発表年:1978年
ez的ジャンル:ポップ・ロック系AOR
気分は... :大穴AOR!
今回は隠れたAOR名盤として評価の高い1枚、Jerry Corbetta『Jerry Corbetta』(1978年)です。
Jerry Corbetta(1947-2016年)は、デンバー出身のキーボード奏者/シンガー/ソングライター。
1968年にロック・バンドSugarloafを結成。デビュー・アルバム『Sugarloaf』(1970年)からのシングル「Green-Eyed Lady」がUSチャート第3位の大ヒットとなります。さらに1975年にはシングル「Don't Call Us,We'll Call You」がUSチャート第9位となりますが、グループは解散してしまいます。
Sugarloaf解散後、Corbettaはソロ活動を開始し、1976年にはシングル「You Set My Dreams To Music」をリリースしています。1977年にはWarner Brosとの契約に成功し、制作されたのが本作『Jerry Corbetta』(1978年)です。
プロデュースはSteve Barri。Jerry Corbettaが共同プロデュースでクレジットされている曲もあります。
レコーディングにはJerry Corbetta(vo、key)以下、Jay Graydon(g)、Bob Webber(g)、Mike Porcaro(b)、(g)、Rusty Buchanan(b)、Myron Pollock(ds)、Mike Baird(ds)、Michael Omartian(syn)、Victor Feldman(per、vibe)、Chet McCracken(per)、Chuck Findley(tp、horns)、Ernie Watts(fl、horns)、Gary Grant(horns)、Bill Champlin(back vo)、Cindy Bullens(back vo)、Venette Gloud(back vo)等が参加しています。
Jay Graydonはアレンジも手掛けています。
それまでロック・バンドで活動していたCorbettaですが、本作で彼が目指したのはBilly Joelスタイル。実際に聴いてみると、あまりBilly Joel感はありませんが、結果として、ポップなAOR/シティ・ソウル作品に仕上がりました。
シングルにもなったシティ・ソウル「Sensitive Soul」、アーバン・メロウな「Caribbean Lady」、Alessiもカヴァーした「I Wish I Was Makin' Love (To You Tonight)」、メロウ&ソフトリーな「Celebrate Our Love」、ブルーアイド・ソウルなメロウ・ダンサー「Between A Rock And A Hard Place」が僕のおススメです。
また、Sugarloafの大ヒット曲のセルフ・カヴァー「Green-Eyed Lady」にも注目です。
本作『Jerry Corbetta』を経て、Corbettaは1979年にThe Four Seasonsに加入。1985年まで在籍していました。
AOR/シティ・ソウル好きの人はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Sensitive Soul」
Bob Crewe/Jerry Corbetta作。シングルにもなったオープニング。まさにセンシティヴなシティ・ソウルに仕上がっています。本作の魅力が凝縮された1曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=-js5wJaE8Ds
「If I Never Had Your Love」
Bob Crewe/Jerry Corbetta作。メロウなポップ・バラード。さり気ないですがJay Graydonのギターもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=wW4MVE3OMEA
「I'm A Lover, Not A Fighter」
Jerry Corbetta/Sky Keegan作。ソウルフルな女性コーラス隊がいい感じのメロウ・ミディアム。都会的なサウンドが似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=h0f2EU3sqFY
「Caribbean Lady」
Jerry Corbetta/Robert Yeazel作。ブルーアイド・ソウルな魅力のあるアーバン・メロウ。Victor Feldmanのメロウ・ヴァイヴの音色がグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=OdtAXLLPNpM
「Free Man」
Jerry Corbetta/Robert Yeazel作。SSW的なポップ・ロック。ロック色を強くしすぎないさじ加減が本作らしいのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=Im6Peqwht10
「I Wish I Was Makin' Love (To You Tonight)」
Jerry Corbetta/Molly Ann Leikin作。Alessiも『Words & Music』(1979年)でカヴァーしたメロウ・ミディアム。Jay Graydonが格好良いギター・ソロをキメてくれます。AOR好きの人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=jg-lWsdPBsQ
「Green-Eyed Lady」
前述のSugarloafの大ヒット曲をセルフ・カヴァー(David Riordan/J.C. Phillips/Jerry Corbetta作)。Bob Webber、Rusty Buchanan、Myron PollockというSugarloaf時代の同僚たちがバックを務めます。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、本作らしいポップ・ロック感覚で聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NZknmDFscCk
Sugarloafとのオリジナルと比較するのも楽しいのでは?
Sugarloaf「Green-Eyed Lady」
https://www.youtube.com/watch?v=i_i7PKdQJU4
「Celebrate Our Love」
Jerry Corbetta/Molly Ann Leikin作。AOR好きの人は気に入るであろう、メロウ&ソフトリーな仕上がり。浜辺のサンセット・モードにジャスト・フィットするはず!
https://www.youtube.com/watch?v=5kUXGtrB9mE
「Between A Rock And A Hard Place」
Bob Crewe/Jerry Corbetta作。ラストはブルーアイド・ソウルなメロウ・ダンサーで締め括ってくれます。ラテンなスパイスも含めてモロに僕好みの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=4wY_mNBScSc
ご興味がある方はSugarloafの作品もチェックしてみては?
Sugarloaf『Sugarloaf/Spaceship Earth』(1970/1971年)
Sugarloaf『Don't Call Us - We'll Call You』(1975年)