発表年:2022年
ez的ジャンル:ミナス出身ブラジリアン女性シンガー
気分は... :大自然の中の室内楽!
今回はブラジルもの新作からミナス出身の女性シンガーMaira Mangaのデビュー・アルバム『La』です。
Maira Mangaのプロフィールについては殆ど情報がありませんが、透明感のあるヴォーカルが印象的なシンガーです。
このデビュー作を全面プロデュースし、アレンジも手掛けるのはミナスの男性シンガー・ソングライターSergio Santos。
すべてのソングライティングもSergio Santosが手掛け、多くの曲をPaulo Cesar Pinheiroと共作しています。
レコーディングの主要メンバーはFelipe Jose(cello、per)、Rafael Martini(p、accordion)、Luca Raele(clarinet)、Sergio Santos(violao)。
さらにAndre Mehmari(p)、Vocal Brasileirao(vo)、Rodolfo Stroeter(doublebass)といったゲストが参加しています。
殆どの曲でリズム楽器を用いず、ピアノ、クラリネット、チェロなどによる室内楽のエッセンスをブラジル音楽と融合させているのが印象的です。室内楽とブラジル音楽が違和感なく溶けあっている感じがいいですね。
大自然の中の室内楽といったムードが、Maira Mangaのの澄み切ったヴォーカルと相まって実に魅力的な1枚です。
全曲紹介しときやす。
「La」
Sergio Santos作。ピアノとクラリネットが織りなす室内楽的な雰囲気と、ブラジル音楽らしいヴィオロンの響きとMairaの透明感のあるヴォーカルが織りなす瑞々しいオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=JZymIkHdHOA
「Amazonia-Mae」
Sergio Santos/Paulo Cesar Pinheiro作。クラシカルなオーケストレーションを前面に打ち出した1曲。それでもブラジル音楽らしい雰囲気になるのはMairaのヴォーカルとSergio Santos/Paulo Cesar Pinheiroによる楽曲によるものだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=ekv4jkhF9OQ
「Diz Pra Mim」
Sergio Santos作。穏やかで美しいブラジリアン・アコーディオン。ピアノとクラリネットによる室内楽的な雰囲気もありますが、そんな中でアコーディオンの素朴な音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=T9xDSP9OXho
「Ribeirão de Corredeira」
Sergio Santos/Paulo Cesar Pinheiro作。しっとりとしたサウダージ・バラード。ここではクラリネットもジャジー感覚です。
https://www.youtube.com/watch?v=sYyHgOyZoso
「Raoni」
Sergio Santos作。環境保護をテーマにした曲なのだとか。ビジネスのために環境を犠牲にすることへの悲しみを憂いのあるヴォーカルで嘆きます。
https://www.youtube.com/watch?v=lMVfrLSy4aY
「O Cacador」
Sergio Santos/Paulo Cesar Pinheiro作。ヴィオランのみのシンプルなバックングでしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=xYeF4PUJvvY
「Saira」
Sergio Santos作。Mairaの澄んだ歌声と室内楽的なサウンドが調和した美しい絵画を鑑賞しているかのような1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=AZBw5vd2lZU
「O Dia」
Sergio Santos/Paulo Cesar Pinheiro作。エレガントなオーケストレーションを配した1曲。美しい時間がゆったりと流れていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mjd6kJZsMBc
「Romances」
Sergio Santos/Paulo Cesar Pinheiro作。Andre Mehmariをフィーチャー。Mehmariの美しいピアノのみをバックに、しっとりと歌い上げるタイトルの通り、ロマンティックなバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=O7Ihy2H4S6s
「Um Outro Olhar」
Sergio Santos/Paulo Cesar Pinheiro作。オーケストレーションを配した哀愁バラード。ブラジル人アーティストらしい憂いの味わいにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=q0rNzS4xrTA
「Margem Derradeira」
Vocal Brasileirao & Rodolfo Stroeterをフィーチャー。Sergio Santos/Paulo Cesar Pinheiro作。本作で珍しくパーカッションを効かせています(かなり軽くですが)。Vocal Brasileiraoによるコーラスで味わいが増しています。
https://www.youtube.com/watch?v=4R0RXI9mPsU
「Rio Verde」
Sergio Santos/Paulo Cesar Pinheiro作。ラストも本作らしいブラジル音楽と室内楽のエッセンスを自然なかたちで調和させた楽曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vKqG4TFxFeE
本作の主要レコーディング・メンバーの一人であるRafael Martiniのソロ・アルバム『Motivo』(2012年)は、当ブログでリアルタイムで紹介したかったにも関わらず、長年Amazonでの扱いがなくエントリーを断念してきた1枚です。
今回調べたら、カタログとしては扱いがありますが、在庫切れ、再入荷の見込みなし状態でした。こちらも良きタイミングで紹介したいと思います。
Rafael Martini『Motivo』(2012年)