発表年:2022年
ez的ジャンル:USインディー・フォーク/ロック
気分は... :初めて聴くのに懐かしい・・・
新作から、USインディー・シーンで注目を集めるBen Schwabのソロ・ユニットSylvieの『Sylvie』です。
Ben Schwabは南カリフォルニア出身の男性シンガー・ソングライター/ギタリスト。
自身が率いたグループGolden Daze名義で2枚のアルバムをリリースし、近年はMichael Collinsによるサイケデリック・ロック・グループDrugdealerのアルバムに参加しています。
そんなBen Schwabが彼の父親John Schwabが70年代在籍していたバンドMad Anthonyのデモ・テープを聴いたことや、70年代初めに活動していたカントリー・ロック/フォーク・ロック・グループMatthews Southern Comfortの「Sylvie」という曲にインスパイアされたことで70年代サウンドに目覚め、その流れで70年代サウンド再発見的なプロジェクトSylvieをスタートさせました。
一応、本作『Sylvie』がデビュー・アルバムとなっていますが、デビューEPの5曲に2曲を追加した30分にも満たない内容であり、ミニ・アルバム的な位置づけで聴いた方がいいのでは?
内容的には70年代好きにはたまらない、ペダル・スティールの音色にグッとくる懐かしいレイドバック感が魅力の1枚に仕上がっています。
アルバムにはL.A.出身の女性シンガー・ソングライターMarina Allenや男性シンガー・ソングライターSam Burtonといった同世代のアーティストや、父John Schwabが参加しています。
「Sylvie」以外はBen Schwabのオリジナルです。
まずはMarina Allenがリード・ヴォーカルをとる「Falls On Me」と「Further Down the Road」の2曲に本作の魅力が凝縮されています。僕自身はこの2曲のために本作を購入したと言っても過言ではありません。
それ以外では、ユニット名の由来にもなったMatthews Southern Comfortのカヴァー「Sylvie」、Ben自身がヴォーカルをとるセピア色のフォーキー「Shooting Star」もオススメです。
セピア色がよく似合うレイドバックしたフォーキー・ワールドをご堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Falls On Me」
Marina Allenをフィーチャー。アルバムを象徴する1曲。僕もこの曲を聴いて本作の購入を決めました。セピア色のレイドバックしたサウンドを聴いていると、初めて聴くのに懐かしい青春の思い出が甦ってきそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=ftXdpFiY-h8
「Sylvie」
ユニット名の由来にもなったMatthews Southern Comfortのカヴァー(Carl Barnwell作)。オリジナルはアルバム『Later That Same Year』(1970年)収録。Sam Burtonをフィーチャー。オリジナルの雰囲気を踏襲するフォーキー・チューンですが、オリジナル以上にあの時代の香りがするかも?
Matthews Southern Comfort「Sylvie」
https://www.youtube.com/watch?v=VGZmzwCvQQ4
「Rosaline」
父親John Schwabのために書かれた楽曲。勿論、Johnがヴォーカルをとります。味わいのあるレイドバックしたフォーク・ロックはノスタルジックな気分に浸らせてくれます。
「Further Down the Road」
Marina Allenをフィーチャー。70年代にCarole Kingあたりが歌っていたような仕上がり。Marina Allenの歌い回しも雰囲気があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eKbbHXZlbOU
「Shooting Star」
Ben自身がヴォーカルをとるセピア色のフォーキー・チューン。都会の喧噪を忘れさせてくれるレイドバック・フィーリングがたまりません。
「50/50」
父Johnとの会話をそのまま用いたイントロに続き、本編はフォーキーなインストに仕上がっています。
「Stealing Time」
Sam Burtonをフィーチャー。ラストはワルツ調のフォーキー・チューンで締め括ってくれます。
Golden DazeやDrugdealerのアルバムもチェックを!
Golden Daze『Golden Daze』(2016年)
Drugdealer『Raw Honey』(2019年)
Drugdealer『Hiding In Plain Sight』(2022年)
ご興味がある方はMarina AllenやSam Burtonのアルバムもチェックしてみては?
Marina Allen『Candlepower』(2021年)
Marina Allen『Centrifics』(2022年)
Sam Burton『I Can Go With You』(2020年)