発表年:1998年
ez的ジャンル:甘く切ない系女性R&B
気分は... :作品に罪はない・・・
今回は女性R&BシンガーSparkleのデビュー・アルバム『Sparkle』(1998年)です。
R. Kellyが全面プロデュース&ソングライティングを手掛けた作品です。
近年のR. Kellyといえば、性犯罪者のイメージが強いですが(2022年に性犯罪で禁錮30年の有罪判決を受けた)、これだけ素晴らしい作品を創り上げる才能があるのに・・・残念な限りです。
そのためR. Kelly絡みの作品は取り上げづらい面もありますが、本作の主役であるSparkleとは切り離して考え、取り上げることにしました。
Sparkle(本名:Stephanie Edward)は、1975年シカゴ生まれの女性R&Bシンガー。
デビュー・アルバムである本作『Sparkle』(1998年)は、R. KellyのレーベルRockland Recordsからリリースされ、USアルバム・チャート第3位、同R&Bアルバム・チャート第2位の大ヒットとなりました。
その後、2ndアルバム『Told You So』(2000年)をリリースしますが、前作ほどの商業的成功を収めることはできませんでした。
R. Kellyプロデュースの女性R&Bシンガーといえば、みなさんAaliyahを想起すると思いますが、本作『Sparkle』もR. Kellyのプロデュース力を見せつけてくれる女性R&Bアルバムに仕上がっています。
シングルになった「Be Careful」や「Time To Move On」、Minnie Ripertonの名曲をカヴァー「Lovin' You」、Cam'ronらをフィーチャーした「Good Life」あたりが目立つかもしれません。
個人的には「Lean On Me」、「What About」、「Turn Away」、「Plenty Good Lovin'」あたりもオススメです。
Aaliyah好き、甘く切ない女性R&B好きの方はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Good Life」
Cam'ron, Natureをフィーチャー。Chic「Good Times」をサンプリングしたダンサブルなオープニングです。Poke And Toneがミックスを担当しています。
https://www.youtube.com/watch?v=IdcOGe-d6vM
「Time To Move On」
アルバムからの2ndシングル。Eddie Kendricks「Intimate Friends」をサンプリングしたミディアム・グルーヴ。ビートを効かせつつメロディアスに聴かせてくれる90年代後半らしい仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=U6KL5wMp-oE
「Lean On Me」
R. Kellyらしいミディアム・バラード。Aaliyah好きの人も気に入りそうな甘く切ないラブ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=kdeUNGzjez8
「I'm Gone」
アコースティックな質感のミディアムをSparkleがしっとりと歌い上げます。ここでも甘く切ない感じがたまりません。この感じが90年代なんですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=taROFv-Xz5U
RajiTheOne「#TourLife」のサンプリング・ソースとなっています。
RajiTheOne「#TourLife」
https://www.youtube.com/watch?v=tdg0B0cPYV8
「Turn Away」
少しアブストラクトなヒップホップ・ソウルといった感じの仕上がりがいいですね。グッとオトナな雰囲気のヒップホップ・ソウルになっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UIAD0WTl9vo
「What About」
オーセンティックな雰囲気のなかにR. Kellyらしい雰囲気を織り交ぜたバラード。Sparkleが歌いすぎず、切ない歌声に終始しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=NBEdlZqTqUg
「Be Careful」
アルバムからのリード・シングルはR. Kellyとのデュエット。余計なものを削ぎ落とした引き算の美学を感じるバラードで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-SMHfZoIWgg
「Nothing Can Compare」
雨や雷の効果音入りの哀愁ミディアム。キュートながらも抑えたトーンのSparkleの切々とした歌声がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=KEaecs_YqaU
「Quiet Place (Prelude)」
インタールード的な小曲。
「Lovin' You」
Minnie Ripertonの名曲をカヴァー(Minnie Riperton/Richard Rudolph作)。オリジナルはアルバム『Perfect Angel』(1974年)収録。本ヴァージョンはオリジナルの雰囲気を受け継いだ正統派カヴァーですが、Sparkleならではのキュートな切なさがあるヴォーカルがメロウなエレピ&ギターとよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=xzFPX5fnNTY
「Straight Up」
甘く切ないモードのミディアム。ここでもSparkleの歌いすぎない切ないヴォーカルの魅力を満喫できます。さり気なくStevie Wonder「All I Do」のフレーズが引用されているのも好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=mtVaAhYAR5o
「Vegas」
Rocklandのレーベルメイトである女性ラッパーStringsをフィーチャー。少しダークトーンのヒップホップ・ソウルで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=uPvw7hqQ3GI
「No Greater (Prelude)」
終幕に向けた繋ぎの1曲といった雰囲気の仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=nWIh0V3GscQ
「Play On」
少しアブストラクトなビートとSparkleのキュートで儚いヴォーカルがよくマッチしたR&Bグルーヴ。ここでも抑えたトーンの仕上がりが功を奏しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ysSTn5u6Ma0
「Plenty Good Lovin'」
ラストも本作らしい少しアブストラクトなビートのメロウR&Bグルーヴで締め括ってくれます。ヒップホップ・ソウルをアブストラクトな方向性で成熟させた感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=qdUZY-ehu98
ご興味がある方は2ndアルバム『Told You So』(2000年)もチェックを!
『Told You So』(2000年)