2023年01月18日

Fat Jon & Styrofoam『The Same Channel』

エレクトロニカ色を強く打ち出した1枚☆Fat Jon & Styrofoam『The Same Channel』

発表年:2006年
ez的ジャンル:ベルリン産Hip-Hop×エレクトロニカ
気分は... :アップグレード!

アングラ・ジャジーHop-Hopの人気ユニットFive Deezの中核メンバーFat Jonがベルギー出身のアーティストStyrofoamとコラボしたアルバムFat Jon & Styrofoam『The Same Channel』(2006年)です。

USシンシナティ出身のHip-HopアーティストFat Jonについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の6枚

Five Deez
 Five Deez『Koolmotor』(2001年)
 Five Deez『Kinkynasti』(2003年)
 Five Deez『Kommunicator』(2006年)
3582
 3582『Situational Ethnics』(2003年)
Rebel Clique
 Rebel Clique『Unique Connection』(2005年)
 Rebel Clique『Still Curious』(2007年)

本作『The Same Channel』(2006年)は、ドイツ、ベルリンに拠点を移したFat Jonがドイツの人気エレクトロニカ系レーベルMorr Musicの代表的アーティストStyrofoamとタッグを組んだアルバムであり、エレクトロニカ色が前面に打ち出されています。

2人でプロデュース&ソングライティングを手掛け、トラックも2人のみで制作しています。Fat Jonがラップを担当しています。

スペイシー、アブストラクト、ダンサブル、そして哀愁モードのエレクトロニカ・サウンドとHip-Hopのエッセンスを組み合わせた意欲作ですが、エレクトロニカ色が前面に出てくるのでHip-Hopファンの中には戸惑う人もいるかもしれませんね。

個人的にはベルリン産らしいHip-Hop×エレクトロニカのクロスオーヴァーを十分楽しめました。

全曲紹介しときやす。

「Acid Rain Robot Repair」
本作らしいダンサブルなエレクトロニカ・サウンドをバックに、Fat Jonが軽快なフロウを披露するオープニング。スペイシーな雰囲気でアルバムは幕を開けます。
https://www.youtube.com/watch?v=--dCE_B_2HU

「Bleed」
不穏な空気に包まれたダーク・トラック。美しくも切ないエレクトロニカ・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=u83liC1_hHE

「Runnin' Circle」
哀愁モードで疾走します。叩きつけるようなビートと哀愁エレクトロニカ・サウンドがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=vpg2yVyNWHU

「Space Gangsta」
本作を象徴するトラック。近未来モードのスペイシー・エレクトロニカ・サウンドとHip-Hopビートの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=kxFAMwRjk0o

「Nervous Inaction」
前曲のスペイシー・エレクトロニカ・サウンドを継承する繋ぎの1曲的なトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=U4HmzFgxmEo

「Upgrade」
エレクトロニカとHip-Hopのバランスが取れたキャッチーなトラック。エレクトロ・ポップなダンサブル感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=KcXf3ssca_g

「Scream It Out」
80年代エレクトリック・ファンクのエッセンスを感じるトラック。ヴォコーダー入りなのも僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=Sr-3nYcGhK4

「The Middle」
8分半近くの長尺。哀愁モードのメロディアス・トラック。迷宮の中を夢中で彷徨っているような気分になる音世界です。
https://www.youtube.com/watch?v=oYGBAZXwmMs

「Generic Genes (Spare Parts)」
哀愁モードのトラックに乗るFat Jonのフロウがキマっているトラック。抑えたトーンながらも扇動的なのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rDjf0_jyBQI

「Upgrade (Grace Period Mix)」
「Upgrade」のThe Grace Periodによるリミックス。オリジナルから一変させたビートレスの叙情的なトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=k_CJ74XFImM

Fat Jon関連の過去記事もチェックを!

Five Deez『Koolmotor』(2001年)
Koolmotor

Five Deez『Kinkynasti』(2003年)
キンキーナスティ

Five Deez『Kommunicator』(2006年)
コミュニケーター

3582『Situational Ethnics』(2003年)
SITUATIONAL ETHICS

Rebel Clique『Unique Connection』(2005年)
Unique Connection by Rebel Clique

Rebel Clique『Still Curious』(2007年)
スティル・キュリアス
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2023年01月15日

Joel Sarakula『Island Time』

ブルーアイド・ソウル/AOR色の強い1枚☆Joel Sarakula『Island Time』

発表年:2022年
ez的ジャンル:ブルーアイド・ソウル/AOR
気分は... :サクラ色のAOR・・・

新作からブルーアイド・ソウル/AOR色の強い男性シンガー・ソングライター作品、Joel Sarakula『Island Time』です。

Joel Sarakulaはオーストラリア、シドニー出身、現在はUKを拠点とする男性シンガー・ソングライター。

ドイツの注目レーベルLegere Recordingsから『Love Club』(2018年)をリリースした頃から、ブルーアイド・ソウル/AOR路線で注目されるようになります。Legere Recordingsといえば、当ブログでも紹介した人気AORデュオYoung Gun Silver Foxの所属レーベルとして知られていますね。

本作『Island Time』は、『Love Club』(2018年)、『Companionship』(2020年)に続くLegereからの第3弾アルバムとなります。

本作『Island Time』は、前作『Love Club』(2018年)における70〜80年代ウエスコースト・サウンド寄りのブルーアイド・ソウル/AOR路線をさらに推し進めた内容となっています。

本作の注目は、前作にも参加していたThe JazzinvadersPhil Martin(本作ではTimothy van der Holst名義)の関与がより大きくなり、2人のコラボ色が強くなっている点です。

Phil MartinTimothy van der Holst)が参加するユニットのMartin & GarpDawn PatrolLegere Recordingsのレーベル・メイトでもあります。

Joel SarakulaPhil Martin(ds、per)、Xavier Clarke(g、b、back vo)の3人がレコーディングの基本メンバー。さらに女性コーラスや他ミュージシャンがオーバーダビングしています。

プロデュースはJoel Sarakula自身。

「Lonely Town」「Sun Goes Down」のようなダンサブルな曲もありますが、抑えたトーンのさり気ないブルーアイド・ソウルに本作の魅力を感じます。「Love My Shadow」「Work For Love」「Give It Up For Nature」あたりですね。

Joel自身がフェイバリットに挙げている「Truth」、ブラジル音楽のエッセンスを取り入れた「Dream Life」「Dinosaur」あたりもオススメです。

Young Gun Silver Foxあたりがお好きな人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Love My Shadow」
ブルーアイド・ソウル色の強いオープニング。抑えたトーンの都会的なサウンドは80年代AORがお好きな人であれば気に入るはず。歌詞はユング哲学にインスパイアされたものなのだとか。

「Sun Goes Down」
アーバンなメロウ・ダンサー。哀愁モードで疾走していきます。Joelのブルーアイド・ソウルなヴォーカルがサウンドとよく調和しています。

「Work For Love」
僕好みのブルーアイド・ソウル/AOR。派手さはないけど緻密に計算されたAORワールドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=BaJ7teYa-ls

「Tragic」
ウエストコース路線のメロウ・サウンドが心地よい1曲。何処となく甘酸っぱい懐かしさがあるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=QkLxpSAzAKU

「Give It Up For Nature」
これも僕好みのブルーアイド・ソウル/AOR。哀愁メロウなAORワールドで80年代にタイムトリップさせてくれます。

「Lonely Town」
Joel Sarakula流のディスコ・ダンサー。甘く妖しいアーバン・ナイト感がいいですね。(良い意味で)チープなJamiroquaiといった雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=gn7t3tj7_mw

「Island Time」
レゲエ・サウンドを取り入れたタイトル曲。アイランド・タイムなのに哀愁モードなのが本作らしいのかも?

「Truth」
Joel自身がフェイバリットに挙げているトラック。ポスト・トランプの世界における"真実"をテーマにしたバラードです。Joelのブルーアイド・ソウルな魅力を味わえます。

「Dream Life」
ボッサ・フィーリングのメロウ・チューンで楽しませてくれます。ボッサ大好きな僕には嬉しいアクセントです。

「Dinosaur」
ラストもブラジル音楽のエッセンスを取り入れたブルーアイド・ソウルで締め括ってくれます。ここでもさり気なさが魅力です。

Joel Sarakulaの他作品もチェックを!

『Souvenirs』(2008年)


『The Golden Age』(2013年)


『The Imposter』(2015年)


『Love Club』(2018年)


『Companionship』(2020年)


ご興味がある方は共にPhil MartinTimothy van der Holst)が参加するユニットであると同時に、Legere Recordingsのレーベル・メイトであるMartin & GarpDawn Patrolの作品もチェックを!

Martin & Garp『Sentimental Fools』(2020年)


Dawn Patrol『Bring On The Good Times』(2022年)
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2023年01月13日

『今の気分は...2023年1月13日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は80年代カテゴリーからメロウな10曲をセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Roberta Flack「Til The Morning Comes」 
https://www.youtube.com/watch?v=0rPRl5jhx8g
From 『I'm The One』(1982年)
I'm the One

Future Flight「Hip-Notic Lady」
https://www.youtube.com/watch?v=jSxTPsty5jo
From 『Future Flight』(1981年)


Rockie Robbins「You And Me」
https://www.youtube.com/watch?v=-q8INdQrBms
From 『You And Me』(1980年)
You and Me

Francoise Hardy「Chanson Ouverte」
https://www.youtube.com/watch?v=7Jf36wnRpeE
From 『Gin Tonic』(1981年)


Beau Williams「You've Been」
https://www.youtube.com/watch?v=CmgmDbF-FF0
From 『Stay With Me』(1983年)
ステイ・ウィズ・ミー

Kashif feat. Whitney Houston「Are You The Woman」
https://www.youtube.com/watch?v=t-p7nuZe_zw
From 『Send Me Your Love』(1984年)
SEND ME YOUR LOVE

Con Funk Shun「Don't Let Your Love Grow Cold」
https://www.youtube.com/watch?v=BONP5KZjj0s
From 『Fever』(1983年)
Fever

Tavares「Why Can't We Fall In Love」
https://www.youtube.com/watch?v=dp4z90tk88w
From 『Supercharged』(1980年)
スーパーチャージド

Pointer Sisters「Save This Night for Love」
https://www.youtube.com/watch?v=I_mjNDwYqsg
From 『Special Things』(1980年)
スペシャル・シングス(期間生産限定盤)

Shadow「Village Destiny」
https://www.youtube.com/watch?v=0sx6jp-JXZk
From 『Shadow』(1980年)
シャドウ
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2023年01月11日

Esther Phillips『What A Diff'rence A Day Makes』

ディスコにアプローチした1枚☆Esther Phillips『What A Diff'rence A Day Makes』

発表年:1975年
ez的ジャンル:CTI系女性ヴォーカル/ディスコ
気分は... :恋は異なもの・・・

今回は黒人女性シンガーEsther PhillipsがCTI傘下のKuduからリリースした『What A Diff'rence A Day Makes』(1975年)です。

Esther Phillipsは1935年テキサス州生まれの女性シンガー。

わずか13歳でJohnny Otisの楽団に加わり、1950年には「Double Crossing Blues」「Mistrusting Blues」「Cupid's Boogie」という3曲のR&BチャートNo.1ヒットを放っています。

その後、ソロ・シンガーとして独立。病気で一時は音楽業を離れますが、1962年に「Release Me」がR&BチャートNo.1となり、復活を遂げます。1963年にはAtlanticと契約し、1970年までに5枚のアルバムをリリースしています。

その後Creed Taylor率いるCTI Recordsのサブ・レーベルKuduと契約し、70年代半ばまでに7枚のアルバムを制作しています。

1984年に48歳の若さで逝去。

Kuduでの5枚目のアルバムとなる本作『What A Diff'rence A Day Makes』(1975年)は、Joe Beckのアレンジでディスコにアプローチした作品です。

アルバムはUSアルバム・チャート第32位、同R&Bアルバム・チャート第13位となっています。

Joe Beck(g)以下、Steve Khan(g)、Eric Weissberg(pedal steel)、Will Lee(b)、Chris Parker(ds)、Don Grolnick(key)、Ralph MacDonald(per)、
David Sanborn(as)、Mike Brecker(ts)、Randy Brecker(tp)等がレコーディングに参加しています。

プロデュースはCreed Taylor

シングル・ヒットしたダンス・クラシック「What A Diff'rence A Day Makes」をはじめ、The O'Jaysのカヴァー「One Night Affair」Grover Washington Jr.のカヴァー「Mister Magic」という冒頭のディスコ・アプローチの3曲が目立ちます。この3曲が本作のハイライトといえるでしょう。

一方で、それ以外の5曲はEstherの味わい深いソウルフル・ヴォーカルを満喫できます。こちらの方が本来のEsther Phillipsの魅力だと思います。

その意味では1枚で、2つの側面からEsther Phillipsの満喫できるのが本作の最大の魅力かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「One Night Affair」
The O'Jaysのカヴァー(Gamble & Huff作)。オリジナルは『Neptune』(1969年)収録。本作を象徴するダンサブル・サウンドでアルバムを幕を開けます。オリジナルのThe O'Jaysヴァージョンと続けて聴くと、アップテンポのリズムとEstherのソウルフルなハイトーンがヴォーカルが相まって、オリジナルの早回しのように聞こえてきます(笑)。ホーン&ストリングス、Joe Beckのギター・ソロも含めてダイナミックなサウンドで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=FbtBi2Mbn5g

「What A Diff'rence A Day Makes」
タイトル曲は1959年のDinah Washingtonのヒットで知られるポピュラー・ソング(Maria Grever/Stanley Adams作)のカヴァー。シングル・カットされ、USチャート第20位、同R&Bチャート第10位となったダンス・クラシック。Dinah Washingtonヴァージョンからは想像できないアッパーなディスコ・チューンで楽しませてくれます。ディスコ・サウンドをバックにしても、Estherの独特の味わいのヴォーカルが際立ちます。Joe Beckのギター・ソロもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=E1_vsu2DyLs

Moodymann「I Got Werk」のサンプリング・ソースとなっています。
Moodymann「I Got Werk」
 https://www.youtube.com/watch?v=qfI13ytw0go

「Mister Magic」
Grover Washington Jr.の人気曲をカヴァー(Ralph MacDonald/William Salter作)。ここでもEstherのヴォーカルが弾けるパンチの効いたダンサブルな「Mister Magic」を聴かせてくれます。作者Ralph MacDonaldによるパーカッシヴなアクセントがいいですね。Joe Beckのギター・ソロとホーン・アンサンブルによるダイナミズムもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=6PJvsC4FuUQ

「You're Coming Home」
Brenda Harris作。Estherのソウルフル・ヴォーカルの魅力を満喫できるミディアム。本来はこういったタイプの曲の方が彼女の本領発揮なのでしょうね。開放的なホーン・アンサンブルも印象的です。

「I Can Stand A Little Rain」
Joe Cockerのカヴァー(Jim Price作)。オリジナルは『I Can Stand A Little Rain』(1974年)収録。ペダル・スティールの音色が印象的なカントリー・ソウル調のバラード。土臭いサウンドをモダンに聴かせるのがCTI系らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Rg3LEuNCzKU

ScarubL「.I.F.E./for What It's Worth」、The Seed「S-T-T-P」、DL「Valider?」、Osvn feat. Emma Lee「Daydreams」等のサンプリング・ソースとなっています。
ScarubL「.I.F.E./for What It's Worth」
 https://www.youtube.com/watch?v=ZTCzDJWiRME
The Seed「S-T-T-P」
 https://www.youtube.com/watch?v=dYjBwWlAZXc
Osvn feat. Emma Lee「Daydreams」
 https://www.youtube.com/watch?v=AWF9hwv5za4

「Hurtin' House」
Lu Emerson作。レイドバック感のあるファンキー・ミディアムですが、都会的な雰囲気で聴かせてくれるのも本作らしいのでは?ファンキー・ホーン隊が盛り上げてくれます。聴いていると酒が飲みたくなります(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=uiC3kiHozQE

Private Investigators「Mom Dukes」のサンプリング・ソースとなっています。
Private Investigators「Mom Dukes」
 https://www.youtube.com/watch?v=X8n-ffPBDuQ

「Oh Papa」
Maria Muldaurのカヴァー(David Nichtern作)。オリジナルは『Waitress In A Donut Shop』(1974年)収録。抑えたトーンながらもEstherの素晴らしい表現力が際立つバラード。いい感じのレイドバック感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=FNFwvyK9qoE

「Turn Around, Look At Me」
オリジナルはGlen Campbellですが、当ブログでも紹介したThe Voguesのヒットで知られる楽曲(Jerry Capehart作)。ラストも味わい深いレイドバックしたバラードで締め括ってくれます。Joe Beckのギター・ソロの芳醇さもたまありません。
https://www.youtube.com/watch?v=xWg6fHG_Qrc

Esther Phillipsの他作品もチェックを!

『And I Love Him/Esther Phillips Sings』(1965/1966年)


『Burnin': Live at Freddie Jett's Pied Piper, L.A.』(1970年)


『Alone Again, Naturally』(1972年)


『From a Whisper to a Scream』(1972年)


『Black-Eyed Blues』(1973年)


『Performance』(1974年)


『Capricorn Princess』(1976年)


Esther Phillips With Beck『For All We Know』(1976年)


『You've Come a Long Way, Baby/All About Esther Phillips』(1977/1978年)


『All About Esther Phillips』(1978年)


『Here's Esther, Are You Ready/Good Black Is Hard to Crack』(1979/1981年)


『A Way to Say Goodbye』(1986年)
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2023年01月08日

Delfina Mancardo『Octante』

アルゼンチン女性SSW、期待の新星のデビュー作☆Delfina Mancardo『Octante』

発表年:2022年
ez的ジャンル:アルゼンチン女性シンガー・ソングライター
気分は... :八分儀の向こうにあるのは・・・

2023年最初の新作はアルゼンチンの女性シンガー・ソングライターDelfina Mancardoのデビュー・アルバム『Octante』です。

全8曲約26分。フル・アルバムというよりミニ・アルバムに近い長さですが、中身はかなり充実しています。

Delfina Mancardoはアルゼンチン、ブエノスアイレス出身の女性シンガー・ソングライター。

2019年に配信シングル「Fin」でミュージシャンとしての本格的活動をスタート。本作『Octante』がデビュー・アルバムとなります。

楽曲はすべてDelfina Mancardoのオリジナル。

Daniel Schnockがプロデュース&アレンジを手掛けています。

Delfina MancardoDaniel Schnockが本作のヒントとしたのは、ブラジル、リオのオルタナ・ポップ第三世代アーティストRubel『Casas』(2018年)なのだとか。当ブログでも『ezが選ぶ2019年の10枚』にセレクトしたお気に入りの1枚です。

それ以外にもDelfina Mancardoは、Joni MitchellなどのUSシンガー・ソングライター、Carlos AguirreAca Seca Trioなどのアルゼンチン・コンテンポラリー・フォルクローレ、Moonchildなどの次世代ネオソウルからも影響を受けているようです。

個人的にはMoonchildあたりが好きな人も楽しめる1枚なのではないかと感じました。

初めて聴くのに、どこか懐かしさを感じる安らいだ雰囲気がいいですね。室内楽的なエッセンスを違和感なく取り入れている点も印象的です。

とりあえず、「Paraguas Multicolor」「Little Red Boat」「Laugh Some More」あたりを聴けば、本作の魅力を実感できると思います。

アルバム・タイトルの『Octante』とは、八分儀(航海などで用いられる水平方向の角度を測るための道具)のことです。

大海に乗り出したDelfina Mancardoが八分儀を用いて目指す場所はどこか?
これからが楽しみなアーティストです。

全曲紹介しときやす。

「N16°31.55’. E111°46.1’」
"ドラゴンホール"と呼ばれる中国近海の地球上で最も深いブルーホールの経度・緯度がタイトルとなったオープニング。ピアノとヴォーカルの多重録音による、どこか懐かしさを感じるアルバムのプロローグ。
https://www.youtube.com/watch?v=5QPZRJd-05w

「Desandar」
室内楽的な雰囲気をうまく取り込んだ1曲。それでも背伸びしすぎず、普段着モードのナチュラルさがいいですね。みずみずしい美しさが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=HnnCrqxKui0

「Laugh Some More」
英語で歌われているせいか、Moonchildなどの陽だまり系次世代ネオソウルに通じる魅力があります。Moonchild大好きな僕は大歓迎です。
https://www.youtube.com/watch?v=w9q2Mt3EP0Q

「rompiente」
1分半に満たない小曲ですが、寂しげな雰囲気にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=6kf8UaN67HQ

「Little Red Boat」
本作を象徴する1曲。美しいストリングスをバックに、安らぎのフォーキーで癒してくれます。本曲のPVには船に乗り、八分儀(octante)を駆使しながら、「N16°31.55’. E111°46.1’」の場所を目指すというアルバム全体のコンセプトが盛り込まれています。
https://www.youtube.com/watch?v=Zr-VH9BzX08

「octante」
タイトル曲は波の音とピアノの旋律を組み合わせたサウンドスケープ的な小曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=kZFnBloeO3I

「Hago lo Que Siento :)」
さり気ないですが、Delfinaのピュアな歌声が胸に沁みてくる美しい1曲に仕上がっています。後半の美しいストリングスとヴォーカル・ワークもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=xnrrRK4pwPY

「Paraguas Multicolor」
僕の一番のお気に入り。ラストはアルゼンチン版次世代ネオソウルと呼びたくなる、モダンで感動的な1曲で締め括ってくれます。サウンド・センスも抜群です。
https://www.youtube.com/watch?v=61tK9F349IY

3連休ですが、やることリストの項目が多く、慌ただしい3日間になりそうです。
posted by ez at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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