2022年10月30日

Louis Cole『Quality Over Opinion』

異才は何処までも自由☆Louis Cole『Quality Over Opinion』

発表年:2022年
ez的ジャンル:異才ジャズ/ポップ/ソウル/ファンク/ロック
気分は... :才能を解き放て!

新作アルバムからエレクトロ・ポップ・ユニットKNOWERの活動でも知られる異才Louis Coleの最新4thアルバム『Quality Over Opinion』です。

L.A.を拠点に活動するシンガーソングライター、プロデューサー、ドラマー/マルチ・プレイヤーLouis Coleの紹介は、3rdアルバム『Time』(2018年)に続き2回目となります。

『Time』(2018年)以来、約4年ぶりの新作となる『Quality Over Opinion』。前作と同じくFlying LotusのレーベルBrainfeederからのリリースです。

プロデュースはLouis Cole自身。
ソングライティングもすべてLouis Coleのオリジナルです。

アルバムにはKNOWERの相棒Genevieve ArtadiLouis Coleとグラインドコア・ユニットClown Coreを組むサックス奏者のSam Gendel、現代ジャズ・ギターの皇帝Kurt Rosenwinkel、さらにはChris FishmanNate WoodMarlon Mackeyがフィーチャリングされています。

全20曲。ジャズ/ポップ/ソウル/ファンク/ロックを股に掛けたバラエティに富んだトラックが並びます。あまり一貫性のないところが、Louis Coleらしいかもしれません。

本作ではギター、エレクトリック・ベースの演奏に挑戦していることも注目です。

Genevieve ArtadiをフィーチャーしたKNOWER好きには嬉しい「Don't Care」、パワルフなドラミングとヴィヴィッドなシンセが織り成す「Planet X」、ポップでダンサブルなシンセ・ファンク「Park Your Car on My Face」Thundercatの近作に通じる「Message」「True Love」、ギターを用いた爽快メロウ「Forgetting」あたりが僕のオススメです。

やはり、この人は只者ではない!

全曲紹介しときやす。

「Quality Over Opinion」
美しいバイオリンとシンセをバックに、Louis Coleが早口で言葉を並べるオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=ip8E2CQrLzg

「Dead Inside Shuffle」
ホーン隊も加えたポップなシンセ・ファンク。Louis Coleらしいキャッチーだけど少し尖っている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=RoG-nrvKKZc

「Not Needed Anymore」
ここではギターをプレイするLouis Coleですが、そのギターがシンセをプレイしているかのように聞こえるのが面白いですね。実際、キーボードで書いたものをギターで弾いているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=mwyufwkIKXA

「Shallow Laughter」
バイオリンとチェロを配した美しいトラック。予備知識がなければLouis Coleと思わないのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=435lHX8gUSc

「Bitches」
Clown Coreの盟友であるSam Gendelのサックスをフィーチャー。そのClown Core寄りの少しハードコアな演奏を楽しむことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=_1PdtPuaS-k

「Message」
Chris Fishman(el-p、p)とNate Wood(b)をフィーチャー。Thundercatの近作に通じる哀愁メロウ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=fpXZs6csHp0

「Failing in a Cool Way」
ローファイ感が強調されたダンサブルなシンセ・ポップ。ある意味とてもBrainfeederらしい雰囲気かも?
https://www.youtube.com/watch?v=zP5IEP-tIkY

「Disappear」
抑えたトーンのメロウ・ミディアム。どこまでもソフトリーな感じに癒されます。
https://www.youtube.com/watch?v=2pvwGvZkCxY

「I'm Tight」
ベースが強調されたファンク・グルーヴです。本作では珍しい7分の長尺。これまではシンセ・ベースを用いたLouis Coleですが、本作ではThundercatから譲り受けたエレクトリック・ベースも弾いています。本トラックもそんな1曲でしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=u9XrWB-u1vc

「True Love」
Thundercatの近作に通じるメロウ・チューン。派手さはないけど、こういうメロウな雰囲気を創り出すのが巧いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hx24t2hCq98

「Planet X」
パワルフなドラミングとヴィヴィッドなシンセが織り成す、Louis Coleらしいダンサブル・チューン。アルバムの中でもかなりお気に入りのトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=qGmfAymhkmw

「Let Me Snack」
男性シンガー・ソングライターのMarlon Mackeyをフィーチャー。前半は寂しげな雰囲気のメロウ・チューンですが、中盤から様相が一変し、エクスペリメンタル/ハードコアな展開へ・・・このコントラストが面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=RmRHU3c3_n0

「Forgetting」
ギターを用いた爽快メロウ・チューン。Louis Coleのポップ・メロウ・センスを楽しみましょう。2分に満たない小曲ですが、かなり僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=4cTAtBtYGcQ

「Park Your Car on My Face」
完成度の高いポップでダンサブルなシンセ・ファンク・チューン。キャッチーさでいえば、アルバム随一かもしれませんね。Louis Coleのポップな魅力が凝縮されたトラックだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=qEcI3Ywa49Q

「Don't Care」
KNOWERの相棒Genevieve Artadiをフィーチャー。KNOWER好きには嬉しいダンサブルなシンセ・ポップに仕上がっています。ポップなのに何処となく儚げな雰囲気がサイコーです。ちなみにアナログ盤のみですがGenevieve ArtadiもBrainfeederからソロ・アルバム『Dizzy Strange Summer』(2020年)をリリースしています。KNOWERとしての新作も聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vRoYzIwib28

「Laughing in Her Sleep」
Louis Coleのファルセット・ヴォーカルがジェントルに響く、おやすみモードのメロウ・チューン。聴いていると童心に戻れそうな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=XOr-f_5Ru58

「Outer Moat Behavior」
エクスペリメンタル/ビートミュージック的な仕上がり。このタイプの演奏は別に好きではないですが、一方でこういうのが1曲が小鉢的にあると嬉しくなってしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=T5EbI59C2gk

「When」
現代ジャズ・ギターの皇帝Kurt Rosenwinkelをフィーチャー。なんとアウトロでフィーチャリングされたKurt RosenwinkelのギターはライヴのYouTube音源なのだとか。このあたりの何でもアリがLouis Coleらしいかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=FzHU5y8olcY

「Let it Happen」
美しいコーラスと共に始まるビューティフル・チューン。前作『Time』でも聴かせてくれたThe Beach Boys的なドリーミー・ポップ感で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=fkQgAN9xRO4

「Little Piano Thing」
本編ラストは美しいピアノ・ソロで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=UyOBmB4UYx0

「I Forgot Your Birthday」
国内盤ボーナス・トラック。Spencer Coleをフィーチャー。少しエクスペリメンタルでダンサブルなポップ・ロックに仕上がっています。

Louis Coleの他作品やKNOWERのアルバムもチェックを!

『Album 2』(2013年)
アルバム 2

KNOWER『Let Go』(2013年)
Let Go +10

KNOWER『Covers』(2014年)
Covers

KNOWER『Life』(2016年)
Life

『Time』(2018年)
Time [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC575)
posted by ez at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする