発表年:1988年
ez的ジャンル:ラテン・メロウ・フュージョン
気分は... :秋にも似合うラテン・メロウ...
アルゼンチン出身のキーボード奏者Jorge Dalto(1948-87年)の『Listen Up』(1988年)です。
リリースは彼の死後の1988年ですが、レコーディング自体は1978年なので1970年代カテゴリーに分類しておきます。
アルゼンチン出身のキーボード奏者Jorge Daltoの紹介は、再評価の高い人気盤『Chevere』(1976年)に続き2回目です。
Jorge Daltoといえば、どうしても『Chevere』(1976年)の印象が強いですよね。
まず聴くべきは『Chevere』(1976年)だと思いますが、それをクリアしたならば本作『Listen Up』を試してみでは?
本作『Listen Up』はVersatileでレコーディングされたものです。
『Listen Up』の特徴は、当時George Bensonのバンド・メンバーであったJorge Daltoが、そのGeorge Benson Bandの面々とレコーディングしている点です。さらにはボスのGeorge Bensonも参加しています。
内容的には、夏に一番フィットするであろうラテン・メロウ・フュージョンですが、全曲インストなので意外にいつ聴いても違和感ないと思います。
レコーディングにはJorge Dalto(p)以下、George Benson(g)、Phil Upchurch(g)、Ronnie Foster(syn)、Stanley Banks(b)、Harvey Mason(ds)というGeorge BensonとGeorge Benson Bandの面々、さらにはAnthony Jackson(b)、Frankie Malabe(per)、Hubert Laws(fl)、Randy Brecker(tp、flh)、Michael Brecker(sax)が参加しています。
プロデュースはJorge DaltoとVic Chirumbolo。
軽快なサマー・フュージョンのタイトル曲「Listen Up」、各種コンピにもセレクトされているブラジリアン・フュージョン「Samba All Day Long」あたりが目立ちますが、僕のオススメは「Concentrate On You」、「Sky」、「La Costa」、「Girl In Blue」といったメロウな演奏です。メロウながらもラテン・テイストを効かせているのがいいですね。
改めてJorge Daltoのピアノの魅力を再認識できる素敵な1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Listen Up」
タイトル曲はDaltoのピアノとBrecker Brothersのホーン・サウンドがバカンス・モードへ誘ってくれるサマー・フュージョン。聴いているだけで心が解放される疾走感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=rxvAUfUjn4A
「Samba All Day Long」
Jorge Dalto作。各種コンピにもセレクトされている軽快なブラジリアン・フュージョン。躍動するDaltoのピアノがいいですね。Hubert Lawsの涼しげなフルートがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=C2Rvp80WXIQ
「Concentrate On You」
L.T.D.のカヴァー(Harold Johnson作)。オリジナルは当ブログでも紹介した『Togetherness』(1978年)収録。ここではDaltoのタッチは冴えるロマンティックなメロウ・ミディアムで魅せてくれます。インストならではのメロウネスがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=nyj_Cx9yal8
「Sky」
Ronnie Foster作。しっとりとしたバラードと思いきや途中からラテン・テイストが加わり、本作らしいメロウ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=qxXMbPBPbHU
「Spanish Harlem」
Ben E. Kingのカヴァー(Jerry Lieber/Phil Spector作)。Aretha Franklinのヒットでも知られる曲ですね。疾走感があるのに、何処となく長閑な雰囲気があるサマー・フュージョン。George Bensonがギター・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=48oyI7ISh8U
「La Costa」
Natalie Coleのカヴァー(Linda Williams/Natalie Cole作)。オリジナルはアルバム『Thankful』(1977年)収録。サンセット・モードが似合いような演奏です。ロマンティックながらも適度にパーカッシヴなのが僕好み。Hubert Lawsのフルートがいい味出しています。Daltoはアルバム『Urban Oasis』(1985年)でも本曲を再演しています。
https://www.youtube.com/watch?v=BUVly2HPR2k
「Girl In Blue」
Onaje Allan Gumbs作。ラストはDaltoの素敵なピアノ・タッチを堪能できるバラードで締め括ってくれます。Daltoのピアノに寄り添うPhil Upchurchのギターにもグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=IJF9u6zexqQ
Jorge Daltoの他作品もチェックを!
『Chevere』(1976年)
Jorge Dalto & Super Friends『Rendez-vous』(1983年)
Jorge Dalto & Super Friends『New York Nightline』(1984年)
『Urban Oasis』(1985年)