2023年09月06日

Deco『Fresh Idea』

ブラコン/エレクトリック・ファンク・デュオ☆Deco『Fresh Idea』

発表年:1983年
ez的ジャンル:ブラコン/エレクトリック・ファンク・デュオ
気分は... :デコ or ディーコ?

80年代ブラコン/エレクトリック・ファンクからDeco『Fresh Idea』(1983年)です。

Decoは人気シンガーJames Ingramの弟であり、元SwitchのメンバーであったPhillip Ingramと後にプロデューサー/ソングライターとして活躍するマルチ・インストゥルメンタリストAttala Zane Gilesによるデュオ。

二人はAttalaがサポート・メンバーとして参加したSwitchのアルバム『Switch V』(1981年)で意気投合し、Deco結成に至ったようです。

当時はPhillipの兄James IngramQuincy Jones絡みの作品に起用され、注目を集めていました。そして、Quincy JonesのレーベルQwestからデビュー・アルバム『It's Your Night』(1983年)の制作を進めていた時期と重なります。

そのような状況でDecoQwestと契約し、唯一のアルバムとなった本作『Fresh Idea』をリリースする運びとなったようです。

Quincy Jonesがエグゼクティヴ・プロデューサーとして名を連ね、Ollie E. Brownがプロデューサーとして起用されています。

Phillip Ingram(vo、el-p、syn)、Attala Zane Giles(g、syn、vo)以下、Ollie E. Brown(ds、per、effects)、Ray Parker, Jr.(g)、Patrice Rushen(el-p)、Cornelius Mims(b)、Wayne Brathwaite(b)、Derek Organ(ds)、Josef Parson(g)、Thomas Organ(g)、John Barnes(syn)、Michael Boddicker(syn)、David Cochrane(syn)、Derek Nakamoto(syn)、Rex Salas(el-p、key、syn)、 Edward Fluellen(p)等がレコーディングに参加しています。

また、James IngramSheree BrownKipper JonesDeborah Thomasがバッキング・ヴォーカルで参加しています。

こうして参加メンバーを眺めるとかなり豪華ですが、商業的には全く不発でした。
Qwest自体がJames Ingram『It's Your Night』のプロモーション優先で、本作までは手が回らなかったのかもしれませんね。

それでも中身は悪くありません。

個人的にはAORファンも気に入りそうなアーバン・メロウ「Delicious」とダンサブルなエレクトリック・ファンク「Let This Be Your Night」がお気に入り。

シングルにもなったタイトル曲「Fresh Idea」、エレクトリック・ファンクな「I'll Be There」「Live My Fantasy」あたりもオススメです。

B級グルメ感覚で聴けば楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Fresh Idea」
Phillip Ingram/Attala Zane Giles/Billy Osborne作。タイトル曲はJeffrey Osborneの兄Billy Osborneもソングライティングに加わっています。Queen「Another One Bites the Dust」調のシンセ・ベースが印象的なキャッチーなディスコ・ファンク。シングル・カットされUS R&Bチャート第77位となっています。本作の直後からAttalaとBilly Osborneはプロデューサー/ソングライティング・デュオOsborne & Gilesとして活動するようになります。
https://www.youtube.com/watch?v=4HEY_P7D-fI

Mofak and Temu「On the Come Up」のサンプリング・ソースとなっています。
Mofak and Temu「On the Come Up」
 https://www.youtube.com/watch?v=nCwj4B-9a80

「I'll Be There」
Phillip Ingram/Attala Zane Giles/Ollie E. Brown作。サウンド・センスが抜群の都会的なエレクトリック・ファンク。華やかなアーバン・ナイト・モードにフィットしそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=kCLNW4DVS0g

「I'm So Glad I Met You」
Phillip Ingram/Attala Zane Giles作。アーバンなミディアム・グルーヴ。華やかなリラックス・モードといった雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=ArCI28sT4RI

後にThe ControllersがOllie E. Brownのプロデュースでカヴァーしています。
The Controllers「I'm So Glad I Met You」
 https://www.youtube.com/watch?v=7b27OTnW4Zg

「Someone Special」
Phillip Ingram/Attala Zane Giles/Mindy Ingram作。いい雰囲気のミディアム・バラードですが、少しヴォーカルが弱いかも?KVMI「Spekial」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ao5EhePXkKw

「Let This Be Your Night」
Phillip Ingram/Attala Zane Giles/Wayne Arnold作。James Ingramがバック・コーラスで参加。ダンサブルなエレクトリック・ファンクは「Delicious」と並ぶ僕のお気に入り。Attalaのギター・ソロもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Db2useYY9xQ

「Burned By A Bad Match」
Aaron Zigman/Margaret Harris作。ダンサブルなポップ・ファンク。この時代によくあったパターンの曲ですが、今聴くと少し古臭い印象も・・・。
https://www.youtube.com/watch?v=kCLNW4DVS0g

「Live My Fantasy」
Phillip Ingram/Attala Zane Giles/Ollie E. Brown作。ヴォコーダーも駆使した僕好みのエレクトリック・ファンク。B級グルメ的な魅力があります。バック・コーラスにはKipper Jonesも参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=-R40yDEZTI8

「Delicious」
Danny Sembello(Michael Sembelloの弟)/David Batteau作。AORファンも気に入りそうなアーバンなメロウ・ミディアムは僕の一番のお気に入り。ブラコン好きの人には間違いないトラックなのでは?フェンダー・ローズのソロはPatrice Rushen
https://www.youtube.com/watch?v=J2cDJ86eBtA

Terry SteeleNew Edition、Deni Hines feat. Don-Eがカヴァーしています。Ollie E. BrownがプロデュースしたTerry Steeleヴァージョンは当ブログでも紹介しました。
Terry Steele「Delicious」
 https://www.youtube.com/watch?v=zLiflBCswVE
New Edition「Delicious」
 https://www.youtube.com/watch?v=KbAImKUV_PM
Deni Hines feat. Don-E「Delicious」
 https://www.youtube.com/watch?v=-dbjZGXNy4g

「Let's Pretend」
Phillip Ingram/Attala Zane Giles/Ken Hirsch/Mark Mueller作。ラストはオーセンティックなバラードで締め括ってくれます。ギターはRay Parker, Jr.
https://www.youtube.com/watch?v=q8gqj_xTPms

国内盤CDにはグループ名「ディーコ」で表記されていますが、マニアの間では「デコ」の呼称もあるみたいですね。
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2023年09月03日

Olivia Dean『Messy』

期待のUK女性シンガーのデビュー・アルバム☆Olivia Dean『Messy』
olivia dean messy.png
発表年:2023年
ez的ジャンル:UK女性R&B/ネオソウル/ポップ・ソウル
気分は... :ホーキンソンありがとう!

新作から期待のUK女性シンガーのデビュー・アルバムOlivia Dean『Messy』です。

Olivia Dean(本名:Olivia Lauryn Dean)は1999年ロンドン生まれの女性シンガー。

ミドル・ネームの"Lauryn"は両親が大好きであったLauryn Hillに因んだもの。

幼少期から聖歌隊など音楽に親しみ、AdeleAmy Winehouseを輩出したThe BRIT Schoolへ進学しています。

UKのドラムンベース・ユニットRudimentalのバック・シンガーとしてキャリアをスタートさせ、2018年からコンスタントにシングルをリリースしています。

2021年にはNat King Coleで知られる定番クリスマス・ソング「The Christmas Song」をカヴァーし、UKシングル・チャート第19位となりました。

そんなOlivia Deanが満を持してリリースしたデビュー・アルバムが本作『Messy』です。

基本的にはR&B/ネオソウルですが、よりポップなトラックなどもあり、R&B/ネオソウルだけで括りきれないオルタナティヴば魅力もあります。

メイン・プロデュースはMatt Hales

それ以外にBastian LangebækTre Jean-MarieJoseph Hartwell JonesAston RudiDetoNateFelix JosephCameron Gower PooleMax Wolfgangもプロデュースを手掛けています。

Olivia Dean(vo、per、pb)以下、Matt Hales(prog、p、key、g、moog-b、syn)、Taran Stormes Martino(g)、Finn Zeferino-Birchall(b)、Kaidi Akinnibi(bs、ts)、Max Wolfgang(b、p、g、per、key、syn)、Dan See(ds、per、timpani)、Tre Jean-Marie(key、prog、b、ds、horns、key、syn)、Joel Waters(per、ds)、Deschanel Gordon(el-p、key、org)、Elias Jordan Atkinson(tp、flh)、James Wade-Sired(tb)、Davide Rossi (strings)、DetoNate(b、ds、horns、key、prog、syn)、Bastian Langebæk(key)、Felix Joseph(prog)、Huw Foster(b)、Russell Ramesh Roberts(per)がレコーディングに参加しています。

「Danger」「Dive」「UFO」「The Hardest Part」「Carmen」といったシングル5曲を聴いただけでもOliviaの多様な魅力を満喫できます。

それ以外にダンサブルな「Ladies Room」、インディー・ロック的な「Dangerously Easy」、感動バラード「Everybody's Crazy」あたりもオススメです。

UKの新たな才能を満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「UFO」
Matt Halesプロデュース。今年初めにシングル・リリースされていたトラック。少しフォーキーなシンガー・ソングライターらしい雰囲気のオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=kphxO1ZVKM0

「Dive」
Matt Hales/Bastian Langebæk/Tre Jean-Marie/Joseph Hartwell Jonesプロデュース。今春シングル・リリースされていたトラック。ネオソウル調のミディアムは僕の一番のお気に入り。このトラックを試聴し、本アルバムの購入を決めました。名曲の佇まいを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=NM4e606yFJg

「Ladies Room」
Matt Hales/Aston Rudiプロデュース。ダンサブルなポップ・ソウル。ダンサブルといってもベッドルーム・ミュージック的なクールネスがあるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=V91s8MqFNFw

「No Man」
Matt Halesプロデュース。UKらしい哀愁R&B。少しノスタルジックなストリングを薄ら効かせているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fmyIY16CBas

「Dangerously Easy」
Matt Halesプロデュース。インディー・ロック的な哀愁バラードをしみじみと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=MR_Ex1CvH4U

「Getting There (Interlude)」
Matt Halesプロデュース。美しいヴォーカル・ワーク&ジャジー・サウンドが印象的なインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=crfPM2gSw0M

「Danger」
DetoNate/Tre Jean-Marieプロデュース。アルバムに先駆け、2022年にシングル・リリースされていたトラック。(実際は違いますが、)聴いた瞬間にドラムンベースだ!と思いました。Rudimentalとも共演したOlivia Deanならではのトラックかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=7x2vthADVZo

「The Hardest Part」
Bastian Langebæk/Felix Joseph/Cameron Gower Pooleプロデュース。このトラックもシングル・リリースされています。ポップ・ソウルな哀愁メロウ。愁いを帯びたOliviaのヴォーカルにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=72p1VhZhlMU

「I Could Be a Florist」
Max Wolfgangプロデュース。ビートレスの短いビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=atklpvgaBWA

「Messy」
Matt Halesプロデュース。タイトル・トラックはSSW的な哀愁メロウ・ポップ。ドリーミーなサウンドと少し寂しげなOliviaのヴォーカルのコントラストが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Xtp503oxbiM

「Everybody's Crazy」
Felix Josephプロデュース。Oliviaの真摯な歌声が胸の奥まで響く感動バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=NZLaZTR8L7A

「Carmen」
Matt Halesプロデュース。このトラックもシングル・リリースされています。ラストはポップ・ソウルな哀愁グルーヴで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gQ3E6JVitVk

バスケW杯、日本代表はカーボ・ベルデの猛追を何とか凌いでパリ五輪の出場権を獲得しました。

4Q開始時点で大量リードしていたものの、ジワジワと点差を縮められるのは、これまでの日本の逆転劇を想起させるもので嫌な雰囲気でしたが、逃げ切ることができて良かったですね!
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月01日

『今の気分は...2023年9月1日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
今回は70年代カテゴリーからフュージョン/ジャズ・ファンクを中心に10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Eumir Deodato「Arranha Ceu (Skyscrapers) 」
https://www.youtube.com/watch?v=dir-zOH3EYA
From 『Os Catedraticos 73』(1973年)


Cal Tjader「Amazonas」
https://www.youtube.com/watch?v=OqCjsn_xniE
From 『Amazonas』(1976年)


Neil Larsen「Sudden Samba」
https://www.youtube.com/watch?v=JUxaiBJNyHM
From 『Jungle Fever』(1978年)
ジャングル・フィーヴァー

Ramsey Lewis「Wandering Rose」
https://www.youtube.com/watch?v=6v32k7Jxj54
From 『Tequila Mockingbird』(1977年)


Azimuth「Esperando Minha Vez」
https://www.youtube.com/watch?v=HszL4OIAbZM
From 『Azimuth』(1975年)


Banda Black Rio「Maria Fumaca」
https://www.youtube.com/watch?v=7AL5ILRGfsk
From 『Maria Fumaca』(1977年)


Tania Maria「Para Chick」
https://www.youtube.com/watch?v=Y37Q1Ztardw
From 『Brazil With My Soul』(1978年)


Gary Bartz「Love Affair」
https://www.youtube.com/watch?v=a3R6D4KuRcs
From 『Love Affair』(1978年)
ラヴ・アフェア

Quincy Jones「Theme from "The Anderson Tapes"」
https://www.youtube.com/watch?v=osZ5UojP630
From 『Smackwater Jack』(1971年)


Gene Harris「Always In My Mind」
https://www.youtube.com/watch?v=-V7bXtp-1qI
From 『In A Special Way』 (1976年)
posted by ez at 00:53| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする