2022年09月07日

The Buddy Rich Big Band『Big Swing Face』

ロックを通過したビッグバンド・ジャズ☆The Buddy Rich Big Band『Big Swing Face』

発表年:1967年
ez的ジャンル:凄腕ドラマー系ビッグバンド
気分は... :風神・雷神!

今回はジャズ・ドラマーBuddy Richがビッグバンドを率いたライブ作品The Buddy Rich Big Band『Big Swing Face』(1967年)です。

凄腕ドラマーBuddy Richの紹介は、『The Roar Of '74』(1973年)、『Mercy, Mercy』(1968年)に続き3回目となります。

本作『Big Swing Face』(1967年)は、ハリウッドChez Clubでのライヴ・レコーディングです。

参加メンバーはBuddy Rich(ds)以下、Quinn Davis(as)、Ernie Watts(as、fl)、Jay Corre(ts、fl)、Robert Keller(ts、fl)、Marty Flax(bs)、Bobby Shew(tp)、Yoshito Murakami(tp)、Charles Findley(tp)、John Scottile (tp)、Jim Trimble(tb)、John Boice(tb)、Bill Wimberly(btb)、Richie Resnicoff(g)、Ray Starling(p)、James Gannon(b)、Cathy Rich(vo)といった面々。

大暴れするリーダーBuddy Richのドラミングをはじめ、ロックを通過してきたビッグバンドといった雰囲気を存分に楽しめる1枚です。

ハイライトはSonny & Cherのカヴァー「The Beat Goes On」The Young Holt Trioのカヴァー「Wack Wack」という2曲。

The Beatlesの名曲カヴァー「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」、鮮やかなホーン・アンサンブルの「Monitor Theme」、映画のテーマ曲のようにモダンな「Mexicali Nose」「Willowcrest」あたりもオススメです。

ビッグバンド・ジャズのイメージを覆す格好良い演奏をご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」
The Beatlesの名曲カヴァー( Paul McCartney/John Lennon作)。オリジナルは『Rubber Soul』(1965年)収録。お馴染みの名曲をロックを通過してきたビッグバンド・ジャズといった雰囲気のダイナミックな演奏で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=mE55BAoP8Vo

「Big Swing Face」
Bill Potts作。タイトル曲はタイトルのままにスウィンギーなビッグバンド・サウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=N71UyfRWS-g

「Monitor Theme」
Bernie Baum/Bill Giant/Florence Kaye作。鮮やかなホーン・アンサンブルにグッときます。色気のあるビッグバンド・サウンドといった趣がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0nvhYMHhWcU

「Wack Wack」
The Young Holt Trioのカヴァー(Eldee Young/Hysear Don Walker/Isaac Red Holt作)。オリジナルはアルバム『Wack Wack』(1966年)収録。「The Beat Goes On」と並ぶ僕のお気に入り。ソウル/R&Bフィーリングのビッグバンド・ジャズも魅力的です。豪快なホーン・サウンドがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=xIMSnxgSVVQ

「Love for Sale」
Cole Porterの名曲カヴァー。オーセンティックながらも小粋な疾走感で楽しませてくれます。リーダーBuddyの躍動するドラムがバンド全体に伝播している感じでいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=l4NrI4fV6Ww

本曲に関して、当ブログではJorge DaltoGene HarrisDexter GordonAnita O'DayLes McCannJane BirkinThe Kenny Clarke-Francy Boland Big BandMarty Paich Big Bandのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方は過去記事をご参照下さい。

「Mexicali Nose」
Harry Betts作。タイトルの通り、メキシカン・テイストを織り交ぜた演奏ですが、映画のテーマ曲のようなモダンな格好良さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=ekZ6h6B4R6Q

「Willowcrest」
Bob Florence作。前曲「Mexicali Nose」のDayモードに対して、本曲は摩天楼が似合うNightモードといった雰囲気の格好良さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=3VVTvCeyV-E

「The Beat Goes On」
Sonny & Cher、1967年のヒット曲をカヴァー(Sonny Bono作)。今日的なハイライトはモッズ人気の高いコレでしょうね。娘Cathy Richのキュート・ヴォーカルをフィーチャーしたヒップなモッド・ビッグバンド・ジャズ。スウィンギン・ロンドン系の音が好きな人であれば気に入るはず!父Buddyの格好良いドラム・ソロでキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=p-IR2dtNEiA

「Bugle Call Rag」
Billy Meyers/Jack Pettis/Elmer Schoebel作のジャズ・スタンダードをカヴァー。本編ラストはビッグバンドらしいエンターテインメント感のあるスウィンギーな演奏で締め括ってくれます。ここでもBuddyはドラムを叩きまくります。
https://www.youtube.com/watch?v=SsAgCtofvLk

CDには以下の9トラックがボーナス・トラックとして追加収録されています。

「Standing Up in a Hammock」
https://www.youtube.com/watch?v=PrMHGvFbfaQ
「Chicago」
https://www.youtube.com/watch?v=Q2VYYUY1J88
「Lament for Lester」
https://www.youtube.com/watch?v=Tp3ph-rYrxA
「Machine」
https://www.youtube.com/watch?v=KobZYPlwL8g
「Silver Threads Among the Blues」
https://www.youtube.com/watch?v=L3QreOH9bZA
「New Blues」
https://www.youtube.com/watch?v=hAejZUnRYkg
「Old Timey」
https://www.youtube.com/watch?v=xPKTqPvjPSA
「Loose」
https://www.youtube.com/watch?v=I1ec_roZsMM
「Apples (aka Gino)」
https://www.youtube.com/watch?v=HM3oyHPAL2E

Buddy Richの他作品もチェックを!

『The New One!』(1968年)


『Mercy, Mercy』(1968年)
マーシー、マーシー +3

『Keep the Customer Satisfied』(1970年)


『A Different Drummer』(1971年)
ア・ディファレント・ドラマー

『Stick It』(1972年)
Stick It

『The Roar Of '74』(1973年)
ザ・ロアー・オブ’74

『Very Live at Buddy's Place』(1974年)
ヴェリー・ライヴ・アット・バディズ・プレイス[再発/廉価盤]

『Big Band Machine』(1975年)
ビッグ・バンド・マシーン

『Speak No Evil』(1976年)
Speak No Evil

『Plays and Plays and Plays』(1977年)
Plays & Plays & Plays
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2022年09月04日

Antonio Sanchez『Shift: Bad Hombre, Vol. II』

多彩なゲストが参加!☆Antonio Sanchez『Shift: Bad Hombre, Vol. II』

発表年:2022年
ez的ジャンル:メキシコ系N.Y.ジャズ・ドラマー
気分は... :悪い男・・・

新作ジャズからAntonio Sanchez『Shift: Bad Hombre, Vol. II』です。

Antonio Sanchezは1971年メキシコ生まれのジャズ・ドラマー。現在はN.Y.を拠点に活動しています。

最もよく知られているのは、2000年代以降におけるPat Methenyのグループのレギュラー・ドラマーとしての活動かもしれませんね。

また、アカデミー賞の作品賞、監督賞を受賞した映画『Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)』(邦題:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))(2014年)のサントラを手掛けたことでも注目されました。

自身の名義のアルバムも『Migration』(2007年)以降、コンスタントにリリースしています。

最新作『Shift: Bad Hombre, Vol. II』は、タイトルの通り、2017年リリースの『Bad Hombre』の続編アルバムという位置づけです。

アルバムにはPat Metheny(g)、Dave Matthews(vo)、Ana Tijoux(vo)、Becca Stevens(vo、g)、Meshell Ndegeocello(vo、b)、Nine Inch NailsTrent Reznor(vo)とAtticus Ross(syn)、Maro(vo)、Lila Downs(vo)、SONICASilvana Estrada(vo)、Kimbra(vo、g)、Rodrigo y Gabriela(g)、有名なメキシコ人俳優Ignacio Lopez Tarsoというジャンルを超えた多彩なゲストが参加しています。

このゲスト陣の顔ぶれを見ただけでも興味が湧く1枚なのでは?

アルバムの内容もジャズをベースにしつつも、多様な音楽スタイルを取り込んだジャンルレスな1枚に仕上がっています。また、ドラム以外にもギター、ベース、キーボード、パーカッション、ヴォーカル等も手掛け、マルチ・インストゥルメント/トータル・ミュージシャンとしてのAntonio Sanchezの才を楽しめます。

Dave Matthews/Pat Methenyをフィーチャーしたロッキンな「Eh Hee 2.0」、チリの女性ラッパーAna Tijouxをフィーチャーした妖艶なラテンHip-Hop「Mi Palabra」Becca Stevensをフィーチャーした緻密で神秘的な「The Bucket」Trent Reznorらをフィーチャーしたダーク&ヘヴィな「I Think We're Past That Now」、女性ユニットSONICAをフィーチャーしたビューティフルな「Doyenne」Meshell Ndegeocelloをフィーチャーしたレゲエ/ダブ「Comet, Come to Me」など聴きどころ満載の1枚です。

ジャズ・ドラマーに留まらないAntonio Sanchezの魅力を堪能できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Op Opening」
有名なメキシコ人俳優Ignacio Lopez Tarsoをフィーチャーしたオープニング。昔のメキシコ映画の一場面という雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=pKdWwYNgIDU

「Eh Hee 2.0」
Dave Matthews/Pat Methenyをフィーチャー。ドライブ感のあるハードなロッキン・チューンで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7sgo80BZDWg

「Mi Palabra」
チリの女性ラッパーAna Tijouxをフィーチャー。妖艶なラテンHip-Hopで楽しませてくれます。ラテン×Hip-Hopな生音トラックがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=JuQRel3_7Gs

「The Bucket」
当ブログでもお馴染みのハイブリッド女性シンガー・ソングライターBecca Stevensをフィーチャー。Becca Stevensらしい緻密で神秘的な音世界を、Sanchezが現代ジャズ・ドラマーらしいドラミングで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jkj2aRuGi4c

「I Think We're Past That Now」
Trent Reznor/Atticus RossというNine Inch Nailsメンバーをフィーチャー。本作らしい世界観のダークなヘヴィ・ロックに仕上がっています。Trent Reznorの名が本作に登場するのは久々かもしれませんね。相変わらずの存在感です。
https://www.youtube.com/watch?v=SnIJp_Wwvww

「Alambari」
Maroをフィーチャー。(多分)Maroはポルトガルの女性SSWのMariana Britoではないかと思います。Maroの美しいヴォーカルを生かした現代ジャズらしい1曲に仕上がっています。Maroの歌声とSanchezの叩くビートがシンクロしていく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Hqs6pll-Kl0

「Doyenne」
Thana Alexa/Nicole Zuraitis/Julia Adamyによる女性ユニットSONICAをフィーチャー。SONICAの楽曲のカヴァーです。ヴォーカル・ワークを生かした静のイメージであったオリジナルに対して、本ヴァージョンはSanchezのサウンドが加わることで動のイメージに変貌しています。オリジナルの美しさはそのまま引き継がれているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TkMOSp3AQoQ

SONICA「Doyenne」
 https://www.youtube.com/watch?v=lySswx-LB0Y

「Risa de Mujer」
メキシコ人女優でSSWのLila Downsをフィーチャー。土着の伝統音楽×テクノロジーの融合といったムードが印象的なトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=cT13KN4PAKM

「Trapped (Red Room)」
SONICAのThana Alexaをフィーチャー。Thana Alexaのヴォーカル・ワークとSanchezのサウンドが織り成すフューチャリスティックな音世界を楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=Ewn8mDOeQq4

「Comet, Come to Me」
人気ミュージシャンMeshell Ndegeocelloをフィーチャー。美しくも刺激的なレゲエ/ダブ・チューンで楽しませてくれます。Meshell Ndegeocelloのレゲエ調トラックをお好きな人であれば気に入るはず!Sanchezのドラム、Meshell Ndegeocelloのベースが生み出すグルーヴを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=qis21KcR6Gc

「Waiting」
ヴォーカルから演奏まで全てをSanchez一人で仕上げたトラック。Sanchezのミュージシャンとしてのトータルな魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=tvoODWc8pWM

「Risa de Mujer (Intetrlude)」
Lila Downsをフィーチャー。神秘的なムードのインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=cT13KN4PAKM

「El Agua y la Miel」
メキシコ人女性シンガーSilvana Estradaをフィーチャー。フォルクローレ×現代ジャズな雰囲気の仕上がりです。後半のスパークする感じもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=rQNwe3JVMko

「Suspended Animation」
ニュージーランドの女性SSW/ギタリストのKimbraをフィーチャー。新世代ジャズ/次世代ネオソウルとしても楽しめるトラックはかなり僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=TQFzDxd9KFw

「M-Power」
メキシコ人デュオRodrigo y Gabrielaのギターをフィーチャー。メキシカン・ギターとSanchezのドラムによるエキサイティングなバトルを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=nJGBVePfR7k

「Closing」
ラストはメキシコ人俳優Ignacio Lopez Tarsoを再びフィーチャー。オープニングと同じく映画の一場面という雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NxuQ_iMN_3k

Antonio Sanchezの他作品もチェックを!

『Migration』(2007年)


『Live in New York at Jazz Standard』(2010年)


『New Life』(2013年)


『Three Times Three』(2014年)


『Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance) 』(2014年)


Antonio Sanchez & Migration『The Meridian Suite』(2015年)


『Bad Hombre』(2017年)


Antonio Sanchez & Migration『Lines in the Sand』(2018年)


Will Vinson, Gilad Hekselman & Antonio Sanchez『Trio Grande』(2020年)
posted by ez at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月02日

『今の気分は...2022年9月2日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は1970年代カテゴリーから10曲セレクトしました。
フォーキーな曲が多いかな?

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Brian Auger's Oblivion Express「Dawn Of Another Day」
https://www.youtube.com/watch?v=8lh6vC1oqKY
From 『A Better Land』(1971年)
ア・ベター・ランド(紙ジャケット仕様)

Youngbloods「Ride the Wind」
https://www.youtube.com/watch?v=epuXgrR6ipk
From 『RIde The Wind』(1971年)


Nick Drake「Poor Boy」
https://www.youtube.com/watch?v=TLJFSj3b4q0
From 『Bryter Layter』(1970年)
ブライター・レイター

Terry Reid「River」
https://www.youtube.com/watch?v=LsvZyQG5o8M
From 『River』(1973年)
リヴァー

Jose Feliciano「Hard Times in el Barrio」
https://www.youtube.com/watch?v=cUoW3u-SHIw
From 『And the Feeling's Good』(1974年)


Ellen McIlwaine「Toe Hold」
https://www.youtube.com/watch?v=cgx5nIr0V4A
From 『Honky Tonk Angel』(1972年)
ホンキー・トンク・エンジェル+1

Van Morrison「Caravan」
https://www.youtube.com/watch?v=t_YGC_vA0Og
From 『Moondance』(1970年)
ムーンダンス

The Isley Brothers「Work to Do」
https://www.youtube.com/watch?v=w28W4Nh9tJM
From 『Brother, Brother, Brother』(1972年)


Joni Mitchell「Carey」
https://www.youtube.com/watch?v=wfZJ6sHeA6k
From 『Blue』(1971年)


Maria Muldaur「Midnight at the Oasis」
https://www.youtube.com/watch?v=3gKnnb24Eso
From 『Maria Muldaur』(1973年)
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