2022年10月23日

Moons『Best Kept Secret』

ミナスの新世代バンド☆Moons『Best Kept Secret』

発表年:2022年
ez的ジャンル:ミナス新世代ロック/フォーク
気分は... :ゆっくりと時間が流れて・・・

ブラジルもの新作からMoons『Best Kept Secret』です。

Moonsはブラジル、ミナスの新世代ミュージシャンが集結したバンド。
元々は中心メンバーAndre Travassosのソロ・プロジェクトとしてスタートしました。

ちなみにMoonsというグループ名は、当ブログでも紹介したNick Drake『Pink Moon』(1972年)に由来するものです。

これまで『Songs Of Wood And Fire』(2016年)、『Thinking Out Loud』(2019年) 、『Dreaming Fully Awake』(2020年)という3枚のアルバムをリリースしています。

4thアルバムとなる本作『Best Kept Secret』におけるメンバーは、Andre Travassos(vo、g)、Bernardo Bauer(vo、b)、Felipe D'Angelo(vo、key、syn)、Jennifer Souza(vo、g)、Pedro Hamdan(vo、ds)、Rodrigo Leite(vo、g)という6名。

プロデュースはMoonsと2nd、3rdのプロデュースも手掛けたLeonardo Marques

僕がMoonsに興味を持ったのは、当ブログでそれぞれソロ・アルバムを紹介したJennifer SouzaLeonardo Marquesが関わっているためです。

あとは、2nd『Thinking Out Loud』(2019年)のジャケにも惹かれていました。まさにNick Drake的なものを感じますよね。

楽曲はすべてオリジナル。タイトルを見ればお分かりだと思いますが、全曲英語で歌われています。そのせいもあってブラジル作品ということを意識せずとも楽しめる1枚です。

全体としては"まどろみ"系とでも呼びたくなるメロウなロック/フォークという印象です。ジャジーなエッセンスもうまく織り交ぜています。スパイス程度にブラジリアンな雰囲気を効かせています。

本作を象徴する"まどろみ"系メロウ「The Will To Change」、ポスト・ロック的な「Low Key」、ほんのりボッサ・テイストの「Best Kept Secret」、セピアなジャジー・メロウ「Silver Linings」、最後にはブラジリアン・リズムを効かせた「Another You」、最もバンド感のある「Let's Do It All Again」、70年代US女性SSW作品を思わせる「Confusions Of A Heart」、田園フォーキー「Childlike Wisdom」、月光のような神秘的ムードの「Moonglow」という充実の全9曲です。

ゆっくりと時間が流れていく、心をリセットできる素敵な1枚をぜひ!

全曲紹介しときやす。

「The Will To Change」
Andre Travassos作。本作らしい"まどろみ"系メロウ・チューンがオープニング。ゆったりと穏やかに時間が流れていく感じがサイコーです。Fred Selvaのヴァイヴがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8QECJx1fpfs

「Low Key」
Andre Travassos作。ミナス新世代によるポスト・ロックといった雰囲気の軽快な爽快チューン。The Sea And Cakeあたりが好きな人は気に入りそうですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9o38r32GQik

「Best Kept Secret」
Andre Travassos作。メロウ・フォーキーですが、ほんのりボッサ・テイストが漂うのもいいですね。タイトルの通り、シークレット・モードな感じもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=9zN-k6v-eu8

「Silver Linings」
Andre Travassos作。ジャジー・メロウなサウンドとAndre Travassosの寂しげなヴォーカルが織り成すセピア色の音世界が秋モードにフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=He3_nN5iyFI

「Another You」
Andre Travassos作。出だしは寂しげなフォーキーですが、そこにFred Selvaのヴァイヴなどが加わりメロウな雰囲気へ・・・最後にはブラジリアン・リズムが加わるという3段階で楽しめる展開です。
https://www.youtube.com/watch?v=xyHa_WyU1dw

「Let's Do It All Again」
Moons作。グループ名義のソングライティングになっているようにアルバムで最もバンド感のある演奏かもしれません。ここではJennifer SouzaをはじめAndre Travassos以外のメンバーがヴォーカルをとっています。まどろみのメロウ・ロックといった雰囲気がサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=JbFQ7MD3aoA

「Confusions Of A Heart」
Andre Travassos/Jennifer Souza作。70年代US女性SSW作品をジャジー&メロウにアップデートさせた雰囲気です。落ち着いたトーンのオトナ・ロックといった感じですかね。
https://www.youtube.com/watch?v=d7VoytU3Yuk

「Childlike Wisdom」
Andre Travassos/Bernardo Bauer作。田園フォーキーとでも呼びたくなる長閑な雰囲気が魅力です。ストリングスの使い方も絶妙ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=xMKjIiHuctg

「Moonglow」
Moons/Felipe D'Angelo作。ラストはまさに月光のような神秘的なムードのビューティフル・フォーキーで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4NBz0E0YNy4

Moonsの他作品もどうぞ!

『Songs Of Wood And Fire』(2016年)


『Thinking Out Loud』(2019年)
moons thinking out loud.jpg

『Dreaming Fully Awake』(2020年)
moons dreaming fully awake.jpg

Jennifer SouzLeonardo Marquesの過去記事もご参照ください。

Jennifer Souza『Pacífica Pedra Branca』(2021年)


Leonardo Marques『Curvas, Lados, Linhas Tortas, Sujas E Discretas』(2015年)
クルヴァス、ラードス、リーニャス・トルタス、スージャス・イ・ヂスクレタス(CURVAS, LADOS, LINHAS TORTAS, SUJAS E DISCRETAS)

Leonardo Marques『Flea Market Music』(2022年)
posted by ez at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする