発表年:1995年
ez的ジャンル:ジャズ×R&B×Hip-Hop
気分は... :ジャジーHip-HopではなくジャズHip-Hop!
今回は90年代R&BからImpromp2『You're Gonna Love It』(1995年)です。
Impromp2はJohnny Britt(tp、vo)とSean Thomas(vo)の2人によるユニット。
Motown傘下のレーベルMoJazzから『You're Gonna Love It』(1995年)、『Can't Get Enough』(1997年)という2枚のアルバムをリリースしています。
Sean ThomasはImpromp2結成以前に兄弟Hip-HopデュオRappinstine として活動していました。
strong>Johnny BrittはImpromp2と並行してThe Temptations、The Winans、Ray-J等のレコーディングに参加しています。
1998年にMoJazzが消滅した後も『The Definition of Love』(2003年)、『It Is What It Is』(2007年)という2枚のアルバムをリリースしています。
また、Johnny Brittは2010年代以降にソロ名義で5枚のアルバムをリリースしています。
さて、Impromp2のデビュー・アルバムとなる本作『You're Gonna Love It』(1995年)ですが、この時代らしいジャズ×R&B×Hip-Hopな1枚に仕上がっています。
プロデュースSteve Harvey。
レコーディングにはメンバー以外にSteve Harvey(ds、per、key)、Roman Johnson(el-p、clavinet)、Sekou Bunch(b)、Jimmy Macon(g)、Bobby Broom(g)、Kipper Jones(back vo)、Brian Wilson(back vo)、Lysa(back vo)が参加しています。
楽曲はメンバー2人とSteve Harveyによるオリジナル。
スムーズ・ジャズ、メロウR&B、ジャズHip-Hopの融合が本作の魅力ですが、曲ごとに三者のブレンド具合を絶妙に変えているのがいいですね。
全体として良くも悪くもアーバンなメロウ&スムースに終始し、Seanのラップ調ヴォーカル(スキャット・ラップと呼ばれていたようです)が軟弱に聞こえるかもしれないので、人によってはインパクトに欠ける印象を受けるかもしれませんが、僕はこのアーバンな音世界を気に入っています。
シングル曲の「Summer Nights」や「Get Me Off」、メロウR&B×ジャズHip-Hopな「Enjoy Yourself」、ヒップホップ・ソウル調の「Lovin' You」、ジャズHip-Hop色の強い「Get Down Mamma」や「Pass It On」あたりが僕のお気に入りです。
ジャジーHip-HopではなくジャズHip-Hopをご堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Enjoy Yourself」
メロウ・トラックにのってSeanがスキャット・ラップするオープニング。メロウR&B×ジャズHip-Hopなオープニング。シンセの響きが少しG-Funk調なのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OQgw-J60whU
「We Got It Goin' On」
スムーズ・ジャズによるHip-Hop的演奏といった雰囲気のアーバン・ミディアム。ミュート・トランペットの響きがアーバン・ムードを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=tFcFSCXrIS4
「Lovin' You」
これはヒップホップ・ソウルとジャズHip-Hopの融合といった感じですね。バック・ヴォーカルでThe Gap BandのRonnie Wilsonの息子であるBrian Wilsonが参加。彼は兄弟でR&BグループBlu Cabを組んでいました。
https://www.youtube.com/watch?v=lGDpkatNzTY
「Get Me Off」
シングル曲。ひたすらメロウ&スムースに終始するミディアムですが、Seanによるトークボックスがいいスパイスになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JpmZOb4iczU
「Summer Nights」
シングル曲。Michael Jackson「I Can't Help It」をサンプリングしたメロウ・トラックにのってSeanがスキャット・ラップするアーバン・グルーヴ。スムーズ・ジャズ×メロウR&B×ジャズHip-Hopのバランスが絶妙ですね。このユニットの魅力を象徴する1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=VzdB2CDMWHI
「My All」
Seanのスキャット・ラップがよく似合うアーバン・グルーヴ。Johnnyのトランペット・ソロもキマっています。このトラックもバック・ヴォーカルでBrian Wilsonが参加。
https://www.youtube.com/watch?v=7F_Z23wLNL8
「You're Gonna Love It」
メロウR&B寄りの仕上がり。バック・ヴォーカルで当時僕が好きだったKipper Jonesが参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=vNgAsQCPtjc
「Get Down Mamma」
Hip-Hop好き一番フィットするのがこのトラックなのでは?Hip-Hop寄りのアシッド・ジャズあたりとセットで聴いてもフィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=aouLYJD2Xyo
「Pass It On」
このトラックのみソングライティングのクレジットにPuppetmasterの名があります。Guru『Jazzmatazz』好きの人は気に入るであろうジャズHip-Hopに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=VP6MoINnWgM
Impromp2の他作品もチェックを!
『Can't Get Enough』(1997年)
『The Definition of Love』(2003年)
『It Is What It Is』(2007年)
ご興味がある方は、Johnny Brittのソロ・アルバムもチェックを!
Johnny Britt『Marvin Meets Miles』(2016年)
Johnny Britt『Marvin Meets Miles』(2018年)
Johnny Britt『Mo Jazzin』(2020年)
Johnny Britt『After We Play』(2023年)