2021年10月10日

Quickly, Quickly『The Long And Short Of It』

21歳の新鋭トラックメイカー☆Quickly, Quickly『The Long And Short Of It』

録音年:2021年
ez的ジャンル:Z世代系アングラHip-Hop
気分は... :Hip-HopなのにSSW的!

新作から、新鋭トラックメイカーQuickly, Quicklyの3rdアルバム『The Long And Short Of It』です。

Quickly, Quicklyは、オレゴン州ポートランド出身の21歳のトラックメイカーGraham Jonsonによるソロ・プロジェクト。

これまで『Quickly Quickly, Vol. 1』(2017年)、『Paths』(2018年)といったアルバムをリリースしています。

Graham Jonsonはさまざまなジャンルの音楽から影響を受けているようですが、特にStones Throwのカタログを愛聴し、中でもMadlib(特にQuasimoto名義)がお気に入りのようです。

3rdアルバムとなる最新作『The Long And Short Of It』は、エレクトロニカの名門レーベルGhostly Internationalからのリリースとなります。

基本的にGraham Jonsonは、すべてのプロデュース、ソングライティング、アレンジ、ヴォーカルを手掛け、ドラム、キーボード、ギター。エレクトロニクスとほぼすべての演奏を一人で行っていますが、Micah Hummel(ds)、Elliot Cleverdon(strings)、Hailey Niswanger(sax)という同じZ世代のミュージシャンも参加しています。

トラックメイカーでありながら、シンガーソングライター的なセンスを感じるトラックが多いのが本作の特徴だと思います。また、ヴォーカル入りトラックが殆どなので、Hip-Hop好きの人以外でも楽しめる1枚だと思います。

覚醒的エレクトロニカ・サウンドが展開される「Phases」、インディー・ロック×エレクトロニカ×ネオソウルなクロスオーヴァー「Shee」、アンビエント&サイケデリックな「Leave It」、ピアノをベースとした美しい「I Am Close to the River」、SSW的なフォーキーHip-Hop「Everything is Different (To Me)」あたりが僕のオススメです。

秋の季節が似合うHip-Hop作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Phases」
詩人Sharrif Simmonsをフィーチャー。さらにMicah Hummel(ds)、Elliot Cleverdon(strings)、Hailey Niswanger(sax)も参加しています。Sharrif Simmonsが即興で書いた宇宙的実存主義をテーマにした詩の朗読×コズミック・ジャズな序盤に続き、ドライブ感のある覚醒的エレクトロニカ・サウンドが展開されます。この格好良すぎるオープニング・トラックを聴けば、Quickly, Quicklyの才能が一発で分かるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=slo4B3jcsIE

「Come Visit Me」
甘く切ないラブソング・トラック。寂しげなヴォーカルと哀愁メロウ・サウンドが胸に沁みてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=kzJK8r0zJ7o

「Interlude」
タイトルの通り、美しいインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=53AKSlknurU

「Shee」
インディー・ロック×エレクトロニカ×ネオソウルなクロスオーヴァー感覚が魅力のトラック。Grahamのファルセット・ヴォーカルがなかなかいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=MC__q3aU_T0

「Leave It」
前半のリズミックなトラックに途中からアンビエント&サイケデリックなエッセンスが加わります。もの凄いパワーで音世界が広がっていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=pfEDt5ypLHc

「I Am Close to the River」
ピアノをベースとした美しいトラック。Elliot Cleverdonによるストリングスも加わり、トラックメイカーというよりシンガー・ソングライター的な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ka_CDECcx5s

「Feel」
SSW的なセンスとトラックメイカー的センスを調和させたようなトラックです。何処となくフォーキーな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IAmNV-vmKIM

「A Conversation」
ピアノによる美しいインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=EdSfkWr5utA

「Everything is Different (To Me)」
SSW的なフォーキーHip-Hopに仕上がっています。ストリングスも配した終盤の美しいサウンドの広がりにも魅せられます。
https://www.youtube.com/watch?v=z_RFTrb-GyQ

「Wy」
このトラックもSSW的な語り口が印象的です。温かみのあるエレクトロニカ・ワールドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=pYjGU2uH970

「Otto's Dance」
ブラジル音楽からも影響を受けているというGrahamの音楽性を伺える、ブラジリアン・フォーキーなインストでアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=dIaMxFq54hM
posted by ez at 03:35| Comment(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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