2022年05月15日

Flora Purim『If You Will』

約17年ぶりの最新作☆Flora Purim『If You Will』

発表年:2022年
ez的ジャンル:ブラジリアン・フュージョン・レジェンド女性シンガー
気分は... :傘寿でこの歌声!

今回はブラジリアン・フュージョンのレジェンド女性シンガーFlora Purim、約17年ぶりの最新作『If You Will』です。

旦那のAirto Moreiraと共にブラジリアン・フュージョンを牽引してきた女性シンガーFlora Purimについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の5枚。

 『Butterfly Dreams』(1973年)
 『Stories To Tell』(1974年)
 『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』(1977年)
 『Everyday, Everynight』(1978年)
 『Carry On』(1979年)

『Flora's Song』(2005年)以来、約17年ぶりの最新作となる『If You Will』

1942年3月生まれのFlora Purimは現在80歳。

しかしながら、本作『If You Will』では80歳とは思えない張りのある歌声を聴かせてくれます。

少し前に79歳のCaetano Velosoの最新作『Meu Coco』を紹介しましたが、エイジレスというのはブラジル人アーティストの特質かもしれませんね。

プロデュースはFlora Purim自身。

レコーディングには、Flora Purim(vo)、旦那のAirto Moreira(per)、娘のDiana Purim(vo)をはじめ、Dianaの旦那様でジャズ・ベーシストWalter Bookerの息子でもあるKrishna Booker(per、back vo)、Jose Neto(g)、Claudia Villela(vo)、Celso Alberti(per)、Fabio Nascimento(g)、Thiago Duarte(b)等が参加しています。

このアルバムはGeorge Duke(2013年逝去)、Chick Corea(2021年逝去)の二人に捧げられており、かつての各人のFlora参加楽曲をカヴァーしています。

FloraDianaの母娘ツイン・リード・ヴォーカルの「This Is Me」「A Flor Da Vida」、雰囲気のあるメロウ・サンバ「Dandara」Return To Forever『Light As A Feather』(1972年)収録曲の再演「500 Miles High」あたりがオススメです。

Diana Purimがリード・ヴォーカルをとる「If You Will」George Dukeカヴァー)もかなりいいです。

全曲を紹介しときやす。

「If You Will」
タイトル曲はGeorge Duke作品のカヴァー。Floraも参加したオリジナル・ヴァージョンはアルバム『Cool』(2000年)収録。本ヴァージョンでは娘Diana Purimをフィーチャー。リード・ヴォーカルは娘に譲り、母Floraはバック・ヴォーカルを務めます。アフロ・ブラジリアンなイントロに続き、70年代のFlora作品を思わせるサンバ・フュージョンが展開されます。母譲りのDianaの素晴らしいヴォーカルを母Floraがバック・ヴォーカルでサポートします。
https://www.youtube.com/watch?v=YgLPcsbZFbY

George Duke with Flora Purim「If You Will」
 https://www.youtube.com/watch?v=CHTf7p-y-yA

「This Is Me」
Diana Purim/Krishna Booker作。ここではFloraとDianaの母娘ツイン・リード・ヴォーカル。娘に負けじとFloraの若々しいヴォーカルを堪能できるアフロ・ブラジリアン・フュージョンです。ミステリアスな土着ビートがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qFSUGZcShqY

「500 Miles High」
Chick Corea/Neville Potter作。Floraも参加したReturn To Forever『Light As A Feather』(1972年)収録曲のカヴァー。また、Floraはライヴ・アルバム『500 Miles High』(1976年)でも本曲をカヴァーしています。本ヴァージョンも70年代音源と間違えそうなほど現役感バリバリのFloraのヴォーカルを堪能できるブラジリアン・フュージョンです。Thiago Duarteのベースも格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=GxxV1bXkhzQ

Return To Forever feat. Flora Purim「500 Miles High」
https://www.youtube.com/watch?v=UD21FG2Nmcw
Flora Purim「500 Miles High」(From 『500 Miles High』)
https://www.youtube.com/watch?v=NRJCCymQAwU

「A Flor Da Vida」
Diana Purim/Mario Moya作。FloraとDianaのツイン・ヴォーカル。これは娘Dianaの世代感覚に近い曲調・サウンドですが、Floraも食らいついている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZayhOZdLlqg

「Newspaper Girl」
Jose Neto作。旦那Airtoのヴォーカルと共に始まる軽やかブラジリアン・フュージョン。Airtoと共にクセの強いスキャットで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=WfV7vmT6uuY

「Dandara」
Judith de Souza/Felipe Machado作。雰囲気のあるメロウ・サンバ。80歳にしてこんな歌を艶やかに歌い、魅せてくれるのは流石です。
https://www.youtube.com/watch?v=CgTnnOXQRl4

「Zahuroo」
Claudia Villela/Jose Neto/Celso Alberti作。パーカッシヴ・リズムとFloraらしいスキャットで楽しませてくれる1曲。こういうブラジル音楽の普遍的な魅力が、Floraのエイジレスな魅力にもつながっているのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=Flb7xQ_3L0Q

「Dois + Dois = Tres」
CDのみのボーナス・トラック。Nuno Mindelis作。Floraがブルースを歌う異色トラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=PcIRGb98Xlw

「Lucidez」
Diana Purim/Krishna Booker/Fabio Nascimento作。ラストは涼しげなアコースティック・メロウで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=c7k__NvJCqc

Flora Purimの過去記事もご参照下さい。

『Butterfly Dreams』(1973年)


『Stories To Tell』(1974年)
Stories To Tell

『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』(1977年)
ナッシング・ウィル・ビー・アズ・イット・ワズ...トゥモロウ+2

『Everyday, Everynight』(1978年)
エヴリデイ、エヴリナイト

『Carry On』(1979年)
キャリー・オン(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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