2021年08月19日

Femi Kuti『Africa For Africa』

Fela Kutiの長男、その遺志を継ぐアフロビート☆Femi Kuti『Africa For Africa』

発表年:2010年
ez的ジャンル:Fela Kuti継承者アフロビート
気分は... :アフロビートDNA!

今回はアフロビートの創始者Fela Kutiの長男、Femi Kuti『Africa For Africa』(2010年)です。

Femi KutiFela Kutiの長男として、1962年UKのロンドンで生まれました。

ちなみに以前に当ブログで紹介したSeun Kutiは、Fela Kutiの一番下の息子です。

1979年に父Fela KutiのバンドAfrica 70のメンバーとなり、その発展形であるEgypt 80ではバンド・リーダーを務めていた時期もありました。

1986年には自身のバンドPositive Forceを結成し、1989年には初の自身のリーダー作『No Cause for Alarm?』をリリースしています。

1997年のFela Kutiの死去以降は、アフロビートの継承者としての注目度も高まり、そのDNAを受け継いだあアルバムをリリースし続けています。

今年には息子Made Kutiの作品とのカップリングによる2枚組CDFemi Kuti & Made Kuti『Legacy +』をリリースしています。

本作『Africa For Africa』(2010年)は、前作『Day by Day』(2008年)から2年ぶりのアルバムとなりますが、それまでのアフロビートをアップデートさせようとするアプローチではなく、原点回帰で父Fela Kuti譲りのアグレッシヴな直球アフロビートを聴かせてくれたことで高評価を得たアルバムです。レコーディングもナイジェリアで行われました。

ジャケの雰囲気も父Fela Kutiのアルバム・ジャケを彷彿させるものであり、Femi Kutiの本作に賭ける意欲が伝わってきます。

プロデュースはデビュー当時からFemi Kuti作品に関わってきたフランス人プロデューサー/エンジニアのSodi

Fela Kutiの遺志を継ぐ"闘うアフロビート"を展開しつつ、格好良いダンスミュージックとしてのアフロビートのエッセンスをうまく強調できている点がいいですね。

アフロビートの格好良さをダイレクトに満喫できるという意味では、普段アフロビートを聴かない人の入門アルバムとしても最適だと思います。

アフロビートの継承者による王道アフロビートをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Dem Bobo」
重厚なホーン・サウンドが牽引するオープニング。ゆったりした中にも力強さが漲っているのがいいですね。70年代Fela Kutiアルバムにタイムスリップした感覚になります。
https://www.youtube.com/watch?v=GirD-VXGk5k

「Nobody Beg You」
パワー全開のアグレッシヴで扇動的なアフロビートで突っ走ります。これぞアフロビートの継承者ですね。みんなが求めているアフロビートです!
https://www.youtube.com/watch?v=oLdk1nLdJNs

「Politics In Africa」
タイトルからしてFela Kuti直系のアフロビートですね。軽快なサウンドに乗って、Femi Kutiが鋭いメッセージを突き刺します。キーボードの音色がケバケバしくなく洗練されている点のみが2010年仕様の部分かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=iCx5XrXCsIo

本作には未収録ですが、アフロ・トライバル・ハウス好きの方はTimmy Regisfordがリミックスした12"も要チェックです。

「Bad Government」
コレもFela Kutiを継承するタイトルですね。厚みのあるホーン・アンサンブル、扇動的なオルガン、躍動するビート、ストレートに政府を批判する歌詞すべてがFela Kuti譲りです。
https://www.youtube.com/watch?v=dmSnu9Wkejo

「Can't Buy Me」
アッパーかつパワフルに疾走する漆黒のアフロビート。思い切り巻き舌で叫ぶFemi Kutiのヴォーカルもいいですね。思わず拳を突き上げて、一緒に♪Can't Buy Me♪Ctan't Buy Me♪Can't Buy Me♪と叫んでしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=ai3qV039-Xw

「Africa For Africa」
タイトル曲はレゲエ調。Fela Kuti×Bob Marleyの遺志を受け継ぐいったところでしょうか。ホーン隊はしっかりアフロ・ファンクしています。
https://www.youtube.com/watch?v=QMrdPevAsmQ

「Make We Remember」
グルーヴィーなオルガンと共に始まる黒人リーダー賛歌。父Fela Kutiをはじめ、マルコムX、キング牧師、ネルソン・マンデラなどの名も登場します。
https://www.youtube.com/watch?v=upX7GQsm8b8

「Obasanjo Don Play You Wayo」
素晴らしいホーン・アンサンブルが印象的です。友に、兄弟に、姉妹に、父に、母に、娘に、妻に呼びかけます。
https://www.youtube.com/watch?v=jbfP4LQLioc

「Boys Dey Hungry For Town」
軽快に疾走するアフロビート。ベースが牽引する原点回帰らしいグルーヴを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=XngStem4QpA

「Now You See」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。ダンスミュージックとしてスリリングで格好良いアフロビートを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=aqu6iTNdkNU

「No Blame Them」
少しテンポを落としたグルーヴでヴォーカルがより際立つ演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=wDKrrGYu0QI

「Yeparipa」
キャッチーなコーラスが印象的なトラック。アフリカの窮状を切々と訴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=JZXOo17N1zw

「E No Good」
「Now You See」と並ぶ僕のお気に入り。扇動的でアッパーなアフロビートはスリリングな魅力に溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=pXcO52WXkCQ

「It Don't Mean」
ラストも軽快なアフロビートで締め括ってくれます。ダンスミュージックとしての格好良さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=YUVT33FQ5nk

Femi Kutiの他作品もチェックを!

『Femi Kuti』(1995年)


『Shoki Shoki』(1998年)


『Shoki Remixed』(2000年)


『Fight to Win』(2001年)


『Africa Shrine』(2004年)


『Day by Day』(2008年)


『No Place for My Dream』(2013年)


『One People One World』(2018年)


Femi Kuti & Made Kuti『Legacy +』(2021年)
posted by ez at 07:38| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする