2023年11月29日

Anthony White『Could It Be Magic』

フィリー・ソウルの隠れた名盤☆Anthony White『Could It Be Magic』

発表年:1976年
ez的ジャンル:PIR系男性ソウル
気分は... :隠れ名盤の楽しみ・・・

今回は70年代フィリー・ソウルの隠れた名盤、Anthony White『Could It Be Magic』(1976年)です。

Anthony Whiteはフィラデルフィア出身の男性ソウル・シンガー。

Gamble & HuffKenneth Gamble/Leon Huff)のPhiladelphia International Records (PIR)との契約に成功し、1975年にシングル「Hey Baby」でデビュー。

1976年に唯一のアルバムとなる本作『Could It Be Magic』をリリース。しかし、PIRでは成功を収めることができず、1977年にSalsoul Recordsに移籍し、ディスコ路線のシングル「I Can't Turn You Loose」をリリースしています。

その後シーンから姿を消してしまいましたが、80年代後半にハウス・プロデューサー/シンガーPaul Simpsonの作品に参加しています。

本作『Could It Be Magic』(1976年)ですが、今日ではフィリー・ソウルの隠れた名盤として再評価の高い1枚です。

Phil TerryTheodore LifeT.G. ConwayBruce HawesSherman Marshallがプロデューサーとして起用されています。

また、Theodore LifeT.G. ConwayJack FaithDexter WanselRon KerseyNorman HarrisJohn L. Usry, Jr.がアレンジを手掛けています。

フィリー・ダンサー系であれば、「Where Would I Be Without You」「Stop And Think It Over」「Never Let You Get Away From Me」がオススメです。ミディアム・グルーヴの「Yes You Need Love」も悪くありません。

バラード系であれば、「Never Repay Your Love」「Love Grows Strong」「I'm So Much In Love With You」がお気に入りです。

入手しづらい1枚ですが、ぜひチェックしてみてください。

全曲紹介しときやす。

「Where Would I Be Without You」
Phil Terry/Theodore Life/T.G. Conway作・プロデュース。軽快なフィリー・ダンサーがオープニング。飛ばしすぎずに余裕を持って楽しめるダンス・チューンに仕上がっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FSTQH2QrRck

「Never Repay Your Love」
Bruce Hawes作・プロデュース。アルバムに先駆けてシングル・リリースされたソウル・バラード。ジワジワと盛り上がってくる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=i6sRyCatVPU

「Could It Be Magic」
タイトル曲はBarry Manilowのヒット・シングルをカヴァー(Barry Manilow/Adrienne Anderson作)。Phil Terryプロデュース。オーセンティックなポップ・バラードをグッと落ち着いたオトナ・ソウル・バラードに変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=gbdRiQkO0TM

Barry Manilow「Could It Be Magic」
 https://www.youtube.com/watch?v=Vc5XtkZSH-Q

「Stop And Think It Over」
Joseph Jefferson/Sherman Marshall作。Sherman Marshallプロデュース。スピード感と心地好さのバランスが抜群のフィリー・ダンサー。ダンサブルでありながら、Anthonyのソウルフルなヴォーカルを大切にしているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vu8TJD75AJc

「There Will Never Be Another」
Allan Felder/Anthony White/Ron Tyson作。Allan Felderプロデュース。温もりを感じるストリングス・アレンジが印象的なバラード。仰々しいバラードは苦手な僕ですが、このトラックに限っては仰々しさが成功しているように感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ar120HDTcMY

「Never Let You Get Away From Me」
Allan Felder/Bunny Sigler/Norman Harris/Ron Tyson作。Allan Felderプロデュース。Norman Harrisがアレンジを手掛けたフィリー・ダンサー。ドラマティックなストリングスと華やかな女性コーラスがAnthonyのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=j-ZcuCF54dI

「Love Grows Strong」
Phil Terry/Theodore Life/T.G. Conway作・プロデュース。Anthonyのソウルフルなヴォーカルを存分に堪能できるオーセンティック・バラード。オーセンティックが似合うシンガーであることを実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=z6mtTymUT24

「Yes You Need Love」
Bruce Hawes/Charles Simmons/Sherman Marshall作。Bruce Hawesプロデュース。Anthonyのソウルフルな節回しを活かしたミディアム・グルーヴ。女性コーラスとの絡みもいい感じです。サウンドが前に出すぎていないのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Ww8clhJKKqI

「I'm So Much In Love With You」
Sherman Marshall/Ted Wortham作。Sherman Marshallプロデュース。シングルにもなったムーディーなバラード。ジワジワと沁みてくる感じがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=8WisgflVwDg

「Only Child's Play」
Phil Terry/Theodore Life/T.G. Conway作。Phil Terryプロデュース。ラストは童心モードのソウル・グルーヴで締めくくってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4a4QTrsFq3A

なんかバタバタしていて、仕事もプライベートもTo Doリストが溜まっていくばかりです。年末までには立て直さねば。
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2023年11月26日

Sampha『Lahai』

6年ぶりの2ndは超越性の追求☆Sampha『Lahai』

発表年:2023年
ez的ジャンル:オルタナティヴ系UK男性R&Bシンガー
気分は... :超越性の追求・・・

UK期待の男性R&BシンガーSamphaの最新アルバム『Lahai』です。

1988年南ロンドン生まれ、アフリカ西部のシエラレオネにルーツを持つ男性R&Bシンガー/プロデューサーSamphaSampha Sisay)の紹介は、デビュー・アルバム『Process』(2017年)に続き2回目となります。

デビュー・アルバム『Process』(2017年)がUK最高峰の音楽賞であるマーキュリー賞を受賞するなど高い評価を受けましたが、それから約6年ぶりの2ndアルバムとなるのが本作『Lahai』です。

『Process』は内省的な悲しみが滲み出た作品でしたが、本作『Lahai』は人生の喜びを求める美しい音世界の1枚に仕上がっています。Sampha本人は「超越性」を追求したアルバムと本作を評しているようです。

ちなみにタイトルの「Lahai」とは、Sampha自身のミドルネームであると同時に、彼の祖父の名前でもあります。そのタイトルには、自分がどこから来たのかを見つめると同時に、自分たちの将来のことを考えるという意味が込められているようです。

Samphaに加え、Hip-Hopユニット=CoN+KwAkE=Shabaka Hutchingsらとのトリオ1000 KingsSamphaもフィーチャリングされたデビュー・アルバム『Further Out Than the Edge』(2023年)をリリースしたばかりのジャズ・カルテットSpeakers Corner Quartetなどのメンバーとして知られるドラマーKwake Bass(Giles Kwakeulati King-Ashong)、バルセロナ出身でトロピカルなポップ・ダンスが得意なアーティストEl Guincho、ロンドンの売れっ子エンジニアRiccardo Damian、若きUSシンガー・ソングライター/プロデューサーTeo Halmロンドンの気鋭のプロデューサーKwes.がプロデューサーとして起用されています。

レコーディングにはSampha(vo、p、el-p、syn、ds prog)以下、Owen Pallett(strings arr)、Fame's Skopja Studio Orchestra(strings)、Kwake Bass(ds、spoken word)、El Guincho(b、prog、bongo)、Teo Halm(b、ds)、Ricky Damian(drum machines)、KokorokoSheila Maurice-Grey(tp、spoken word)、Yaeji(back vo)、Lea Sen(back vo)、フレンチ女性デュオIbeyi(back vo)、Ben Reed(b。g、vibe、back vo)、Fabiana Palladino(back vo)、Georgia Duncan(back vo)、Katie Duncan(back vo)、Laura Groves(back vo、el-p、vibe)、Mansur Brown(back vo、g)、David Wrench(prog)、Ben Walker(back vo)、Jonathan Geyevu(back vo)、Pauli the PSM(back vo)、Yussef Dayes(ds)といったミュージシャンが参加しています。

アルバムはUK R&Bアルバム・チャート第1位、同アルバム・チャート第21位となっています。

必ずしも聴きやすい作品ではありませんが、脆さと紙一重の美しさを感じるオルタナティヴR&Bに惹かれてしまいます。個人的にはUkならではのリズミックなビートを取り入れたトラックが増えたのが嬉しいですね。

Samphaによる超越性の追求をご自身の耳で確認してみてください。

全曲紹介しときやす。

「Stereo Colour Cloud (Shaman's Dream)」
Sampha/Kwake Bass/Riccardo Damianプロデュース。軽快な鍵盤の音色とドラムンベース調のリズムが印象的なダンサブル・サウンドで従来のSamphaのイメージを覆します。
https://www.youtube.com/watch?v=Lr4CnXFxxDo

「Spirit 2.0」
Sampha/El Guincho/Riccardo Damianプロデュース。アルバムからの1stシングルにもなりました。韓国系US女性シンガーYaejiがバック・コーラスで参加。オーケストレーションとエレクトロニカの組み合わせがグッドなトラック。フューチャリスティックな崇高さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ogYC-8hs870

「Dancing Circles」
Sampha/El Guincho/Riccardo Damianプロデュース。アタックの強いピアノをバックに、Samphaが言葉を紡いでいくトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=UhE5io7Nyk4

「Suspended」
Samphaプロデュース。ピアノをバックに美しいヴォーカルワークで魅せてくれるトラック。中盤以降リズムが強調されるので二段階で楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=3SlvAyvmEE8

「Satellite Business」
Samphaプロデュース。SamphaがロンドンとN.Y,で開催したイベントの名称を冠したインタールード的なトラック。美しいピアノと電子パルスの組み合わせが本作らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9GGhNO7udcQ

「Jonathan L Seagull」
Sampha/El Guinchoプロデュース。Richard Bachのベストセラー小説『かもめのジョナサン』(Jonathan Livingston Seagull)に因んだタイトル。その小説と同じく聴く者を精神世界へと誘うビューティフル・トラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=BaINE5KIQOo

「Inclination Compass (Tenderness)」
Sampha/El Guincho/Teo Halmプロデュース。ピアノをバックに真摯に歌い上げるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=z-lHazkvDEg

「Only」
Sampha/El Guinchoプロデュース。アルバムからの2ndシングル。ローファイHip-Hop的なビートが印象的なトラック。Samphaの節回しがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=1YPtbploIyU

「Time Piece」
Samphaプロデュース。フレンチ女性デュオIbeyi参加の短いインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=6zEv88hIE2I

「Can't Go Back」
Sampha/Kwes./El Guinchoプロデュース。このトラックにもIbeyiが参加しています。美しいピアノ、繰り返される♪Can't Go Back♪のフレーズ、Samphaのヴォーカルの組み合わせが印象的です。本作らしく中盤からドラムンベース調のリズムが加わるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Gd0r5ZZIj8U

「Evidence」
Sampha/El Guinchoプロデュース。父親になったSamphaが娘に「君が証拠だ」と語りかける感動トラック。
https://www.youtube.com/watch?v=Q3PqRMW1NKU

「Wave Therapy」
Samphaプロデュース。美しいストリングスによるインタールード。
https://www.youtube.com/watch?v=NHI_rzRLo14

「What If You Hypnotise Me?」
Samphaプロデュース。美しいピアノのリフレインに途中から電子パルスのようなリズムが加わったサウンドをバックに、Samphaが自らに問いかけるセラピー的なトラック。最後にLea Senの天使のようなヴォーカルが優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=WKum5xfFlbM

「Rose Tint」
Sampha/El Guincho/Riccardo Damianプロデュース。本編ラストはテレパシーによる交信で幸福感を確認し合っているようなチルアウト・トラックで締めくくってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=HoU3Tq6hgts

国内盤には以下の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「Re-Entry」
Sampha/El Guinchoプロデュース。哲学者ウィリアム・バレットの声のコラージュで始まりますが、全体的にはSamphaならではのビューティフル・ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=R1ADzwpCfQ4

「Sensory Nectar」
Sampha/El Guinchoプロデュース。エクスペリメンタルな幽玄ネオソウル。なかなか興味深いトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=LLCHTfd2ZHI

未聴の方は、デビュー・アルバム『Process』(2017年)もチェックを!

『Process』(2017年)
Process [ライナーノーツ / 歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (YTCD158J)
posted by ez at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月24日

『今の気分は...2023年11月24日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。
1990年代カテゴリーからアーバンなR&Bを中心に10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

The Winans「Together We Stand」
https://www.youtube.com/watch?v=25MIXWMg_BI
From 『Return』(1990年)
Return

Phil Perry「Call Me」
https://www.youtube.com/watch?v=rAC2Dk8oyYo
From 『The Heart Of The Man』(1991年)


Rahsaan Patterson「Spend The Night」
https://www.youtube.com/watch?v=0fI-BY96IDg
From 『Rahsaan Patterson』(1997年)


J. Little「Me And You」
https://www.youtube.com/watch?v=QtFoqzY7Db4
From 『Puttin' It Down Blues』(1994年)
j. little puttin' it down blues.jpg

Jamm「I Promise」
https://www.youtube.com/watch?v=DT02nOabAhY
From 『I Promise』(1991年)
jamm ?i promise.jpg

Gene Rice「You're Gonna Get Served」
https://www.youtube.com/watch?v=sRqoVxEUkEw
From 『Just For You』(1991年)
Just For You

Angela Winbush「Treat U Rite」
https://www.youtube.com/watch?v=ZL_mzpRR7t8
From 『Angela Winbush』(1994年)
Angela Winbush

Terry Steele「Delicious」
https://www.youtube.com/watch?v=zLiflBCswVE
From 『King Of Hearts』(1990年)
King of Hearts

Chante Moore「Precious」
https://www.youtube.com/watch?v=h5qrqdGtBig
From 『Precious』(1992年)
プレシャス

Carl Anderson「Baby My Heart」
https://www.youtube.com/watch?v=xx0ExbaCNdc
From 『Pieces of a Heart』(1990年)
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2023年11月22日

Billy Cook『Certified Platinum』

ヒューストンの男性R&Bシンガーのデビュー・アルバム☆Billy Cook『Certified Platinum』
billy cook certified platinum.jpg
発表年:2000年
ez的ジャンル:ヒューストン産男性R&B
気分は... :Dedicated To Roger Troutman

今回はHip-Hop作品のフィーチャリング・アーティストとして大人気の男性R&BシンガーBilly Cookのデビュー・アルバム『Certified Platinum』(2000年)です。

Billy Cookはテキサス州ヒューストン出身の男性R&Bシンガー。

自身のソロ・アルバムも数多くリリースしていますが、それ以上にHip-Hop作品のフィーチャリング・アーティストとして売れっ子です。これまでに150近い作品でフィーチャリングされています。

そんなBilly Cookのデビュー・アルバムが本作『Certified Platinum』(2000年)です。

現在は入手がなかなか難しい1枚であり、アルバムに関する情報もあまりありません。

僕もBilly Cookをきちんと認識しているわけではありませんでしたが、CDショップでジャケ中央に(小さい文字ですが)「Dedicated To Roger Troutman,Marvin Gayeと書かれていることに気づき、それだけで購入してしまった1枚です。

アルバムは前半はHip-Hopの相性の良さを感じるミディアム・グルーヴが中心、後半がミディアム〜スロウ中心という構成です。

前半であれば、アルバムを象徴するキャッチーな「Supastar」、哀愁R&Bグルーヴ「Genie」、ラテン・フレイヴァーを効かせた「Forever Girl」、パーカッシヴながらもメロウネスを効かせた「Certified Playa」がオススメです。

後半であれば、僕の一番のお気に入り「Cafe Love」、オーセンティックな「Love Is」、90年代R&Bテイストの「Black Clouds」Marvin Gayeの名曲カヴァー「Distant Lover」がオススメです。

フィーチャリング・アーティストとしてのBilly Cookが気になる方はチェックしてみては?

全曲紹介しときやす。

「Intro」
アルバムのイントロ。

「Genie」
Billy Cookプロデュース。ヒューストンのラッパーDamn Boyをフィーチャー。哀愁モードのR&Bグルーヴ。彼とHip-Hopの相性の良さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=Zxj9VOe6ki0

「Supastar」
Billy Cook/Sean "Solo" Jemisonプロデュース。Hip-Hop経由のミディアムR&Bグルーヴといった雰囲気で、アルバムを象徴するキャッチーなトラックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=RBiC3LNww54

「Forever Girl」
Billy Cook/Chris Dave/Luke Austinプロデュース。少しラテン・フレイヴァーを効かせた哀愁ミディアム・グルーヴ。パーカッシヴな雰囲気が僕好み。

「Certified Playa」
Billy Cook/Chris Dave/Luke Austinプロデュース。ヒューストンのラッパーDamn Boyをフィーチャー。パーカッシヴなミディアム・グルーヴですが、ほんのりメロウネスを効かせているのが僕好み。

「Have It Your Way」
Billy Cook/Chipプロデュース。2000年代初めのR&Bのトレンドに乗ったミディアム・グルーヴ。

「Private Interview」
MyKillプロデュース。インタールード的なミディアム・スロウ。
https://www.youtube.com/watch?v=XpZoOZwIZtg

「Cafe Love」
Billy Cook/Chris Howlandプロデュース。僕の一番のお気に入りのメロウ・ミディアム。純粋にBilly CookのR&Bシンガーとしての魅力を堪能できる素敵なトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=AdnbqGBEWpE

「My Song To You」
Billy Cookプロデュース。ピアノとギターをバックに切々と歌い上げる哀愁バラード。

「Love Is」
Billy Cook/Chris Howlandプロデュース。オーセンティックなラブ・バラード。こういうのも悪くありませんね。

「Black Clouds」
Billy Cook/Seanプロデュース。Cynthia Cook、Deondria Dixonをフィーチャー。90年代R&Bの香りを残すミディアム・スロウ。90年代R&B大好きな僕としてはこの雰囲気大好きです。

「Distant Lover」
本編ラストはMarvin Gayeの名曲カヴァー(Marvin Gaye/Gwen Gordy/Sandra Greene作)。オリジナルは『Let's Get It On』(1973年)収録。Bryan Leachプロデュース。お馴染みの名曲を少しイナたい雰囲気でカヴァーしています。

「Forever Girl (Latin Mix)」
「Forever Girl」のリミックス。フロア仕様のアッパー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=rRs02ACY4JA

Billy Cookの他作品もチェックを!

『R&B Gangsta』(2005年)


『The Truth』(2006年)


『Peace On Earth』(2006年)


『Kiss tha Cook』(2008年)
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2023年11月19日

Loraine James『Gentle Confrontation』

幽玄なエレクトロニック・ワールド☆Loraine James『Gentle Confrontation』

発表年:2023年
ez的ジャンル:新世代UKエレクトロニック・ミュージック
気分は... :穏やかな対立!

UKエレクトロニック・ミュージックの新世代アーティストLoraine Jamesの最新作『Gentle Confrontation』です。

1995年生まれ、ロンドン育ちの女性アーティストLoraine Jamesの紹介は、『Reflection』(2021年)に続き2回目となります。

前回紹介した『Reflection』(2021年)は『ezが選ぶ2021年の10枚』にセレクトしたほどのお気に入りでした。

『Reflection』(2021年)に続いてリリースしたのは、Phantom Limbからリリースされた『Building Something Beautiful For Me』(2022年)。同アルバムはN.Y.出身の黒人コンポーザー/ピアニスト/ヴォーカリストで近年再評価されているアーティストJulius Eastman(1940-90年)へのオマージュ作品でした。その意味ではHyperdubからリリースされているアルバムとは分けて位置づけた方がいいかもしれませんね。。

最新作『Gentle Confrontation』は、『For You And I』(2019年)、『Reflection』(2021年)と同じく、Kode9(Steve Goodman)主宰のHyperdubからのリリースです。

よりハイブリッドに進化した新世代UKエレクトロニック・ミュージックが展開されます。独自の幽玄なポップ感覚が増したのも印象的です。

プロデュースはLoraine James自身。

アルバムにはUS女性SSWのKeiyaARiTchieCorey Mastrangelo、スペイン人女性SSWのMarina Herlop『Reflection』にも参加していた女性シンガーEden Samara、西ロンドンの女性シンガーGeorge RileyContour、日本のインストゥルメンタル・バンドMouse On The Keysといったアーティストがフィーチャリングされています。

また、Lusine「Ask You」Dntel「Anywhere Anyone」Telefon Tel Aviv「Fahrenheit Fair Enough」といった彼女が影響を受けたアーティストの音源をサンプリングしているのも本作の特徴かもしれません。

個人的にはRiTchieのラップをフィーチャーした「Deja Vu」『For You And I』(2019年)収録の「Glitch Bitch」のセルフ・オマージュ「Glitch The System (Glitch Bitch 2)」Black MidiのドラマーMorgan Simpsonが参加した「I DM U」Eden Samaraをフィーチャーし、幽玄な美学を感じる「Try For Me」
アンビエント感覚のUKドリル「Tired Of Me」George Rileyをフィーチャーしたジャジー・ソウル×エレクトロニックな「Speechless」、完成度の高いエレクトリック・ポップ「Disjointed (Feeling Like A Kid Again)」あたりがお気に入り。

進化するLoraine Jamesの幽玄美を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Gentle Confrontation」
幽玄なストリングスと共に始まるタイトル・トラックがオープニング。幽玄なストリングスとグリッチしたミニマル・ビートが交錯した退廃的な音世界が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=BNoQnQntdKs

「2003」
Lusine「Ask You」をサンプリング。7歳の時に父と生き別れとなり、傷ついた心を歌ったもの。滲み出てくるような幽玄エレクトリック・サウンドと淡々と歌い上げるLoraineの組み合わせが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=6gikGLeq6mc

「Let U Go」
US女性SSWのKeiyaAをフィーチャー。Loraine Jamesらしいビート、音色を楽しめるエレクトリック・ソウルに仕上がっています。KeiyaAが手掛けたヴォーカル・プロダクションもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=pOo75AA8Lz4

「Deja Vu」
RiTchieのラップをフィーチャー。アンビエントな雰囲気ながらもLoraine Jamesならではのハイブリッド感覚を存分に楽しめるトラック。かなりのお気に入り!
https://www.youtube.com/watch?v=1W4U_J2Heyc

「Prelude Of Tired Of Me」
タイトルにあるように「Tired Of Me」のプレリュード。後述する「Tired Of Me」とセットで聴くといいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=lEC2RFeupQc

「Glitch The System (Glitch Bitch 2)」
サブ・タイトルから想像できるように『For You And I』(2019年)収録「Glitch Bitch」のセルフ・オマージュ。「Glitch Bitch」からさらに磨きのかかったグリッチにLoraine Jamesの進化を感じましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=DuwE8C_di4E

「Glitch Bitch」と聴き比べるのも楽しいのでは?
「Glitch Bitch」(From 『For You And I』)
https://www.youtube.com/watch?v=fidiO-g2gok

「I DM U」
Black MidiのドラマーMorgan Simpsonが参加。新世代UKエレクトロニック・ミュージックに生ドラムが加わることでサウンド全体のダイナミズムが増しています。
https://www.youtube.com/watch?v=hoHx4G4FCHQ

「One Way Ticket To The Midwest (Emo)」
Corey Mastrangeloのギターをフィーチャー。何処となくフォーキーなエレクトロ・ワールドで和ませてくれる箸休めのようなトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=0NYA-8E1pxI

「Cards With The Grandparents」
認知症を患う祖父について歌ったもの。祖父とのかけがえのない時間の大切さが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=vBITQW3kIwc

「While They Were Singing」
スペイン人女性SSWのMarina Herlopをフィーチャー。『Reflection』(2021年)収録の「Running Like That」をサンプリングしています。グリッチを駆使した彼女らしい新世代UKエレクトロニック・ミュージックを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=uMkYMCfyTBs

「Try For Me」
『Reflection』にも参加していた女性シンガーEden Samaraをフィーチャー。無機質なビートながらも幽玄な美学を感じる僕好みのトラック。
https://www.youtube.com/watch?v=buozyAVy4fo

「Tired Of Me」
Loraine Jamesらしいアンビエント感覚のUKドリルといった雰囲気の仕上がりです。『Reflection』が好きだった人であれば気に入るトラックだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=kxJGBIV9LmM

「Speechless」
西ロンドンの女性シンガーGeorge Rileyをフィーチャー。ジャジー・ソウルを感じる仕上がりです。Sadeが新世代UKエレクトロニック・ミュージックにアプローチするとこんな感じになるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=CANbof4_MDs

「Disjointed (Feeling Like A Kid Again)」
このトラックも大好き!Loraine Jamesの美学が詰まった完成度の高いエレクトリック・ポップに仕上がっています。余韻に浸りたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=OPpTJZrarPU

「I'm Trying To Love Myself」
Dntel「Anywhere Anyone」をサンプリング。グリッチも駆使しつつ、本作らしい幽玄な雰囲気を持つ実験的トラック。こういうのも嫌いじゃありません。
https://www.youtube.com/watch?v=4KgQZJrCMng

「Saying Goodbye」
Contourをフィーチャー。Telefon Tel Aviv「Fahrenheit Fair Enough」をサンプリング。このトラックも幽玄モードの哀愁トラックに仕上がっています。引き算の美学ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=t2aKOdR-iR8

「Scepticism with Joy」
ラストは日本のインストゥルメンタル・バンドMouse On The Keysをフィーチャー。派手さはありませんが、エレクトロニック×生音ならではのトータルな質感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jEjJxD4CbEU

Loraine Jamesの他作品もチェックを!

『For You And I』(2019年)


『Reflection』(2021年)


『Building Something Beautiful For Me』(2022年)
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