発表年:2022年
ez的ジャンル:イスラエル産次世代ネオソウル
気分は... :ドライブ・マイ・カー・・・
昨日はTV(WOWOW)で映画「ドライブ・マイ・カー」を観ました。
今年のアカデミー賞で「国際長編映画賞」を受賞した話題作ですね。
ほぼ3時間という長い作品ですが、昼と夜の2回観たので計6時間も見入っていました。というよりも1回目は気を抜いて観たせいか、自分の中で消化しきれない部分があったので、2回目は鰻丼食べながら気合い入れて観ました(笑)
観る者の理解力・教養・創造力が試される作品かもしれませんね。観るたびに発見がありそうなので、あと2、3回はリピートしたいです。
さて。新作からイスラエル出身の女性アーティストJ. Lamotta Suzumeの最新作『So I've heard』です。
イスラエル、テルアビブでモロッコ系の両親の元に生まれ、ベルリンを拠点に活動するビートメイカー、シンガー/ラッパーJ. Lamotta Suzumeに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。
『Concious Tree』(2017年)
『Suzume』(2019年)
『Brand New Choice』(2020年)
これまでドイツ、ベルリンを拠点に活動してきた彼女ですが、本作は故郷のテルアビブでレコーディングし、全編ヘブライ語で歌われています。やはり新型コロナの影響が大きかったようです。
プロデュース&ソングライティングはJ. Lamotta Suzume自身ですが、共同プロデュース&共作曲も多く含まれます。
テルアビブ・レコーディング、ヘブライ語になっても、J. Lamotta Suzumeらしいビートメイカー感覚のキュートで儚い次世代ネオソウルに変りはありません。
その意味では従来からのファンであれば問題なく楽しめると思います。
ヘブライ語歌詞も語感や言い回し等で特に気になりませんでした。
いつものSuzumeを楽しみたいのであれば、「Twist」、「Haderech (The Way)」、「Linshom Et Ze (Breathe It)」、「Haideal (The Ideal)」がオススメです。
本作らしい音を楽しみたいのであれば、エキゾチックなオープニング「Perot (Fruits)」、四つ打ちビートを織り交ぜた「Ota Yabeshet (Same Continent)」、UKっぽいビートの「Einaym (Eyes)」、Solange「Binz」を引用している「Laasot Tov (Do Good)」あたりをどうぞ!
日本独自CD化です。
全曲紹介しときやす。
「Perot (Fruits)」
少しエキゾチックなアクセントが印象的なオープニング。両親がモロッコ系という彼女のルーツを感じるダンサブル・サウンドで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9ZYyk18qWYM
「Twist」
Michael Moshonovのラップをフィーチャー。ヘブライ語という点を除けば、哀愁メロウR&Bとして楽しめると思います。ドリーミーだけど少しレイジーな雰囲気もあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SneIm4gL7Pk
「Haderech (The Way)」
オリジナル・ビートは彼女ではありませんが、ビートメイカーでもあるSuzumeによく馴染む哀愁メロウです。
「Linshom Et Ze (Breathe It)」
美しくも儚いムードにグッとくる次世代ネオソウル。ローファイ感覚なのが今時なのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=EhC4_6zUgCU
「Ota Yabeshet (Same Continent)」
途中で90年代ハウスを思わせる四つ打ちビートを織り交ぜたダンサブル・トラック。90年代ハウス好きとしては大歓迎です。
「Haideal (The Ideal)」
ある意味とても彼女らしい次世代ネオソウル。メロウだけど適度にビートが効いているのがいいですね。途中までヘブライ語で歌われているが全く気にならないのに、終盤少しだけエキゾチックな雰囲気になった途端にヘブライ語の語感が浮き出てくるのが面白いですね。
「Einaym (Eyes)」
Avri Gのラップをフィーチャー。少しアブストラクトでUKっぽいビートが印象的です。終盤には♪目を閉じて♪耳を澄ます♪という日本語歌詞も飛び出します。
https://www.youtube.com/watch?v=MN3DI7UIGqs
「Laasot Tov (Do Good)」
Solange「Binz」を引用していると思われるメロウR&B。Solange「Binz」好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=gHSNBTu_yPI
Solange「Binz」
https://www.youtube.com/watch?v=83LeK-t-kTw
「2020」
コロナ禍の2020年を嘆く小曲。
「Kenna (Honest)」
ビートメイカー的センスに溢れたメロウ・グルーヴ。軽やかなのにメランコリックなのがいいですね。
「247」
哀愁R&Bですが、何処となく80年代を感じるサウンドが僕好み。
「Ma Ze (What's That)」
ラストはラップ調ヴォーカルを織り交ぜたHip-Hop調トラックで締め括ってくれます。
未聴の方は彼女の他作品もチェックを!これらはすべて英語歌詞です。
『Concious Tree』(2017年)
『Suzume』(2019年)
『Brand New Choice』(2020年)