2022年04月06日

III Frum Tha Soul『III Frum Tha Soul』

バラード中心で勝負!☆III Frum Tha Soul『III Frum Tha Soul』

発表年:1998年
ez的ジャンル:ラブ・バラード系R&B
気分は... :ツリーよりもリゾーム!

今日はIII Frum Tha' Soulの2ndアルバム『III Frum Tha Soul』(1998年)です。

オハイオ出身の男性R&BグループIII Frum Tha' Soulの紹介は、デビュー・アルバム『What Cha Missin'』(1993年)に続き2回目となります。

この2ndアルバムでは、ラッパーのLaMonte Richaedsonが抜け、Big Jim(Jimmy Johnson)Vic G(Victor Green)、新加入のRicardo Scottが加入という新ラインナップとなっています。

Gerald LevertEdwin "Tony" NicholasというLevert一派や、Keith Sweat、前作のプロデュースを務めたChip & Loなど多様なプロデューサーが関与しています。

アルバムはバラード中心ですが、それで全体が単調にならないのが、本作の魅力であり、このグループの実力であると思います。

多様なプロデューサーの起用を逆手にとって、プロデューサーの色にうまく溶け込んでいるのも飽きのこない要因だと思います。

先行シングルにもなった「Black Superman」Keith Sweatプロデュースの「Come On」Gerald Levert調のオープニング「You Played Me」Love Unlimited Orchestra「Midnight And You」をそのまま引用した「Fever」あたりが目立ちます。

個人的には「Damn」「Take It Slow」「Take It Slow」「Diamond In The Sky」「This Ring」といったバラードにグッときてしまいます。

商業的には不発でしたが、90年代男性R&Bグループ好きの人であれば、満足する内容の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「You Played Me」
Gerald Levert/Edwin "Tony" Nicholasプロデュース。曲調もヴォーカル・スタイルもGerald Levert調ですね。彼らとLevert一派の相性の良さを感じるオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=zvBuibWORFI

「Black Superman」
Aaron "Baby Boy" Griffinプロデュース。アルバムからのリード・シングルにもなったトラック。硬質ビートのキャッチーなミディアム・グルーヴ。女性R&BシンガーのLil' Moがバック・コーラスを務める。
https://www.youtube.com/watch?v=YO-41n0DS54

「Come On」
Keith Sweatプロデュース。Piakhanのラップをフィーチャリングした、夜遊びモードのセクシー・ミディアム。Keith Sweatプロデュースらしい雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=BqXFX9uv7YA

「Damn」
Gerald Issacプロデュース。オーセンティックなバラードですが、このグループの魅力を実感できる素敵な仕上がりです。叶わぬ恋の甘く切ない思いを切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=4MItn1c_H90

「Treat You Right」
Chip & Loプロデュース。前作を全面プロデュースし、グループを良く知るChip & Loが哀愁ミディアムでグループの魅力を引き出します。90年代男性R&Bヴォーカル・グループらしい雰囲気を堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=OJkSjFVIM2w

「Take It Slow」
Lova Boi/Bert Priceプロデュース。アーバン・ナイトなミディアム・バラード。セクシー&ロマンティックな感じがたまりません。かなり僕好みの仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=C9rUXF65T7g

「My Body」
Gerald Levert/Edwin "Tony" Nicholasプロデュース。このトラックもLevertスタイルを上手く彼らにフィットさせています。
https://www.youtube.com/watch?v=TRrOviZ-JL0

「Fever」
Fabian Hamiltonプロデュース。Love Unlimited Orchestra「Midnight And You」をそのまま引用したラブ・バラード。「Midnight And You」がお好きな人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=pCaXGmDJAhM

「Diamond In The Sky」
Todd "Whiz" Pearseプロデュース。タイトルからしてロマンティックなラブ・バラード。熱唱しつつも、サウンドはクールなので全体的に暑苦しくならない感じが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=GK6d13QCSGM

「That Ain't No Way To Treat A Lady」
Herb Middletonプロデュース。さり気ないですが、ジワジワくるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=DpqpDliG2fA

「Denying My Love」
Gerald Levert/Edwin "Tony" Nicholasプロデュース。Levertスタイルのバラードながらも、Levertよりも温度設定が少し低めになっているのが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=Jc8tGdCxdvE

「Break Me Off A Piece」
Gerald Levert/Edwin "Tony" Nicholasプロデュース。強弱のメリハリが絶妙メロウ・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=dTBRhWg4gZM

「This Ring」
Herb Middletonプロデュース。Angie Stoneがソングライティング&ヴォーカル・アレンジを手掛けています。そんなAngie姐さんのいい仕事ぶりを実感できれる素敵なラブ・バラードでアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ACYARwTYOR0

III Frum Tha' Soul関連の他作品もチェックを!

『What Cha Missin'』(1993年)


『Time Waits for No One』(2011年)


Big Jim『Commitment Episode 1』(2003年)


Big Jim『What Ever You Want』(2013年)
posted by ez at 00:47| Comment(2) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月03日

Makaya McCraven『Deciphering The Message』

50〜60年代Blue Note作品の再構築☆Makaya McCraven『Deciphering The Message』

発表年:2021年
ez的ジャンル:ビート・サイエンティスト系今ジャズ
気分は... :科学×芸術!

新作ジャズから、ビート・サイエンティストとの異名を持つMakaya McCravenの最新作『Deciphering The Message』です。

Makaya McCravenは1983年生まれのドラマー/ビートメイカー/プロデューサー。現在はシカゴを拠点としています。

Hip-Hop世代のジャズ・ドラマーとして、今ジャズ好きにはお馴染みのアーティストですね。

そのMakaya McCravenがジャズの名門Blue Noteからリリースした最新作が『Deciphering The Message』です。

本作『Deciphering The Message』は、Blue Noteからのデビュー・アルバムらしく、1950〜60年代のBlue Note作品を再構築したアルバムとなっています。

カヴァーではなく、オリジナル音源を活かした再構築というところが、ドラマー/ビートメイカー/プロデューサーであるMakaya McCravenらしいですね。

レコーディングにはMakaya McCraven(ds、per、g、b、key、syn)以下、Joel Ross(vibe)、De'Sean Jones(ts)、Jeff Parker(g)、Matt Gold(g)、Junius Paul(b)、Marquis Hill(tp)、Greg Ward(as)といったミュージシャンが参加しています。

オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、今ジャズ的なものにアップデートしているトラックもあれば、オリジナルの一部を切り取って、大胆にリボーンさせているトラックもあります。

その意味では、オリジナルと聴き比べるのが楽しいと思います。

1枚で1950〜60年代のBlue Noteのジャズ・ワールドと、2020年代の感性の今ジャズの両方を楽しめる興味深い1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。
※オリジナルもセットで紹介しておきますので、セットでチェックしてみてください。

「A Slice Of The Top」
Hank Mobleyのリメイク(Hank Mobley作)。オリジナルは『 A Slice Of The Top』(1966年)収録。オリジナルにあるHank MobleyLee Morganらのホーン隊のサウンドを活かしつつ、Makayaが新たなビートを加えることで、現代的なジャズにアップデートさせています。
https://www.youtube.com/watch?v=xT32LyUzrZI

Hank Mobley「A Slice Of The Top」
 https://www.youtube.com/watch?v=RGk_DBUrAjE
『A Slice Of The Top』(1966年)


「Sunset」
Kenny Dorhamのリメイク(Kenny Dorham作)。これもMakayaがビートを再構築することで、コズミックな魅力が加味されます。Kenny DrewのピアノとJeff Parkerのギターが時空を超えて絡むのもいいですね。Junius Paulによる鳥の鳴き声のホイッスルにも不思議なコズミック感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=NxgytefuF7o

Kenny Dorham「Sunset」
 https://www.youtube.com/watch?v=t90eudo_Ryk
『Whistle Stop』(1961年)


「When Your Lover Has Gone」
Art Blakey & The Jazz Messengersのリメイク(Einar Aaron Swan作)。オリジナルは『A Night In Tunisia』(1960年)のボーナス・トラックとして聴くことができます。このトラックは再構築に相応しいMakayaのビートメイキングのセンスを感じるサウンドで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RXkL2Y_Xows

Art Blakey & The Jazz Messengers「When Your Lover Has Gone」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZyJ1fEHnNBc
『A Night In Tunisia』(1960年)


「Ecaroh」
Horace Silverのリメイク(Horace Silver作)。オリジナルは『Horace Silver Trio』(1952,53年)収録。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、Horace Silverのピアノのループを活かし、よりHip-Hop感覚のジャズで楽しませてくれます。Joel Rossのヴァイヴもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=B1BdejKKJwk

Horace Silver「Ecaroh」
 https://www.youtube.com/watch?v=Wn3VIgRJT2w
『Horace Silver Trio』(1952,53年)


「Tranquillity」
Bobby Hutchersonのリメイク(Bobby Hutcherson作)。オリジナルは『Components』(1965年)収録。オリジナルはHutchersonのヴァイヴを生かしたバラードでしたが、こここでは激しいビートに置き換えて、今ジャズならではの表情で聴かせます。
https://www.youtube.com/watch?v=cY8VbOQ2Phc

Bobby Hutcherson「Tranquillity」
 https://www.youtube.com/watch?v=njvQG1x8ofM
『Components』(1965年)
コンポーネンツ

「Wail Bait」
Clifford Brownのリメイク(Quincy Jones作)。オリジナルは『Memorial Album』(1953年)収録。オリジナルはアフロ・キューバン調のビートで始まりますが、ここではトライバルなMakayaのビートが際立つ、格好良い1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=t1MFsA9jKuQ

Clifford Brown「Wail Bait」
 https://www.youtube.com/watch?v=DNVpemfZ4dE
『Memorial Album』(1953年)


「Coppin' The Haven」
Dexter Gordonのリメイク(Kenny Drew作)。オリジナルは『One Flight Up』(1964年)収録。これはビートメイカーらしい再構築。オリジナルとは別物のHip-HopジャズへRebornしています。これはかなり格好良い!
https://www.youtube.com/watch?v=3WFKCBd_UC0

Dexter Gordon「Coppin' The Haven」
 https://www.youtube.com/watch?v=MZ6PYUrtH5c
『One Flight Up』(1964年)


「Frank's Tune」
Jack Wilsonのリメイク(Frank Strozier作)。オリジナルは『Easterly Winds』(1967年)収録。Jeff ParkerのギターとMakayaのHip-Hopビートの絡みが絶妙な2021年に相応しいBlue Noteジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZyRULVs_MKo

Jack Wilson「Frank's Tune」
 https://www.youtube.com/watch?v=M76r5UQOU6Y
『Easterly Winds』(1967年)


「Autumn In New York」
Kenny Burrellのリメイク(Vernon Duke作)。オリジナルは『Blue Lights, Vol. 1』(1958年)収録。オリジナルはメロウ・ギター・バラードですが、ここではその印象的なギター・ループを生かしたHip-Hop的なメロウ・ジャズで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_b05lkQ5T4Y

Kenny Burrell「Autumn In New York」
 https://www.youtube.com/watch?v=r1E31yVClW4
Kenny Burrell『Blue Lights, Vol. 1』(1958年)


「Monaco」
Kenny Dorhamのリメイク2曲目(Kenny Dorham作)。オリジナルは『Round About Midnight At The Cafe Bohemia』(1956年)収録。Makayaらしいビートによる再構築を楽しめます。オリジナルではKenny Burrellがギター・ソロを披露しますが、ここではJeff Parkerがソロを披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BjPVc649yzY

Kenny Dorham「Monaco」
 https://www.youtube.com/watch?v=siM6xWDmoxk
『Round About Midnight At The Cafe Bohemia』(1956年)


「Mr. Jin」
Art Blakey & The Jazz Messengersのリメイク2曲目(a href="http://eastzono.seesaa.net/article/463984139.html">Wayne Shorter作)。オリジナルは『Indestructible』(1964年)収録。Art BlakeyとMakayaの時空を超えた共演を楽しみましょう。一方で、ビート1つでこんなにも演奏全体がモダンになることを実感できるトラックでもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=wyKKWeiuPXM

Art Blakey & The Jazz Messengers「Mr. Jin」
 https://www.youtube.com/watch?v=S_8sW8dQqyg
『Indestructible』(1964年)


「C.F.D.」
Jack Wilsonのリメイク2曲目(Jack Wilson作)。オリジナルは『Something Personal』(1966年)収録。ここでは印象的なイントロのループを使い、カリンバなどもアクセントも加えて、穏やかなトラックへと変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=EqUuKkB-Rnc
(AKA “D.F.C.”) [from Something Personal by Jack Wilson]

Jack Wilson「C.F.D.」
 https://www.youtube.com/watch?v=C75ACnvqa2I
『Something Personal』(1966年)


「Black Rhythm Happening」
Eddie Galeのリメイク(Eddie Gale作)。オリジナルは『Black Rhythm Happening』(1969年)収録。オリジナルは本作の中では異色のブラック・スピリチュアル・ジャズですが、ここではコーラス部分をサンプリングし、グルーヴィー・ソウル風に仕上げています。まさにビートメイカー的なセンス全開です。
https://www.youtube.com/watch?v=LSqbCpsq6bg

Eddie Gale「Black Rhythm Happening」
 https://www.youtube.com/watch?v=dFqcZtkcz48
『Black Rhythm Happening』(1969年)


Makaya McCravenの他作品もチェックを!

『Split Decision』(2012年)


『In The Moment』(2015年)


『Highly Rare』(2017年)


『Universal Beings』(2018年)


『Where We Come From (Chicago X London Mixtape) 』(2019年)


Makaya McCraven/Gil Scott-Heron『We're New Again: A Reimagining by Makaya McCraven』(2020年)


『Universal Beings E&F Sides』(2020年)
posted by ez at 04:18| Comment(2) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月01日

『今の気分は...2022年4月1日編』

いよいよ新年度ですね。
気持ちをリセットしつつ、ありのままの自分で新年度に臨みたく思います。

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は1970年代カテゴリーからメロウな10曲をセレクトしました。
イメージは、春は別れと出会いの季節といった感じですかね。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Nicolette Larson & Michael McDonald「Let Me Go, Love」
https://www.youtube.com/watch?v=nD4VHciIYJ0
From 『In The Nick Of Time』(1979年)


Michael Franks「Lady Wants to Know」
https://www.youtube.com/watch?v=M9SP6F2O1Ls
From 『Sleeping Gypsy』(1977年)


England Dan & John Ford Coley「Love Is the Answer」
https://www.youtube.com/watch?v=d404PeooWl8
From 『Dr.Heckle And Mr.Jive』 (1978年)


Pages「I Get It From You」
https://www.youtube.com/watch?v=NXPM37Vvm5o
From 『Pages』(1978年)
ファースト・ペイジズ

Average White Band「Ace Of Hearts」
https://www.youtube.com/watch?v=KORTdtnxeSk
From 『Feel No Fret』(1979年)


Lil Albert「My Girl Friday」
https://www.youtube.com/watch?v=YUqb0WF3WnQ
From 『Movin' In』(1976年)
ムーヴィン・イン

Stanky Brown「Around Town」
https://www.youtube.com/watch?v=2VnKsgHcLUk
From 『Stanky Brown』(1978年)
スタンキー・ブラウン

Dane Donohue「Woman」
https://www.youtube.com/watch?v=_Y0eCaNL5tA
From 『Dane Donohue』(1978年)


Bill Hughes「Waiting For You To Fly」
https://www.youtube.com/watch?v=oia83XqFTyo
From 『Dream Master』(1979年)
ドリーム・マスター(期間生産限定盤)

Toby Beau「My Angel Baby」
http://www.youtube.com/watch?v=D5F3OtLJJH4
From 『My Angel Baby』(1978年)
posted by ez at 00:05| Comment(2) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする