2021年09月29日

Francisco Mora Catlett『Mora!』

『Mora!』、『Mora! II』の2in1CD☆Francisco Mora Catlett『Mora!』

録音年:1987年
ez的ジャンル:ラテン・スピリチュアル・ジャズ/ブラジリアン・ジャズ
気分は... :コンプリート!

今回はラテン・スピリチュアル・ジャズ作品、Francisco Mora Catlett『Mora!』です。

Francisco Mora Catlettは1947年ワシントンD.C.で生まれのメキシコ系アメリカ人ドラマー。

The Sun Ra Arkestraのメンバーとして活動し、その後デトロイトに移住。1987年には自主制作で初リーダー作『Mora!』をリリースしています。

また、Carl Craig率いるInnerzone Orchestraのメンバーにもなり、当ブログでも紹介した名盤『Programmed』(1999年)にも参加しています。

本作は『Mora!』(1987年)とその続編『Mora! II』の2枚を収めた2in1CDです。

『Mora!』(1987年)の直後にレコーディングされた『Mora! II』は、長いことお蔵入りとなっていましたが、2005年に『River Drum』としてリリースされていました。

今年、Far Out Recordingsから『Mora!』『Mora! II』がアナログ再発され、同じタイミングで今回の2in1CDもリリースされました。

ちなみに『Mora! II』のジャケはこんな感じ。

『Mora! II』(1987年) ※アナログ盤


プロデュースはFrancisco Mora Catlett自身。

Francisco Mora Catlett(ds、per)以下、Rodney Whitaker(contrabass)、Kenny Cox(p)、Sherman Mitchell(tp、fl、oboe)、John Douglass(tp)、Marcus Belgrave(tp)、Vincent Bowens(ts、fl)、Alex Harding(bs、bass clarinet)、Alberto Nacif(steel ds、per)、Emile Borde(steel ds、per)、Jerome Le Duff(berimbau、per)、Teresa Mora(vo、per)等がレコーディングに参加しています。

この2作品を象徴するラテン・スピリチュアル・ジャズ「Afra Jum」、アフロ・キューバン・リズム×スティール・ドラムな「Rumba Morena」、サンバ・ジャズな「Samba De Amor」「Samba "Conga Do Amor"」、Teresa Moraのヴォーカルをフィーチャーしたブラジリアン・ジャズ・ダンサー「Amazona」、ミステリアスなラテン・スピリチュアル「El Moro」、スティール・ドラムが映えるカリビアン・ジャズ「Old Man Joe」あたりがおススメです。

再評価の高いスピリチュアル・ジャズの異色作をぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Prelude Welcome」
ジャングルの森林をイメージさせるパーカッシヴなプレリュード。
https://www.youtube.com/watch?v=stMkIyhHBFs

「Afra Jum」
本作を象徴する12分近くのラテン・スピリチュアル・ジャズ。ソウルフルでスピリチュアルでアフロ・キューバンなジャズ・ワールドに魅了されます。UK次世代ジャズ好きの人あたりも気に入る演奏なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=I0wOp4oVJF8

「Rumba Morena」
Franciscoの妻、Teresa Moraのヴォーカルと共に始まるパーカッシヴなアフロ・キューバン。後半のアフロ・キューバン・リズム×スティール・ドラムな感じもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ST0A82cOgbU

「Five AM」
ここではラテン/アフロ・キューバンを封印し、ストレート・アヘッドなジャズを小気味よく演奏しています。Moraのパワフルなドラミングを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=WPJ4ecDyE7U

「Samba De Amor」
ビリンバウの音色とTeresa Moraのヴォーカルが妖しげな雰囲気を醸し出すイントロから一転、Airto Moreiraあたりを彷彿させるグルーヴィーなサンバ・ジャズが展開されます。クラブジャズ好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=wPqBLI2f3BI

「Cultural Warrior」
壮大なスケールを感じる、9分半近くのスピリチュアルなバラード。汎アメリカ的な歴史が刻まれたジャズ演奏といった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JuqZeSFy7z4

「Epilogue Conga "Hasta La Vista"」
コンガが鳴り響くパーカッシヴなエピローグ。
https://www.youtube.com/watch?v=vxUybZrUE5Y

ここまでが『Mora!』。これ以降が『Mora! II』

「Afra Jum」
『Mora!』にも収録されていた「Afra Jum」のパート2。ダイナミックなホーン・アンサンブルが印象的なラテン・スピリチュアル・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=3mtrDfzx_mg

「Amazona Prelude "Dawn"」
ストリングスも入った美しいスピリチュアル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=XE4ViwD8VuE

「Amazona」
Teresa Moraのヴォーカルをフィーチャーしたブラジリアン・ジャズ・ダンサー。Teresa Moraの艶やかなヴォーカルを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=sSawAZKKAmU

「Samba "Conga Do Amor"」
タイトルの通り、リズミックなサンバ・ジャズ。ブラジリアン・モードのアッパー感がいいですね。スティール・ドラムのアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=K6lQQN3TLrU

「El Moro」
ミステリアスなラテン・スピリチュアル。ミュート・トランペットの音色がフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=6bZ9uPz4ZY8

「Old Man Joe」
スティール・ドラムの音色が映える軽快なカリビアン・ジャズ。開放的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_bmXzOa6COs

「Por Que Paro」
子供の声を織り交ぜた短い即興演奏。
https://www.youtube.com/watch?v=3E2aDJnuyjM

「Afra Jum」
ラストは「Afra Jum」のパート3。躍動するスピリチュアル・ジャズといった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XDU_DfHjILs

『World Trade Music』(1998年)
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2021年09月26日

Jordan Rakei『What We Call Life』

内省的な4thアルバム☆Jordan Rakei『What We Call Life』

発表年:2021年
ez的ジャンル:次世代ネオソウル系男性シンガー・ソングライター
気分は... :これが人生というもの?

新作アルバムから注目の男性シンガー・ソングライターJordan Rakeiの最新作『What We Call Life』です。

オーストラリア、ブリスベン出身、現在はロンドンを拠点とする男性シンガー・ソングライターJordan Rakeiについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Cloak』(2016年)
 『Wallflower』(2017年)
 『Origin』(2019年)

4thアルバムとなる本作『What We Call Life』も前2作に続き、Ninja Tuneからのリリースです。

前作『Origin』では、シンギュラリティ等を懸念し、行き過ぎたテクノロジーへ警鐘を鳴らす社会メッセージ色の強い楽曲が多く収録されていまた。それに対して、本作『What We Call Life』はコロナ禍の影響が色濃く反映された内省的な作品に仕上がっています。

また、マルチ・インストゥルメンタリストである彼が、本作ではアルバム全編に渡り、バンドとの共同作業によるレコーディングを行っています。

バンドの中核メンバーは、Jim Macrae(ds)、Imraan Paleker(g)、Jonathan Harvey(b)、Chris Hyson(key)、Ernesto Marichales(per)という5名。

プロデュースはJordan Rakei自身。
楽曲はすべてJordan Rakeiとバンド・メンバーによるオリジナルです。

内省的な作品なので、派手なトラックはありませんが、アンビエントな次世代ネオソウルは胸の奥に何か響くものがあります。

秋の夜長に聴くと、胸に染み入る1枚となるのでは?

全曲紹介しときやす。

「Family」
家族への思いを歌ったオープニング。コロナ禍で母国オーストラリアに帰郷できない辛さから生まれた楽曲。ファルセットを駆使した哀愁ネオソウルです。哀愁モードながらもビートは力強いのが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=azmC2txuE5g

「Send My Love」
アンビエント感覚のエレクトリック・サウンドが心地好いポップ・チューン。ヴァイヴの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=CjFu5pMy-S8

「Illusion」
The Police「Every Little Thing She Does Is Magic」からインスパイアされた楽曲なのだとか。ヴォーカルもStingを意識しているらしいです。「Every Little Thing She Does Is Magic」っぽくはありませんが、中期以降のThe Policeのエッセンスがホンノリ感じられます。
https://www.youtube.com/watch?v=DW7A8R3uoUE

「Unguarded」
美しくも切ない内省的バラードですが、悲しき過去と向き合い、さらけ出しているのが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=NHUoS_L4caY

「Clouds」
ジョージ・フロイドの死後に世界中で巻き起こったBLM運動に触発された楽曲。Rakei自身が(ポリネシア系と白人の)混血であり、2つの肌の色の狭間で葛藤してきた彼の思いが哀愁サウンドに乗って歌われます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZR8J7UYTDLw

「What We Call Life」
彼の内なる叫びを歌にしたタイトル曲。優しく包み込みながらも、懸命に自身を鼓舞している内省チューン。聴く者の胸に深く刻まれるバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NFSi1HyE7cc

「Runaway」
救いを求めている歌ですが、その穏やかな語り口とアンビエントなサウンドを聴いていると心が落ち着きます。
https://www.youtube.com/watch?v=o25-kDKYeP4

「Wings」
美しいエレクトリック・サウンドと共に大空に飛び立つ気分になる1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=pYfhhX9cSmk

「Brace」
SF映画のサントラのような壮大な近未来サウンドが印象的なトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=GA_S0WGBfT0

「The Flood」
本編ラストは7分半近くの長尺です。哀愁モードの前半からポジティヴな雰囲気の中盤以降へと、困難を乗り越えていく様が1曲の中で表現されているように感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=WujkBBK7pPU

「The Flood (Acoustic) 」
国内盤CDボーナス・トラック。前曲「The Flood」のアコースティック・ヴァージョン。

『Cloak』(2016年)
クローク

『Wallflower』(2017年)
Wallflower [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN245)

『Origin』(2019年)
Origin [輸入盤CD] (ZENCD256)_742
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2021年09月24日

『今の気分は...Larry Levanが愛した曲たち』

過去記事からセレクトするシリーズです。
今回は伝説のDJ、Larry Levanが愛した10トラックをセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

LTG Exchange「Keep On Trying」
https://www.youtube.com/watch?v=_2yT9T4fHzE
From 『LTG Exchange』(1974年)


The Trammps「Where Do We Go From Here」
https://www.youtube.com/watch?v=yoiv5JxPq8M
From 『Trammps』(1975年)


Pockets「Come Go With Me」
https://www.youtube.com/watch?v=_goXKebueLY
From 『Come Go With Us』(1977年)
平和の使者(紙ジャケット仕様)

Sharon Ridley「Changin'」
https://www.youtube.com/watch?v=tz7cBjAAFIk
From 『Full Moon』(1978年)
フル・ムーン+1

Stephanie Mills「Put Your Body in It」
https://www.youtube.com/watch?v=Z6ARrOUBqbc
From 『What Cha Gonna Do With My Lovin'』(1979年)
ホワッチャ・ゴナ・ドゥ・ウィズ・ラヴィン

First Choice「Double Cross」
https://www.youtube.com/watch?v=qjdE2cBnrVE
From 『Hold Your Horses』(1979年)


Trussel「Love Injection」
https://www.youtube.com/watch?v=t2TD66-opMo
From 『Love Injection』(1980年)
ラヴ・インジェクション

Positive Force「We Got The Funk」
https://www.youtube.com/watch?v=-ivexujyBTc
From 『Positive Force』(1980年)
ポジティヴ・フォース<Free Soul SHM-CD Collection>

Esther Williams「I'll Be Your Pleasure」
https://www.youtube.com/watch?v=PXXfhVQzdWg
From 『Inside Of Me』(1981年)


Syreeta「Can't Shake Your Love」
https://www.youtube.com/watch?v=V0oS0ZfQW94
From 『Set My Love in Motion』(1981年)
SET MY LOVE IN MOTION (EXPANDED EDITION)
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2021年09月22日

Funkadelic『Cosmic Slop』

過渡期ならではの面白さ☆Funkadelic『Cosmic Slop』

発表年:1973年
ez的ジャンル:元祖P-Funk系ファンク/サイケデリック・ソウル
気分は... :iTunes起動不能!

Windows版iTunesを更新していまい、見事にiTunes起動不能に・・・
アンインストールしてダウングレードしようと思いますが、今はそんなことに時間割く暇もないので、今日はiTunesなしで過ごします。

George Clinton率いるP-Funk軍団Funkadelicの5thアルバム『Cosmic Slop』(1973年)です。

これまで当ブログで紹介してきたFunkadelic/Parliament作品は以下の9枚。

 Parliament『Chocolate City』(1975年)
 Parliament『Mothership Connection』(1975年)
 Parliament『The Clones Of Dr. Funkenstein』(1976年)
 Parliament『Funkentelechy Vs. The Placebo Syndrome』(1977年)
 Parliament『Trombipulation』(1980年)
 Funkadelic『Free Your Mind... And Your Ass Will Follow』(1970年)
 Funkadelic『Maggot Brain』(1971年)
 Funkadelic『Let's Take It to the Stage』(1975年)
 Funkadelic『One Nation Under A Groove』(1978年)
 Funkadelic『Uncle Jam Wants You』(1979年)

5thアルバムとなる本作『Cosmic Slop』(1973年)は、初期からP-Funk全盛期へ突入する過渡期の作品であり、Funkadelic/Parliament作品の中でも見過ごされやすい1枚かもしれませんね。

しかしながら、派手さはなくともFunkadelicらしさや、その後のP-Funk全盛を予感させるトラックもあり、Funkadelic/Parliament好きならば楽しめる1枚に仕上がっています。

プロデュースはGeorge Clinton

George Clinton(vo)、Bernard Worrell(key、melodica、strings)、Eddie Hazel(g)、Garry Shider(g、vo)、Ray Davis(vo)、Cordell "Boogie" Mosson(b)、Ron Bykowski(g)、Tyrone Lampkin(per)、Tiki Fulwood(ds)、Ben Edwards(vo)、
Mallia Franklin(vo)、Debbie Wright(vo)、Geezer McGee (ds)等がレコーディングに参加しています。

後のParliament作品を予感させる「Nappy Dugout」「You Can't Miss What You Can't Measure」、ベトナム戦争の後遺症を歌った哀愁チューン「March to the Witch's Castle」、哀愁ロック・チューン「Let's Make It Last」、サイケでトリッピーなロウ・ファンク「Cosmic Slop」あたりがおススメです。

Pedro Bellが手掛けたコズミック・ジャケもサイコーです。

全曲を紹介しときやす。

「Nappy Dugout」
George Clinton/Cordell Mosson/Garry Shider作。本作のハイライトとなるオープニング。ファンキーなリフがクセになる1曲。後のParliament作品を予感させるトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=9S-3ukL4KPA

当ブログで紹介したA Tribe Called Quest「Ham N' Eggs」をはじめ、Tim Dog「Goin' Wild in the Penile」、Too Smooth「I'm Too Smooth」、415「T.Y.B.B.」、C-Lo「Straight Up (Remix)」、Ice Cube「U Ain't Gonna Take My Life」、King Tee feat. Ice Cube「A Hoe B-4 Tha Homie」、I.M.P.「Bitch Made」、Sicx and Brotha Lynch Hung「Creek Mobb's Loadin' Em Up」、Roc Marciano「Oninonin」等のサンプリング・ソースとなっています。
A Tribe Called Quest「Ham N' Eggs」
 https://www.youtube.com/watch?v=iww6fiH_Fkw
Tim Dog「Goin' Wild in the Penile」
 https://www.youtube.com/watch?v=vB4-8VbXaQ8
Too Smooth「I'm Too Smooth」
 https://www.youtube.com/watch?v=lrUNhUqOxKE
415「T.Y.B.B.」
 https://www.youtube.com/watch?v=C2AKo0kn4-c
C-Lo「Straight Up (Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=Kpk0w2ao-6g
Ice Cube「U Ain't Gonna Take My Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=Sp1doOV6l4Q
King Tee feat. Ice Cube「A Hoe B-4 Tha Homie」
 https://www.youtube.com/watch?v=UecN0eXr9D0
I.M.P.「Bitch Made」
 https://www.youtube.com/watch?v=IOULuiTsZUQ
Sicx and Brotha Lynch Hung「Creek Mobb's Loadin' Em Up」
 https://www.youtube.com/watch?v=Of0KjHiisXY
Roc Marciano「Oninonin」
 https://www.youtube.com/watch?v=Ci1atwGNJso

「You Can't Miss What You Can't Measure」
George Clinton/Sidney Barnes作。The Parliaments時代のシングル「Heart Trouble」(1965)をリメイク。さらに本トラックはParliament『The Clones Of Dr. Funkenstein』(1976年)の「Do That Stuff」でリワークされています。そのリワークをはじめ、P-Funk全盛を予感させるファンク・グルーヴですね。
https://www.youtube.com/watch?v=7c0mmPOpsig

「March to the Witch's Castle」
George Clinton作。聴けばすぐにベトナム戦争が想起されます。軍隊行進をイメージさせるリズムとベトナム戦争の深い傷跡をイメージさせる哀愁ギターに何ともやりきれない思いが表現されていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=Ks730Lg5Vu0

「Let's Make It Last」
George Clinton/Eddie Hazel作。The Fellows名義で1967年にシングル・リリースした楽曲をリメイク。前期Funkadelicらしい雰囲気の哀愁ロック・チューンに仕上がっています。覚醒的な哀愁モードがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=UEGeoNxuZyc

「Cosmic Slop」
George Clinton/Bernie Worrell作。タイトル曲はサイケでトリッピーなロウ・ファンク。Garry Shider & Ron Bykowskiのギターが格好良すぎます。パーカッシヴなのも僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=H6SS7JDVRo0

Material等がカヴァーしています。また、The D.O.C.「Beautiful but Deadly」、Ice Cube「Doing Dumb Shit」、The Goats and Bad Brains「Idiot Business」、Moodymann and Funkadelic「Sloppy Cosmic」等のサンプリング・ソースとなっています。
Material「Cosmic Slop」
 https://www.youtube.com/watch?v=theHiOrgL2E
The D.O.C.「Beautiful but Deadly」
 https://www.youtube.com/watch?v=IQ88pJ_fNk8
Moodymann and Funkadelic「Sloppy Cosmic」
 https://www.youtube.com/watch?v=sLxC7IkMwlI

「No Compute」
George Clinton/Garry Shider作。それまでとは一転し、リラックス・モードの演奏です。少し肩透かしを食らう構成ですね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=iGJXKd_BMvY

「This Broken Heart」
The Sonics、1959年のシングル曲をカヴァー(William Franklin作)。なかなか味わいのあるソウル・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=D7WU4rHcjP8

「Trash a Go-Go」
George Clinton作。ロッキンなFunkadelicを楽しめる1曲。もっと長尺で聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=WUDI2ukqhf8

「Can't Stand the Strain」
George Clinton/Eddie Hazel作。Lynyrd Skynyrd「Sweet Home Alabama」を思わせるイントロが印象的です。♪Dont do it, dont do it, dont take my love away♪のフレーズが脳内リピートします。
https://www.youtube.com/watch?v=8SJZz-zkkcg

Funkadelic/Parliamentの過去記事もご参照下さい。

Parliament『Chocolate City』(1975年)


Parliament『Mothership Connection』(1975年)
Mothership Connection

Parliament『The Clones Of Dr. Funkenstein』(1976年)
Clones of Dr Funkenstein

Parliament『Funkentelechy Vs. The Placebo Syndrome』(1977年)


Parliament『Trombipulation』(1980年)
トロンビピュレイション+2(紙ジャケット仕様)

『Free Your Mind... And Your Ass Will Follow』(1970年)
Free Your Mind And Your Ass Will Follow

Funkadelic『Maggot Brain』(1971年) 
Maggot Brain

Funkadelic『Let's Take It to the Stage』(1975年)
レッツ・テイク・イット・トゥ・ザ・ステージ [初回限定盤] [紙ジャケット仕様]

Funkadelic『One Nation Under A Groove』(1978年)
ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ+1(紙ジャケット仕様)

Funkadelic『Uncle Jam Wants You』(1979年)
Uncle Jam Wants You
posted by ez at 00:52| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月19日

Fi Marostica『Visao do Mar』

サンパウロを拠点とするベーシストの初ソロ☆Fi Marostica『Visao do Mar』

発表年:2021年
ez的ジャンル:ブラジル現代ジャズ
気分は... :海の情景・・・

ブラジル現代ジャズの新作からFi Marostica『Visao do Mar』です。

Fi Marosticaは、ブラジル、サンパウロを拠点とするベーシスト。最近まで公私のパートナーであった歌手Vanessa MorenoとのデュエットVanessa Moreno & Fi Marostica名義で、『Vem Ver』(2013年)、『Cores Vivas』(2016年)といったアルバムをリリースしています。

レコーディング・メンバーはFi Marostica(b)、Alexandre Ribeiro(clarinet、clarone)、Tiago Costa(p、el-p)、Cleber Almeida(ds)。

ゲストとして、Vanessa MorenoTatiana ParraMonica SalmasoFilo Machadoといったシンガーが参加しています。

本編9曲はすべてFi Marosticaのオリジナル(共作)。

全体としては、ブラジル人ミュージシャンらしい感性の透明感のある現代ジャズといった仕上がりです。

Tatiana ParraVanessa Morenoが参加した「Borboleta」、躍動感に満ちたアフロ・ブラジリアン・テイストの「Pros Irmaos」、美しさと軽やかさを兼ね備えた「Pirataria」、爽快ブラジリアン・ジャズ「Pe na Poca」、軽やかでスウィンギーなクラリネットの音色に魅せられる「Nino e Cal」あたりがおススメです。

ジャケのような美的センスを感じるブラジル現代ジャズは、これからの季節にフィットする1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Visao do Mar」
タイトル曲はベテラン女性シンガーMonica Salmaso参加曲。Vanessa Moreno & Fi Marostica『Vem Ver』収録曲の再演。静けさのなかにも生命力を感じるのがいいですね。聴いているとホッとする音です。
https://www.youtube.com/watch?v=PjqHU7jFA48

「Nino e Cal」
個性派男性シンガー・ソングライターFilo Machado参加曲。軽やかでスウィンギーなクラリネットの音色とFilo Machadoのスキャットが牽引するワールド・ジャズな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=7QqtvICzMpo

「Alice」
Vanessa Moreno参加曲。タイトルはFiとVanessaの愛娘Aliceからとったもの。透明感のある澄み切った音世界が心地好い演奏です。途中、愛娘Aliceの声も聞こえてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=dYa1yCyehVc

「Casulo」
Fiのコントラバス・プレイを楽しむための演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=c1RxxPxLUgM

「Borboleta」
当ブログでもお馴染みのサンパウロ出身の女性シンガーTatiana ParraとVanessa Moreno参加曲。二人の女性シンガーの素晴らしいスキャット・ワークが映える華のあるワールド・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Oib-sTANJtk

「Pros Irmaos」
Tatiana Parra参加曲。ここでのFiはエレクトリック・ベースをプレイ。アフロ・ブラジリアン・テイストのブラジル現代ジャズを楽しめる、躍動感に満ちた演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=KE_6JzqhG0s

「Bolero Deles」
クラリネットならではのまろやかな音色が印象的な美しい演奏です。秋の景色と共に聴きたい音です。
https://www.youtube.com/watch?v=nykHHCXRll8

「Pirataria」
美しさと軽やかさを兼ね備えたブラジル現代ジャズ。晴れた日の午前中のBGMとして流すと、気持ちも軽やかになり、仕事が捗りそうです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=SCLjzaEj6B0

「Pe na Poca」
本編ラストはクラリネット・ソロと共に始まる爽快なブラジリアン・ジャズで締め括ってくれます。とても居心地のいい演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=eW-Yu9LVTTg

「Romaria」
CDボーナス・トラックその1。Renato Teixeira作。当ブログではElis Reginaヴァージョンを紹介済みです。作者ヴァージョンは『Romaria』(1978年)収録。澄み切った美しさを持つインスト・バラードで聴かせてくれます。

「Lamento Sertanejo」
CDボーナス・トラックその2。Gilberto Gilのカヴァー(Gilberto Gil/Dominguinhos作)。オリジナルは当ブログでも紹介した『Refazenda』(1975年)に収録されています。Vanessa Moreno & Fi Marostica時代からGilberto Gil作品を取り上げてきた彼らしいセレクトですね。ここではコントラバス・ソロで聴かせてくれます。

Vanessa Moreno & Fi Marostica『Vem Ver』(2013年)


Vanessa Moreno & Fi Marostica『Cores Vivas』(2016年)
posted by ez at 00:54| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする