2023年03月12日

Frederico Heliodoro『The Weight Of The News』

ミナスの香りのメロウ・ポップ☆Frederico Heliodoro『The Weight Of The News』

発表年:2023年
ez的ジャンル:ミナス新世代系クロスオーヴァー/メロウ・ポップ
気分は... :チェコやるね!

ブラジルもの新作からFrederico Heliodoro『The Weight Of The News』です。

Frederico Heliodoroは1987年ブラジル、ミナス生まれのベーシスト/シンガー・ソングライター。

彼の父親はブラジルのポップ・ロック・バンドHanoi-Hanoiのメンバーだったことでも知られるシンガー・ソングライターのAffonsinhoです。

ソロ・アルバムとしては、『Dois Mundos』(2012年)、『Verano』(2013年)、『Acordar』(2015年)など本作以前に5枚をリリースしています。

また、当ブログで紹介した作品でいえば、Jennifer Souza『Impossivel Breve』(2013年)、Antonio Loureiro『Livre』(2018年)、Jennifer Souza『Pacífica Pedra Branca』(2021年)に参加しています。

近年では現代ジャズ・ギターの皇帝Kurt RosenwinkelのCaipiツアー・メンバーや、昨年はMilton Nascimentoの最後のワールド・ツアーにも参加しています。

そんなFrederico Heliodoro『Acordar』(2015年)以来の新作アルバムとなるのが本作『The Weight Of The News』です。

レコーディングにはFrederico Heliodoro(b、key、vo、syn)以下、Antonio Loureiro(ds、per、p)、Chris Fishman(p、syn)、Marcus Abjaud(key)、Fred Selva(syn)、Thiago Rabello(ds)、Seamus Blake(sax)、Olivia Trummer(p)、Felipe Continentino(ds)、奇才Louis Cole(ds)、Kurt Rosenwinkel(g)、Pedro Martins(g)、Aaron Parks(p)、David Binney(sax)、Heloise Lefebvre(violin)といったミュージシャンが参加しています。

さらに国内盤ボーナス・トラック「Nite's Ok」には、Louis Coleと共にKNOWERを組む女性シンガーGenevieve Artadiも参加しています。

ジャンルでいえば、ジャズ×ブラジル×ロックのクロスオーヴァーといった感じですが、全般的にはミナスの香りのメロウ・ポップという印象が強いです。

ブラジル音楽好きよりも、Louis ColeThundercat好きの人にフィットするアルバムではないかと思います。

楽曲はすべてFrederico Heliodoroのオリジナルです。
(ボーナス・トラックのみGenevieve Artadiとの共作)

ミナス新世代によるメロウ・ポップ・ワールドをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Interestelar」
Chris Fishman & Fred Selvaをフィーチャー。プログラミングを駆使したミナス新世代によるシンセ・ポップといった雰囲気のオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=I7YRCpOwakY

「Essa Noite」
Felipe Continentinoをフィーチャー。本トラックも鮮やかなシンセの音色が印象的です。シンセの音色が尖ったものではなく滑らかなのがミナス新世代らしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=QQvzPwZq23Q

「Renascer」
Aaron Parks & Thiago Rabelloをフィーチャー。ジャズ×ブラジル×ロックのクロスオーヴァー具合がいい塩梅の演奏です。でも全体的には実にミナスを感じる仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=5ZmAKzHZ8_s

「Better Wifi」
Seamus Blake & Thiago Rabelloをフィーチャー。英語で歌われる幻想的でレトロ・フューチャーなポップ・ロック。Fredericoの格好良いベースやSeamus Blakeのサックスがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mTOu-zR-ZbY

「A Vida que Vem」
Chris Fishman, Antonio Loureiro & Heloise Lefebvreをフィーチャー。Fredericoのベースも含めてミナス新世代らしいジャズ・フィーリングを楽しめる美しい仕上がりです。今ジャズ好きの人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=UpTXqQdZKJY

「Mundo Velho」
Louis Cole & Pedro Martinsをフィーチャー。Louis Cole参加らしい才気を感じるメロウ・ポップに仕上がっています。コレはかなり好きです!Louis ColeThundercat好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=gHP1ZvIGezE

「Existir Amanha」
Felipe Continentinoをフィーチャー。ミステリアスかつレトロ・フューチャーな雰囲気がいい感じのトラック。少し瞑想モードなのが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=xMyGN-F8wVU

「Savassi 11」
David Binney, Antonio Loureiro & Fred Selvaをフィーチャー。シンセのチープなピコピコ感を逆手にとったドリーミー・チューン。ドラム・マシーンも用いる中でAntonio Loureiro の生ドラムが逆に存在感を示します。また、Fredericoのリード・ベース・ソロ、David Binneyのサックス・ソロも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ooOWEG2YlpY

「Pedras Pra Esculpir」
Kurt Rosenwinkel, Marcus Abjaud & Felipe Continentinoをフィーチャー。メロディはミナスらしいですが、演奏にはロック・フィーリングも感じます。ただし、あくまでもベースはジャズというのが本作の面白いところですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0LDsrQtAon8

「Coragem」
Olivia Trummer & Felipe Continentinoをフィーチャー。これまでからガラリと変わり、アコースティック・ギターの音色が印象的なメロウ・チューン。ほのぼのとしたジェントル・ワールドに包まれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LGq0fNS2qM8

「Tempo Andar」
Antonio Loureiroをフィーチャー。本編ラストは、メロウ&ドリーミーな雰囲気やFredericoのベース、Antonio Loureiroのドラムも含めて、Louis ColeThundercat調の演奏で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zm-JmFS7JW8

「Nite's Ok」
国内盤ボーナス・トラック。1分強の短い演奏ですが、KNOWERのGenevieve Artadiがヴォーカルをとる。キュートなポップ・チューンに仕上がっています。

『Acordar』(2015年)


Lasse Schjerning & Pedro Martins & Frederico Heliodoro『Lasse Schjerning meets Pedro Martins & Frederico Heliodoro』(2020年)
posted by ez at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする