発表年:2021年
ez的ジャンル:N.Y.産コロンビア音楽
気分は... :宇宙、自然、人間・・・
新作アルバムから、UK出身のDJ/ミュージシャン/プロデューサーQuanticことWill Hollandがコロンビア人女性シンガーNidia Gongoraとの共同名義でリリースした『Almas Conectadas』です。
UK出身のDJ/ミュージシャン/プロデューサーQuanticに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の13枚。
『The 5th Exotic』(2001年)
Quantic『Apricot Morning』(2002年)
The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Quantic『Magnetica』(2014年)
Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)
Quantic『Atlantic Oscillations』(2019年)
本作『Almas Conectadas』は、『Curao』(2017年)に次ぐ共同名義アルバムの第2弾となります。
近年はN.Y.ブルックリンを拠点とするQuantic。
本作もレコーディングはN.Y.ブルックリンで行われました。
しかしながら、中身は思い切りコロンビアの伝統音楽を探求したトラディショナル/ノスタルジックな雰囲気です。前作以上にNidia Gongoraのシンガーとしての個性が強く印象づけられます。
サウンド面での特徴は、全曲アナログ・レコーディングである点と、Will Holland自身が手がけたストリングス・サウンドの重視です。
一方、Nidia Gongoraが手掛ける歌詞は、コロンビアで暮らす人々を描きつつ、宇宙や自然と人間とのつながりを意識した神秘的なものを感じさせます。
レコーディングにはCaito Sanchez(ds)、Ricardo Gallo(p)、Meia Noite(per)等のミュージシャンが参加しています。
神秘的でトラディショナルな音世界を聴くと、不思議と心が落ち着きます。
全曲Will HollandおよびNidia Gongoraによるオリジナルです。
全曲紹介しときやす。
「Doncella」
アルバムのプロローグとなる短いインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=5n7Eil5NsFE
「El Chiclan」
英語タイトルが「Drunken Ballad」となる酔いどれ人たちのためのバラード。グアヒーラ調のノスタルジック・サウンドと、Nidiaのハスキー・ヴォーカルがいい味わいです。
https://www.youtube.com/watch?v=jvboCDdPIzk
「Balada Borracha」
この二人のコラボらしいクンビア。今回の全アナログ・レコーディングの効果やストリングス・サウンド重視を実感できる演奏です。Nidiaの声質の魅力も実感できるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZjhI470vjVY
「Almas Conectadas」
タイトル曲の英題は「Connected Soul(繋がりあった魂)」。Nidia本人の解説によれば、私たちと宇宙とのつながりがテーマとなっているそうです。トラディショナルな雰囲気ながらも、Nidiaのヴォーカルにはコズミックでスピリチュアルな味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=LajRxe5abQc
「Pronto Alivio」
弦楽四重奏によるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=WlykReqo5Mw
「Adios Chacon」
川で命を落とした漁村出身の少年のことを歌ったもの。自然と共存するなかで命を危険にさらす人々を天から見守る、小さな天使へのオマージュとしての哀愁ラテン・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=XNmvoIBOifw
「Adorar la Sangre」
本作の中では異色の1曲。コロンビア音楽×アメリカン・ブルース×ゴスペルな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=7lHUWciNe0U
「Orozul」
弦楽四重奏による短いインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=utRTo9M_Xlc
「Macumba de Marea」
アフロ・ブラジリアンの民間信仰"マクンバ"のリズムが用いられた演奏です。さらに歌詞は海で行方不明となった魂について歌ったものなのだとか。美しいストリングスを配したアフロ・ブラジリアンなスピリチュアル・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8fKmEHAF9Zw
「El Avion」
タイトルには、"希望と自由の飛行機への招待状"という意味が込められているのだとか。そんな歌詞を反映したリズミックなラテン・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=R1krYQWMiDs
「Vuelve」
本編ラストは、Nidiaが自分自身の中にある真の幸せを見つけることの大切さを訴える、愛に満ちたバラードで締め括ってくれます。禅語でいえば、「明珠在掌 (みょうじゅたなごころにあり)」といったところでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=PRldpestc3g
国内盤にはボーナス・トラックとして、「Almas Conectadas (Instrumental)」が追加収録されています。
Quantic関連の他作品もチェックを!
『The 5th Exotic』(2001年)
Quantic『Apricot Morning』(2002年)
The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
The Limp Twins『Tales From Beyond the Groove 』(2003年)
Quantic『Mishaps Happening』(2004年)
The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』(2005年)
Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
The Quantic Soul Orchestra with Spanky Wilson『I'm Thankful』(2006年)
The Quantic Soul Orchestra『Tropidelico』(2007年)
Quantic Presenta Flowering Inferno『Death Of The Revolution』(2008年)
Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Quantic Presenta Flowering Inferno『Dog With a Rope』(2010年)
Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Ondatropica『Ondatropica』(2012年)
Quantic『Magnetica』(2014年)
Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
Quantic Presenta Flowering Inferno『1000 Watts』(2016年)
Ondatropica『Baile Bucanero』(2017年)
Quantic & Nidia Gongora『Curao』(2017年)
Quantic『Atlantic Oscillations』(2019年)