson das Neves(per、vo)という19名。
まず+ 2ユニットで知られるMoreno Veloso、 Domenico Lancellotti、Kassinというブラジル新世代を代表するミュージシャン3名が揃って参加しているのが目を引きます。
それ以外にCaetano Velosoとの活動やJTNC方面からも注目されたギタリストPedro Sa、Domenicoらと多国籍ユニット
Os Ritmistasを結成し、本作と同じ2007年にアルバム『Os Ritmistas』をリリースしたStephane Sanjuan、ブラジル音楽シーンの重鎮ドラマーWilson das Neves等注目のミュージシャンが参加しています。
プロデュースはKassin、Berna Ceppas、 Mario Caldato Jr.。
アルバムは全15曲。オリジナルが11曲、カヴァー4曲という構成です。
伝統的なブラジル音楽と現代のブラジル音楽、さらにはラテンのエッセンスまで取り入れた多様なサウンドで楽しませてくれます。
ノスタルジックとモダンをうまく両立させたブラジル音楽の真髄を満喫できる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Me Deixa Em Paz」
Ayrton Amorim/Monsueto作。名盤Milton Nascimento & Lo Borges『Clube Da Esquina』(1972年)収録曲としてお馴染みの楽曲のカヴァーがオープニング。Ivan Lins作品にも同じタイトルがありますが同名異曲です。ここではNina Beckerがヴォーカルをとります。ノスタルジックな香りを漂わせたダイナミックな演奏のサンバを楽しめます。Nina Beckerの華のあるヴォーカルもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6BTH4wbEeNs
「Sem Compromisso」
Chico Buarque、Tania Mariaも取り上げたGeraldo Pereira/Nelson Trigueiro作品をカヴァー。ここでのヴォーカルはMoreno Veloso。少しノスタルジックで小気味よいサンバ演奏とMoreno Velosoの父Caetano Veloso譲りの線の細いヴォーカルがよくフィットしています。
「Obsessao」
Milton de Oliveira/Mirabeau作のサンバ名曲をカヴァー。オリジナルは1956年のJorge Veiga E Carmen Costaヴァージョン。ここではRodrigo Amaranteがヴォーカル。ブラジルのロック・バンドLos Hermanosの元メンバーであるRodrigo Amaranteの少ししゃがれたヴォーカルが、洗練されたメロウ・サンバにフィットしています。Max Setteがトランペット・ソロで盛り上げてくれます。
「Nao Foi Em Vao」
Thalma de Freitas作/ヴォーカル。Thalma de Freitasの艶やかなヴォーカルに魅せられる哀愁メロウ・サンバ。初期Maria Ritaがお好きな人ならば気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Q9XACPsuO6U
「Erecao」
Max Sette/Domenico Lancellotti/Nina Becker/Pedro Sa/Rubinho Jacobina/Sandra De Sa作。
ヴォーカルは Max Sette。洗練されたモダン・ジャズ・サンバ。オーセンティックな雰囲気にエレクトロニクスなアクセントを加えるあたりがブラジル新世代らしいのでは?Bidu Cordeiroのトロンボーン・ソロがいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=oggt73ZCVYQ
「Salamaleque」
Rubinho Jacobina/Max Sette作。ヴォーカルは Max Sette。テンポの良い哀愁サンバ。ノスタルジックな味わいがいいですね。
「O Mar E O Ar」
Domenico Lancellotti/Kassin/Rodrigo Amarante作。ヴォーカルはRodrigo Amarante。開放的なサウンドと少しレイジーなRodrigoのヴォーカルの組み合わせがグッド!真夏の昼寝モードにピッタリな1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=SGIiwXPFfbk
「Jardim De Ala」
Moreno Veloso/Quito Ribeiro作。ヴォーカルはMoreno Veloso。ここでも父Caetano譲りの線の細いMoreno oのヴォーカルが引き立つ、素敵なメロウ・ボッサに仕上がっています。
「Rue De Mes Souvenirs」
Wilson das Neves/Stephane Sanjuan作。ヴォーカルはThalma de Freitas。Thalma de Freitasの妖艶なヴォーカルに魅了される素敵なメロウ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=X5_D7EnGQF8
「Era Bom」
Max Sette/Wilson das Neves作/ヴォーカル。味わいのあるメロウ・サンバ。ビール片手に寛ぎながら聴きたい演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=6_A5jr7WyOg
「Iara Iarucha」
Nelson Jacobina/Tavinho Paes作。ヴォーカルはRodrigo Amarante。海辺の鳥の鳴き声と共に始まります。寛いだラテン・モードの演奏はアルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=033GiSYL-l8
「Ela Rebola」
Jorge Mautner/Nelson Jacobina作。ヴォーカルはMoreno Veloso。前曲に続き、ラテン・サウンドで楽しませてくれます。
「Supermercado Do Amor」
Bartolo/Jorge Mautner作。ヴォーカルはNina Becker。次世代ミュージシャンらしい遊び心のあるサウンドで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=G_fqMaLGnTs
「Popcorn」
1972年にHot ButterがUSチャートやUKチャートでTop10ヒットさせたGershon-Kingsley作の有名曲をカヴァー。Marlon Setteのトロンボーン・ソロ、 Bartoloのギター・ソロを交えた新世代ビッグ・バンドらしいダイナミックな演奏を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=B3fvi6T7XOQ
「De Um Amor Em Paz」
国内盤ボーナス・トラック。Domenico Lancellotti/Delcio Carvalho作。ヴォーカルはNina Becker。ミステリアスで妖艶な哀愁バラードは本編にない雰囲気です。
ご興味がある方は2nd『Fazendo As Pazes Com O Swing』(2012年)もチェックを!
『Fazendo As Pazes Com O Swing』(2012年)