2023年11月05日

Ana Frango Eletrico『Me Chama De Gato Que Eu Sou Sua』

スケール・アップした3rdアルバム☆Ana Frango Eletrico『Me Chama De Gato Que Eu Sou Sua』

発表年:2023年
ez的ジャンル:リオ・オルタナ・ポップ第三世代
気分は... :2023年ベスト・ブラジリアン・アルバムの有力候補!

ブラジルもの新作からリオのオルタナ・ポップ第三世代を代表するアーティストAna Frango Eletricoの最新3rdアルバム『Me Chama De Gato Que Eu Sou Sua』です。

Ana Frango Eletricoは1997年ブラジル、リオデジャネイロ生まれの女性シンガー・ソングライター。

これまで『Mormaco Queima』(2018年)、『Little Electric Chicken Heart』(2019年)という2枚のアルバムをリリースしています。特に、『Little Electric Chicken Heart』(2019年)は大評判となり、Rubelらと並ぶリオ・オルタナ・ポップ第三世代を代表するアーティストとして注目されるようになりました。

『Little Electric Chicken Heart』(2019年)


当ブログで紹介した作品でいえば、Gus Levy『Magia Magia』(2020年)、Ricardo Richaid『Travesseiro Feliz』(2020年)、Antonio Neves『A Pegada Agora E Essa』(2021年)にも参加しています。

近年では昨年の『ezが選ぶ2022年の10枚』でもセレクトした、リオ・オルタナ・ポップ第三世代のスーパーグループBala Desejoの1stアルバム『Sim Sim Sim』(2022年)を共同プロデュースしています。

Bala Desejo『Sim Sim Sim』(2022年)


『Little Electric Chicken Heart』(2019年)以来、約4年ぶりの新作となる『Me Chama De Gato Que Eu Sou Sua』。ジャケを見たときから前作とは異なる印象を受けましたが、それは実際の音もそうでした。

『Me Chama De Gato Que Eu Sou Sua』は、リオ・オルタナ・ポップ第三世代らしいメロウ・ポップという印象でしたが、本作『Me Chama De Gato Que Eu Sou Sua』はリオ・オルタナ・ポップ第三世代という枠を飛び越えた、よりスケールの大きなモダン・ポップ作品に仕上がっています。

プロデュースはAna Frango Eletrico自身。

レコーディングにはAna Frango Eletrico(vo、el-p、syn、prog)以下、Alberto Continentino(b、syn、back vo)、Bala DesejoのメンバーDora Morelenbaum(back vo)、ブラジルのリズム・マスターMarcelo Costa(per)、Sergio Machado(ds、syn)、Vovo Bebe(fl)、Guilherme Lirio(g、p、syn)、Lux Ferreira(el-p、org)、Thomas Jagoda(syn)、Pablo Carvalho(per)、Rodrigo Mare(per)、Thomas Harres(per)、Joca(vo)、Gilberto Pereira(sax、fl)、Jorge Continentino(sax、fl)、Marlon Sette(tb)、Diogo Gomes(tp)、Aline Gonçalves(clarinet、fl)、Calu (back vo)等のアーティストが参加しています。


冒頭のブラジリアン・ブギー「Electric Fish」、爽快メロウ・ダンサー「Dela」という2曲が本作のモダンなポップ・センスを象徴していると思います。

シンセ・ファンクな「Debaixo Do Pano」、アーバン・ダンサーな「Dr. Sabe Tudo」、ポップ・ファンクな「Boy Of Stranger Things」あたりも僕のお気に入りです。

それ以外にもバラエティに富んだポップ・ワールドが展開されます。

よりスケール・アップしたAna Frango Eletricoを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Electric Fish」
Bruno Cosentino/Marcio Bulk/Sylvio Fraga作。いきなりAnaのイメージとはかけ離れたディスコ・ファンクなブラジリアン・ブギーがオープニング。ダンサブルながらもポップ・センスを忘れないところがいいですね。終盤の軽やかなホーン・サウンドもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=UuIiGmZokeY

「Dela」
Jocaをフィーチャー。Ana Frango EletricoJoca/Pedro Amparo作。僕好みの爽快メロウ・ダンサー。アーバンかつエレクトロなポップ・センスがサイコーです。Jocaのラップ調ヴォーカルもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ph8Jabmj24I

「Nuvem Vermelha」
Ana Frango Eletrico/Marina Nemesio作。ストリングスを配したビューティフル・ポップ。何処となくフレンチ・ポップのような肌触りがあるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=8Y8wgZBLez0

「Coisa Maluca」
Ana Frango Eletrico/Vovo Bebe作。ノスタルジックな味わいのメロウ・ポップ。レトロ・フィーチャーなドリーミー感もあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hWZsWxmJ5zA

「Boy Of Stranger Things」
Alberto Continentino/Ana Frango Eletrico作。Ana流のポップ・ファンク・チューンといったところでしょうか。ホーンをはじめヴォコーダー、ヴォーカル・ワークなど秀逸なアレンジ&サウンド・センスが冴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=F_5CBeURfKI

「Camelo Azul」
Vitor Conduru作。美しいストリングスを配したジャジー・メロウ・ポップ。オープニングの「Electric Fish」あたりとは真逆の音世界なのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=urJ8A27hw_0

「Insista Em Mim」
Ana Frango Eletrico作。ブラジル人アーティストらしい哀愁メロウ・ミディアム。素晴らしいストリングス&ホーン・アレンジが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ISl88_PqUlk

「Let's Go To Before Again」
Ana Frango Eletrico作。TR808のチープなサウンドを逆手にとったローファイ感覚のメロウ・ポップ。こういうのも今時のアーティストらしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=QLo38M5kZQY

「Debaixo Do Pano」
サンパウロのバンドSophia Chablau e Uma Enorme Perda de Tempoのカヴァー(Sophia Chablau作)。オリジナルはアルバム『Sophia Chablau E Uma Enorme Perda De Tempo』(2022年)収録。もともとはインディー・ロックな曲でしたが、ここではホーン・サウンドを取り入れたシンセ・ファンクへ変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=nWtm2jzE9Fs

Sophia Chablau e Uma Enorme Perda de Tempo「Debaixo Do Pano」
 https://www.youtube.com/watch?v=UK6QNxVJXks

「Dr. Sabe Tudo」
Rubinho Jacobinaのカヴァー(Jonas Sa/Rubinho Jacobina作)。オリジナルはアルバム『Rubinho e Forca Bruta』(2004年)収録。オリジナルはファンキー・ロックな仕上がりですが、Anaはオートチューンも駆使したブラジリアン・モダン・ソウルなアーバン・ダンサーで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=1-2TZIkTOCk

Rubinho Jacobina「Dr. Sabe Tudo」
 https://www.youtube.com/watch?v=0wUeFgriKZQ

未聴の方は『Little Electric Chicken Heart』(2019年)もチェックを!

『Little Electric Chicken Heart』(2019年)
posted by ez at 00:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする