2021年08月14日

Cal Tjader『Soul Burst』

レア・グルーヴ人気作☆Cal Tjader『Soul Burst』

発表年:1966年
ez的ジャンル:ヴァイヴ系クール・ラテン・ジャズ
気分は... :9年ぶり!失礼しました・・・

今回は人気ヴァイブ奏者Cal Tjader(1925-1982年)の『Soul Burst』(1966年)です。

これまで紹介したCal Tjader作品は以下の5枚。

 『Soul Sauce』(1968年)
 『The Prophet』(1968年)
 『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)
 Cal Tjader & Charlie Byrd『Tambu』(1974年)
 『Amazonas』(1976年)

Cal Tjaderはコンスタントに紹介してきたつもりですが、前回紹介したのが2012年、ロンドン五輪の前だったので約9年ぶりです。時が経つのはあっという間ですね。

さて、Verveからリリースされた本作『Soul Burst』(1966年)は『Rare Groove A to Z』にも掲載された再評価の高い作品です。

プロデュースはCreed Taylor

Cal Tjader(vibe、cabasa、cymbals)、Chick Corea(p)、Attila Zoller(g)、Richard Davis(b)、Bobby Rodriguez(b)、Grady Tate(ds)、Carlos "Patato" Valde(congas、vo)、Jose Mangual(timbales、bongos)、Victor Pantoja(per)、Jerome Richardson(fl)、Jerry Dodgion(fl)、Seldon Powell(fl)がレコーディングに参加しています。

Chick CoreaOliver Nelsonがアレンジャーを務めています。

レア・グルーヴとして、再評価が高いのは「Descarga Cubana」「Oran」「Cuchy Frito Man」「Manteca」の4曲。

The Pharcyde「Groupie Therapy」のサンプリング・ソースとして知られる「The Bilbao Song」、クールなラテン・ジャズ「Soul Burst(Guajera)」Joao Donato作品のカヴァー「It Didn't End(Nao Se Acabou)」あたりも要チェックです。

レア・グルーヴ人気作に相応しい1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Cuchy Frito Man」
Ray Rivera/Vin Roddie作。Tjaderのヴァイヴが映える洗練されたグルーヴィー・ブーガルーがオープニング。スパニッシュ・ヴォーカルのアクセントもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=t2QQBrCOGwE

「Descarga Cubana」
Osvaldo Estivill作。スリリングなラテン・パーカッションに、Chick Coreaのモーダルなピアノ、軽やかなフルートが絡むグルーヴィー・デスカルガ。文句なしに格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=xCn1swHdFKQ

Legion of D.U.M.E.「Son's of Sam」のサンプリング・ソースとなっています。
Legion of D.U.M.E.「Son's of Sam」
 https://www.youtube.com/watch?v=J6p415FZ4Rw

「Soul Burst(Guajera)」
Cal Tjader作。タイトル曲はパーカッションを効かせつつも、落ち着いた雰囲気のクールなラテン・ジャズに仕上がっています。Tjaderのヴァイヴ、Chick Coreaのピアノのエレガントな響きがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=EqEb28KI_tw

「The Bilbao Song」
Bertolt Brecht/Kurt Weill作。本作の中では異彩を放つミステリアスなバラード。時空を飛び越えて不思議な迷宮に入り込んだような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=ZxgcZq-h5ro

The Pharcyde「Groupie Therapy」、D.I.T.C. feat. Sadat X and Grand Puba「I Flip Styles」、Dr. Who Dat?「Beat Rock」のサンプリング・ソースとなっています。
The Pharcyde「Groupie Therapy」
 https://www.youtube.com/watch?v=PhcZWsjZUis
D.I.T.C. feat. Sadat X and Grand Puba「I Flip Styles」
 https://www.youtube.com/watch?v=DTPCEpVpe3U
Dr. Who Dat?「Beat Rock」
 https://www.youtube.com/watch?v=6JHGm7dWJEk

「Manteca」
Dizzy Gillespieのアフロ・キューバン・ジャズ名曲をカヴァー(Dizzy Gillespie/Chano Pozo/Gil Fuller作)。当ブログではRay TerraceQuincy Jonesのカヴァーを紹介済みです。ここではアフロ・キューバン・ジャズ名曲をブーガルー調のグルーヴィー&スリリングなカヴァーで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MTHihjUfERU

「It Didn't End(Nao Se Acabou)」
Joao Donato作品のカヴァー。オリジナルは『The New Sound of Brazil』(1965年)収録。
The Dust Brothers「Hessel, Raymond K.」のサンプリング・ソースとなっています。ラテン・パーカッション、フルート、Tjaderのヴァイヴ、Chick Coreaのピアノが一体となったモーダルなラテン・ジャズといった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PXWdGjjRkCY

「My Ship」
ブロードウェイ・ミュージカル『Lady in the Dark』(1941年)のために書かれた楽曲をカヴァー(Ira Gershwin/Kurt Weill作)。当ブログではAlice BabsJacky Terrasson & Cassandra Wilsonのカヴァーも紹介済みです。ここではポピュラー・スタンダードをフルートとヴァイヴが良く似合うソフトリーなラテン・ジャズで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Mwusdg4YkJw

「Morning」
Clare Fischer作。Chick Coreaの雰囲気のあるピアノがグッドなラウンジ・ラテン・ジャズで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=xNJJ-dnJByQ

INI feat. Pete Rock「No More Words」、Starving Artists Crew「Feed the Homeless」のサンプリング・ソースとなっています。
INI feat. Pete Rock「No More Words」
 https://www.youtube.com/watch?v=o6vt6q8DsXc
Starving Artists Crew「Feed the Homeless」
 https://www.youtube.com/watch?v=eFX65K4YAkY

「Oran」
Chick Corea作。スリリング&グルーヴィーな疾走感がたまらないデスカルガ。ここでも軽やかなTjaderのヴァイヴとモーダルなChick Coreaの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=8lpm-140Dt8

「Curacao」
Cal Tjader作。ラストは本作らしいモーダル&クールなラテン・ジャズで締め括ってくれます。ジャズとラテンのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=PAOJIuREvDc

Madlib「Rapper X Radio」等のサンプリング・ソースとなっています。
Madlib「Rapper X Radio」
 https://www.youtube.com/watch?v=XEyHcs8jiBw

Cal Tjaderの過去記事のご参照下さい。

『Soul Sauce』(1964年)
Soul Sauce

『The Prophet』(1968年)
ザ・プロフェット

『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)
サウンズ・アウト・バート・バカラック(紙ジャケット仕様)

Cal Tjader & Charlie Byrd『Tambu』(1974年)
Tambu

『Amazonas』(1976年)
Amazonas
posted by ez at 02:37| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする