発表年:2023年
ez的ジャンル:アルゼンチン産70年代リヴァイヴァル
気分は... :メロウなヴィンテージ感がいい!
新作からアルゼンチン出身の気鋭女性シンガー・ソングライターLola Cobachの2ndアルバム『Camino Dorado』です。
Lola Cobach(Dolores Cobach)はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点とする女性シンガー・ソングライター。
2015年頃からBandcampに作品を発表し、2019年にDolores Cobach名義のデビュー・アルバム『Plumaje』(2019年)をリリースしています。
『Plumaje』は、Joni Mitchell、Laura Nyro、Judee Sill等の70年代US女性シンガー・ソングライターの影響を感じるフォーキー色の強い作品でした。
それに続く本作『Camino Dorado』は、さらにサウンドの幅が広がったポップ&ソウルなヴィンテージ感のあるアルバムに仕上がっています。
今年の入り、70年代リヴァイヴァル作品としてUS男性SSW、Ben Schwabのソロ・ユニット作品Sylvie『Sylvie』を紹介しました。
Sylvie『Sylvie』(2022年)
『Sylvie』には思わず70年代US音楽シーンにタイムスリップしたかのような感覚がありましたが、本作『Camino Dorado』のヴィンテージ感にも共通するものがあります。
その意味では、アルゼンチンのフォルクローレような文脈よりも、70年代USフォーク/ロック/ポップへのオマージュの文脈で聴いていた方がフィットすると思います。
プロデュースはJose Larry Cuffia、Ivanna Rud (Chipi) 、Esmeralda Escalanteとの男女デュオAinda Duoでも知られるYago Escriva、Franco Giaquinta
レコーディングにはアルゼンチンの女性SSW,Silvina Morenoや前述のAinda Duo等も参加しています。
Fleetwood Macにも通ずるポップ・ロック「Camino dorado」、ブルーアイド・ソウルな「Superluna」や「Ultimo dia」、USカントリー・ロック調の「Aire de febrero」、Ainda Duoをフィーチャーした「El rayo」、センチメンタルな「En el espejo」、The Carpentersの名曲カヴァー「Close to you」、国内盤CDボーナス・トラック「Pake」まで充実の全8曲です。
甘酸っぱいメロウネスの効いたヴィンテージ・サウンドとLola Cobachの歌声にハマる人も多いはず!
全曲紹介しときやす。
「Camino dorado」
Jose Larry Cuffia/Ivanna Rud (Chipi) プロデュース。僕が本作の購入を決めたオープニング。甘酸っぱい雰囲気にグッとくるヴィンテージ感のあるポップ・ロックに仕上がっています。どこかのレビューでFleetwood Macが引き合いに出されていましたが、本曲を聴いて「なるほど!」と思いました。
https://www.youtube.com/watch?v=6pjjtRynt5Q
「Superluna」
Jose Larry Cuffia/Yago Escrivaプロデュース。ソウルフルな味わいのブルーアイド・ソウル調のファンキー・メロウ。ハモンド・オルガンの音色がヴィンテージ感を高めてくれます。Lolaのヴォーカルもサウンドも抑えめなのが逆にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FaUay2di5Tk
「Ultimo dia」
Jose Larry Cuffia/Yago Escrivaプロデュース。これもブルーアイド・ソウルなメロウ・ミディアム。Lolaの語り口もいい感じです。スペイン語なのにUSロックなヴィンテージ感に浸れるのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=t36U8MmJZec
「Aire de febrero」
Franco Giaquintaプロデュース。これはUSカントリー・ロック調。ポップな魅力もあります。ドラムの軽快なビートにパーカッションも加わり、解放的な疾走感があるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SoYD1y0zdsU
「El rayo」
Ainda Duo(Esmeralda Escalante/Yago Escriva)をフィーチャー(ここではAinda名義)。Jose Larry Cuffia/Yago Escrivaプロデュース。80年代ネオアコを思わせる疾走感がたまらないメロウ・ポップ。ハンドクラップも入って実にキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=DBLjJVvcviQ
「En el espejo」
Yago Escrivaプロデュース。これは70年代の香りが漂うメロウ・チューン。胸が締めつけられそうな甘く切ない雰囲気がたまりません。一人センチメンタル・モードに浸りながら聴きたいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=c-T42A8a6eE
「Close to you」
The Carpentersの大ヒットでお馴染みの名曲をカヴァー(Burt Bacharach/Hal David作)。Jose Larry Cuffiaプロデュース。これも本作のお楽しみの1つ。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、よりソウルフルな味わいで聴かせてくれます。セピア色が似合う「Close to you」といったところでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=NVj5p6SvagY
「Pake」
国内盤CDボーナス・トラック。Jose Larry Cuffia/Ivanna Rud (Chipi) プロデュース。ヴォーカル・ワークがいい感じのメロウ・ミディアム。後半の少しミステリアス&サイケの雰囲気も嫌いではありません。
https://www.youtube.com/watch?v=EJj7jci5484
ご興味がある方はDolores Cobach名義のデビュー・アルバム『Plumaje』(2019年)もチェックを!
『Plumaje』(2019年)