2022年10月19日

The Liberators『Power Struggle』

オーストラリアのアフロ・ファンク・バンドの2nd☆The Liberators『Power Struggle』

発表年:2013年
ez的ジャンル:オージー産アフロ・ファンク
気分は... :権力闘争!

今回はオーストラリアのアフロ・ファンク・バンドの2ndアルバムThe Liberators『Power Struggle』(2013年)です。

The Liberatorsは、Nathan Austを中心に結成されたオーストラリアのアフロ・ファンク・バンド。

Nathan Austはオーストラリアのファンク・バンドDojo Cutsのメンバーでもあり、両バンドは兄弟バンドという位置づけだったかもしれません。

これまでThe Liberatorsとして、『The Liberators』(2011年)、『Power Struggle』(2013年)という2枚のアルバムをリリースしています。

2ndアルバムとなる本作におけるメンバーは、Nathan Aust(g)、George Sheridan(b)、Andrew Samuel(ds)、Colin Ho(key)、Gio Ruscio(congas、per)、Andrew Symons(bs)、Michael Gordon(ts)、Ken Allars(tp)、Frank Dasent(tb)という9名。

また、Dojo Cutsの女性シンガーRoxie Rayがフィーチャリングされている楽曲もあります。

プロデュースはNate GoldentoneNathan Austの別名)。

楽曲はすべてグループのオリジナルです。

基本はアフロ・ファンク作品ですが、エチオピアン・ジャズやアフロビートなども交えた、前作『The Liberators』(2011年)以上にバラエティに富んだ内容に仕上がっています。

アフリカやUKのアフロ・ファンクとは、また一味違ったグルーヴを楽しむことができます。

全曲紹介しときやす。

「Cairo Uprising」
タイトルはエジプト、カイロですが、実際の音はエチオピアン・ジャズをイメージさせるオープニング。少しエキゾチックなホーン・サウンドが印象的です。

「Soul Dive」
ホーン・サウンド以外は少し抑えたトーンのアフロ・ファンクですが、その抑えた感じがモダンでいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Jf7yu0RC-3o

「Dark River」
ダークでサイケデリックなアフロ・ファンク。エチオピアン・テイストのサイケ・サウンドを楽しむことができます。

「Red Green Live Die」
ここでようやく開放された感じのアフロビート調のダイナミックな演奏です。アフロビート好きの人であれば気に入るであろうエキサイティングな演奏です。

「Dos Caras」
少しエクスペリメンタルな雰囲気で始まるアフロビート×エチオピアン・ジャズな仕上がり。なかなか格好良いクロスオーヴァーです。

「Power Struggle」
タイトル曲はクール&ダークなアフロ・ファンク。呪術的なベース&ギターが強調されているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=spl30yJJqpw

「No Friend Of Mine」
開放的で軽快なアフロビート。ファンク・バンドによる高速アフロビート・サウンドといった感じが格好良いです。

「Epicoso」
タメの効いたグルーヴィーなアフロ・ファンク。このバンドのセンスの良さを感じる演奏です。

「Water Somewhere」
Dojo CutsのRoxie Rayをフィーチャー。アフロ・ファンクにRoxie Rayのソウルフル・ヴォーカルが加わったキャッチーな演奏で締め括ってくれます。

『The Liberators』(2011年)
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2022年10月16日

Various『Blue Note Re:imagined II』

UK新世代によるBlue Note作品の新解釈!第二弾☆Various『Blue Note Re:imagined II』

発表年:2022年
ez的ジャンル:UK次世代ジャズ・コンピ
気分は... :第二弾でよりマニアックに!

今回は新作アルバムから話題のコンピ作品Various『Blue Note Re:imagined II』です。

本作はUKのDrccaとUSのBlue Noteがタッグを組み、UK新世代ジャズを中心とした新鋭アーティスト達が、Blue Noteに残されたジャズ名曲をカヴァーする企画作品Various『Blue Note Re:Imagined』(2020年)の続編です。

Various『Blue Note Re:Imagined』(2020年)


今回はYazz AhmedConor AlbertParthenopeSwindleNubiyan TwistEgo Ella MayOscar Jerome & Oscar #WorldpeaceDaniel Casimir feat. Ria MoranTheon CrossMaya DelilahKay YoungVenna & MarcoReuben JamesBinker GoldingCheriseFranc Moodyといったミュージシャンが参加しています。

さらに国内盤ボーナス・トラックでは日本人アーティストBIGYUKIが参加しています。

第一弾よりも参加アーティストが小粒になった印象を受けますが、その分、先入観なしに楽しめるのではないかと思います。

また、選曲も前回以上にマニアックなものが多く、年代も幅広くなっています。Donald Byrd作品から4曲、Wayne Shorter作品から2曲、Norah Jones作品から2曲、Mizell兄弟によるスカイハイ・プロダクション作品が3曲といった偏りがあるのも逆に面白いと思います。

第一弾と同じくオリジナルと聴き比べるのも楽しいですが、オリジナルを知らずとも、またジャズ・ファンで無くとも南ロンドン新世代ジャズを中心とした今のUK音楽シーンの面白さが凝縮されたナイス・コンピに仕上がっています。

全曲紹介しときやす。
※最初にオリジナル作品として示しているのは、元になっているであろうBlue Note作品です。

Yazz Ahmed「It」
オリジナルはChick Corea『Is』(1969年)収録(Chick Corea作)。UKの女性トランペッターYazz Ahmedが主役。Chick Corea作品のレコーディングにも参加したTim Garland(ss、bc)も参加しています。オリジナルは30秒程度のピアノとピッコロのみの演奏による小曲ですが、ここでは5分超の美しくダイナミックなアンサンブルを聴かせてくれます。主役Yazzのトランペット/フリューゲル・ホーンに加えて、Tim Garlandのバス・クラリネットが存在感あります。Noel Langly/Yazz Ahmedプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=BFkHFqvQt8U

Chick Corea「It」
https://www.youtube.com/shorts/JUeiV-_0UU8
Chick Corea『Is』(1969年)


Conor Albert「You Make Me Feel So Good」
オリジナルはBobbi Humphrey『Fancy Dancer』(1975年)収録(Larry Mizell/Fonce Mizell作)。フリーソウル・クラシックにもなっている人気曲ですね。UKの新鋭ピアニストConor Albertが主役。ピアノのみならず全ての演奏を一人でこなすマルチ・インストゥルメンタリスト であることを示してくれます。 Mizell兄弟によるスカイハイ・サウンドが印象的なオリジナルの雰囲気をそのまま受け継いだ爽快ジャジー・メロウな演奏です。
Conor Albertプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=87DrYkaAehE

Bobbi Humphrey「You Make Me Feel So Good」
https://www.youtube.com/watch?v=mAFotx4YSeQ
Bobbi Humphrey『Fancy Dancer』(1975年)


Parthenope「Don't Know Why」
オリジナルはNorah Jones『Come Away With Me』(2002年)収録(Jesse Harris作)。グラミーで最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞したスタンダードと呼べる名曲ですね。本当のオリジナルは作者Jesse Harrisのアルバム『Jesse Harris and the Ferdinandos』(1999年)に収録されたヴァージョン。ここではリーズ出身の女性サックス奏者Parthenope Wald-Hardingがヴォーカルも披露してくれます。この曲の持つ素晴らしい「温もり」を改めて実感させてくれるハートウォーミングな仕上がりです。
Owen Eastwoodプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=Ak5VnkDQBus

Norah Jones「Don't Know Why」
https://www.youtube.com/watch?v=tO4dxvguQDk
Norah Jones『Come Away With Me』(2002年)


Swindle「Miss Kane」
オリジナルはDonald Byrd『Street Lady』(1973年)収録(Larry Mizell作)。UKグライム/ダブステップ・シーンから登場してきた人気アーティストSwindleが手掛けています。当ブログでもSwindle作品を紹介しようかなぁ、と思っていたのでグッド・タイミングでした。最近はYoung Gun Silver Foxの活動でも知られるShawn Lee(ds、per)も参加しています。Swindleがこのリズミックなファンキー・チューンをセレクトする気持ちがよく分かります。ストリングスも配し、Swindle流のスカイハイ・サウンド再構築で楽しませてくれます。Swindleプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=I2lHpLOlifM

Donald Byrd「Miss Kane」
https://www.youtube.com/watch?v=KjH_uFMssOE
Donald Byrd『Street Lady』(1973年)


Nubiyan Twist「Through The Noise (Chant No.2)」
オリジナルはDonald Byrd『A New Perspective』(1963年)収録の「Chant」(Duke Pearson作)。当ブログでも紹介したUKジャズ・コレクティヴNubiyan Twistによる演奏です。彼らが「Chant」をセレクトしたのは意外でしたが、Nubiyan Twistらしいスリリングに疾走するグルーヴィーなアフロ・ジャズに変貌させてくれています。グループのリーダーTom Excellのプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=m6SYcL6Eclk

Donald Byrd「Chant」
https://www.youtube.com/watch?v=CrqeuVhPg_A
Donald Byrd『A New Perspective』(1963年)


Ego Ella May「Morning Side Of Love」
オリジナルはChico Hamilton『Peregrinations』(1975年)収録(Chico Hamilton作)。サウス・ロンドンから登場したネオソウルの新星Ego Ella Mayをフィーチャー。Ego Ella Mayのコケティッシュなヴォーカルが引き立つ、幻想的な仕上がりがいい感じです。Ego Ella May/Eunプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=_7uV6AlSF7A

Chico Hamilton「Morning Side Of Love」
https://www.youtube.com/watch?v=VN9i1RSERWU
Chico Hamilton『Peregrinations』(1975年)


Oscar Jerome & Oscar #Worldpeace「(Why You So) Green With Envy」
オリジナルはGrant Green『Green Street』(1961年)収録(Grant Green作)。当ブログでも紹介したUK新世代アフロ・ジャズ・ユニットKokorokoJoe Armon-Jones等の作品に参加するギタリストOscar JeromeとラッパーOscar #Worldpeaceという二人が主役。オリジナルからの変貌という意味では、このトラックが一番振り幅が大きいかもしれません。ジャズ×Hip-Hopな今ジャズを楽しめる内容です。Oscar Jeromeプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=5Ih-zqMK7Cw

Grant Green「(Why You So) Green With Envy」
https://www.youtube.com/watch?v=XHxBIIZX_mY
Grant Green『Green Street』(1961年)


Daniel Casimir feat. Ria Moran「Lost」
オリジナルはWayne Shorter『The Soothsayer』(1979年)収録(Wayne Shorter作)。主役のDaniel CasimirはBlue Lab BeatsAshley HenryNubya Garcia等の作品にも参加しているベーシスト。オリジナルはインストですが、ここではRia Moranの女性ヴォーカルをフィーチャーしています。オリジナルの雰囲気とは少し異なる幻想的なメロウ・チューンですが、今ジャズらしさもあってフィットします。Daniel Casimirプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=ks1XfaHBu3w

Wayne Shorter「Lost」
https://www.youtube.com/watch?v=fnf-veWTZZ0
Wayne Shorter『The Soothsayer』(1979年) ※録音は1965年


Theon Cross「Epistrophy」
オリジナルはThelonious Monk 『Genius Of Modern Music』(1951年)収録(Kenny Clarke/Thelonious Monk作)。当ブログでは『Monk's Music』(1957年)収録ヴァージョンを紹介済みです。主役のTheon CrossShabaka Hutchings率いるSons Of Kemetメンバーであり、当ブログでも紹介したソロ・アルバム『Fyah』も素晴らしい作品でした。個性派ミュージシャンのTheon Crossが、超個性派のモンク作品をセレクトするのは納得です。最初の一音からTheon Crossらしいチューバの響きで楽しませてくれます。Theon Crossワールド全開の素晴らしいUKジャズ・ワールドです。Theon Cross/Emre Ramazanogluプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=qO2UZtXaJNY

Thelonious Monk「Epistrophy」
https://www.youtube.com/watch?v=QkkKtCiZusA
Thelonious Monk『Genius Of Modern Music』(1951年)


Maya Delilah「Harvest Moon」
オリジナルはCassandra Wilson『New Moon Daughter』(1995年)収録(Neil Young作)。本当のオリジナルはNeil Young『Harvest Moon』(1992年)収録。女性シンガー・ソングライターMaya Delilahが主役ですが、本当のオリジナルであるNeil Youngヴァージョンを手本にしているような仕上がりです。まぁ、Cassandraヴァージョンに寄せていくのはハードル高いですからね(笑)。Stephen Barnesプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=6moD8cTsP1Y

Cassandra Wilson「Harvest Moon」
https://www.youtube.com/watch?v=YHbcwby7igA
Cassandra Wilson『New Moon Daughter』(1995年)


Kay Young「Feel Like Making Love」
オリジナルはMarlena Shaw『Who Is This Bitch, Anyway?』(1975年)収録(Eugene Mcdaniels作)。本当のオリジナルはRoberta Flack『Feel Like Makin' Love』(1975年)収録。
主役のKay YoungはUKの女性ラッパー/シンガー。Marlena Shawヴァージョンの雰囲気を受け継いだネオソウル調の仕上がりです。Kay Youngプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=cmaBfn7U3fA

Marlena Shaw「Feel Like Makin' Love」
https://www.youtube.com/watch?v=RK326HjaNTA
Marlena Shaw『Who Is This Bitch, Anyway?』(1975年)


本曲「Feel Like Makin' Love」について、当ブログではD'AngeloMeta Roos & Nippe Sylwens BandRicardo Marrero & The GroupB.E.F.Roy Ayers UbiquityEly BrunaJeffrey OsborneBob Jamesのカヴァーも紹介済みです。

Venna & Marco「Where Are We Going?」
オリジナルはDonald Byrd『Black Byrd』(1972年)収録(Edward Larry Gordon/Larry Mizell作)。
Venna & Marcoはサックス奏者Malik Vennerとサックス奏者&マルチ奏者Marco Bernardisによるユニット。オリジナルが大好きなので、この曲をセレクトした時点で勝ち!と思っていたのですが、意外にもオリジナルの雰囲気とは異なるスムーズ・ジャズ調の今ジャズに仕上がっています。終盤のエレクトリックな雰囲気がいい感じ。Venna & Marcoプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=rUyMVCjob2A

Donald Byrd「Where Are We Going?」
https://www.youtube.com/watch?v=-6CEryWus_A
Donald Byrd『Black Byrd』(1972年)


Reuben James「Infant Eyes」
オリジナルはWayne Shorter『Speak No Evil』(1964年)収録(Wayne Shorter作)。主役のReuben Jamesは幅広いジャンルのレコーディングに参加するピアニスト/シンガー。ここでは彼のピアノに加えてヴォーカルにも注目です。何の予備知識もなく聴くと女性ヴォーカルと間違えるかもしれません。美しく幻想的なジャズ・ワールドに吸い込まれていきます。Reuben Jamesプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=E9TUKtUhanc

Wayne Shorter「Infant Eyes」
https://www.youtube.com/watch?v=CYg_3pQN-LU
Wayne Shorter『Speak No Evil』(1964年)


Binker Golding「Fort Worth」
オリジナルはJoe Lovano『From the Soul』(1992年)収録(Joe Lovano作)。今回の選曲で一番意外だったのがコレ。数あるBlue Note作品からこの1枚を選ぶのって余程思い入れあるのでは?主役のBinker Goldingは、Binker & MosesやMoses Boyd Exodusといった
UK新世代ジャズを代表するドラマーMoses Boyd絡みの活動でも知られるサックス奏者です。アルバムの中でも最もエキサイティングな演奏かもしれません。Binker Goldingのプレイを存分に楽しめます。この演奏を聴くとこの選曲が正解であったと納得してしまいます。Binker Goldingプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=A3IU7qEGGYk

Joe Lovano「Fort Worth」
https://www.youtube.com/watch?v=NlRw0nPD3pk
Joe Lovano『From the Soul』(1992年)


Cherise「Sunrise」
オリジナルはNorah Jones『Feels Like Home』(2004年)収録(Lee Alexander/Norah Jones作)。主役のUK女性R&BシンガーCheriseは、Nubiyan Twist『Freedom Fables』(2021年)、『Brockwell Mixtape』(2022年)という当ブログで最近紹介した作品でもフィーチャリングされています。胸に込み上げてくるソウルフル&ビューティフルな仕上がりには、オリジナルとは異なる感動があります。Tobie Trippプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=FLufTsceuNE

Norah Jones「Sunrise」
https://www.youtube.com/watch?v=fd02pGJx0s0
Norah Jones『Feels Like Home』(2004年)


Franc Moody「Cristo Redentor」
オリジナルはDonald Byrd『A New Perspective』(1963年)収録(Duke Pearson作)。Franc MoodyはNed FrancとJon Moodyを中心としたNu Funkバンド。オリジナルのゴスペル調コーラスの雰囲気は残しつつ、エレクトロ&ダンサブルなサウンドで楽しませてくれます。Franc Moodyプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=Zvt4LE8hGr4

Donald Byrd「Cristo Redentor」
https://www.youtube.com/watch?v=tg3CBBkSss4
Donald Byrd『A New Perspective』(1963年)


BIGYUKI「The Creators」
国内盤ボーナス・トラック。日本が誇るキーボード奏者BIGYUKIです。オリジナルはBobby Hutcherson『Now!』(1970年)収録(Herbie Lewis作)。オリジナルのトライバル&コズミックな雰囲気を発展させた演奏で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BDT1hkCDPaY

Bobby Hutcherson「The Creators」
https://www.youtube.com/watch?v=sYEVsBFf_vM
Bobby Hutcherson『Now!』(1970年)


未聴の方は第一弾『Blue Note Re:Imagined』(2020年)もぜひチェックを!

Various『Blue Note Re:Imagined』(2020年)
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2022年10月14日

『今の気分は...Brunswickかな』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は60〜70年代カテゴリーからシカゴ・ソウルの名門レーベルBrunswickの作品から10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Barbara Acklin「Am I The Same Girl」
https://www.youtube.com/watch?v=nZzIl25d6_0
From 『Seven Days Of Night』(1969年)
セヴン・デイズ・オブ・ナイト

Willie Henderson & The Soul Explosions「Off Into A Black Thing」
https://www.youtube.com/watch?v=q5h9iJIJESY
From 『Funky Chicken』(1970年)
ファンキー・チキン+7

The Chi-Lites「Oh Girl」
https://www.youtube.com/watch?v=LwjsVD23Z3E
From 『A Lonely Man』(1972年)


The Lost Generation「This Is The Lost Generation (Vocal)」
https://www.youtube.com/watch?v=rDwe0bhWSnQ
From 『Young,Tough And Terrible』(1972年)


The Eliminators「Loving Explosion」
https://www.youtube.com/watch?v=32JhrHVhyE8
From 『Loving Explosion』(1974年)
ラヴィング・エクスプロージョン

Strutt「Said You Didn't Love Him」
https://www.youtube.com/watch?v=NDfyBYxDzNM
From 『Time Moves On』(1975年)
タイム・ムーヴス・オン

Directions「We Need Love (Vocal)」
https://www.youtube.com/watch?v=yAXAGgMU6HA
From 『Directions』(1975年)
ダイレクションズ(紙ジャケット仕様)

Maryann Farra & Satin Soul「Never Gonna Leave You」
https://www.youtube.com/watch?v=VwDMFhKQ4ZQ
From 『Never Gonna Leave You』(1975年)
ネヴァー・ゴナ・リーヴ・ユー+1(期間限定価格盤)

Exit 9「Jive Man」
https://www.youtube.com/watch?v=mwqY8yAldZg
From 『Straight Up』(1975年)
ストレイト・アップ(紙ジャケット仕様)

Step By Step「So Very Near You」
https://www.youtube.com/watch?v=JloB1EsPTzE&t=50s
From 『I Always Wanted To Be In The Band』(1976年)
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2022年10月12日

Player『Spies of Life』

Dennis Lambertがプロデューサーに復帰した4thPlayer『Spies of Life』(1981年)

発表年:1981年
ez的ジャンル:USポップ・ロック/AOR
気分は... :スパイスの効いた生活を!

今回はAORファンに人気のバンドPlayerの4thアルバム『Spies of Life』(1981年)です。

「Baby Come Back」の大ヒットで知られるバンドPlayerの紹介は、『Danger Zone』(1978年)に続き2回目となります。

『Room With a View』(1980年)に続く4thアルバムとなる『Spies of Life』(1981年)は、2作ぶりに「Baby Come Back」を手掛けたDennis Lambertがプロデューサーに復帰しています。Dennis Lambertはソングライティング面でも大きく貢献しています。

メンバーはPeter Beckett(vo、g)、J.C. Crowley(vo、g、key)、Ronn Moss(b、vo)、John Friesen(ds)という4名。Peter BeckettJohn Friesen以外は新メンバーです。

Dennis Lambertのプロデューサー復帰、メンバー入れ替えというテコ入れの1枚です。

メンバー以外にFools Goldの活動でも知られるTom Kelly(back vo)、Tom Funderburk(back vo)、Jay Lewis(g)、Dennis Lambert(syn)、Gabriel Katona(key、syn)、Gary Wright(syn)、Steve Forman(per)といったミュージシャンが参加しています。

「If Looks Could Kill」「Some Things Are Better Left Unsaid」「Thank You For The Use Of Your Love」「It Only Hurts When I Breathe」というAORファンが楽しめる前半4曲がオススメです。Finis Hendersonがカヴァーした「I'd Rather Be Gone」にも注目です。

充実した前半に対して、LPのB面にあたる後半はAOR度が低いのが残念ですが、それでも80年代好きには楽しめるポップ・ロック作品に仕上がっています。

全曲紹介しときやす。

「If Looks Could Kill」
Dennis Lambert/Peter Beckett作。アルバムからの1stシングルがオープニング。USチャート第48位となっています。この時代らしいシティ・ミュージックであり、AORファンであれば満足度の高い1曲に仕上がっているのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=4UXDWnLQI8s

「Some Things Are Better Left Unsaid」
Dennis Lambert/Peter Beckett作。ブルーアイド・ソウル調のアーバン・メロウは僕好みの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=dRQuJjIRywU

「Thank You For The Use Of Your Love」
Dennis Lambert/Peter Beckett作。星空の下で聴きたい素敵なメロウ・バラード。聴いていると込み上げてくるものがありますね。
https://www.youtube.com/watch?v=pkTlXDxg5Do

「It Only Hurts When I Breathe」
Dennis Lambert/Peter Beckett作。これもAOR好きが気に入りそうなメロウ・ミディアム。少し Todd Rundgren「It Wouldn't Have Made Any Difference」風のメロディが聴こえてくるのも僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=AgnIi8SKhx8

「My Mind's Made Up」
Dennis Lambert/Peter Beckett作。哀愁モードのポップ・ロック。甘く危険な香りがするのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gZffJa6RG3I

「I'd Rather Be Gone」
Dennis Lambert/J.C. Crowley作。前メンバーJ.C. Crowley絡みの作品ですが、アルバムからの2ndシングルにもなりました。Finis HendersonのAOR人気作『Finis』(1983年)でもカヴァーされています。アーバン・メロウなFinis Hendersonヴァージョンと比較してしまうと、こちらのオリジナルは分が悪いように思えますが、セットで聴けば楽しめるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=8Ay9LcsQ9-Y

Finis Henderson「I'd Rather Be Gone」
 https://www.youtube.com/watch?v=joNjvWvrx40

話が逸れますが、Finis Henderson『Finis』は当ブログでかなり昔に記事投稿した気分になったのですが、今回確認したら未紹介のようですね。
Finis Henderson『Finis』(1983年)


「Take Me Back」
Peter Beckett作。軽快なポップ・ロックですが、いわゆる産業ロックに片足突っ込んでいるような仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=e0VbQ1ITxSQ

「My Survival」
Peter Beckett作。ドラマティックなイントロと共に始めるメロウ・バラード。悪くはないけど、僕には少し仰々しいかな。
https://www.youtube.com/watch?v=aTHzzT3-c0M

「Born To Be With You」
Dennis Lambert/Peter Beckett作。軽快なギターと共に始まるキャッチーなロック・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=if2tQPX_qWM

「In Like Flynn」
Peter Beckett作。最後は軽快なロックン・ロールで締め括ってくれます。、
https://www.youtube.com/watch?v=CyGR4D_bVXc

Playerの他作品もチェックを!

『Player』(1977年)


『Danger Zone』(1978年)


『Room With a View』(1980年)


『Electric Shadow』(1995年)


『Baby Come Back....』(2005年)


『Too Many Reasons』(2013年)
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2022年10月09日

Alexia Bomtempo『Doce Carnaval』

カーニバルへの思いが込められた最新作☆Alexia Bomtempo『Doce Carnaval』

発表年:2022年
ez的ジャンル:コスモポリタン系女性MPB
気分は... :甘いカルナヴァル・・・

新作アルバムから女性MPBシンガーAlexia Bomtempoの最新作『Doce Carnaval(邦題:甘いカルナヴァル)』です。

1985年ワシントンD.C.生まれ。母はアメリカ人で父がブラジル人で両国を往き来するコスモポリタンな女性MPBシンガーAlexia Bomtempoについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Astrolabio』(2008年)
 Doces Cariocas『Doces Cariocas(Sweet Cariocas)』(2009年)
 ※当時公私のパートナーであったPierre Aderneとのユニット
 『I Just Happen To Be Here』(2012年)
 『Suspiro』(2018年)

『Suspiro』(2018年)以来約4年ぶりの新作となる本作『Doce Carnaval(邦題:甘いカルナヴァル)』は、新型コロナの影響で中止・延期が続いたカーニバルへの思いが原動力となり制作された作品です。

そんな経緯もあり、オリジナルは1曲のみで残る8曲はAlexiaとカーニバルを結びつける名曲カヴァーから構成されています。メロウだけれど一筋縄ではいかないサンバ/ボッサで楽しませてくれます。

プロデュースはAlexandre VazJake Owen
Kassinが共同プロデュースで参加した曲もあります。

アルバムには元Red Hot Chili PeppersJosh KlinghofferRoberta SaFernanda AbreuPierre Barouhの娘Maia BarouhMundo Livre S/Aでの活動でも知られるOttoといったゲストがフィーチャリングされています。

レコーディングにはAlexandre Vaz(g、key、prog)、Jake Owen(g、key、prog、strings/wind arr)、Mauro Refosco(ds、per、prog、key)、Kassin(prog)、Philippe Powell(el-p)、Jaques Morelenbaum(cello)、Alberto Continentino(b)、Jorge Continentino(clarinet)、Stephane San Juan(per)、Gustavo di Dalva(per)、Jorge Ailton(back vo)、Milton Guedes(back vo)、Rodrigo Tavares(el-p、syn)、Michael Blake(fl)、Eduardo Belo(b)等が参加しています。

まずは「Chameleon Lovers」「Banho de Cheiro」「Domingo」というシングルになった冒頭3曲に本作のエッセンスが凝縮されています。

それ以外に室内楽的な「Rapunzel」、フランス語で歌われる「La Nuit des Masques」、神秘的なムードの「Mal Acostumada」、エレクトロニクスとの融合が見事な「Às 3 da Manha」「Direito de Sambar」など全編充実しています。

Alexia Bomtempo大好き!な僕としては大満足の1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Chameleon Lovers」
Philippe Powell/Alexia Bomtempo/Alexandre Vaz/Jake Owen作。
元Red Hot Chili PeppersのJosh Klinghofferをフィーチャー。本作唯一のオリジナルであり、アルバムからの3rdシングルがオープニング。美しいストリングスを配しカーニバル・モードのメロウ・グルーヴですが、元Red Hot Chili PeppersのJosh Klinghofferにサンバを歌わせてしまうのがコスモポリタンなAlexiaらしいですね。ビター・スウィートな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Zh52aNpwenY

「Banho de Cheiro」
邦題「魔法の水」。Carlos Fernando作品をカヴァー。オリジナルは1983年のElba Ramalhoヴァージョン。人気女性シンガーRoberta Saをフィーチャーしたアルバムからの1stシングル。寛いだ雰囲気のメロウ・ボッサですが、カンドンブレ・モードのアフロ・ブラジルなスパイスを隠し味で効かせています。
https://www.youtube.com/watch?v=dCbBLGBz2f4

「Domingo」
サンバ・エスコーラUniao Da Ilha Do Governadorが1977年に発表したカーニバルのテーマ曲をカヴァー(Ademar Vinhaes/Aurinho da Ilha/Ione do Nascimento作)。ベテラン女性シンガーFernanda Abreuをフィーチャーしたアルバムからの2ndシングル。カリオカ・モードのボッサ・チューンでサウダージ気分を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=YNL9iBSG31s

「Rapunzel」
Daniela Mercury、1997年の大ヒット曲をカヴァー(Carlinhos Brown/Alaim Tavares作)。オリジナルは軽快なアシェ(バイーア生まれのダンス・ミュージック)でしたが、それとは対照的な室内楽的な落ち着いた仕上がりで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-gHh2TE0n8c

「La Nuit des Masques」
邦題「仮面の夜」。Chico Buarque作品にPierre Barouhがフランス語の歌詞をつけ、当時の妻Dominiqueとの共同名義で1974年リリースした楽曲のカヴァー。ここではそのPierre Barouhの娘Maia Barouhをフィーチャー。
Baden Powellの息子Philippe PowellがMaia Barouhを紹介してくれたのだとか。そのPhilippe Powellもエレピで参加。Kassinも共同プロデュースで参加しています。フレンチの語感がよくフィットしたレイジーなメロウ・サンバはモロに僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=Stp2hpMBCLs

「Mal Acostumada」
バイーアの人気グループAra Ketuのカヴァー(Meg Evans/Ray Araujo作)。Mundo Livre S/Aでの活動でも知られるOttoをフィーチャー。メロウ・ボッサですが、神秘的なムードも加味された独特の音世界を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=k039iVU-tP0

「Às 3 da Manha」
邦題「明け方3時」。Herivelto Martins作。古典サンバのカヴァー。オーセンティックなサンバ・マナーにエレクトロニクスなエッセンスを加味していますが、これはプログラミングで参加のKassinの手腕だと思います。クラリネットによるアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=tcJcNTDoFi8

「Direito de Sambar」
邦題「サンバをする権利」。サンバ・ソングライターBatatinhaの名曲をカヴァー。本作のコンセプトにフィットするタイトルですよね。このトラックも古典サンバをエレクトロニクスなエッセンスで2022年仕様にアップデートさせています。さらに名手Jaques Morelenbaumのチェロも加わり、素晴らしいモダン・サンバに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=tDlsQy_1FWE

「Quero Morrer no Carnaval (vignette)」
邦題「カルナヴァルで死にたい」。ラストはElza Soaresのカヴァー・ヒットでも知られるLuiz Antonio/Eurico Campos作の古典サンバのカヴァーで締め括ってくれます。ビネット(小品)とあるように1分半に満たない楽曲ですが、少しダビーでストレンジな雰囲気でアルバムの余韻に浸れます。
https://www.youtube.com/watch?v=MDgy3pm_Poo

Alexia Bomtempoの過去記事もご参照下さい。

『Astrolabio』(2008年)
Astrolabio

Doces Cariocas『Doces Cariocas(Sweet Cariocas)』(2009年)
Sweet Cariocas

『I Just Happen To Be Here』(2012年)
I Just Happen to Be Here

『Suspiro』(2018年)
真夜中のため息
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする