発表年:1967年
ez的ジャンル:悲運のソウル・シンガー
気分は... :ノーザン・ダンサー!
今回は悲運のソウル・シンガーDarrell Banksのデビュー・アルバム『Darrell Banks Is Here!』(1967年)です。
警官との銃撃戦となり、悲劇的な最期を遂げた悲運のソウル・シンガーDarrell Banks(1937-1970年)の紹介は、2ndアルバム『Here To Stay』(1969年)に続き2回目となります。
デビュー・アルバムとなる本作『Darrell Banks Is Here!』(1967年)は、ノーザン・ソウル名盤として再評価が高い1枚です。
実際にはRevilot Recordsからの2枚のシングルA/B面というデトロイト録音4曲と、ATCO Recordsからの2枚のシングルA/B面4曲+2曲というN.Y.録音6曲から構成されています。
プロデュースはDon Davis。
やはり、ヒットしたデビュー・シングル「Open The Door To Your Heart」をはじめとする、Revilot時代のノーザン・ダンサー4曲に本作の魅力が凝縮されています。
N.Y.録音6曲の中では、ノーザン・ダンサー調の「Angel Baby (Don't You Ever Leave Me)」、漆黒のファンキー・グルーヴ「I've Got That Feelin'」、ディープなソウル・バラード「I'm Gonna Hang My Head And Cry」あたりが僕好み。
軽快なノーザン・ダンサーとディープなソウル・バラード。
Darrell Banksの魅力を存分に堪能できるデビュー・アルバムです。
全曲紹介しときやす。
「Here Come The Tears」
Gerald Sims作。Gene Chandler、1965年のシングルをカヴァー。ATCOからシングル・リリースされました。雰囲気たっぷりに歌い上げるソウル・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Fmgyn2Bf94w
「I've Got That Feelin'」
Gene Redd/Jimmy Crosby/Rosemarie McCoy作。シングル「Here Come The Tears」のB面曲。漆黒のファンキー・サウンドを堪能できる1曲。イケイケになりすぎない抑えたトーンが逆にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=07dVSAnVYvw
「I'm Gonna Hang My Head And Cry」
Donald Bell/Cleveland Horn/Rosemarie McCoy/Gene Redd作。ディープなソウル・バラード。Darrellの濃厚ヴォーカルを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=cvv__JPQVvo
「Look Into The Eyes Of A Fool」
Gene Redd/Cleveland Horn/Donald Bell作。シングル「Angel Baby (Don't You Ever Leave Me)」のB面曲。少しテンポを落としたミディアム・グルーヴでDarrellの味わい深いヴォーカルを楽しめるようになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ie6zX0yaEF0
「Our Love (Is In The Pocket)」
George Clinton/Rosemarie McCoy作。シングル「Open The Door To Your Heart」のB面曲。作者にP-Funk軍団の総帥George Clintonの名がクレジットされている点で興味深いですね。George Clintonのイメージとかけ離れた、ビートの効いた軽快なノーザン・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=gJ7BZZsRRi8
J.J. Barnesがカヴァーしています。
J.J. Barnes「Our Love (Is In The Pocket)」
https://www.youtube.com/watch?v=Wq1Igdv9AYs
「Open The Door To Your Heart」
Darrell Banks作。1966年にリリースされた、Revilotからのデビュー・シングル。前述のようにUSチャート第27位、同R&Bチャート第2位のヒットとなりました。ノーザン・ダンサー・クラシックとして人気の1曲。実にキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=8t9Y-YNxOy4
The Capitols、Jackie Wilson、Gloria Lynne、Tyrone Davis、Gregory Isaacs、Betty Wrightがカヴァーしています。
The Capitols「Open The Door To Your Heart」
https://www.youtube.com/watch?v=ZwcJP6dFQzc
Jackie Wilson「Open The Door To Your Heart」
https://www.youtube.com/watch?v=7d8nglHHJ9s
Gloria Lynne「Open The Door To Your Heart」
https://www.youtube.com/watch?v=7_iYh8UJiZI
Tyrone Davis「Open The Door To Your Heart」
https://www.youtube.com/watch?v=z3Sys6lJkg0
Gregory Isaacs「Open The Door To Your Heart」
https://www.youtube.com/watch?v=_UJveBQPZc0
Betty Wright「Open The Door To Your Heart」
https://www.youtube.com/watch?v=uSAvcOnTv0I
「Angel Baby (Don't You Ever Leave Me)」
Sylvia Moy/Henry Cosby作。ATCOからシングル・リリースされました。Revilot時代を受け継ぐようなビートの効いた軽快なソウル・ダンサーに仕上がっています。聴いた途端に心躍らせるキャッチーさがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=6lZNJawjP6A
「Somebody (Somewhere Needs You)」
Frank Wilson/Marc Gordon作。Revilotからの2ndシングル。USチャート第34位、同R&Bチャート第50位となっています。「Open The Door To Your Heart」同様、キャッチーなノーザン・ダンサーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4UQgmta7ECU
「Baby What'cha Got (For Me)」
Charles Hatcher(Edwin Starr)/J. J. Barnes作。シングル「Somebody (Somewhere Needs You)」のB面曲。ファンキーなノーザン・ダンサーな僕好み。女性コーラス隊もいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=Yx9cFZApeE4
「You Better Go」
Teddy Randazzo/Lou Stallman/Bob Weinstein作。ラストは抑えたトーンのソウル・バラードで味わい深く締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=v3HD7Hctsiw
『Here To Stay』(1969年)