2022年06月12日

Rema『Rave & Roses』

アフロビーツの若きスター、待望のデビュー・アルバム☆Rema『Rave & Roses』

発表年:2022年
ez的ジャンル:ナイジェリア産アフロビーツ/アフロレイヴ
気分は... :アフロビーツの心地好さ!

新作からナイジェリアの若きスターのデビュー・アルバムRema『Rave & Roses』です。

Rema(本名:Divine Ikubor)は、2000年生まれのナイジェリア人シンガー/ラッパー。"アフロポップ・プリンス"と称されるアフロビーツ(Fela Kutiのアフロビートとは異なります)の若きスターです。Rema本人は自身の音楽スタイルを"アフロレイヴ"と形容しているようです。

1stEP「Rema」(2019年)の収録曲「Iron Man」が、元アメリカ大統領、バラク・オバマのプレイリストにピックアップされたことで、USシーンでも注目され、同じく「Rema」の収録曲「Dumebi」DrakeRihannaのお気に入り曲として紹介されました。
Rema「Iron Man」
https://www.youtube.com/watch?v=EJIDnsi7r8o
Rema「Dumebi」
https://www.youtube.com/watch?v=zUU1bIWpH5c

その後もAluna & Kaytranada「The Recipe」、スパニッシュ女性シンガーBad Gyal「Warm Up」にフックアップされるなど、ワールド・ワイドな活動も展開し、今年に入ると、UKの人気女性シンガーFKA Twigsの最新作『Caprisongs』(2022年)収録曲「Jealousy」でフィーチャリングされています。
Aluna & Kaytranada feat. Rema「The Recipe」
 https://www.youtube.com/watch?v=sP0gfBWljU4
FKA Twigs feat. Rema「Jealousy」
 https://www.youtube.com/watch?v=BFrp8gPLObQ

そんな"アフロポップ・プリンス"の1stアルバムとなるのが本作Rema『Rave & Roses』です。

アルバムにはUS R&BスーパースターChris Brown、USラッパー/シンガー6LACK、ロンドン・グライム・シーンを牽引するMC AJ Tracey、フレンチ黒人女性シンガーYseultがフィーチャリングされています。

きっとHip-Hop/トラップが好きな人にフィットするダンス・ミュージック中心のアルバムと予想していましたが、良い意味で期待を裏切られました。そもそも僕自身がアフロビーツという音楽スタイルを少し誤解していたことにも起因するのですが・・・

僕の予想以上に、Remaのヴォーカルを中心とした、メロウ&メロディアスな味わいのアルバムに仕上がっています。ただし、メロディアスといってもビートはしっかり効かせているので、哀愁メロウでも軽やかに聴かせてくれる点が魅力です。これはアフロビーツ全般に言えることだと思いますが・・・

これから夏にかけて、益々フィットしそうな1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Divine」
哀愁メロウのオープニング。哀愁モードでもビートが軽やかなので、ジメジメし過ぎていないのが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZSVMnMBDT5w

「Hold Me」
6LACKをフィーチャー。美しいオーケストレーションと共に始まる哀愁メロウ。夢のなかを彷徨っているような雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=H62woFwQ8dM

「Dirty」
ムーディーなサックスのせいもあり、バカンス/トロピカル・モードを感じるメロウ・チューン。リラックスした気分になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Rs-uSNj3R4Y

「Calm Down」
軽快なビートながらも、大らかなラブリー・ムードが漂う1曲。無理やり上げるのではなく、自然と気分が上がってくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=CQLsdm1ZYAw

「Soundgasm」
抑えたトーンのミステリアスな仕上がり。余白を残した音作りが功を奏しています。
https://www.youtube.com/watch?v=nrTkERuwdCc

「Time N Affection」
Chris Brownをフィーチャー。USメジャーR&B・ミーツ・アフロビーツな堂々とした仕上がり。アフロビーツに馴染みがない人は、これ位から入るのが丁度いいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=hQaE59V39_s

「Jo」
アフロビーツなビートとギターの音色が織り成す哀愁メロウ・ワールドが心地よい1曲。サンセット・モードなアフロビーツって感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=yU6VHkIs21Q

「Mara」
Remaの優しい語り口と、温かみのあるサウンドが相まってジェントルな雰囲気を醸し出します。アフロビーツを意識せずとも楽しめる、美しく感動的な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=s-UCtsItn9E

「Love」
僕好みのオートチューンによるメロウR&B。シンプルながらも、余韻を計算したサウンド・クリエイトにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=6Hqa8H1Ls4c

「Addicted」
一気にエレクトロニクス色を強めたサウンドが印象的なメロウ・チューン。フューチャリスティックな雰囲気はアルバムのいいアクセントになっています。個人的には、このタイプがあと1〜2曲あっても良かったかな?
https://www.youtube.com/watch?v=HL3YlgwgFEE

「Are You There?」
ダンス・ミュージックとしてのキャッチーなアフロビーツという点では本トラックがよくフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Dw9VhFMOIIY

「FYN」
AJ Traceyをフィーチャー。僕の予想に反して、メロウネスたっぷりのな仕上がり。でも大好きなトラックです。一方で、この顔合わせならば、グライム色を織り交ぜたトラックでも面白かった気もしますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=gTTsxSoYEFs

「Oroma Baby」
甘く危険な香りのするサマー・ビーチ・モードのアフロビーツって雰囲気です。妖しげなミステリアス感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=AD65ycRvD04

「Carry」
軽快ながらも哀愁モードの本作らしい1曲。ダンサブルなビートを強調しすぎず、あくまでRemaのヴォーカルを下支えしているのが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=M61ByppoL8w

「Wine」
Yseultをフィーチャー。あまり音を詰め込みず、ビートの余白のあるパルス感と霞のかかったような哀愁サウンドがRemaのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=UkLEZOJYzwM

「Runaway」
ラストはストリングスを配した美しいメロウ・チューンで締め括ってくれます。適度なパーカッシヴ感とストリングス、メロウ・ギターのバランスが絶妙なサウンドが、Remaのジェントル・ヴォーカルに寄り添います。
https://www.youtube.com/watch?v=R2QhlEL-Q7Q

アフロビーツについては、まだまだ不勉強ですが、サマー・モードの音としてフィットしそうなので、もう少しチェックしてみたいと思います。
posted by ez at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする