発表年:2021年
ez的ジャンル:ハワイ日系バンドAOR/フリーソウル
気分は... :季節外れのサマー・ブリージンその2!
山下達郎「Sparkle」のカヴァーで話題となったハワイの日系バンドGreenwoodの2ndアルバム『Music Book』(2021年)です。
昨夏リリースされましたが、遅まきながら入手できたのでこのタイミングでご紹介したいと思います。
1972年に日系人のRobin Kimuraを中心にハワイで結成されたバンドGreenwoodの紹介は、『Lost In Paradise』(2014年)に続き2回目となります。
前作『Lost In Paradise』は、2014年リリースながら80年代にレコーディングした音源も含まれており、山下達郎「Sparkle」のカヴァー・ヴァージョンの再評価の波に乗ってアルバム1枚作ってしまった、という感じでした。
本作『Music Book』(2021年)も、前作『Lost In Paradise』の好評を受けての制作だと思います。
『Lost In Paradise』と同じく全曲カヴァー集です。その意味で音楽性云々よりも、カヴァー・センスを楽しむ1枚だと思います。
本作のハイライトは、「Loveland Island」、「Music Book」、「Mermaid」という山下達郎のカヴァー3曲。前作での「Sparkle」に続き楽しませてくれます。
それ以外では「Someday We'll Get By」(Azteca)、「Las Vegas Turnaround」(Daryl Hall & John Oates)というフリーソウル人気曲のカヴァーが嬉しいですね。
アルバムにはRare Earthメンバーとして知られるPeter Rivera、近年、Average White Bandにも参加しているBrent Carterといったゲスト・ヴォーカルも参加しています。
季節外れのサマー・ブリージンをお楽しみください。
全曲紹介しときやす。
「Loveland Island」
山下達郎作。オリジナルは『FOR YOU0』(1982年)収録。説明不要の名曲ですね。その達郎オリジナルの雰囲気をそのまま受け継いだ仕上がりです。ハワイのビーチ気分を楽しめる「Loveland Island」です。
https://www.youtube.com/watch?v=L5Ff0Kcvo84
山下達郎「Loveland Island」
https://www.youtube.com/watch?v=UsLHdv3N3js
「Music Book」
吉田美奈子/山下達郎作。オリジナルは『FOR YOU0』(1982年)収録。この曲もお馴染みですね。英語で歌われているせいもあって、フリーソウル系メロウ・グルーヴ的な楽しみ方ができると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=TfDcW_URlJI
山下達郎「Music Book」
https://www.youtube.com/watch?v=wHrmJK2o45s
「Twenty-Five Miles」
Edwin Starr、1969年のヒット・シングルをカヴァー(Edwin Starr/Harvey Fuqua/Johnny Bristol作)。Michael Jacksonもカヴァーしている曲ですね。当ブログではReuben Wilson、Clarence Reidのカヴァーも紹介済みです。ブルーアイド・ソウル的な仕上がりで楽しませてくれます。雰囲気のあるホーン・サウンドもグッド!Brent Carter参加曲。
https://www.youtube.com/watch?v=O0LPc3oCunI
Edwin Starr「Twenty-Five Miles」
https://www.youtube.com/watch?v=v6fTlPnR4g4
「I've Never Found Me A Girl」
Eddie Floydのカヴァー(Alvertis Isbell/Booker T. Jones/Eddie Floyd作)。ソウル・カヴァーが続きます。ソウルフルながらも何処か開放的な雰囲気がいいですね。Brent Carter参加曲。
https://www.youtube.com/watch?v=v3vq5jLBxqM
Eddie Floyd「I've Never Found Me A Girl」
https://www.youtube.com/watch?v=sqGmoSAByBM
「Mermaid」
Alan O'Day/山下達郎作。オリジナルは『POCKET MUSIC』(1986年)収録。ここで再び達郎カヴァー。オリジナルも英語詞なのでスンナリ聴けると思います。こうやって聴くと、ハワイアンAORにフィットする楽曲ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Za5VNBej0B4
山下達郎「Mermaid」
https://www.youtube.com/watch?v=I_WhqfBouPw
「What'd I Say」
Ray Charles、1959年の大ヒット曲をカヴァー(Ray Charles作)。GreenwoodはRare Earthヴァージョン(1971年)を意識しており、そのRare EarthヴァージョンでヴォーカルをとったPeter Riveraをゲストに迎えています。Rare Earthヴァージョンを受け継ぐファンキー・ロックな「What'd I Say」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=eCQA7qFDdpU
Ray Charles「What'd I Say」
https://www.youtube.com/watch?v=SVduMbRxWck
Rare Earth「What'd I Say」
https://www.youtube.com/watch?v=Yy7UvAG1i8k
「My Hawaii」
The Rascalsのカヴァー(Eddie Brigati/Felix Cavaliere)。オリジナルは『Once Upon A Dream』(1968年)収録。ハワイのバンドらしいカヴァー・セレクトですね。感動的なバラードを情感たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=R-dnamXubpE
The Rascals「My Hawaii」
https://www.youtube.com/watch?v=PdW23rrXxw8
「Someday We'll Get By」
ラテン・ロック・バンドAztecaのフリーソウル人気曲をカヴァー(Coke Escovedo/Tom Harrell/Errol Knowles作)。オリジナルは当ブログでも紹介した『Pyramid Of The Moon』(1973年)収録。オリジナル同様、軽快なラテン・ロックを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ECQV6t6eOeY
Azteca「Someday We'll Get By」
https://www.youtube.com/watch?v=-bjrMjZ-2b8
「Las Vegas Turnaround」
Daryl Hall & John Oatesのフリーソウル人気曲をカヴァー(John Oates作)。
オリジナルは当ブログでも紹介した『Abandoned Luncheonette』(1973年)収録。オリジナルを受け継ぎつつ、Greenwoodならではの隠し味も効いている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=RG_8nc5Nxzw
Daryl Hall & John Oates「Las Vegas Turnaround」
https://www.youtube.com/watch?v=up0qIJlETO4
「Pipeline Sequence」
USロック・バンドHonkのカヴァー(Steve Wood/Richard Stekol/Craig Buhler/Tris Imboden/Don Whaley作)。オリジナルはサーフ・ムーヴィー『Five Summer Stories』(1972年)のサントラ収録。ラストはダイナミックなサーフ・ロックで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZTHw_r4iF_g
Honk「Pipeline Sequence」
https://www.youtube.com/watch?v=IfwjC8wsV-s
未聴の方は『Lost In Paradise』(2014年)もセットでどうぞ!
『Lost In Paradise』(2014年)