発表年:2003年
ez的ジャンル:次世代ブラジル音楽
気分は... :Subaが残したもの・・・
今回は2000年代以降の次世代ブラジル音楽作品からKatia B『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』(2003年)です。
Katia B(本名:Katia Bronstein)は1965年リオ・デジャネイロ生まれの女性シンガー。
これまで『Katia B』(2000年)、『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』(2003年)、『Espacial』(2007年)、『Pra Mim Voce e Lindo』(2012年)という4枚のアルバムをリリースしています。
僕が本作Katia Bに興味を持ったのは、彼女がBebel Gilberto『Tanto Tempo』のプロデュースで知られる鬼才プロデューサーSubaと関係の深いアーティストだったからです。
ブラジル音楽ファンはご存知の通り、1999年にSubaは自宅火災で急死してしまいます。そんなSubaの生前唯一のアルバム『Sao Paulo Confessions』(1999年)にKatia Bは参加し、彼の死後にリリースされた追悼アルバム『Tributo』(2002年)にも参加しています。また、デビュー・アルバム『Katia B』(2000年)は生前のSubaがミックスを手掛けています。
2ndアルバムとなる本作『So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode』(2003年)は、
BiD、ブラジルのパンデイロ・マスター/トップ・パーカッショニストのMarcos Suzano、Marcos Cunha、Plinio Profeta、Sacha Amback、JR Tostoi等がプロデュースしています。
また、ブラジルの至宝、偉大な音楽家Egberto Gismonti、後に『Sem Nostalgia』(2009年)でブラジル音楽シーンに大きなインパクトを与えるLucas Santtana等がフィーチャリングされています。
アルバム全体としては、少し気怠いの雰囲気の次世代ブラジル音楽を楽しめます。
ここにSubaは居ませんが、Subaがいるかのように感じるサウンドを楽しめるはずです。
真夏の寝苦しい夜に、レイジーな女性ヴォーカルが涼となるのでは?
全曲紹介しときやす。
「So Deixo Meu Coracao Na Mao De Quem Pode」
Marcos Cunha/Plinio Profetaプロデュース。Fausto Fawcettをフィーチャー。エレクトロニカと生音を演奏をうまく融合させた哀愁グルーヴがオープニング。少し気怠いKatia Bのヴォーカルがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZX_UGum0s-Y
「Outra Estacao」
Plinio Profetaプロデュース。少しアンニュイな雰囲気にグッとくる哀愁メロウ・グルーヴ。ここでも次世代ブラジル音楽らしいサウンド・センスを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=lQdDaRXyU6w
「Are You Sleeping?」
Subaの未完作品にKatia Bが歌詞をつけたもの。オリジナルはボーナス・トラックに収録されています。本ヴァージョンはEgberto Gismontiのピアノをフィーチャーした別ヴァージョン。Gismontiの美しいピアノが映える仕上がりです。Sacha Amback/Marcos Suzanoプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=OtriLqye84w
「Segredo」
Suba『Sao Paulo Confessions』(1999年)に収録されていたKatia BとSubaの共作曲のセルフ・カヴァー。Marcos Cunha/Plinio Profeta/JR Tostoiプロデュース。パーカッシヴでフューチャリスティックな次世代ブラジル音楽らしい1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=z8o4Ir2nDoo
「Descontrole」
JR Tostoiをフィーチャー。BiDプロデュース。少し寂しげな哀愁チューン。ここでもさり気ないエレクトロニカのエッセンスがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=qGAoe_6iiQc
「Tanto Faz Para O Amor」
Lucas Santtanaをフィーチャー。Marcos Cunha/Plinio Profetaプロデュース。『Sem Nostalgia』(2009年)を予感させるフューチャリスティックなトラックは僕好み。少し気怠いKatia Bのヴォーカルが映えます。
https://www.youtube.com/watch?v=hWzEWkDWDgE
「Parece Mentira」
Sacha Amback/Marcos Suzanoプロデュース。フューチャリスティックでエレクトロニカなサウダージ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=3k4t4StHF-4
「Ultimo A Saber」
ブラジリアン・ロック・バンドOs Paralamas Do Sucessoのドラマーとして知られるJoao Baroneをフィーチャー。BiDプロデュース。少しミステリアスでレイジーな仕上がり。聴いていると、いつの間にか迷宮を彷徨っています。
https://www.youtube.com/watch?v=UnYsaeDte5g
「One More Shot」
男性シンガーSuplaをフィーチャー。Marcos Cunhaプロデュース。本編ラストは次世代メロウ・ボッサで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TIiFHSSznJ0
「Are You Sleeping? (Suba Tribute Version)」
CDボーナス・トラックその1。BiD/Lunaプロデュース。「Are You Sleeping?」のオリジナル・ヴァージョン。Subaの追悼アルバム『Tributo』に収録されていたヴァージョンです。Subaらしいフューチャリスティックな雰囲気を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=n0mULSFAyW0
「Copo Vazio」
CDボーナス・トラックその2。1st『Katia B』収録曲のライヴ・ヴァージョンです。ライヴならではの雰囲気でレイジーなKatia Bワールドを楽しめます。
『Katia B』(2000年)
『Espacial』(2007年)
『Pra Mim Voce e Lindo』(2012年)