UK新世代ジャズ期待のドラマーの初ソロ作☆
Yussef Dayes『Black Classical Music』♪
発表年:2023年
ez的ジャンル:サウス・ロンドン新世代ジャズ
気分は... :空想の翼で駆け 現実の山野を往かん!
新作アルバムからサウス・ロンドンの注目ジャズ・ドラマー、
Yussef Dayesの1stソロ・アルバム
『Black Classical Music』です。
Yussef Dayesの紹介は、サウス・ロンドンの若き才能
Tom Mischとのコラボ・アルバム
Tom Misch & Yussef Dayes『What Kinda Music』(2020年)に続き2回目となります。
サウス・ロンドン出身のプロデューサー/キーボード奏者の
Kamaal Williams(Henry Wu)とのユニット
Yussef Kamaalの
『Black Focus』(2016年)や、前述の
Tom Misch & Yussef Dayes『What Kinda Music』(2020年)の印象が強いので、ソロ・アルバムは今回が初というのは少し意外ですね。
その初ソロ・アルバムとなる
『Black Classical Music』ですが、レジェンド・ベーシスト
Pino Palladinoの息子
Rocco Palladino(b)、
Elijah Fox(key、syn)、
Charlie Stacey(p、key、syn、el-p)、
Venna(sax)といったYussefを支えるミュージシャンをはじめ、UK新世代ジャズのトップランナー
Shabaka Hutchings(bass clarinet)、
Bahia Dayes(vo)レゲエ・アーティストのChronicleを父に持ち、新世代ルーツ・レゲエを牽引するジャマイカ人レゲエ・アーティスト
Chronixx(vo、g、b)、ジャマイカ系アメリカ人男性シンガー
Masego、
Jamilah Barry(vo)、USシンガー
Leon Thomas III(vo)といったアーティストがフィーチャリングされています。
さらに
Yussef Dayes(ds、per、syn)以下、
Alexander Bourt(congas、per)、
Miles Jame(g、syn)、
Nathaniel Cross(tb)、
Sons Of Kemetメンバーの
Theon Cross(tuba)、新世代UKアフロ・ジャズ・ユニット
Kokorokoのリーダー
Sheila Maurice-Grey(tp)
Paris Fabienne(vo)、
Adrian "Jerks" Henry(b)、
Chineke! Orchestra(strings)、
Dave Dayes(vo)、
Tito Oliveira(ds)、
Luzinho Do Jefe(per、vo)、
Maxwell Hunter(b)、
Alex Bonfanti(b)、
Laurie Blundell(key、syn)といったミュージシャンが参加しています。
アルバムはサウス・ロンドン新世代ジャズがお好きな方であれば、間違いなく満足できる多彩なUKジャズ・ワールドが展開されます。フィーチャリング・アーティスト、参加メンバーの豪華さも含めて期待通りの1枚だと思います。
来年2月には
Yussef Dayes(ds)、
Rocco Palladino(b)、
Elijah Fox(key)、
Venna(sax)、
Alexander Bourt(per)という本作参加メンバーを伴っての来日公演も決まっています。
『Black Classical Music』というタイトルが
Yussef Dayesの本作への自信を示しているのでは?
全曲紹介しときやす。
「Black Classical Music」Venna(sax)とCharlie Stacey(p)をフィーチャーしたタイトル曲がオープニング。Yussef Dayes/Miles Jamesプロデュース。Charlie StaceyのピアノとVennaのサックスに牽引されながら、Yussef DayesのドラムとRocco Palladinoのベースによるリズム隊が躍動するダイナミックな演奏です。僕がUK新世代ジャズに期待する音がここにあります。
https://www.youtube.com/watch?v=qw6MY45tK6o「Afro Cubanism」Yussef Dayes/Miles Jamesプロデュース。タイトルからするとアフロ・キューバンですが、よりアフロ・トライバルな印象を受ける演奏です。Vennaのサックスも含めてUK新世代ジャズらしさに満ちています。
https://www.youtube.com/watch?v=1Lf9km7quAk「Raisins Under the Sun」Shabaka Hutchingsをフィーチャー。Yussef Dayes/Miles James/Malcom Cattoプロデュース。
Shabaka HutchingsとYussef Dayesの共演となれば期待大ですよね。もっと激しい演奏をイメージしていたら、抑えたトーンのアフロ・ジャズといった雰囲気の仕上がりになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=e6JElrU_eZg「Rust」Tom Mischをフィーチャー。
Tom Misch/Yussef Dayesプロデュース。
『What Kinda Music』アゲインといった感じで2人のみで全ての演奏を手掛ける哀愁メロウ・トラック。ローファイ感覚の演奏が逆に生々しくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YASaUI9bhQY「Turquoise Galaxy」Yussef Dayes/Miles Jamesプロデュース。タイトルの通り、コズミックな演奏です。特にCharlie Staceyのシンセがコズミックな雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=dqXvSXxa-VA「The Light」Bahia Dayes(vo)をフィーチャー。Yussef Dayes/Miles James/Rory Cashmere Paganプロデュース。フューチャリスティックなドリーミー感のある演奏です。子どもの無邪気な歌声がよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=h0Ik2z7uq-E「Pon Di Plaza」Chronixx(vo、g、b)をフィーチャー。Yussef Dayes/Miles Jamesプロデュース。もっとルーツ・レゲエをイメージしていましたが、薄らレゲエを感じるメロウ・フォーキーといった雰囲気です。
https://www.youtube.com/watch?v=TAr-Rz5Jmkw「Magnolia Symphony」Yussef Dayesプロデュース。昨年リリースされた『Bob Marley & The Chineke! Orchestra』が話題となったChineke! Orchestraによるオーケストレーション。インタールード的なトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=zSaHDp4al3g「Early Dayes」Dave Dayes/Yussef Dayesプロデュース。30秒強のインタールード。子どもとドラムでお遊びといった感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=De4in4pskMY「Chasing the Drum」Yussef Dayes/Rory Cashmere Paganプロデュース。Yussef Dayesのドラムが先導するトライバル&コズミックなジャズ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=EtcIC_vgwlo「Birds of Paradise」Jason Delton Gray/Yussef Dayesプロデュース。派手さはありませんが、幻想的な雰囲気に引き込まれる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=bInRR5Pw98I「Gelato」Yussef Dayes/Miles Jamesプロデュース。アフロ・ジャズなのに、その向こうにレゲエを強く感じる不思議な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=UKBK8naL174「Marching Band」Masegoをフィーチャー。Masego/Yussef Dayesプロデュース。Masegoの変幻自在なヴォーカルを活かしたメロウ・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=SbFMuvF3f7Q「Crystal Palace Park」Elijah Fox(key、syn)をフィーチャー。Yussef Dayesプロデュース。Elijah Foxのキーボード/シンセのみの演奏によるコズミック・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=0QdSOoFs9ZI「Presidential」Jahaan Sweet(vo、key)をフィーチャー。Jahaan Sweet/Yussef Dayesプロデュース。哀愁モードのサウンドがジワジワきます。
https://www.youtube.com/watch?v=gcLU2htD8M4「Jukebox」Yussef Dayes/Miles Jamesプロデュース。まさにジュークボックスのように始まるジャズ・グルーヴ。派手さはありませんが、ジャズらしい臨場感を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=GoQerrD6nLc「Woman's Touch」Jamilah Barryをフィーチャー。Yussef Dayes/ Rommeプロデュース。Jamilah Barryの透明感がありながらも何処となく儚いヴォーカルが美しく響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=SCsVhj-kODc「Tioga Pass」Rocco Palladino(b)をフィーチャー。Yussef Dayesプロデュース。本作では最も長尺の8分近い演奏です。Chineke! Orchestraも加わった壮大なスケールの叙情ジャズが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=zMRTVDZNVQg「Cowrie Charms」Leon Thomas III/Barbara Hicksをフィーチャー。Barbara Hicks/Yussef Dayes/Rory Cashmere Paganプロデュース。Leon Thomas IIIは、あのヨーデル唱法の男性ジャズ・シンガー
Leon Thomasではありません。ラストはさり気ないですが、かなり凝ったジャズ・ワールドで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=XC7qsI5wtj4Yussef Dayesの他作品もチャックを!
Yussef Kamaal『Black Focus』(2016年)
Tom Misch & Yussef Dayes『What Kinda Music』(2020年)