2022年08月31日

Ruth Copeland『I Am What I Am』

初期Funkadelicがバックアップ☆Ruth Copeland『I Am What I Am』

発表年:1971年
ez的ジャンル:Invictus系女性SSW
気分は... :他力の風を捕まえろ!

今回はUK出身の女性シンガー・ソングライターRuth Copelandの2ndアルバム『I Am What I Am』(1971年)です。

1946年イギリス生まれの白人女性シンガー・ソングライターRuth Copelandの紹介は、デビュー・アルバム『Self Portrait』(1970年)に続き2回目となります。

本作『I Am What I Am』(1971年)は、デビュー・アルバム『Self Portrait』(1970年)と同じく、Holland-Dozier-HollandInvictusからのリリースであり、初期Funkadelicのメンバーががバックを務めています。George Clintonは本作ではレコーディングに参加していませんが、Ruthとの共作で3曲のソングライティングを手掛けています。

また、実際のプロデューサーはRuthの公私のパートナーJeffrey Bowenですが、契約上の問題で名前を出すことができず、名目上はRuth Copelandのセルフ・プロデュースとなっている点も『Self Portrait』(1970年)と同じです。

レコーディングにはEddie Hazel(g)、Ron Bykowski(g)、Ray Monette(g)、Billy Nelson(b)、Dawn Hatcher(b)、Bernie Worrell(p、org)、Dave Case(org)、Tiki Fulwood(ds)といったミュージシャンが参加しています。

『Self Portrait』(1970年)以上に、Funkadelicとのタッグ感を楽しめる1枚です。主役Ruth Copelandのヴォーカルにもファンク・ロック・サウンドがよく似合います。

反戦ファンク・ロック「The Medal」George Clintonとの共作「Hare Krishna」、後のP-Funk軍団を予感させる「Suburban Family Lament」、漆黒のファンク・ロック「Don't You Wish You Had (What You Had When You Had It?)」The Rolling Stonesの名曲カヴァー「Gimme Shelter」など初期Funkadelicらしいファンク・ロック・サウンドで楽しませてくれます。

異色の女性シンガー・ソングライター作品をご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「The Medal」
Donald Baldwin/Ruth Copeland作。哀愁の反戦ファンク・ロック。Ruthのシャウト、Eddie Hazelのギターの唸り、Tiki Fulwoodの激しいビート、Bernieの美しくも儚いピアノなど聴きどころ満載のオープニングです。
https://www.youtube.com/watch?v=1Zhcm2Is4cg

RZA「La Rhumba (Madlib Remix)」、Strong Arm Steady「Telegram」、Zebatack「Es Mas Fuerte」、Idontknowjeffery「No Rubbers」、Trouble and Mike WiLL Made It feat. The Weeknd「Come Thru」、Celly Ru and Money Man feat. Mozzy, Trae Tha Truth and Lex Aura「Straight to the Money」、Spanish Ran feat. Al Doe「Pain」等のサンプリング・ソースとなっています。
RZA「La Rhumba (Madlib Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=oB3ieMZAT0g
Strong Arm Steady「Telegram」
 https://www.youtube.com/watch?v=xQ-oBIhUorA
Zebatack「Es Mas Fuerte」
 https://www.youtube.com/watch?v=t0IjxIG7flw
Idontknowjeffery「No Rubbers」
 https://www.youtube.com/watch?v=7yny3kduoe4
Trouble and Mike WiLL Made It feat. The Weeknd「Come Thru」
 https://www.youtube.com/watch?v=AweZThT6CM8
Celly Ru and Money Man feat. Mozzy, Trae Tha Truth and Lex Aura「Straight to the Money」
 https://www.youtube.com/watch?v=6LfO8tSE_z0
Spanish Ran feat. Al Doe「Pain」
 https://www.youtube.com/watch?v=vQOF1KFO9eU

「Cryin' Has Made Me Stronger」
George Clinton/Ruth Copeland作。Ruthのソウルフル・ヴォーカルを堪能できるソウル・バラード。終盤のゴスペル調の展開も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Yhm2-wuryQY

「Hare Krishna」
George Clinton/Ruth Copeland作。Ruthのソウルフル・ヴォーカルが映えるカントリー・ソウル。Bernieの味のあるピアノがいいですね。途中からゴスペル・フィーリングのオルガンやストリングスも加わり、盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Jvhkf0iFgCM

「Suburban Family Lament」
Eddie Hazel/Ruth Copeland作。個人的には一番のお気に入り。後のP-Funk軍団を予感させるファンク・ロック。Funkadelic好きの人ならば、かなり楽しめるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=3BoY6lA4hYY

A Tribe Called Quest「Crew」、Latyrx「Off [With] Their Heads (Be Prompt)」等のサンプリング・ソースとなっています。
A Tribe Called Quest「Crew」
 https://www.youtube.com/watch?v=jyoJozoo6Zo
Latyrx「Off [With] Their Heads (Be Prompt)」
 https://www.youtube.com/watch?v=RoKGjYumQdo

「Play With Fire」
The Rolling Stonesのカヴァー(Nanker Phelge作 ※Stonesの仮名)。オリジナルはUS版『Out of Our Heads』(1965年)収録。初期FunkadelicによるStonesカヴァーとして捉えるとかなり興味深い演奏なのでは?ファンク・ロックなバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=PmsPVVaOZ88

Lil Wayne feat. Betty Wright「Playing With Fire」、Ghostface Killah and Trife「Fire」、Akrobatik feat. Diamond D「Feedback」のサンプリング・ソースとなっています。
Lil Wayne feat. Betty Wright「Playing With Fire」
 https://www.youtube.com/watch?v=TDU5jy4AB9s
Ghostface Killah and Trife「Fire」
 https://www.youtube.com/watch?v=YGGzZcmZfJI
Akrobatik feat. Diamond D「Feedback」
 https://www.youtube.com/watch?v=z-kY9QEaw50

「Don't You Wish You Had (What You Had When You Had It?)」
George Clinton/Ruth Copeland作。初期Funkadelic色の強い演奏で楽しませてくれます。漆黒のファンク・ロックをクセになります。
https://www.youtube.com/watch?v=JGkn-Mv0UHE

「Gimme Shelter」
ラストはThe Rolling Stonesの名曲カヴァー(Mick Jagger/Keith Richards作)。オリジナルは『Let It Bleed』(1969年)収録。格好良いブレイクと共に始まるファンク・ロックな「Gimme Shelter」を楽しめます。Ruthのシャウトもサウンドによくマッチしています。8分超の長尺ですが後半のドラマティックな雰囲気もいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=25tuJn111uk

国内盤CDには「Hare Krishna (single version)」「Gimme Shelter (single version)」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

『Self Portrait』(1970年)
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2022年08月28日

Bruno Berle『No Reino Dos Afetos』

ローファイ感覚のブラジリアン・フォーキー☆Bruno Berle『No Reino Dos Afetos』
bruno berle no reino dos afetos.jpg
発表年:2022年
ez的ジャンル:ローファイ系ブラジリアン・フォーキー
気分は... :茜色に支子色・・・

ブラジル新作からBruno Berle『No Reino Dos Afetos』です。

Bruno Berleはブラジル北東部アラゴアス州出身の男性シンガー・ソングライター/マルチ奏者。

本作『No Reino Dos Afetos』がデビュー・アルバムとなります。

UKの人気レーベルFar Out Recordingsからリリースということで見つけた1枚です。

プロデュースはBruno Berle自身。
長年の共同制作者Batata Boyとの共同プロデュースも6曲あります。

アルバム全体としてはローファイ感覚のブラジリアン・フォーキーという印象です。カラーでいえばセピア色のメロウ・フォーキーといった感じですね。目立ちませんがブラジル音楽らしいリズムをしっかり効かせている点もいいですね。

ジャケはワイルドですが、音はメロウですよ!

全曲紹介しときやす。

「Ate Meu Violao」
抑えたトーンながらもブラジリアン・ムードがよく伝わってくるメロウ・フォーキー。ローファイな質感が逆に良いかも!
https://www.youtube.com/watch?v=HU_FZJA8RCQ

「Quero Dizer」
Batata Boyをフィーチャーしたリード・シングル。ローファイなサウダージ感が心地好い1曲。セピア色がよく似合います。秋にフィットしそうですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YvRNqLmKjoM

「Guardo Em Tuas Maos」
ローファイらしさを強調した哀愁メロウな小曲。Jefuとの共同プロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=Xm85ipChmqk

「Beat 1」
Batata Boyをフィーチャー。Batata Boyによる幻想的なトラックに、霞のようなBrunoのヴォーカルが浮遊します。
https://www.youtube.com/watch?v=MIrQDE1Kido

「O Nome Do Meu Amor」
ギターとヴォーカルのみのシンプルな演奏ですが、味わい深くていいです。
https://www.youtube.com/watch?v=ANK3YxU5_6Y

「Som Nyame」
ガーナのハイライフのエッセンスを取り入れた軽快なフォーキー・グルーヴ。女性や子どもの声がサンプリングされています。
https://www.youtube.com/watch?v=tOne_cB8GTI

「Virginia Talk」
子どもの声をサンプリング/コラージュしたサイケ・フォーキー。
https://www.youtube.com/watch?v=Fu_gTh8PFr4

「So O Amor」
アコギとエレキ・ギターの音色と幻想的な歌声が印象的なメロウ・フォーキー。
https://www.youtube.com/watch?v=gG6r-vgZ54k

「So Nos Dois」
サマー・モードのブラジリアン・メロウ。さり気ない効果音とブラジリアン・リズムの組み合わせが実に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=44suEWHaWNc

「Arraiada」
ジェントル・ムードのギターによる弾き語り。丁寧に歌い上げる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Bg6kQDEOLws

「Sereno」
本作で最も音の密度が高いトラック。ほぼインストに近いです。
https://www.youtube.com/watch?v=RFX4H9uYgB4

「E Preciso Ter Amor」
サウンド的にはアルバムで最もキャッチーなギター・ポップ調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=hIZZgCIntp4

ジャケ写真はリオのオルタナ・ポップ第三世代アーティストAna Frango Eletricoによる撮影らしいです。
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2022年08月26日

『今の気分は...2022年8月26日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は1960年代カテゴリーからジャズを10曲セレクトしました。
ラテン・タッチのものが多めです。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Bobby Hutcherson「Subtle Neptune」
https://www.youtube.com/watch?v=vY8jfoSM3s4
From 『Oblique』(1967年)
Oblique

Duke Pearson「Los Malos Hombres」
https://www.youtube.com/watch?v=i-EQze_qQv4
From 『The Right Touch』(1967年)


Herbie Hancock「Jack Rabbit」
https://www.youtube.com/watch?v=oaemzKfGcoo
From 『Inventions And Dimensions』(1963年)


Lee Morgan「Edda」
https://www.youtube.com/watch?v=xiD92MAp_Nk
From 『The Rumproller』(1963年)


Horace Silver「Nutville」
https://www.youtube.com/watch?v=sfL0b3CicyM
From 『The Cape Verdean Blues』(1965年)


Sestetto Basso-Valdambrini「Monotonia」
https://www.youtube.com/watch?v=fHL87PU390M&t=46s
From 『The Best Modern Jazz in Italy 1962』(1962年)
バッソヴァルダンブリーニセクステット

Wayne Shorter「Tom Thumb」
https://www.youtube.com/watch?v=EXUHPV6eFuQ
From 『Schizophrenia』(1967年)
スキッツォフリーニア

Kenny Dorham「El Matador」
https://www.youtube.com/watch?v=yziltpA6HO8
From 『Matador』(1962年)
マタドール

Freddie Hubbard「The Black Angel」
https://www.youtube.com/watch?v=DMVijrWp9AM
From 『The Black Angel』(1969年)
ブラック・エンジェル

Grant Green「Mambo Inn」
https://www.youtube.com/watch?v=_zqx6VmNHa8
From 『The Latin Bit』(1962年)
Latin Bit (Reis)
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2022年08月24日

Dwele『Sketches Of A Man』

良質のネオソウル作品☆Dwele『Sketches Of A Man』

発表年:2008年
ez的ジャンル:デトロイト系ネオソウル
気分は... :君子は和して同ぜず・・・

今回はデトロイト出身の男性R&BシンガーDweleの4thアルバム『Sketches Of A Man』(2008年)です。

J Dillaがその才能を認めた男性R&Bシンガー/ソングライター/プロデューサー/マルチ・プレイヤーDwele(本名:Andwele Gardner)の紹介は、『Some Kinda...』(2005年)、『Subject』(2003年)に続き3回目になります。

4thアルバム『Sketches Of A Man』(2008年)は、流行に左右されない、いつもながらのネオソウル・ワールドを楽しめます。

J Dilla逝去後の初アルバムということで、そのあたりの影響もあるかもしれません。Slum Villageもフィーチャリングされています。

メイン・プロデュースはDwele自身。
それ以外にNottzG-1/Joe ArchieMr. Leeもプロデュースを手掛けています。

目立つのはSlum Villageをフィーチャーした「Brandi」Bobby CaldwellのAOR名曲をカヴァー「Open Your Eyes」、シングルにもなった「I'm Cheatin'」、アルバムで最もキャッチーな「Body Rock」あたりですかね。

派手さはありませんが、安定した内容のネオソウル作品です。

全曲紹介しときやす。

「Sketches of a Man" (Intro)」
Dweleプロデュース。ジャジー・フィーリングのタイトル・トラックがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=Lu8fayYdbO4

「Free as a Bird」
Dweleプロデュース。ネオソウルらしい節回しやグルーヴを楽しめるミディアム。ジェントルなさり気なさが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=bSsZ14ntal8

「Feels So Good」
Dweleプロデュース。クール&ジャジー&ファンキーなネオソウル・グルーヴ。多重録音によるファルセット・コーラスとの掛け合いもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=DwtE6oSJbLQ

「Blow Your Mind」
Dweleプロデュース。短いながらも雰囲気のあるビューティフル・メロウ。
https://www.youtube.com/watch?v=ZiXwSbzdCIU

「A Few Reasons (Truth Pt. 2)」
Nottzプロデュース。『Subject』収録の「Truth」のパート2という位置づけのようです。ヴィンテージ・ソウル×ネオソウルな雰囲気が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=YXgeVL7DaQg

「Open Your Eyes」
Dweleプロデュース。Bobby CaldwellのAOR名曲をカヴァー。Common「The Light」のサンプリング・ソースとしてもお馴染みですね。オリジナルは当ブログでも紹介した『Cat In The Hat』(1980年)に収録されています。当ブログではJohn Legendのカヴァーも紹介済みです。お馴染みの名曲をネオソウル・モードでジェントルに聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kBOlGTq66Tc

「Workin' on It」
Dweleプロデュース。ロッキン・モードの小トラック。J Dilla「Workinonit」、J Dilla feat. Madlib and Guilty Simpson「Baby」をサンプリング。
それ以外にもJ Dilla絡みのリリック・ネタが散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=5fhoJFnRekc

「Brandi」
Slum Villageをフィーチャー。Slum Village「Go Ladies」のサンプリングも用いています。J Dillaの残した財産を受け継いだネオソウルに仕上がっています。Dweleプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=yQgCGs4_YYw

「5 Dolla Mic」
Dwele/G-1プロデュース。多重ヴォーカルを生かした小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=G2zRzRvySjQ

「I'm Cheatin'」
G-1/Joe Archieプロデュース。シングルにもなりました。Jay Dee feat. Elzhi「Come Get It」をサンプリングしたメロウなネオソウルに仕上がっています。ジワジワと染み渡ってくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=nXeXT6FGEls

「You Won't Be Lonely」
Dweleプロデュース。1分にも満たない繋ぎの小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=GZXZnMabWM4

「Love Ultra」
Dweleプロデュース。アコギの質感が印象的なラブソング。オーガニックな雰囲気ながらもグルーヴはあくまでネオソウルなのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=AZbjkxrJ7Ik

「Travelin' Girl」
Dweleプロデュース。♪ドゥウェレ日本へようこそ♪という女性による日本語と共に始まる1曲。トラック自体はネオソウルらしいグルーヴを楽しめる仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=kwqLT4HPIJE

「If You Want To」
Lloyd Dwayne & J. Taitをフィーチャー。ストリングス・サウンドを配したドリーミーな仕上がりです。Al Jarreau「Never Explain Love」をサンプリング。Dweleプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=jT5VmUcSMvo

「Shady」
Dweleプロデュース。Vince Guaraldi Trio「Christmas Time Is Here」をサンプリング。ジェントルなヴォーカルと素敵なコーラスワークが魅力の僕好みのメロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=auga2f87LT4

「70's」
Dweleプロデュース。軽くファルセット・コーラスを入れた小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=oLEDMiVA2T4

「Vain」
Dweleプロデュース。ジャジーなミディアム・バラード。オトナな哀愁感がいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=sa0FgMghFx0

「Spiritual」
Dweleプロデュース。デモテープ風のローファイ感のあるメロウ・チューン。即興で軽くやってみました的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=oCBG9O_bH7Q

「I'm Sorry (Wake the Musical Baby)」
Dweleプロデュース。美しいピアノ・バラード。終盤にはギターに合わせたスキャットで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rRM-RPswgKk

「Body Rock」
Mr. Leeプロデュース。Mint Condition「Breakin' My Heart (Pretty Brown Eyes)」をサンプリング。ラストはアルバムで最もキャッチーなトラックで締め括ってくれます。それまでのセピア・トーンの音世界が、ここでいきなりヴィヴィッドになるような印象です。
https://www.youtube.com/watch?v=l6VQKCLBwQc

AZ feat. Twista「Body Rock」のサンプリング・ソースとなっています。
AZ feat. Twista「Body Rock」
 https://www.youtube.com/watch?v=JjLDtU0yaQU

Dweleの他作品もチェックを!

『Subject』(2003年)
Subject

『Some Kinda...』(2005年)
Some Kinda

『W.ants W.orld W.omen』(2010年)
Wants World Women

『Greater Than One』(2012年)
Greater Than One
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2022年08月21日

Kokoroko『Could We Be More』

UK新世代アフロ・ジャズに新鮮な驚き☆Kokoroko『Could We Be More』

発表年:2022年
ez的ジャンル:UK新世代アフロ・ジャズ・ユニット
気分は... :メロウなアフロ・ジャズ!

新作からUKの新世代アフロ・ジャズ・ユニットKokorokoのデビュー・アルバム『Could We Be More』です。

Kokorokoは、リーダーのSheila Maurice-Greyを中心にロンドンで結成されたアフロ・ジャズ・ユニット。

Kokorokoが注目されるきっかけとなったのは、2018年にGilles PetersonBrownswood Recordingsからリリースされたコンピ・アルバム『We Out Here』でした。

Kokoroko「Abusey Junction」(From 『We Out Here』
https://www.youtube.com/watch?v=tSv04ylc6To

同アルバムにはKokoroko以外にも、Ezra CollectiveMoses BoydMaishaTheon CrossNubya GarciaShabaka HutchingsJoe Armon-JonesTriforceというロンドンの新世代ジャズ・シーンを牽引するアーティストたちのトラックが収録されていました。

その後、「Kokoroko」(2019年)、「Carry Me Home/Baba Ayoola」(2020年)といったEP/シングルのリリースを経て、満を持してリリースされるデビュー・アルバムが本作『Could We Be More』です。

本作におけるメンバーはSheila Maurice-Grey(tp、vo)、Cassie Kinoshi(sax、vo)、Richie Seivwright(tb、vo)、Duane Atherley(b)、Tobi Adenaike(g)、Yohan Kebede(key)、Onome Edgeworth(per)、Ayo Salawu(ds)という8名。

メンバーのうちCassie Kinoshiは、当ブログでも紹介したロンドンのジャズ・アンサンブルSEED Ensembleのリーダーです。リーダーSheila Maurice-GreySEED Ensembleのメンバーです。また、この二人はジャズ・ユニットNerijaのメンバーでもあります。

プロデュースはMiles Clinton James

楽曲はすべてKokorokoのオリジナル。

アフロビートの文脈で紹介されることも多いKokorokoですが、本作を一通り聴いた印象は、アフロ・ジャズのエッセンスを取り入れたメロウ・ジャズ/アイランド・ジャズというものです。僕もアフロビート的エッセンスがもう少し強調されている音をイメージしていたので、正直事前イメージとは異なる音でした。

前述の『We Out Here』収録の「Abusey Junction」を聴けば、その兆候を感じ取ることができますが、アルバム全編でこの路線とは思いませんでした。

アフロ・ジャズでこんなにメロウな気分になれることは新鮮な驚きです。

「Tojo」「Age Of Ascent」「Dide O」「Those Good Times」「Something's Going On」あたりは、フツーにメロウなサマー・ミュージックとして楽しめます。

僕のなかで今年一番サプライズだった1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Tojo」
アフロ・ジャズのエッセンスを取り入れながらも、アイランド・ジャズのようなゆったりと寛いだ雰囲気でバカンス・モードへ誘ってくれるオープニング。これは意表を突かれました。
https://www.youtube.com/watch?v=TK63lmmvJx0

「Blue Robe (Pt.I)」
アフリカン・リズムによるインタールード的な小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=sJGqjUjCd70

「Ewa Inu」
コンテンポラリー・ジャズ×アフロ・ジャズな組み合わせがグッド!アフロ・リズムと伸びやかなホーン・サウンドの組み合わせには、他のUK新世代ジャズにはない開放感な心地好さを感じます。さり気ないメロウ・ギターもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dDs4x6YtAIU

「Age Of Ascent」
サンセット・モードのロマンティック・アフロ・ジャズとでも称したくなる素敵なバラード。このユニットの素晴らしいホーン・アンサンブルを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=YOqVYvNfw6w

「Dide O」
ヴォーカル入りのアイランド・ジャズ。アフロ・ジャズということを意識せずに楽しめます。聴いていると、都会の喧噪を忘れ、穏やかな気持ちになってきます。ハイライフなギターがいいアクセントになっていますね。
https://www.youtube.com/watch?v=I8kKP9VCRJk

「Soul Searching」
リズミックに疾走しますが、それでもメロウ&ソフトリーな雰囲気なのがこのユニットらしいのかもしれませんね。ジャズ作品らしくないサウンドの余韻も印象的なトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=tF0lL5N6vTs

「We Give Thanks」
ダンサブルなハイライフ・グルーヴ。ハイライフらしい開放的なギターの響きが心地好いです。派手さはありませんがトーキング・ドラムによるアクセントもいいですね。不穏なオルガンだけがアフロビート調なのも面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=YUD9fxr6qTw

「Those Good Times」
AriwaのUKラヴァーズあたりと一緒に聴きたくなるようなヴォーカル入りのメロウ・チューン。メロウなサマー・ソウルとしても楽しめるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=df_UBceDFj8

「Reprise」
ジャズとは別のベクトルを感じるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=TsAZvd7RBCQ

「War Dance」
UKアフロ・ファンクらしいグルーヴを楽しめる演奏です。スペイシーなアクセントも印象的です。UK新世代アフロ・ジャズ/ファンクがお好きな人であれば間違いのないトラックなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=gOA4seglB9k

「Interlude」
メロウな小曲。トラックメイカーっぽいのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0mppA5WtGLA

「Home」
ギター、ベース、コーラスのみの演奏です。メロウ・ギターと優しいコーラスに癒されます。まさにアット・ホームな温もりがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=xrpyIPNhPgo

「Something's Going On」
メロウ・ソウル×サマー・フュージョン×アフロ・ジャズの絶妙なクロスオーヴァーで楽しませてくれます。フリーソウル的な魅力もあるトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=KXUv2rYo1eY

「Outro」
ヴォーカル&ハンドクラップによる「Something's Going On」のアウトロ。ラブ&ピースな雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=B-BRWfvNHAE

「Blue Robe (Pt.II)」
ラストはアフリカン・リズムで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=P9lf40u9U_0

ご興味がある方は、SEED EnsembleNerija

SEED Ensemble『Driftglass』(2019年)


Nerija『Blume』(2019年)
posted by ez at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする