2022年07月20日

Crown Heights Affair『Think Positive!』

人気トラック「Somebody Tell Me What To Do」収録☆Crown Heights Affair『Think Positive!』
THINK POSITIVE! +3 (日本独自企画、最新リマスター、解説、ボーナストラック付)
発表年:1982年
ez的ジャンル:N.Y.アーバン・ディスコ/ファンク
気分は... :ポジティブにいこう!

80年代アーバン・ディスコ/ファンク作品からCrown Heights Affair『Think Positive!』(1982年)です。

70〜80年代に活躍したディスコ/ファンク・グループCrown Heightsの紹介は、3rdアルバム『Do It Your Way』(1976年)に続き2回目となります。

7thアルバムとなる本作『Think Positive!』(1982年)は、De-Liteでの6枚目となります。

80年代に入り、メンバーのWilliam AndersonRaymond Reidはプロデュース・チームとしても活躍するようになり、Unlimited TouchEnchantmentAmii StewartTerri GonzalezFrance JoliEmpressIntensive Heat等を手掛けています。

そんなプロデュース・チームとしての成果を自らのグループに還元したアルバムが本作です。

勿論、プロデュースはWilliam AndersonRaymond Reidの二人。

本作におけるメンバーは、Philip Thomas(vo、per)、William Anderson(g、vo)、Arnold "Muki" Wilson(b、vo)、Raymond "Sugar Ray" Rock(ds、per、back vo)、James "Ajax" Baynard(tp、back vo)、Raymond Reid(ds、back vo)、Skip Boardley(vo、per)の8名。

メンバー以外にClarence "Blinky" Brice(g)、Frederick "M.C. Count" Linton(rap)、Sammy Figueroa(per、conga)、Charles Morais(key)、Fred McFarlane(key)、Terry Burrus(key)、Daryl Gibbs(as)が参加しています。

シングルになった「Somebody Tell Me What To Do」をはじめ、「Love Rip Off」「I Got Somethin' For Ya」あたりはモロに僕好みのアーバン・ディスコ/ファンクです。

それ以外にも絶品スロウ「Heart Upside Down」、ラップ入りのタイトル曲「Think Positive」もオススメです。

残りの3トラックもキャッチーなディスコ/ファンクに仕上がっており、アルバム全体としての仕上がりとしても相当充実しています。

80年代ならではのモダンなアーバン・ディスコ/ファンクをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Somebody Tell Me What To Do」
William Anderson作。シングル・カットされてUS R&Bチャート第33位となりました。クラシックの雰囲気漂うキャッチーでモダンなメロウ・ディスコ。華やかなアーバン・ナイトを演出してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ivJfLI8udaA

「Love Rip Off」
Philip Thomas/Skip Boardley作。80年代らしいエレクトリックな質感を楽しめるアーバンなディスコ・ファンク。東西の違いはありますが、Solar系作品がお好きな人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=jMFlxn0tgpg

「Heart Upside Down」
James Baynard/Skip Boardley作。ディスコ/ファンクだけではない彼らの魅力を満喫できる絶品スロウ。本作唯一のスロウですが、こんなに素晴らしいのであれば、あと1、2曲入っていても良かったかな(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=ZkRiZSPVsy4

Knxwledge「Bankakkount」のサンプリング・ソースとなっています。
Knxwledge「Bankakkount」
 https://www.youtube.com/watch?v=KPeK6e58Lro

「Think Positive」
Arnold "Muki" Wilson/Frederick "M.C. Count" Linton/James Baynard/Ray Rock/Raymond Reid/Skip BoardleyWilliam Anderson作。タイトル曲はFrederick "M.C. Count" Lintonのラップをフィーチャーしたマッスルなファンク・チューン。オールドスクールHip-Hopとして十分に楽しめるキャッチーな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=6i95HvOZQfk

「I Got Somethin' For Ya」
Ray Rock/Skip Boardley作。このトラックも大好き!軽快なカッティング・ギターと共に始まるRick Jamesスタイルのディスコ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=E9Etnd7utis

「Wine And Dine You」
William Anderson作。ハンド・クラップによる重量ファンク。前曲「I Got Somethin' For Ya」のスマートさとのコントラストで、こちらのトラックは同じファンクでも猥雑な雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=Rxhy577QwQQ

「Your Love Makes Me Hot」
Arnold "Muki" Wilson/Philip Thomas作。モダンなアーバン・ファンク。良いトラック続きで割を食っている感もありますが、コレもなかなかです。
https://www.youtube.com/watch?v=U-QbPcMg7T4

「Let Me Ride On The Wave Of Your Love」
Clarence "Blinky" Brice/Ray Bryant作。本編ラストはN.Y.らしい華のあるアーバン・ファンクで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lREmUm93-xI

国内盤CDには「Let Me Ride On The Waves Of Your Love (Original 12" Version)」「Somebody Tell Me What To Do (Original Single Version) 」「Wine And Dine You (Original Single Version)」の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

ご興味がある方はCrown Heightsの他作品もチェックを!

『Dreaming a Dream』(1975年)
DREAMING A DREAM +4 (日本独自企画、最新リマスター、解説、ボーナストラック付)

『Do It Your Way』(1976年)
DO IT YOUR WAY +4 (日本独自企画、最新リマスター、解説、ボーナストラック付)

『Dream World』(1978年)
DREAM WORLD +7 (日本独自企画、最新リマスター、解説、ボーナストラック付)

『Dance Lady Dance』(1979年)
DANCE LADY DANCE +3 (日本独自企画、最新リマスター、解説、ボーナストラック付)

『Sure Shot』(1980年)
SURE SHOT +3 (日本独自企画、最新リマスター、解説、ボーナストラック付)

『Struck Gold』(1983年)
STRUCK GOLD +5 (日本独自企画、最新リマスター、解説、ボーナストラック付)
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2022年07月17日

Sessa『Estrela Acesa』

サンパウロ出身の男性SSWの2nd☆Sessa『Estrela Acesa』

発表年:2022年
ez的ジャンル:ブラジリアン・メロウ・フォーキー
気分は... :囁き声でヒンヤリ・・・

新作からサンパウロ出身の男性シンガー・ソングライターSessaの2ndアルバム『Estrela Acesa』です。

Sessaは、サンパウロ出身の男性シンガー・ソングライター。

ソロ・デビュー以前は、本名のSergio Sayeg名義で、サンパウロのサイケ・ファンク・バンドGarotas Suecasのメンバーとして活動したり、N.Y.を拠点とするギタリストYonatan Gatのレコーディングに参加したりしていました。

本作『Estrela Acesa』は、ソロ・デビュー・アルバム『Grandeza』(2019年)に続く2ndアルバムとなります。

シンプルながらも、サイケで、土着的なのにメロウな印象深いブラジリアン・フォーキー作品に仕上がっています。

Sessaの線の細いヴォーカルは、Caetano Velosoあたりに通じるものがあります。

プロデュースはSessaBiel Basile

レコーディングにはSessa(vo、g、per)、Biel Basile(ds、per、p)、Marcelo Cabral(b)、Cica Goes(vo、per)、Ina(vo、per)、Paloma Mecozzi(vo、per)、Lau Ra(vo、per)等のミュージシャンが参加しています。

楽曲はすべてSessaのオリジナル。

とりあえず、幻想的な「Gostar do Mundo」、サイケな「Cancao da Cura」、アコースティック・メロウ「Pele da Esfera」、魅惑のブラジリアン・フォーキー「Ponta de Faca」あたりを聴けば、本作の魅力を実感できると思います。

シンプルながらもクセになる、魅惑のブラジリアン・メロウ・フォーキーを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Gostar do Mundo」
ドリーミーなCaetano Velosoといった雰囲気のオープニング。Sessaの囁きヴォーカルにヤラれてしまいます。幻想的ムードのなかでメロウに揺らめく感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=PP5gFdXwSog

「Cancao da Cura」
サイケなブラジリアン・フォーキーといった仕上がり。フォーキーな疾走感と土着的リズムとサイケな空気感が一体となった僕好みの仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=u_6zYvcod4M

「Sereia Sentimental」
ミステリアスなメロウ・チューン。夢の中でまったりとした過ごしているような気分になります。美しいストリングスも効果的です。
https://www.youtube.com/watch?v=klR87K745XI

「Musica」
土着的リズムとヴォーカル、エフェクトのみ演奏ですが、素朴さのなかにサイケなムードが漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=RBDyXfExFLk

「Helena」
女性ヴォーカルも入り、ギター、ストリングスが織り成す美しい音世界を生み出します。雲がゆったりと流れていくような気分になります。
https://www.youtube.com/watch?v=mMn8VDJ5fRY

「Pele da Esfera」
ギター、ベースに軽くリズムをつけたシンプルなバッキングによるアコースティック・メロウ。さり気なさが魅力です。女性コーラスによるアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=rIU3lTWrw9A

「Dor Fodida」
Sessaの囁きヴォーカルが冴える1曲。時間がゆっくり流れていきます。これもCaetano Veloso好きの人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=12MClXwMVzU

「Irmao de Nuvem」
幻想的なサウダージ・モードのメロウ・チューン。夢の中で懐かしい光景を見ているような気分になります。美しいストリングスもフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=WrK3BLIyW3U

「Que Lado Voce Dorme?」
囁きヴォーカルの打ち水のようなヒンヤリ感が心地よい1曲。涼みながら聴きたい1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=ayNFvWO87ug

「Ponta de Faca」
魅惑のブラジリアン・フォーキー。軽くパーカッシヴなリズムと終盤の華のある女性コーラスも僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=Itk4Y6In8BU

「Voce e a Musica」
伝統リズムと女性コーラスによるトライバルな小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=px1SDgrEcuw

「Estrela Acesa」
ラストはストリングスを配した、美しいアコースティック・メロウで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dtnJD9oWBME

ご興味がある方はソロ・デビュー・アルバム『Grandeza』(2019年)やGarotas Suecas時代のアルバムもチェックを!

『Grandeza』(2019年)


Garotas Suecas『Escaldante Banda』(2010年)
posted by ez at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月15日

『今の気分は...2022年7月15日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は80年代カテゴリーから夏向けAOR/アーバン・メロウを10曲セレクトしました。
ハワイアンAOR多めです!

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Sandra Sa「Guarde Minha Voz」
https://www.youtube.com/watch?v=FPSDJQsSwTg
From 『Vale Tudo』(1983年)


China「Runnin' Around」
https://www.youtube.com/watch?v=GEceln70-dM
From 『China』(1981年)
夜明けのダンサー(紙ジャケット仕様)

Nohelani Cypriano「Give Love A Try」
https://www.youtube.com/watch?v=LqV56zDrc8A
From 『In The Evening』(1982年)
In The Everything+1

The Dukes「So Much In Love」
https://www.youtube.com/watch?v=ejVTpeW2piA
From 『The Dukes (Bugatti And Musker)』(1982年)
ミステリー・ガール(SHM-CD紙ジャケット仕様)

Greenwood「Sparkle」
https://www.youtube.com/watch?v=eL0WxH8KAHc
From 『Lost In Paradise』(2014年)


Marva King「Who's Right Who's Wrong」
https://www.youtube.com/watch?v=uswhSB5M3yg
From 『Feels Right』(1981年)
フィールズ・ライト(期間生産限定盤)

Mackey Feary & Nite Life「Love Is On My Mind」
https://www.youtube.com/watch?v=L1k7duPpWLs
From 『Mackey Feary & Nite Life』(1982年)


Marcos Valle「Paraiba Nao E Chicago」
https://www.youtube.com/watch?v=0Br6aLCny7o
From 『Vontade De Rever Voce』(1981年)
ヴォンタージ・ジ・レヴェール・ヴォセ

Ruben Blades「Isabel」
https://www.youtube.com/watch?v=eU_MfWJg0fs
From 『Agua de Luna』(1987年)


Con Funk Shun「By Your Side」
https://www.youtube.com/watch?v=ttBeYdIfBCU
From 『Spirit Of Love』(1980年)
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2022年07月13日

Mark de Clive-Lowe『Church』

ジャズ的アプローチの第一弾☆Mark de Clive-Lowe『Church』

発表年:2014年
ez的ジャンル:UKクロスオーヴァー経由L.A.ジャズ
気分は... :第二幕の始まり・・・

今回はMark De Clive-Lowe『Church』(2014年)です。

ニュージーランド人の父と日本人の母を持ち、"西ロンドンのHerbie Hancock"とも呼ばれたプロデューサー/キーボード奏者/DJMark De Clive-Lowe(MdCL)に関して、当ブログでこれまで紹介したのは以下の4枚。

 『Six Degrees』(2000年)
 『Tide's Arising』(2005年)
 『Journey 2 The Light』(2007年)
 『Renegades』(2011年)

今年、Pharoah Sandersへのトリビュート作品『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』をリリースしたMdCL

これまで当ブログで紹介してきた4枚は西ロンドン仕込みのブロークン・ビーツ/クロスオーヴァー作品であり(『Renegades』はL.A.録音ですが)、僕の好きなMdCLはこの路線でした。

一方、今回紹介する『Church』(2014年)以降は、L.A.を拠点にジャズ的アプローチの作品をリリースするようになります。その意味でMdCL第二幕の始まりといえるでしょう。

アルバム・タイトルの"Church"とは、MdCLがL.A.でスタートしたイベントの名からとったものです。

全13トラックのうち、10トラックがN.Y.でのセッション、3トラックがL.A.でのセッションです。

Mark De Clive-Lowe(p、el-p、syn、sampling、beats、electronic manipulation)に加えて、N.Y.セッションにはTivon Pennicott(sax、fl)、Duane Eubanks(tp)、Robin Eubanks(tb)、Tim Lefebvre(b)、Nate Smith(ds)、L.A.セッションにはMiguel Atwood-Ferguson(viola)、Josiel Perez Hernandez(tp)、Low Leaf(harp)、Ben Shepherd(b)、Jamire Williams(ds)、Contra Mestre Xingu(berimbau、vo)、Tim Stewart(g)といったミュージシャンが参加しています。

また、Nia AndrewsJohn RobinsontheeKIDICARUSといったヴォーカリスト/ラッパーが参加しています。

改めて参加ミュージシャンを眺めると、Miguel Atwood-FergusonNate SmithJamire Williamsの参加が目を引きます。

ジャズ的アプローチの作品といっても、ブロークンビーツ、ダブステップ、フューチャー・ジャズ、Hip-Hop的アプローチのトラックもあるので、従来からのMdCLファンもそれなりに楽しめると思います。当時はかなり違う世界へ行ってしまったような印象を受けましたが、改めて聴くとそれほどでもないですね。

MdCL第二幕を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「The Mission」
John Robinsonのラップをフィーチャー。人力ジャジーHip-Hopなオープニング。RGE『Black Radio』(2012年)の影響もあるのかもしれませんが、コチラの方がジャジーHip-Hopしています。
https://www.youtube.com/watch?v=eoih5x2A_-Q

「Nova Roda」
Contra Mestre Xinguをフィーチャー。トライバルな演奏に、フューチャリスティックなアクセントを織り交ぜた時空を超えた雰囲気のトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=mzMn4kmQVbI

「Brukstep」
人力ブロークンビーツという雰囲気の演奏であり、従来からのMdCLファンも楽しめる演奏です。一方で、MdCLのピアノはしっかりジャズしています。
https://www.youtube.com/watch?v=BQCx1kW3kMc

「The Processional」
L.A.ジャズ・ミーツ・MdCLといった雰囲気の演奏です。L.A.ジャズ好きの人は楽しめるスケールの大きな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=DEbBfIKvfx8

「Now Or Never」
Nia Andrewsをフィーチャー。Nia Andrewsのソウルフル・ヴォーカルが引き立つ、モダンな新世代ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=TKLhzHb3W2A

「Ghaziya」
"西ロンドンのHerbie Hancock"とも呼ばれたMdCLらしいフューチャリスティックなコズミック・ファンク。MdCLファンとしてはこういう演奏も聴きたいですよね!
https://www.youtube.com/watch?v=ZVKci2pWjSA

「Sketch For Miguel」
タイトルの通り、Miguel Atwood-Fergusonとの共演を楽しめる演奏です。幻想的なL.A.ジャズ・ワールドにMdCLがうまく溶け込んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=aPVrVmyoRPM

「Hollow」
Nia Andrewsをフィーチャー。メロウ・エレピと美しいホーン・サウンドがNia Andrewsの艶やかなヴォーカルを包み込みます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZUB02jBCWP8

「Prayer」
2分半に満たない演奏ですが、ジャズにアプローチするMdCLの美学を感じられる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=2uSbomGF9ME

「Imam」
Dollar Brand Quartetのカヴァー(Abdullah Ibrahim(Dollar Brand)作)。オリジナルは『Africa - Tears And Laughter』(1979年)収録。オリジナルの持つ格好良さをモダンにアップデートしたようなエキサイティングな演奏にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=7P_bVlxKBSw

「Sun Up Sun Down」
TheeKIDICARUSのラップをフィーチャー。オープニングの「The Mission」と同じくHip-Hop的な演奏ですが、コチラの方がジャズ・ミュージシャンによるHip-Hop感はあり、その意味ではRGE『Black Radio』的かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=QJajJS8ODk8

「Mason's Galaxy」
Charles Earlandのカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Leaving This Planet』(1974年)収録。オリジナルをフューチャリスティックにアップデートさせた感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=EydH1E5huOA

「Distractions」
Nia Andrewsをフィーチャー。ジャズ×ダブステップのクロスオーヴァーを楽しめる演奏です。西ロンドン時代のMdCLファンも楽しめる内容なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Uvl3dhyEsoo

MdCLの他作品もチェックを!

『Six Degrees』(2000年)
シックス・ディグリーズ

『Tide's Arising』(2005年)
Tides Arising

『Journey 2 The Light』(2007年)


『Renegades』(2011年)
Renegades [解説付・ボーナストラック2曲収録・国内盤] (BRC308)

Mark de Clive-Lowe & Rotterdam Jazz Orchestra『Take the Space Trane』(2013年)


『Heritage』(2019年)


『Church Sessions』(2019年)


Mark de Clive-Lowe/Andrea Lombardini/Tommaso Cappellato『Dreamweavers』(2020年)


『Freedom - Celebrating the Music of Pharoah Sanders』(2022年)
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2022年07月10日

Jasdeep Singh Degun『Anomaly』

インド系イギリス人シタール奏者のデビュー・アルバム☆Jasdeep Singh Degun『Anomaly』

発表年:2022年
ez的ジャンル:インド系イギリス人シタール奏者
気分は... :ブラフマン/アートマンを感じる・・・

インド系イギリス人のシタール奏者Jasdeep Singh Degunのデビュー・アルバム『Anomaly』です。

神秘的なシタールの音色が大好きな僕。これまでシタール奏者の作品やシタールの音色が印象的な作品も数多く紹介してきましたが、シタール奏者の新作を紹介するのは、17年近く当ブログに投稿してきて初めてだと思います。

正直、本作の主役Jasdeep Singh Degunのことは、ほとんど知りません。ネットで調べたら、イングランド、リース出身で、2009年頃からレコーディング活動を行っているようです。

ネットで"新星シタール奏者の最新作"という情報を得て、試聴してみたらモロに僕好みだったので購入に至りました。

そんなJasdeep Singh Degunのデビュー・アルバム『Anomaly』ですが、古典的インド音楽を伝統を受け継ぎつつ、プログラミングなども交えてモダンなセンスで聴かせてくれるのが魅力です。

プロデュースはJasdeep Singh Degun自身とDavid McEwan

レコーディングには90年代から活躍し、20枚近くのアルバムをリリースしている、著名なインド系イギリス人ミュージシャンNitin Sawhneyをはじめ、Roopa Panesar(sitar)、Pirashanna Thevarajah(kanjira)、Kirpal Panesar(esraj)、Upneet Singh(tabla)等も参加しています。

インド音楽やシタール奏者のアルバムを初めて聴く人でも、モダンな仕上がりで比較的聴きやすいのではないかと思います。

美しく、神秘的で、コズミックなシタール・ワールドをご堪能ください!

全曲紹介しときやす。

「Anomaly」
Jasdeep Singh Degun作。イングランドに住むインド系の自分という"例外的な存在"をテーマとしたタイトル曲がオープニング。シタール、エスラジ(インドの弦楽器)、ソーマンダル(インドハープ)、タブラ、チェロらが織り成す、美しくも切ない演奏が印象的です。バロック的な雰囲気に加えて、中国・日本の古典音楽的な叙情感もあるのが不思議です。
https://www.youtube.com/watch?v=t8NlmH5ixaY

「Veer」
Jasdeep Singh Degun作。ストリングスを配した深遠なシタール演奏。西洋と東洋の融合といった雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=H_1_ZeTLPQs

「Translucence」
Jasdeep Singh Degun/Nitin Sawhney作。Nitin Sawhneyとのコラボ。Jasdeep Singh Degunのシタール、Nitin Sawhneyのギター&プログラミングが神秘的コズミック・ワールドへ誘ってくれます。目を閉じて聴けばブラフマン/アートマンを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=zmZGwPN6D6E

「In Search of Redemption」
Jasdeep Singh Degun作。シタール、カンジーラ(インドのフレームドラム)等の組み合わせによる南インド・ムードを存分に満喫できる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=nhcqfZEFgyk

「Sajanava」
Jasdeep Singh Degun作。二人の女性ヴォーカルをフィーチャーし、ストリングスを配したビューティフルな仕上がり。祈りのようなヴォーカルが夢の中へ誘ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=f5lhQMWwDbU

「Enigma 7.5」
Jasdeep Singh Degun/Jason Singh作。シタール、低音ベース、ドラム、タブラ、サントゥール(伝統的な打弦楽器)が織り成す、美しくも神秘的な音世界に吸い込まれます。インド古典のエッセンスをモダンに聴かせてくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GObv9UYdVxQ

「Undertow」
Jasdeep Singh Degun/Francois Kirmann作。シタール×エレクトロニカによる"真夏の星空のサウンドスケープ"とでも呼びたくなる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=o7aX9oTaqyw

「Rageshri」
Jasdeep Singh Degun/Pirashanna Thevarajah作。インド楽器の素晴らしいアンサンブルを楽しめる演奏です。モロに古典的インド音楽の雰囲気なのに、2022年仕様にアップデートされている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gjJf2AKqoyI

「Ulterior Motives」
Jasdeep Singh Degun作。悲しい結末のドラマのエンディング・テーマのような美しくも切ない演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=1p-FSO7-e8s

「Nadia」
Nitin Sawhney作品をJasdeep Singh Degunがアレンジ。基本はインド古典の伝統を受け継ぐ演奏ですが、最初と最後のドラムンベース調のダンサブルなリズムは90年代のTalvin Singhあたりを思い出させてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zKYZ08Rpemg

「Mahogany」
Jasdeep Singh Degun作。同じシタール奏者Roopa Panesarとの共演。約21分の長尺ですが、私たちがイメージする古典的なシタール演奏を存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=1Pgd8jTjs54

「Redemption (Reprise)」
Jasdeep Singh Degun作。ラストは「In Search of Redemption」の美しいリプライズで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=n9bsmnGmxg8

民主主義の根幹を揺るがす暴挙のせいで、どうも気持ちがどんよりする週末です・・・
posted by ez at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする