発表年:2023年
ez的ジャンル:マエストロ系ジャズ・グルーヴ
気分は... :マエストロは今も健在!
新作から当ブログでもお馴染みのジャズ・マエストロNicola Conteの最新作『Umoja』です。
イタリアを代表するジャズ・プロデューサー/アーティストNicola Conteに関して、これまで当ブログで紹介した作品は以下の6枚。
『Other Directions』(2004年)
『Rituals』(2008年)
『Love & Revolution』(2011年)
『Free Souls』(2014年)
Nicola Conte Presents Stefania Dipierro『Natural』(2016年)
『Let Your Light Shine On』(2018年)
最新作『Umoja』はUKの人気レーベルFar Out Recordingsからのリリース。タイトルはスワヒリ語で「統一」「一体感」という意味らしいです。
プロデュースはNicola Conte自身。
楽曲はNicola ConteとAlberto Parmegiani。
アルバムにはUKジャマイカンの女性シンガーZara McFarlane(vo)、Nicola Conte作品ではお馴染みのBridgette Amofah(vo)、ガーナ出身、現在はロンドンを拠点とする男性シンガーMyles Sanko(vo)がフィーチャリングされています。
それ以外に、活動休止中のフィンランドの人気バンドThe Five Corners Quintet(FCQ)のメンバーとしても知られるTimo Lassy(ts)、同じくFCQのメンバーTeppo Makynen(Teddy Rok)(ds、per)、LTCやSchema Sextetの活動で知られるイタリア人ピアニストPietro Lussu(p、el-p)、Alberto Parmegiani(g)、エチオピア出身のパーカッション奏者Abdissa Assefa(congas、per)、USジャズ・ベーシストAmeen Saleem(b)、イタリア人ジャズ・ベーシストMarco Bardoscia(b)、フランス人ヴァイヴ奏者Simon Mullier(vibe)とLuca Alemanno(b)というSimon Moullier Trioの面々、イタリア人キーボード奏者Dario Bassolino(el-p、syn)、スウェーデン人サックス奏者Magnum Lindgren(fl)、Fernando Damon(ds)、Milena Jancuric(fl)、Pasquale Calo(ts)、Hermon Mehari(tp)、Paola Gladys(vo)、Chantal Lewis(vo)、Jaelee Small(vo)といったミュージシャンが参加しています。
アルバム全体としては、70年代レア・グルーヴを2023年モードにアップデートさせたかのような演奏が印象に残りました。
その意味ではジャズ好きよりも、レア・グルーヴ好きに響く1枚のように感じます。
Roy Ayersを思わせる「Arise」、アフロ・サンバ・フュージョン「Life Forces」、可憐で儚いヴォーカルのメロウ・ジャズ「Flying Circles」、アフロ・カリビアン・グルーヴ「Freedom & Progress」、ブラックスプロイテーション調の褐色ファンク「Soul of the People」、コズミック・スピリチュアル・ジャズ「Heritage」、Gil Scott-Heron & Brian Jackson「The Bottle」を彷彿させる「Into the Light of Love」、Nicola Conte初期作品を思い出す「Umoja Unity」あたりがオススメです。
マエストロは今も健在です!
全曲紹介しときやす。
「Arise」
Zara McFarlaneをフィーチャー。Simon Mullierのヴァイヴが印象的な70年代Roy Ayersを思わせるレア・グルーヴ調のメロウ・グルーヴ。艶やかなZara McFarlaneのヴォーカルもよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=DIwR5xtCu-8
「Dance of Love & Peace (Part 1)」
Bridgette Amofahをフィーチャー。Marco Bardosciaのベースが印象的なミステリアス&スピリチュアルな演奏です。Bridgette Amofahのヴォーカルと共に、Timo Lassyのサックスが演奏を牽引します。
https://www.youtube.com/watch?v=Yq01T_F8Vbo
「Life Forces」
Zara McFarlaneをフィーチャー。アフロ・サンバのリズムを取り入れた爽快ブラジリアン・フュージョンです。Timo Lassyのサックスを中心に聴くと、ブラジリアン・フュージョンを演奏するKamasi Washingtonといった雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=oCmviyqBtBg
「Flying Circles」
Bridgette Amofahをフィーチャー。Bridgette Amofahの可憐で何処となく儚いヴォーカルに魅せられるメロウ・ジャズ。Pasquale Caloのテナー・サックスも含めていい色気のある演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=Kt2kx4J6xS0
「Freedom & Progress」
Zara McFarlaneをフィーチャーした開放的なアフロ・カリビアン・グルーヴ。8分超の演奏はアルバムで最も長尺です。パーカッシヴな演奏はモロに僕好み。UKジャマイカンなZara McFarlaneのヴォーカルがよくフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=3Z_md2Qkncw
「Soul of the People」
Bridgette Amofahをフィーチャー。ブラックスプロイテーション映画のサントラに収録されていそうな褐色ファンクをスマート&アンダーグラウンドに洗練させたような仕上がりです、と書いても伝わりづらいですよね(笑)。妖しげなレア・グルーヴがお好きな人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=5lDna_1y4Uw
「Heritage」
Milena JancuricのフルートとSimon Mullierのヴァイヴが印象的なコズミック・スピリチュアル・ジャズ。インストですがヴォーカルがない分、その音世界が余計に際立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=ySeKgp4MOc0
「Into the Light of Love」
Myles Sankoをフィーチャー。ライナノーツでレア・グルーヴ名曲Gil Scott-Heron & Brian Jackson「The Bottle」が引き合いに出さされていましたが、確かにMyles Sankoのヴォーカルも含めて通じるものがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=YyOiuBcar0A
「Umoja Unity」
タイトル曲はトライバル/スピリチュアルに疾走するジャズ・グルーヴ。マエストロの初期作品の生演奏版といった雰囲気もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=85O34ZFTLxE
「Dance of Love & Peace (Part 2)」
Bridgette Amofahをフィーチャー。本編ラストは「Dance of Love & Peace」のパート2。雰囲気は同じですが、パート2の方がよりリズミックです。
https://www.youtube.com/watch?v=rwzHZuQet-M
「Arise (Instrumental)」
CDボーナス・トラックその1。「Arise」のインスト・ヴァージョン。
https://www.youtube.com/watch?v=UGzVrZts7YM
「Into the Light of Love (Instrumental)」
CDボーナス・トラックその2。「Into the Light of Love」のインスト・ヴァージョン。
https://www.youtube.com/watch?v=z_Nvv7NPA0w
Nicola Conteの他作品もチェックを!
『Jet Sounds』(2000年)
『Bossa Per Due』(2001年)
『Jet Sounds Revisited』(2001年)
『Other Directions』(2004年)
『Rituals』(2008年)
『Love & Revolution』(2011年)
『Free Souls』(2014年)
Nicola Conte Presents Stefania Dipierro『Natural』(2016年)
『Let Your Light Shine On』(2018年)