発表年:2023年
ez的ジャンル:ブラジル現代ジャズ
気分は... :リトリート・ミュージック・・・
ブラジルもの新作からTunico『Tunico』です。
Tunico(本名:Antonio Casotti Secchin)はリオデジャネイロを拠点に活動するマルチ・インストゥルメンタリスト/コンポーザー。
芸術家一家に生まれ育ち、幼少の頃よりギターを弾き始め、18歳の頃にはサックスを習得していたようです。
本作『Tunico』がデビュー・アルバムとなります。
UKの人気レーベルFar Out Recordingsからのリリースです。
僕が本作に注目したのもFar Outのブラジルものというのが大きかったです。また、“現代版Quarteto Novo”とも称されている点でも興味を持ちました。
Tunico(g、sax、vo)以下、Carlinhos Brownの息子でChico Buarqueの孫でもあるChico Brown(g)、当ブログでも初リーダー作『A Pegada Agora E Essa』(2021年)を紹介したAntonio Neves(tb)、さらにはGiordano Gasperin(b)、Gabriel Barbosa(ds)、Haroldo Eiras(g)、Chico Lira(key)、Ilan Becker(key)、Boka Reis (per)、Bernardo Schaefer(fl)、Katarina Assef(vo)といったミュージシャンが参加しています。
楽曲はすべてTunicoのオリジナルです。
現代ジャズ、ブラジル音楽、ブラジリアン・フューション、フォルクローレなどをベースにしつつ、Far Out作品ならではのキャッチーさを兼ね備えたトラックもあるのが僕好み。
その意味では「Galope」、「Solar Das Hortencias」あたりがFar Outらしいかもしれません。
一方、「Sambola」、「Decolagem」、「Saudade do Sucupira」、「O Que Vira」といった都会の喧騒を忘れさせてくるトラックも絶品です。
思わず“リトリート・ミュージック”とでも呼びたくなる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Galope」
軽快なブラジリアン・リズムをバックに、瑞々しいインタープレイが展開されるオープニング。Tunicoが軽やかなサックスを披露してくれます。現代ジャズ的な雰囲気を効かせつつ、Flora Purimを思わせる女性スキャット入りブラジリアン・フュージョン・テイストなのがFar Out作品らしいですね。Chico Brownもギター・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YLCBySaAy3w
「Sambola」
Antonio Neves(tb)参加。アコースティック・ギターの響きとパーカッシヴなリズムが心地好いブラジリアン・ジャズ。エレピのメロウな響きもグッド!聴いているだけで心が晴れやかになります。
https://www.youtube.com/watch?v=SvTG2J371UM
「Decolagem」
美しいギターの響きに全身が浄化されるような仕上がり。聴いているだけで森林の中に居るような気分になります。中盤の神秘的な展開は巨樹の映像がイメージされます。
https://www.youtube.com/watch?v=_My-VjRE6iM
「Saudade do Sucupira」
コズミックなイントロで始まりますが、本編はフォルクローレ調の爽快インストに仕上がっています。ブラジル現代ジャズとフォルクローレの融合が生み出すサウンドは長閑な田園風景が似合いそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=FkDH12otJ1w
「Solar Das Hortencias」
ブラジル現代ジャズらしい演奏ですが、ドラムが少しドラムンベース調だったり、ギターがロッキンな感じが面白いですね。ある意味とてもFar Out作品らしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=Aj5fkHrvIjo
「O Que Vira」
ラストはTunicoのアコギとサックスのみのシンプルな演奏で余韻に浸りながらアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=FhJgDywqoac
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