2021年12月24日

Sounds Of Blackness『Africa To America; The Journey Of The Drum』

Jam & Lewisプロデュース☆Sounds Of Blackness『Africa To America; The Journey Of The Drum』

発表年:1994年
ez的ジャンル:Perspective系コンテンポラリー・ゴスペル
気分は... :メリー・クリスマス!

気づけば12月24日
12月はゴスペルが聴きたくなりますね。

Gary Hinesを中心としたコンテンポラリー・ゴスペル・グループSound Of Blackness(SOB)『Africa To America; The Journey Of The Drum』(1994年)です。

これまで当ブログで紹介したSound Of Blackness(SOB)作品は以下の5枚。

 『The Evolution Of Gospel』(1991年)
 『The Night Before Christmas: A Musical Fantasy』(1992年)
 『Time for Healing』(1997年)
 『Reconciliation』(1999年)
 『Unity』(2005年)

人気プロデュース・チームJam & Lewis(Jimmy Jam/Terry Lewis)が1991年に旗揚げしたPerspective Recordの第一弾アーティストとなったSound Of Blackness(SOB)

本作『Africa To America; The Journey Of The Drum』(1994年)は、『The Evolution Of Gospel』(1991年)、『The Night Before Christmas: A Musical Fantasy』(1992年)に続く、Perspective Record第3弾アルバムとなります。

プロデュースはJam & LewisとリーダーGary Hines

本作はアルバム・タイトルから想像できるように、ドラムと共にアメリカの地へやって来たアフリカン・アメリカンの歴史がテーマとなっています。

アルバムはUS R&Bアルバム・チャート第15位となっています。

オススメはJam & Lewisらしさ全開の「I'm Going All The Way」「I Believe」「Everything's Gonna Be Alright」の3曲。

Stokleyのアフリカン・パーカッションを活かした生音Hip-Hop「The Drum (Africa To America)」、トライバル・ゴスペル・メドレー「African Melody (Royal Kingdoms, Rise, My Native Land)」、パワフル・ファンク「The Harder They Are The Bigger They Fall」あたりも印象的です。

それ以外にも、アフリカン・アメリカンの苦難の歴史を感じるゴスペルや、聴く者を優しく包み込むゴスペルがズラリと並びます。

また、本作はグループを支えてきた看板女性シンガーAnn Nesbyが在籍したラスト・アルバムです。本作を置き土産にソロ転向したAnn Nesbyは、Jam & LewisのプロデュースでPerspectiveからデビュー・アルバム『I'm Here For You』(1996年)をリリースすることになります。

Ann Nesby『I'm Here For You』(1996年)


Jam & Lewisが全面プロデュースしたのも本作までであり、Jam & Lewisとタッグを組んだコンテンポラリー・ゴスペル作品という意味では本作までで一区切りということになります。

全曲紹介しときやす。

「Hold On (Pt. 1)」
黒人霊歌のカヴァー。アフリカン・リズムに続き、ア・カペラ・コーラスが歌われ、本作のテーマを提示します。
https://www.youtube.com/watch?v=4-j-bmYbOh8

「I'm Going All The Way」
UKでシングル・リリースされ、UKチャート第27位となっています。リード・ヴォーカルはAnn Nesby。SOB×Jam & Lewisらしい、R&B好きも楽しめるポジティブなコンテンポラリー・ゴスペルに仕上がっています。晴れの日モードにピッタリのトラックだとい思います。僕の一番のお気に入り。The Honey Drippers「Impeach the President」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=zHtA8vusv5E

「Ah Been 'Buked (Pt. 1)」
黒人霊歌のカヴァー。短いながらも、素敵なゴスペル・コーラスを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=tREXVaJydfA

「I Believe」
USでシングル・リリースされ、US R&Bチャート第15位となっています。リード・ヴォーカルはAnn Nesby。これもJam & Lewisらしいダンサブルなコンテンポラリー・ゴスペルに仕上がっています。Ann Nesbyの躍動するヴォーカルが聴く者に希望やパワーを注入してくれます。Ohio Players「Pain」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=o8pYGe70qUA

「Hold On (Pt. 2)」
「Hold On」のパート2。Renee McCallがリード・ヴォーカルをとり、厳かに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=j_NUcn2gCIo

「Everything's Gonna Be Alright」
この曲もシングル・カットされました。リード・ヴォーカルは Billy Steele/Carrie Harrington/Core Cotton/Jimmy Wright。Isaac Hayes「Walk on By」をサンプリング。モダンでダンサブルなJam & Lewisサウンドと、聴く者に生きる勇気を与えてくれるゴスペルらしさの調和が抜群のコンテンポラリー・ゴスペル。次々とリード・ヴォーカルが代わっていくゴスペル・コーラス・グループらしさも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=dKqEBhsc6fs

「Sun Up To Sundown」
トラディショナル・ワーク・ソングのカヴァー。教会で歌っている姿がイメージできそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=79UjsSOnrMk

「The Lord Will Make A Way」
リード・ヴォーカルはJimmy Wright。Mint ConditionStokley(ds、per)も参加。ヴィンテージ・ソウルの雰囲気も漂う、味わい深いミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=7fxZ2dm7Ybg

「He Took Away All My Pain」
リード・ヴォーカルはAnn Nesby。モダンなレイドバック感が心地好い1曲。Ann Nesbyの歌声が苦痛を追いやってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-dBtc_i-3-E

「A Place In My Heart」
リード・ヴォーカルはAnn NesbyAnn Nesbyの感動的なヴォーカルが聴く者を優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Lgh3KH1XWUg

「The Harder They Are The Bigger They Fall」
リード・ヴォーカルはJimmy Wright。ハード・ファンキー・チューンですが、Jimmy Wrightがパワフルなファンク・サウンドに負けないエネルギッシュなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SlR-_7t_NHI

「The Drum (Africa To America)」
Mufundisi Joseph Youngのラップをフィーチャー。Perspectiveとの契約し、Jam & Lewisプロデュースによるデビュー・アルバム『Solo』(1995年)をリリースする男性R&BグループSoloがバック・コーラスを務めます。また、このトラックにもStokley(per)が参加しています。Stokleyのアフリカン・パーカッションを活かした生音Hip-Hopに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=XgmPb557omY

「African Melody (Royal Kingdoms, Rise, My Native Land)」
リード・ヴォーカルはGeoff Jones/Alecia Russell/Carrie Harrington/Patricia Lacy。アフロ・モード全開のトライバル・ゴスペル・メドレー。こういうの意外にあるようでないかも?
https://www.youtube.com/watch?v=QRI7uABkvXM

「A Very Special Love」
リード・ヴォーカルはBilly Steele/Carrie Harrington。軽くパーカッションを効かせつつ、大きな愛を感じる素敵な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ncQFxyHC-7U

「Strange Fruit」
Billie Holidayで代表的レパートリーとしてお馴染みのジャズ・スタンダード「奇妙な果実」をカヴァー( Lewis Allan作)。当時のアメリカ南部の人種差別による黒人リンチの光景を描いた歌です。リード・ヴォーカルはJayn Bell。アフリカン・アメリカンの苦難の歴史に思いを馳せます。
https://www.youtube.com/watch?v=2AMeYDXIDgU

「Strange Fruit」に関して、当ブログでは
Cassandra WilsonJose Jamesをカヴァーも紹介済みです。
Cassandra Wilson「Strange Fruit」
 https://www.youtube.com/watch?v=paawBHlDa4w
Jose James「Strange Fruit」
 https://www.youtube.com/watch?v=NpYfKMma68A

「Black Butterfly」
リード・ヴォーカルはCore Cotton/Renee McCall。Jam & Lewisらしいサウンド・プロダクションのミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=pOZKhHZGzes

「You've Taken My Blues & Gone」
Langston Hughesのポエムを読み上げるブルージーな小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=viVLHSV32QU

「Livin' The Blues」
リード・ヴォーカルはCore Cotton。前曲の流れを汲むブルージー・ゴスペル。ブルースとゴスペルを巧みに融合させています。
https://www.youtube.com/watch?v=4HIguV8Poj4

「Ah Been 'Buked (Pt. 2)」
「Ah Been 'Buked」のパート2。ラストは厳かに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=5-fqH78DFbQ

Sound Of Blackness(SOB)の過去記事もご参照下さい。

『The Evolution Of Gospel』(1991年)
エヴォリューション・オブ・ゴスペル

『The Night Before Christmas: A Musical Fantasy』(1992年)
the night before christmas a musical fantasy.jpg

『Time for Healing』(1997年)
タイム・フォー・ヒーリング

『Reconciliation』(1999年)
Reconciliation

『Unity』(2005年)
Unity
posted by ez at 00:30| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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