2022年06月05日

Jembaa Groove『Susuma』

ベルリンで結成された多国籍バンド☆Jembaa Groove『Susuma』

発表年:2022年
ez的ジャンル:ベルリン産ハイライフ/アフロ・ジャズ
気分は... :爽快な抜け感!

新作からベルリンを拠点とする多国籍アフロ・ソウル・バンドJembaa Grooveのデビュー・アルバム『Susuma』です。

ドイツの人気レーベルAgogo Recordsからのリリースです。

Jembaa Grooveは、ガーナ生まれのEric Owusu(vo、per)とベルリン出身のYannick Nolting(b)の出会いがきっかけで結成されたアフロ・ソウル・バンド。共にガーナのハイライフや70年代ソウルのファンであったことで意気投合し、バンド結成に至ったそうです。

そこにガーナにルーツを持ち、Yoofee名義でソロ作品もリリースしているMoses Yoofee Vester(key)、ベナン出身のBabatunde Agonglo(g)、イスラエル出身のNir Sabag(ds)、同じくイスラエル出身のMerav Goldman(horn)、ポルトガル出身のGoncalo Mortagua(sax)が加わり、現在のラインナップとなりました。

このようにドイツ、ガーナ、ベナン、イスラエル、ポルトガルという多国籍バンドのJembaa Grooveですが、音楽のベースは西アフリカの音楽となります。

販売元の資料には、「ガーナのハイライフ、アドワ、さらにはギニアやマリ、コートジボワールを中心に流行したワソルなどの西アフリカの音楽」とありますが、アドワ、ワソルについては僕はよくわかりません。当ブログでも紹介したEbo Taylorなどのハイライフをイメージして聴くとフィットすると思います。

販売元の資料では、西アフリカ音楽とヴィンテージ・ソウルの融合を強調していますが、ヴィンテージ・ソウルな部分は隠し味であり、それよりも西アフリカ音楽と都会的メロウ・サウンドの融合というのが僕が聴いた印象です。多分、アフロ・ジャズ好きの人が一番フィットするのではないかと思います。

全体的にリラックスしたアフリカン・サウンドを都会的メロウ・サウンドを織り交ぜながらモダンに聴かせてくれるのがいいですね。いい意味での爽快な抜け感があります。

リラックスしつつも、どこか哀愁が漂う音世界に僕は惹かれました。

どうぞ洗練されたアフリカン・サウンドをご賞味あれ!

全曲紹介しときやす。

「Aawoya」
ハイライフ×メロウ・ジャズといった雰囲気のオープニング。アフリカン・リズムを駆使しながらも、メロウ・エレピの音色で演奏全体が実に都会的な印象を受けます。
https://www.youtube.com/watch?v=7qcwfd4ijWA

「Suban」
開放的なアフロ・ジャズ×メロウ・ソウルな感じがいいですね。アフリカンなエッセンスをマイルドに聴かせてくれるのがこのバンドの魅力かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=tBgINzevJEQ

「Adesane」
アフリカ音楽ならではの哀愁メロウな雰囲気にグッとくるアフロ・ソウル。ここでもクセが強い曲調をモダンに聴かせてくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=a64eULkALjc

「Adesane - Part Two」
「Adesane」のパート2。パート1と2曲で1トラックのように聴いてもいいかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=fsuJQBBH3f0

「Mokole」
ホーン・サウンドの格好良さが印象的なトラック。リズミックなのにフル・パワーにならず、ゆとりのあるリラックスした爽快メロウなのが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=ut9oqUakTWg

「Bassa Bassa」
シングルにもなった本作のハイライト。ハイライフ×ヴィンテージ・ソウルな本作らしい1曲に仕上がっています。開放的なリズムと爽快サウンドが軽快ながらもゆったり流れていく感じがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=c2AZZrhhm2Q

「Amale」
これも大好き!疾走するギター・カッティングが格好良いアフロ・ソウルなダンサブル・チューン。抜け感のあるサウンドがモダンな雰囲気を演出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hv97ks-qogQ

「K33 Momi」
素敵なホーン・アンサンブルを楽しめる哀愁アフロ・ジャズ。Eric Owusuのアフリカらしい節回しのヴォーカルもクセになります。終盤のメロウな展開もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=K2bPkL2y2m4

「Yafo Nu」
ラストはアフリカン・リズムと都会的メロウ・サウンドの絶妙なバランスが楽しめる演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=OS5IQ_qL85o

この週末は少しお疲れモード。
『岩合光昭の世界ネコ歩き』でも観ながら癒されたい・・・
posted by ez at 01:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月03日

『今の気分は...2022年6月3日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は60年カテゴリーからオルガン・ジャズを10曲をセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Reuben Wilson「Twenty-Five Miles」
https://www.youtube.com/watch?v=oHNeHfCJiGo
From 『Blue Mode』(1969年)
ブルー・モード

Richard "Groove" Holmes「I Can't Stop Dancing」
https://www.youtube.com/watch?v=DOWehy-DngY
From 『Workin' On A Groovy Thing』(1969年)
ワーキン・オン・ア・グルーヴィー・シング

Jimmy Smith「The Cat」
https://www.youtube.com/watch?v=vn3RQivRrmA
From 『The Cat』(1964年)
ザ・キャット

Charles Earland「The Mighty Burner」
https://www.youtube.com/watch?v=qq579tk1Zko
From 『Black Talk!』(1969年)
ブラック・トーク!

Lonnie Smith「Charlie Brown」
https://www.youtube.com/watch?v=mbwuBRdYhzw
From 『Move Your Hand』(1969年)
ムーヴ・ユア・ハンド

Brother Jack McDuff「Oblighetto」
https://www.youtube.com/watch?v=92N8-qwJnhI
From 『Moon Rappin'』(1969年)


Larry Young「Beyond All Limits」
https://www.youtube.com/watch?v=e9YJE1Xk5Zs
From 『Unity』(1965年)
ユニティ

Shirley Scott & The Soul Saxes「It's Your Thing」
https://www.youtube.com/watch?v=avAnc4zj5iw
From 『Shirley Scott & The Soul Saxes』(1969年)
シャーリー・スコット&ザ・ソウル・サックシーズ

“Big”John Patton「Latona」
https://www.youtube.com/watch?v=GkdjxK_k1MY
From John Patton『Let 'Em Roll』(1965年)


Johnny "Hammond" Smith「Benny's Diggin'」
https://www.youtube.com/watch?v=c01ofYuu9Vg
From 『The Stinger』(1965年)
スティンガー
posted by ez at 01:26| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月01日

Free Design『One By One』

Project 3でのラスト作☆Free Design『One By One』

発表年:1972年
ez的ジャンル:ミラクル兄弟コーラス系ソフトロック
気分は... :みんなちがって、みんないい。

今回はソフトロック好きにはお馴染みの兄弟コーラス・グループFree Designの6thアルバム『One By One』(1972年)です。

次男Chris Dedrickを中心にしたDedrick兄弟のグループFree Designに関して、当ブログでは以下の4枚のアルバムを紹介済みです。

 『Kites Are Fun』(1967年)
 『You Could Be Born Again』(1968年)
 『Heaven/Earth』(1969年)
 『Stars/Time/Bubbles/Love』(1970年)

『...Sing for Very Important People』(1970年)に続く6thアルバム『You Could Be Born Again』(1972年)は、デビュー以来在籍していたレーベルProject 3でのラスト・アルバムとなります。

また、2ndアルバム『You Could Be Born Again』(1968年)以来、長男Bruce、次男Chris、長女Sandy(Sandra)、次女Ellenという4名のラインナップでしたが、本作ではBruceChrisSandy(Sandra)Ellenの3名体制となっています。

プロデュースはProject 3のオーナーであり、当ブログでも紹介した再評価が高いモンド・ラウンジ作品『Spaced Out』(1969年)でも知られるEnoch Light

アレンジはChris Dedrick

レコーディングにはBob Mann(g)、Jerry Friedman(g)、 Stu Scharf(g)、Andy Muson(b)、Tom Szczesniak(b)、Billy Cobham(ds)、Gary Gauger(ds、per)、Pat Ribboloff(p)、Paul Griffin(org)、Babe Clark(sax)、Seldon Powell(sax)、 Alan Reubin(flh、tp)、Ernie Royal(flh、tp)、Randy Brecker(flh、tp)、Garnett Brown(tb)、 Jack Jeffers(btb)といったミュージシャンが参加しています。

Doorsの大ヒット曲カヴァー「Light My Fire」、ポピュラー・スタンダード「You Are My Sunshine」以外はChris Dedrickのオリジナルです。

今日的なハイライトはルーヴィー・ソフトロック「Felt So Good」だと思いますが、ラブ&ピースな「One By One」「Like To Love」「Love Me」も僕好み。

また、70年代初めらしいロック/スワンプ・ロック、SSW風のトラックがあるのみ本作らしいと思います。

70年代初めならではのFree Designワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「One By One」
シンプルながらも美しいヴォーカル・ワークを満喫できるオープニング。ラブ&ピースな雰囲気がいいですね。Chrisによるトランペットの音色もいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=jf7OlJUWXNQ

「Felt So Good」
フリーソウル好きの人は気に入るであろうグルーヴィー・ソフトロック。これぞFree Design!といったポップ・ワールド全開です。印象的なホーン・サウンドはRandy Brecker。
https://www.youtube.com/watch?v=RksWdYdT8Nk

Polyrhythm Addicts feat. Pharoahe Monch「Reachin'」のサンプリング・ソースとなっています。
Polyrhythm Addicts feat. Pharoahe Monch「Reachin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=lfwsXfvSsgk

「Friendly Man」
優しさに包まれた美しいメロウ・バラード。SSW全盛時代のソフトロックといった雰囲気がいいですね。素敵なギター・ソロはJerry Friedman。
https://www.youtube.com/watch?v=Zu1VwoJKb3I

「Light My Fire」
ご存知Doorsの大ヒット曲「ハートに火をつけて」のカヴァー。オリジナルは『Doors』(1967年)収録。当ブログでは、Julie Driscoll,Brian Auger & The TrinityAnanda ShankarJose FelicianoBrasilia Modern SixThe Friends Of Distinctionのカヴァーも紹介済みです。ここではFree Designならではのヴォーカル・ワークで独特なドリーミー&ミステリアス感のある「Light My Fire」を聴かせてくれます。フリューゲルホーン&トランペットはRandy Brecker。
https://www.youtube.com/watch?v=gxfIP3jBxBY

本ヴァージョンはFlying Lotuss feat. Andreya Triana「Tea Leaf Dancers」、The Stuyvesants「The Fire (Untrue)」のサンプリング・ソースとなっています。
Flying Lotus feat. Andreya Triana「Tea Leaf Dancers」
 https://www.youtube.com/watch?v=vie3qNwBd1k
The Stuyvesants「The Fire (Untrue)」
 https://www.youtube.com/watch?v=cdjsubcFbiE

「Like To Love」
ラブ&ピースなポップ・ロック。この時代らしいロック・サウンドをFree Designの音世界にうまく取り入れています。
https://www.youtube.com/watch?v=wlc1cQbsDMM

「You Are My Sunshine」
Jimmie Davis/Charles Mitchellが1940年に書いたポピュラー・スタンダードをカヴァー。有名曲をFree Design仕様のメロウ・バラードに変貌させてしまうところが流石です。
https://www.youtube.com/watch?v=TZkTXah1ItQ

「Go Lean On A River」
スワンプ・ロックするFree Designを楽しめます。印象的なリード・ギターはJerry Friedman。
https://www.youtube.com/watch?v=T8tSD-rwc6s

「Going Back」
ピアノとホーンを中心としたシンプルなサウンドと女性ヴォーカルのみの構成。あえてコーラスをつけないところがポイントです。
https://www.youtube.com/watch?v=pDfU6YPYB_s

Dawaun Parker「Schemin'」のサンプリング・ソースとなっています。
Dawaun Parker「Schemin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=I3Ad2J04IaY

「Love Me」
本作らしいラブ&ピースなメロウ・バラード。自由な雰囲気のなかで、ゆっくりと時間が流れていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=oiGOc5PQpQg

「Friends (Thank You All)」
ラストはFree Designらしい美しいヴォーカル・ワークで魅せるビューティフル・バラードで締め括ってくれます。終盤は本作らしいロック・サウンドも飛び出し、カオス状態に・・・
https://www.youtube.com/watch?v=VEtAoVvrfsY

Free Designの過去記事もご参照下さい。

『Kites Are Fun』(1967年)
Kites Are Fun

『You Could Be Born Again』(1968年)
ユー・クッド・ビー・ボーン・アゲイン

『Heaven/Earth』(1969年)
ヘヴン・アース

『Stars/Time/Bubbles/Love』(1970年)
スターズ・タイム・バブルズ・ラヴ
posted by ez at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。