発表年:1968年
ez的ジャンル:ボッサ・ジャズ
気分は... :一難去ってまた一難・・・
今回はブラジルを代表するサックス/クラリネット奏者Paulo Mouraによるボッサ・ジャズ作品Paulo Moura Quarteto『Paulo Moura Quarteto』(1968年)です。
Paulo Mouraは1933年サンパウロ生まれ。1950年から2010年に逝去するまで数多くのレコーディング作品を残しています。
本作『Paulo Moura Quarteto』(1968年)はカルテット編成のボッサ・ジャズ作品。
レコーディング・メンバーは Paulo Moura(as)、Wagner Tiso(p)、Luiz Carlos(b)、Paschoal Meirelles(ds)。
ボッサ・ジャズ作品ですが、しっかりジャズしている演奏も数多く収められています。
「Meu Lugar」、「Yardbird Suite」といったボッサ・ビートが目立つ演奏が人気かもしれません。「Pretty World」のタイトルでも知られる「Sa Marina」のカヴァーも聴きやすく人気なのでは?
個人的には「Aos Pes Da Santa Cruz」、「Retrato De Benny Carter」、「Razao」、「Feitico De Oracao」といったムーディーな演奏にも惹かれます。
ムーディーなジャズでも聴きながら、優しく包まれたい・・・
全曲紹介しときやす。
「Lamento Do Morro」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。オープニングは抑えたトーンのジャズ寄りのシブい演奏です。少しダーク&レイジーな雰囲気がいいですね。当ブログではDoris Monteiro、Gretchen Parlatoのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=SCVP_aipADI
「Eu E A Brisa」
Johnny Alf作。当ブログではA Tresのカヴァーも紹介済みです。Mouraのムーディーなサックスに魅せられるスタンダード感のあるジャズ・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=uNbSq-c7Xxw
「Meu Lugar」
Danilo Caymmi/Fernando Brant/Luiz Fernando Werneck作。エレガントなイントロに続き、緩急自在のブラジリアン・ビートに乗って、Mouraのブロウがむせび泣きます。
https://www.youtube.com/watch?v=H2QWCOiJ_o0
「Aos Pes Da Santa Cruz」
Marino Pinto/Ze Da Silva作。軽いボッサ・リズムに乗ったムーディーなバラード。Mouraのサックスがオトナなボッサ・ジャズを演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=VuMr8bvbLIc
「Yardbird Suite」
Charlie Parker作。ジャズ・ジャイアントCharlie Parkerの作品を軽やかなボッサ・ビートで聴かせてくれます。Mouraのサックスはしっかりジャズしていてバードの香りを醸しだします。
https://www.youtube.com/watch?v=fyBFaDCtC8o
「Sa Marina」
Tiberio Gaspar/Antonio Adolfo作。「Pretty World」のタイトルでも知られる名曲をカヴァー。当ブログではBirgit Lystager、Sergio Mendes & Brasil '66、Luiz Eca Y La Sagrada Familiaのカヴァーも紹介済みです。Birgit Lystager、Sergio Mendes & Brasil '66の両ヴァージョンの印象が強い曲ですが、ムーディーなボッサ・ジャズの「Pretty World」も悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=GDVQNRGCCDQ
「Retrato De Benny Carter」
Wagner Tiso作。Wagner Tisoの美しいピアノとムーディーなMouraのサックスが織り成す素敵なジャズ・バラード。実に雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=BWaKdZuztsU
「Razao」
Alberto Arantes/Sergio Bittencourt作。ムーディーなボッサ・ジャズ。ボッサ・ジャズ/ブラジリアン・ジャズ好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=pCAjaQNZtUk
「Feitico De Oracao」
Noel Rosa/Vadico作。当ブログではMarcelo Costaのカヴァーも紹介済みです。Wagner Tisoの美しいピアノと控えめなPaschoal Meirellesのビートがいい雰囲気のムーディーな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=djnggjk64n8
「Terra」
Marcio H. Borges/Milton Nascimento作。ラストは繊細かつミステリアスな演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=u3W7dD2giHk
ご興味ある方は同時期のPaulo Moura作品もチェックしてみては?
『Fibra』(1971年)