2022年04月20日

Maxwell『BLACKsummers'night』

三部作シリーズの第一弾☆Maxwell『BLACKsummers'night』

発表年:2009年
ez的ジャンル:セクシー男性R&B
気分は... :ライヴ・レコーディングの魅力!

孤高の官能R&BシンガーMaxwell『BLACKsummers'night』(2009年)です。

1973年N.Y.ブルックリン生まれの男性R&BシンガーMaxwell(本名Gerald Maxwell Rivera)について、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Maxwell's Urban Hang Suite』(1996年)
 『Embyra』(1998年)
 『Now』(2001年)

4thアルバムとなる『BLACKsummers'night』(2009年)は、前作『Now』(2001年)から約8年のブランクを経てリリースされた作品であり、全三部作シリーズの第一弾アルバムです。

その後、シリーズ第二弾『blackSUMMERS'night』(2016年)がリリースされましたが、第三弾『blacksummers’NIGHT』(仮題)は未リリースであり、シリーズは完結していません。

話を『BLACKsummers'night』に戻すと、アルバムはUSアルバム・チャート、同R&Bアルバム・チャート共にNo.1となり、グラミーでも最優秀男性R&Bアルバム賞、最優秀男性R&Bヴォーカル・パフォーマンス賞(「Pretty Wings」)を受賞し、鮮やかな復活を印象づけた1枚です。

プロデュースはMaxwell本人(MUSZE名義)とHod David

全曲ライヴ・レコーディングであり、Derrick Hodge (b)、Chris Dave (ds)、Hod David(g)、Federico Pena(key)、Shedrick Mitchell(org)、Keyon Harrold(tp)、Saunders Sermons II(tb)、Kenneth Whalum III(sax)等がレコーディングに参加しています。

なんと言っても、後に『Black Radio』(2012年)をリリースするRobert Glasper Experiment(RGE)のメンバーであるDerrick Hodge (b)、Chris Dave (ds)の参加が目を引きます。

さらにはKeyon Harrold(tp)を含めて、今ジャズの人気アーティストの参加が興味深い1枚となっています。

当時は今ジャズ・ムーブメント以前であり、そういった観点から本作に注目した人は皆無だったと思いますが・・・

USアルバム・チャートNo.1となったアルバムですが、正直それほどキャッチーなアルバムではないかもしれません。

実は発売直後、CDショップで試聴したとき、以前のようなMaxwellの圧倒的な個性が少し薄れたような印象も受け、購入に迷った記憶があります。今思えば、少し地味な印象が起因していたのだと思います。

改めて聴き直すと、圧倒的ではないもののMaxwellらしさに溢れ、更に名うてのミュージシャンたちがライヴ・レコーディングならではの演奏でMaxwellの音世界を引き立てているのが、アルバムの魅力だと思います。

グラミー受賞のシングル「Pretty Wings」が目立ちますが、個人的には同じくシングルにもなった「Bad Habits」「Cold」、じわじわ高揚してくる「Help Somebody」、疾走するグルーヴィーR&B「Love You」あたりが僕のお気に入りです。

そろそろ『blacksummers’NIGHT』がリリースされないかなぁ・・・

全曲紹介しときやす。

「Bad Habits」
ライヴ・レコーディングによるMaxwellの新たな魅力が印象づけられるオープニング。シングルにもなりました。HodgeDaveのリズム隊やKeyon Harroldらのホーン隊がMaxwellのセクシー・ヴォーカルを引き立てます。終盤のミステリアスな雰囲気もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=S6s41gpCfg8

「Cold」
僕好みのセクシーなファンク・チューン。この曲もシングルになりました。『Maxwell's Urban Hang Suite』の頃のニュー・クラシック・ソウルなMaxwellが好きだった人も納得のトラックなのでは?ここでもHodgeDaveのリズム隊がいい仕事をしています。
https://www.youtube.com/watch?v=BCviLoI5DP8

「Pretty Wings」
前述のようにグラミーの最優秀男性R&Bヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞したシングル曲。ソウルフルなMaxwellを堪能できるミディアム・バラードです。ライヴ・レコーディングらしい尾張方もいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=RkPy4yq7EJo

「Help Somebody」
高揚感がジワジワ増してくる感じがたまらない哀愁セクシー・モードのR&Bグルーヴ。ライヴ・レコーディングでこの完成度は素晴らしい!
https://www.youtube.com/watch?v=PvKARVeMJ7I

「Stop The World」
ファルセット・ヴォーカルが映えるライヴ・レコーディングらしい雰囲気のミディアム・バラード。Chris Daveが彼らしいドラミングを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZtYh15olsbA

「Love You」
暗闇をもがきながらかき分けていくように疾走するグルーヴィーR&B。この雰囲気はMaxwellならではかもしれませんね。変に円熟しない感じが好きです!
https://www.youtube.com/watch?v=tfccXRB926o

「Fistful Of Tears」
切ないバラード。Maxwellのヴォーカルと素晴らしいバッキングが、やりきれない感情を雄弁に語っています。
https://www.youtube.com/watch?v=KabCkV_oW48

「Playing Possum」
哀愁アコギによるバラード。Keyon Harroldによるトランペット・ソロもいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=llYBHDdoMFU

「Phoenix Rise」
ラストは躍動するインストで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bwOnmo3ozVs

Maxwellの他作品もチェックを!

『Maxwell's Urban Hang Suite』(1996年)


『MTV Unplugged』(1997年)


『Embyra』(1998年)


『Now』(2001年)


『blackSUMMERS'night』(2016年)
posted by ez at 03:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする