2022年04月17日

Carlos Aguirre Quinteto『Va Siendo Tiempo』

ギター五重奏団による最新作☆Carlos Aguirre Quinteto『Va Siendo Tiempo』

発表年:2022年
ez的ジャンル:コンテンポラリー・アルゼンチン・フォルクローレ
気分は... :あり続ける時!

新作アルバムから、アルゼンチンのコンテンポラリー・フォルクローレの巨匠Carlos AguirreCarlos Aguirre Quinteto名義でリリースする最新作『Va Siendo Tiempo』<です。

1965年アルゼンチン、エントレリオス州セギーの生まれのシンガー・ソングライター/ピアニスト/ギタリストCarlos Aguirreについて、当ブログでこれまで紹介したのは以下の4枚。

 『Orillania』(2012年)
 『Serpentina』(2017年)
 ※Andre MehmariJuan Quinteroとの共演
 『La musica del agua』(2019年)
 『En El Jardin』(2021年)
 ※Yotam Silbersteinとの共演

最新作は彼が長年構想してきたギター五重奏団による作品です。

キンテート・メンバーに選ばれたのは、Carlos Aguirre(g、b、vo、per、accordion、bandoneon、syn)以下、Luis Medina(g、vo)、Mauricio Laferrara(g、vo)、Mauro Leyes(g、b、vo)、Sebastian Narvaez (g、mandolin、vo)という5名。

Carlos Aguirre好きには大満足の美しく叙情的な音世界が展開されます。

ヴォーカル曲とインストが半々の構成も絶妙です。

清らかなギター・アンサンブルに魅せられるタイトル曲「Va siendo tiempo」、優しい語り口の「Zamba de los almacenes」、春の木漏れ日のような「Chaya errante」、長閑なムードの「Siesta de domingo」、美しい弦の響きに魅せられる叙情的な「Cancion por Santiago」あたりが僕のお気に入りです。

都会の喧噪から離れたい気分のとき、家に居ながらにして自然の情景モードに浸れる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Va siendo tiempo」
Carlos Aguirre作。邦題「あり続ける時」。本作を象徴する清らかなギター・アンサンブルに魅せられるオープニング。♪なぜなら今、人とのつながりを大切に、その根底に愛をもって生きるときだ♪という本曲に込めたメッセージも素敵です。
https://www.youtube.com/watch?v=lgYOiEfQ1F0

「Siempre azul」
Carlos Aguirre作。邦題「いつも青く」。チリへの旅路で目にした山並みの青さと川面の広がる青さがモチーフになっているようです。大自然の中に融け込んでいくような音世界です。
https://www.youtube.com/watch?v=OgYDpDi4968

「Color despedida」
Carlos Aguirre作。邦題「別れの色」。映画のために書かれたインスト曲。ここでのAguirreはアコーディオンを弾き、ギターを交えた味わい深いアンサンブルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wqX9c2kowuc

「Los amores de Cabre」
ベネズエラ人ギタリスト/詩人のEnrique Hidalgoの作品をカヴァー。初めて聴くのに懐かしさを感じる郷愁モードの仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=kQLf_eu7Qpg

「Chaya errante」
Carlos Aguirre作。ギター五重奏ならではの美しく瑞々しいアンサンブルを楽しめます。こんな音を聴きながら、春の木漏れ日を浴びていたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=643S9WpMDtE

「Zamba de los almacenes」
Carlos Aguirre作。邦題「よろづやのサンバ」。Carlos Aguirreらしい優しい語り口の1曲に仕上がっています。聴いているだけで心が和らぎ、優しい気持ちになれます。これぞCarlos Aguirreワールド!
https://www.youtube.com/watch?v=nycPKFzf8E4

「Nini」
Carlos Aguirre作。2016年に逝去したアルゼンチン人アコーディオン奏者Nini Floresに捧げられた1曲。元々は二人のデュオ用に書いた1曲だったようです。ここではNiniの遺志を受け継ぐようにAguirreがアコーディオンを弾いています。
https://www.youtube.com/watch?v=8DSaq5HWhSo

「Don Angel Borda」
Carlos Aguirre作。労働者の権利の戦った実在の人物について歌った1曲。フォルクローレらしい味わいのチャカレーラを素敵なギター・アンサンブルで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=JZHFvZpgy0U

「Siesta de domingo」
Carlos Aguirre作。邦題「日曜日のシエスタ」。Aguirreのアコーディオン、4本のギターによる美しいインスト。休日昼間の長閑な気分にピッタリの穏やかな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=4tji-OlpBDo

「A gatas」
Carlos Aguirre作。アルゼンチン・フォルクローレの一形式であるガトというスタイルの曲なのだとか。ガトは「猫」を意味する名詞であり、この演奏を聴いていたら、僕の大好きなTV番組の一つである『岩合光昭の世界ネコ歩き』の映像を思い浮かべてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=jZpcHElXWXo

「Camino a Puerto Alvear」
Carlos Aguirre作。アコーディオン、ギターによる軽やかなアンサンブル。楽しげなに演奏する5人の姿が目に浮かんできます。
https://www.youtube.com/watch?v=HDYBDsFnNjU

「Puerto Soledad」
Henry Martinez/Carlos Aguirre作。邦題「孤独という名の港」。憂いを帯びたサウンドと切ないAguirreの歌声が胸の奥へ沁みてきます。こういう歌を聴きながら、独り内省モードに浸るのも悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=qqqry_jPClk

「Cancion por Santiago」
Carlos Aguirre作。ラストは、アルゼンチン先住民への思いが込められた叙情的な演奏で締め括ってくれます。ギター五重奏ならではの美しい弦の響きに魅せられます。
https://www.youtube.com/watch?v=bZdIa0k-Xxk

Carlos Aguirreの他作品もチェックを!

Carlos Aguirre Grupo『Crema』(2000年)
Carlos Aguirre Grupo(Crema)

『Rojo』(2004年)


『Caminos』(2006年)


『Violeta』(2008年)


『Orillania』(2012年)
Orillania

Andre Mehmari/Juan Quintero/Carlos Aguirre『Serpentina』(2017年)
Serpentina セルペンティーナ

『La musica del agua』(2019年)
LA MÚSICA DEL AGUA / ラ・ムシカ・デル・アグア 〜 水の音楽

Yotam Silberstein/Carlos Aguirre『En El Jardin』(2021年)
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2022年04月15日

『今の気分は...2022年4月15日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は2000年代カテゴリーからクロスオーヴァー/クラブジャズな10曲をセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Fauna Flash「Free」
https://www.youtube.com/watch?v=FmBpuffN3Do
From 『Fusion』(2001年)
Fusion

Ben Westbeech「So Good Today」
https://www.youtube.com/watch?v=7vhd1pDS5dM
From 『Welcome To The Best Years Of Your Life』(2007年)
Welcome to the Best Years of Your Life(ウェルカム・トゥ・ザ・ベスト・イヤーズ・オブ・ユア・ライフ)

Part Time Heroes「In My Soul」
https://www.youtube.com/watch?v=in40pnZURu0
From 『Meanwhile...』(2008年)
Meanwhile...(ミーンワイル...)

Reel People「The Light」
https://www.youtube.com/watch?v=URUZvJkPSSI
From 『Second Guess』(2003年)
Second Guess

Little Dragon「Constant Surprises」
https://www.youtube.com/watch?v=F3ZE1w6dLUs
From 『Little Dragon』(2007年)
Little Dragon

Hird「Keep You Kimi」
https://www.youtube.com/watch?v=tyGul0B9MvQ
From 『Moving On』(2004年)
Moving on

Afro-Mystik「Natural」
https://www.youtube.com/watch?v=oDL1rEAqrdg
From 『Morphology』(2003年)
Morphology

Uschi Classen「Home」
https://www.youtube.com/watch?v=7H7Wf88WiYk
From 『Soul Magic』(2002年)
Soul Magic

Two Banks Of Four「One Day」
https://www.youtube.com/watch?v=MTitkN4GlR8
From 『Three Street Worlds』(2003年)
Three Street Worlds

Joseph Malik「Dream Dancer」
https://www.youtube.com/watch?v=fCd5l-dmyw4
From 『Aquarius Songs』(2004年)
Aquarius Songs
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2022年04月13日

Elis Regina & Antonio Carlos Jobim『Elis & Tom』

巨匠二人、一度限りの夢の共演☆Elis Regina & Antonio Carlos Jobim『Elis & Tom』

発表年:1974年
ez的ジャンル:国民的歌手&ボサノヴァの父系MPB
気分は... :一期一会!

今回はブラジルの国民的歌手Elis Reginaがボサノヴァの父Antonio Carlos Jobim(Tom Jobim)と共演した人気作『Elis & Tom』(1974年)です。

これまで当ブログで紹介してきたブラジルの国民的歌手Elis Reginaの作品は以下の13枚。
※Elisの場合、セルフタイトルのアルバムが多数あるので、便宜上、発表年をカッコ内に記載しています。

 『Elis(1966)』(1966年)
 『Elis Especial』(1968年)
 『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
 『Aquarela Do Brasil』(1969年) ※Toots Thielemansとの共演
 『Elis Regina in London』(1969年)
 『Em Pleno Verao』(1970年)
 『Ela』(1971年)
 『Elis (1972)』(1972年)
 『Elis (1973)』(1973年)
 『Elis (1974)』(1974年)
 『Falso Brilhante』(1976年)
 『Elis (1977)』(1977年)
 『Essa Mulher』(1978年)

Elis ReginaAntonio Carlos Jobim(Tom Jobim)というブラジル音楽の巨匠二人の一度限りの夢の共演として、名盤の誉れ高い1枚ですね。

これまで13枚もElis Regina作品を紹介してきていますが、本来もっと早く紹介すべきであった1枚でしたね。有名作品を後回しにしたる僕の悪い癖かもしれません(笑)

不仲説も伝えられた二人ですが、Elisが数多くのJobim作品を取り上げてきたのも事実であり、その意味では共演アルバムを制作する運命であったような気もします。

レコーディングはL.A.で行われました。

レコーディングにはElis Regina(vo)、Antonio Carlos Jobim(vo、p、g、arr)以下、Cesar Camargo Mariano(p、arr)、Helio Delmiro(g)、Oscar Castro-Neves(g)、Luizao Maia(b)、Paulo Braga(ds)、Bill Hitchcock(conductor)、Hubert Laws(fl)、Jerome Richardson(fl)、Chico Batera(per)といったミュージシャンが参加しています。

プロデュースはAloysio de Oliveira

当然、楽曲はすべてJobim作品です(共作含む)。

ElisとJobimのデュエットを聴ける「Aguas de Marco」「Soneto de Separacao」、モダンなアレンジのメロウ・チューン「So Tinha de Ser com Voce」、軽やかなメロウ・ボッサの「Triste」「Brigas, Nunca Mais」、メロウ・ジャズな「Fotografia」、小粋なアレンジの「Chovendo na Roseira」、感動的なヴォーカルの「Retrato Em Branco E Preto」、Jobimのピアノをバックに歌い上げる「Inutil Paisagem」あたりが印象的です。

最初で最後の二人の共演作を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Aguas de Marco」
Antonio Carlos Jobim作。名曲「三月の水」をElisとJobimがデュエットします。不仲説が嘘のように、笑い声交じりの楽しげなデュエットを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QF_Ekf6nHj8

本曲について、当ブログではTania MariaSergio Mendes & Brasil '77
Stacey KentRonald MesquitaElis ReginaAgustin Pereyra LucenaCassandra WilsonBossacucanovaVida Novaのカヴァーも紹介済みです。

「Pois E」
Antonio Carlos Jobim/Chico Buarque作。哀愁チューンを抑えたトーンでしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=WZ1_wNAhukE

「So Tinha de Ser com Voce」
Antonio Carlos Jobim/Aloysio de Oliveira作。エレピが印象的な都会的アレンジのメロウ・チューン。さり気ないですが、いい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=QfMd4qhVkYo

本曲について、当ブログではTitaDuke PearsonSergio MendesSamba Trioのカヴァーを紹介済みです。

「Modinha」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。当ブログではLuciana Souzaのカヴァーも紹介済みです。ストリングスを配した哀愁チューンを情感たっぷりに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=76Se5hxy8hQ

「Triste」
Antonio Carlos Jobim作。モダンなアレンジのメロウ・ボッサは僕好み。Elisのコントロールされたヴォーカルも絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=pNWpquMzJSY

本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil '66Steen Rasmussen Feat. Josefine CronholmCybill ShepherdBeto CalettiJoao Gilbertoのカヴァーも紹介済みです。

「Corcovado」
Antonio Carlos Jobim作。「Quiet Nights」の英題でも知られる名曲をJobim本人とデュエット。美しいストリングスをバックに、Elisが寂しげに歌い上げます。ピアノ&ギターはJobimによる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=mDVXVNm1fpo

本曲に関して、当ブログではJoanie SommersCannonball AdderleyWanda Sa(Wanda De Sah)Mario Castro-Neves & Samba S.A.Diane Denoir/Eduardo MateoEarl OkinDardanellesCassandra WilsonO QuartetoJon HendricksGenaiTilleryLaurindo AlmeidaCharlie ByrdTamba TrioMario Castro Neves & Samba S.A.Clare Fischerのカヴァーも紹介済みです。

「O Que Tinha de Ser」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。Jobimのピアノのみをバックに、Elisが情感豊かな哀愁ヴォーカルを聴かせてくれます。最後、吐息で終わるのがElisらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IXObeZ8USEE

「Retrato Em Branco E Preto」
Antonio Carlos Jobim/Chico Buarque作。名曲「白黒のポートレイト」。美しいストリングスとJobimのピアノをバックに、Elisが感動的なヴォーカルを聴かせてくれます。円熟味を増したElisの歌声に魅せられる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=i6_dH1rOldI

本曲について、当ブログではThe G/9 GroupTania Mariaのカヴァーも紹介済みです。

「Brigas, Nunca Mais」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。軽やかなメロウ・ボッサを聴いていると、開放的な気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=hYVwJkIsj7M

「Por Toda a Minha Vida」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。当ブログではLenita Brunoのカヴァーも紹介済みです。Elisの情感たっぷりの歌と、美しくも悲しげなストリングスがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=dcNJTJingec

「Fotografia」
Antonio Carlos Jobim作。Helio Delmiroのギターを中心に、メロウ・ジャズ・テイストのバッキングです。ジャズ・サンバ調のアクセントも含めていい雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=8p0pxlVqUHk

本曲について、当ブログではNara Leao(アルバム『Dez Anos Depois』および『Os Meus Amigos Sao Um Barato』)、Adam DunningElis ReginaDaniela Basso/Ernesto SalgueiroStacey KentEliane Eliasのカヴァーも紹介済みです。

「Soneto de Separacao」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。Jobimから歌い始めるデュエット。Jobimのヘタウマ・ヴォーカルとElisの凜とした歌声のコントラストがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=2Rvx9UPn_-g

「Chovendo na Roseira」
Antonio Carlos Jobim作。Cesar Camargo Marianoの小粋なアレンジと、Elisならではの豊かな語り口のヴォーカルで、聴く者を軽やかな気分にしてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QGPc5hOphyM

本曲について、当ブログではOsmar MilitoSergio Mendes & Brasil '77Steen Rasmussen Feat. Josefine CronholmStacey KentJulie Kelly With Tom Garvinのカヴァーも紹介済みです。

「Inutil Paisagem」
Antonio Carlos Jobim/Aloysio de Oliveira作。ラストは名曲「無意味な風景」をJobim自身のピアノをバックに、しっとりと歌い上げて締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=tggzkeOntCg

本曲について、当ブログではTenorio Jr.Quarteto Em CyTitaVinicius CantuariaNu BrazWanda SaSteen Rasmussen Feat. Josefine CronholmThe Girls From BahiaJoyce & Toninho Hortaのカヴァーも紹介済みです。

Elis Regina作品の過去記事もご参照下さい。

『Elis(1966)』(1966年)
Elis

『Elis Especial』(1968年)
エリス・エスペシアル

『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
コモ・イ・ポルケ+4

『Aquarela Do Brasil』(1969年)
ブラジルの水彩画

『Elis Regina in London』(1969年)
イン・ロンドン

『Em Pleno Verao』(1970年)
エン・プレノ・ヴァラオン

『Ela』(1971年)
エラ 1971

『Elis (1972)』(1972年)
Elis

『Elis (1973)』(1973年)
Elis 1973

『Elis (1974)』(1974年)
人生のバトゥカーダ

『Falso Brilhante』(1976年)
Falso Brilhante

『Elis (1977)』(1977年)
Elis 1977

『Essa Mulher』(1978年)
或る女(紙ジャケット仕様)
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2022年04月10日

Mamas Gun『Cure The Jones』

UKソウル・バンド、健在ぶりを示した最新作☆Mamas Gun『Cure The Jones』

発表年:2022年
ez的ジャンル:UKソウル・バンド
気分は... :希望と再生!

新作からUKのソウル・バンドMamas Gunの最新アルバム『Cure The Jones』です。

シンガーソング・ライター、デザイナー、マルチ奏者、リード・シンガーAndy Plattsを中心に、2007年ロンドンで結成されたソウル・バンドMamas Gunの紹介は、デビュー・アルバム『Routes To Riches』(2009年)に続き2回目となります。

最近のAndy Plattsは、Mamas Gun本隊よりもShawn Leeと組んだAOR的なサイド・プロジェクトYoung Gun Silver Foxでの活動の方が目立っていた感もありましたが、最新アルバム『Cure The Jones』Mamas Gunの健在ぶりを示してくれました。

本作におけるメンバーはAndy Platts以下、Cameron Dawson(b)、Dave Oliver(key)、Terry Lewis(g)、Chris Boot(ds)という5名。

プロデュース&ソングライティングはAndy Platts(共作1曲を含む)。

改めてAndy Plattsのソウル・ミュージックへのリスペクトを感じる1枚に仕上がっています。

Bill Withersライクなファンキー・メロウの「Friends To Lovers」「Looking For Moses」Marvin Gayeライクな「Good Love」Silk Sonicにも通じる「Go Through It」Curtis MayfieldBobby CaldwellLewis Taylorからインスパイアされたタイトル曲「Cure The Jones」、ポジティヴなファンキー・メロウ「Winner's Eyes」あたりが僕のオススメです。

さらに成熟したMamas Gunワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「When You Stole The Sun From The Sky」
ブルーアイド・ソウル感覚のスウィート・バラード。ストリングスも雰囲気を盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_Gwc1i4fDxg

「Looking For Moses」
Bill Withersへのオマージュ。Bill Withersライクなソフトリー・ファンキー・メロウが心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=HzEx0xTwStA

「Go Through It」
70年代ソウル・ヴォーカル・グループへのリスペクトを感じるバラード。Silk Sonic好きの人にもオススメです。
https://www.youtube.com/watch?v=A-1uUNLNMPs

「Good Love」
Marvin Gayeライクな曲調・サウンドのメロウ・グルーヴ。モダンなUKソウル・バンドといった趣で大好きなトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=1AH9GK-HxHw

「Reconsider」
祈りのソウル・バラード。コロナ禍で世界が一変し、さらには信じられない残虐な戦争に直面する今だからこそ再考しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=wUkb8oUrckw

「Party For One」
Sly & The Family Stoneに触発されて作った曲のようですが、曲調自体は70年代スウィート・ソウルのマナーです。ただし、甘くなりすぎないように、隠し味のスパイスを効かせているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=x-8y8l1Unjc

「Friends To Lovers」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。Bill Withersをフォーキーではなく、ファンキー・ロック調にするとこんな雰囲気4になるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=0iOxBNM8UuE

「Cure The Jones」
「欲求を満たす」という意味のタイトル曲は、Curtis MayfieldBobby CaldwellLewis Taylorからインスパイアされたものなのだとか。当ブログでも紹介済みの3アーティストですが、確かによく聴くと3人のエッセンスを感じることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=TV_bHfBUb1w

「You're Too Hip (For Me Baby)」
70年代甘茶ソウルなバラード。レトロ感を逆手に取っているのがAndy Plattsらしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=7Z7-o_ZBFdc

「Winner's Eyes」
ソウル・バンドらしい雰囲気のファンキー・メロウ。ポジティヴなヴァイヴに溢れているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=o2bGbdUNWGo

「Daffodils」
本編ラストは、パンデミックで傷ついた心と、そこからの再建・希望をラッパズイセンに託したビューティフル・バラードで締め括ってくれます。ラッパズイセンはUKでは、春を告げる花としてポピュラーなものです。
https://www.youtube.com/watch?v=yFB6P-Z4oo8

「Tiger」
国内盤ボーナス・トラック。ブルーアイド・ソウル的なメロウ・ソウル。ビート感やハーモニカのシブい音色など僕好みの1曲に仕上がっています。

Mamas Gunの他作品やYoung Gun Silver Foxの作品もチェックを!

『Routes To Riches』(2009年)
ルーツ・トゥ・リッチーズ

『The Life And Soul』(2011年)
ザ・ライフ・アンド・ソウル

『Aversions』(2012年)


『Cheap Hotel』(2014年)


『Golden Days』(2018年)


Young Gun Silver Fox『West End Coast』(2015年)


Young Gun Silver Fox『AM Waves』(2018年)


Young Gun Silver Fox『Canyons』(2020年)
posted by ez at 00:19| Comment(2) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月08日

『今の気分は...2022年4月8日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は1980年代カテゴリーから10曲をセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Fishbone「Ugly」
https://www.youtube.com/watch?v=Owg8cDOR7pY
From 『Fishbone』(1985年)


The Clash「Magnificent Seven」
https://www.youtube.com/watch?v=WD5N0rTsulQ
From 『Sandinista!』(1980年)


Talking Heads「Great Curve」
https://www.youtube.com/watch?v=3N5qQrGSuJ4
From 『Remain in Light』(1980年)


Ambitious Lovers「Love Overlap」
https://www.youtube.com/watch?v=zQJSjKom5LE
From 『Greed』(1988年)


Prince「Head」
https://www.youtube.com/watch?v=G01MStHbl9E
From 『Dirty Mind』(1980年)


Les Rita Mitsouko「Hip Kit」
https://www.youtube.com/watch?v=cMZkr46mNwo
From 『Marc & Robert』(1988年)


Yello「The Race」
https://www.youtube.com/watch?v=hSVPjFLN_Oo
From 『Flag』(1988年)


Scritti Politti「Lions After Slumber」
https://www.youtube.com/watch?v=H8ieXE2vwSQ
From 『Songs To Remember』(1982年)


ESG「Moody」
https://www.youtube.com/watch?v=KnSTHo0L2wY
From 『A South Bronx Story』(2000年)※音源は80年代
A South Bronx Story

Pigbag「Wiggling」
https://www.youtube.com/watch?v=Wl_wFScy1I0
From 『Dr. Heckle and Mr. Jive』(1982年)
posted by ez at 15:22| Comment(2) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする