発表年:2006年
ez的ジャンル:N.Y.ジャジー&ソウル・バンド
気分は... :抑えたトーンで・・・
今回はN.Y.出身のAcid JazzグループJazzholeの5thアルバム『Poet's Walk』(2006年)です。
Marlon Saunders、Warren Rosenstein、John Pondelらを中心としたユニットThe Jazzholeの紹介は、デビュー・アルバム『The Jazzhole』(1994年)、『...And The Feeling Goes Round』(1995年)に続き2回目となります。
デビュー当初は、生音ジャズとHip-Hopビートを融合させたAcid Jazzバンドというイメージでしたが、5thアルバムとなる本作『Poet's Walk』(2006年)はかなり落ち着いた成熟したバンドという印象を受けました。基本はジャズとソウルですが、ブラジル音楽、レゲエ等のエッセンスも取り入れているトラックもあります。
本作のメンバーは、Mark Robohm(ds)、David Inniss(b)、John Pondel(g)、David Sancious(key)、Daniel Sadownick(per)、Peter Mark(per)、Marlon Saunders(vo)という7名。
それ以外にAhmed Best(ds、b、el-p)、Dave Binney(sax)、Michal Cohen(vo)、Warren Rosenstein(clavinet、prog、syn)、David Whitworth(back vo)、Billy Baker(back vo)といったミュージシャンが参加しています。
本作で印象的なのが、「Lowdown」(Boz Scaggs)、「Do It Right」(The S.O.S. Band)という有名曲カヴァー2曲。ただし、2曲ともオリジナルを雰囲気を受け継ぐものではなく、派手さはなくともJazzholeならではのカヴァーに仕上げています。
それ以外のトラックも、派手さはありませんが、抑えたトーンのシブい魅力にグッときます。
成熟したJazzholeを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Poet's Walk」
落ち着きのあるジャジー&メロウなインストがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=7lydX31osEM
「All The Ways」
Marlon Saundersのビターなソウルフル・ヴォーカルがいい感じのメロウなミディアム・グルーヴ。派手さはありませんが、このシブさがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=P0arJ1vKstI
「Jonesing」
軽快ながらも抑えたトーンのヴォーカル&演奏が印象的です。その分、伸びやかなサックス・ソロが目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=89gSMVZiCsQ
「Lowdown」
Boz Scaggs、1976年の大ヒット曲をカヴァー(Boz Scaggs/David Paich作)。名曲カヴァーですが、ここでも本作らしくシブいトーンでカヴァーしています。予備知識がなければ、「Lowdown」だと気づかない人もいるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=NH5iAr2mQlo
「One More Time」
本作らしい抑えたトーンのファンキー・メロウ。逆にMarlon Saundersのソウルフル・ヴォーカルを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=-O09KqapeAY
「It Would Have Been Enough」
Michal Cohenの女性ヴォーカルが加わり、Marlon Saundersとデュエットするボッサ・メロウ。ボッサ好きの僕には嬉しい1曲。John Pondelのメロウ・ギターにも注目です。
https://www.youtube.com/watch?v=w-zz7nyYdnU
「The Slipping Of Time」
John Pondelのアコースティック・ギターをバックに、Marlon Saundersが切々と歌い上げるメロウなラブソング。シンプルだかこそグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=3228NuDgHkI
「Do It Right」
The S.O.S. Band、1980年の大ヒット曲「Take Your Time (Do It Right)」をカヴァー(Sigidi Abdullah/Harold Clayton作)。お馴染みのダンス・クラシックをブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・チューンで聴かせてくれます。一筋縄でいかないところがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GGyDG9jepzE
「Timeless」
アンプラグドな質感が印象的なメロウ・チューン。さり気なさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qKk3Yo148xo
「All The Ways (Dub)」
「All The Ways」のインスト・ヴァージョン。タイトルにあるようにダビーな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=vfD95RC1Jo8
興味のある方はThe Jazzholeの他作品もチェックを!
『The Jazzhole』(1994年)
『...And The Feeling Goes Round』(1995年)
『Blackburst』(2000年)
『Circle of the Sun』(2002年)
『Blue 72』(2014年)