2023年12月17日

KNOWER『Knower Forever』

7年ぶりに待望の新作☆KNOWER『Knower Forever』

発表年:2023年
ez的ジャンル:奇才ポップ・デュオ
気分は... :休止前に紹介できてよかった!

2023年12月30日でブログを休止します。詳しくはこちら

休止まで残り6エントリーくらいです。

新作からLouis ColeGenevieve Artadiの超絶ポップ男女デュオKNOWERの最新アルバム『Knower Forever』です。

これまで『Time』(2018年)、『Quality Over Opinion』(2022年)といったLouis Coleのソロ・アルバムは紹介してきましたが、KNOWERのアルバム紹介は初めてです。

これまで『Louis Cole and Genevieve Artadi』(2010年)、『Think Thoughts』(2011年)、『Let Go』(2013年) 『Life』(2016年)といったオリジナル・アルバムをリリースしてきたKNOWER

しかし、2018年のツアー後にKNOWERとしての活動を一時休止し、それぞれソロ・アーティストとしての活動が目立つようになりました。

Louis Coleのソロ活動が目立ったかもしれませんが、Genevieve Artadiも方もFlying Lotus主宰のBrainfeederから『Dizzy Strange Summer』(2020年)、『Forever Forever』(2023年)といったソロ・アルバムをリリースしています。また、私生活のパートナーであるブラジル人ギタリストPedro MartinsとのユニットExpensive Magnetsとしても作品をリリースしています。

当ブログで紹介した作品を振り返っても、Genevieve Artadiは以下の作品にフィーチャリングされています。

 Thundercat『Drunk』(2017年)
 Antonio Loureiro『Livre』(2018年)
 Aphrotek『Stories』(2018年)
 Frederico Heliodoro『The Weight Of The News』(2023年)

上記の4作品だけを眺めてみても、彼女がジャンルレスのミュージシャンであることが窺えます。

このような感じで各人の活動が活発化してきたため、「もうKNOWERとしての作品はリリースされないのか」なんて思っていたところに、新作リリースの吉報が飛び込んできました。ブログ休止前にこの奇才デュオの新作を紹介できるはラッキーです。

今年リリースされたGenevieve Artadiの最新作タイトルが『Forever Forever』、今回紹介するKNOWERの最新作タイトルが『Knower Forever』ということで、『Forever Forever』の制作がKNOWER新作のきっかけになったのかもしれませんね。

DAWソフトを用いたエレクトロ・ポップ・デュオというイメージが強かったKNOWERですが、本作はLouis Coleの自宅でのバンド演奏によるレコーディングが中心です。その意味でエレクトロ・ポップ・デュオの“エレクトロ”部分は外すべきかもしれません。

プロデュースはLouis Cole
楽曲も二人のオリジナルです。

レコーディングにはLouis Cole(ds、p、key)、Genevieve Artadi(vo)以外に、David Binney(sax)、Chiquita Magic(Isis Giraldo)(key)、MonoNeon(b)、Paul Cornish(key、p)、Louis Coleとグラインドコア・ユニットClown Coreを組むSam Gendel(sax)、L.A.を拠点にするミニマル・ファンク・バンドVulfpeckのメンバーJacob Mann(key)、Rai Thistlethwayte(key)、Sam Wilkes (b)、Adam Ratner(g)といったミュージシャンが参加しています。

また、18人編成のストリングス、11人編成のブラス・セクション、17人編成のコーラス隊も参加しています。

自宅レコーディングによるバンド演奏の臨場感と確信犯的なチープさを織り交ぜた奇才Louis Coleならではポップ・センス全開の1枚に仕上がっています。また、そのサウンドをバックにしたGenevieveのキュートで少し儚いヴォーカルがアルバム全体のポップ度をマシマシにしてくれます。

ブログ休止前に紹介できて良かった!
そう思わせてくれる快作です。

全曲紹介しときやす。

「Knower Forever」
Louis Cole作。タイトル曲はストリングスとブラスのみの演奏によるインスト。アルバムのエレガントなプレリュードといった感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=V1-TDhT-TWI

「I'm The President」
Louis Cole/Genevieve Artadi作。♪私は大統領よ♪とアメリカ大統領選を皮肉ったKNOWERらしいセンスのポップ・チューン。自宅レコーディングならではのB級感サウンドにストリングス、ブラス・セクション、コーラス隊が加わり、独自のポップ・ワールドが広がります。
https://www.youtube.com/watch?v=tuhe1CpHRxY

「The Abyss」
Louis Cole/Genevieve Artadi作。生演奏ならではの臨場感と生演奏らしからぬミニマル感が絶妙にブレンドされたLouis Coleのポップ・センスが全開の仕上がり。Genevieveのヴォーカルにはヒネりの効いたポップ・サウンドがよく似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=O2F0oTqfL3E

「Real Nice Moment」
Louis Cole/Genevieve Artadi作。Genevieveのキュートな魅力が映えるドリーミーなメロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=ls17vqcH-Xw

「It's All Nothing Until It's Everything」
Louis Cole/Genevieve Artadi作。エクスペリメンタルな演奏ですが、それをポップに仕上げてしまうのがKNOWERらしいですね。終盤のJacob Mann(Vulfpeck)のピアノ・ソロも印象的です。ラストは美しいストリングスで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kJG-Ed--SyA

「Nightmare」
Louis Cole/Genevieve Artadi作。Louis ColeとMonoNeonのリズム隊が牽引するキャッチーなポップ・ダンス・チューン。Genevieveのキュートで少し儚いヴォーカルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=ERCkf0j8pPM

「Same Smile, Different Face」
Louis Cole作。Louis ColeのピアノとストリングスをバックにGenevieveが歌うビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=rM10_mNZmSs

「Do Hot Girls Like Chords」
Louis Cole/Genevieve Artadi作。Adam Ratnerのパワフルなギターと共にロッキン・モードでスタートしますが、演奏全体としてはドライブ感のある格好良いダンサブルなポップ・ロック・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ois3gfcwKSA

「Ride That Dolphin」
Louis Cole/Genevieve Artadi作。Louis Coleのマニアックなポップ趣味をKNOWER流に昇華させた1曲。新しいのに懐かしい!
https://www.youtube.com/watch?v=ruUYgQxJsCI

「It Will Get Real」
Louis Cole/Genevieve Artadi作。ポップ&キュートに疾走するダンサブル・チューン。ポップでダンサブルなのに、Genevieveのヴォーカルも含めて、何処となく寂しげで儚い感じがするのがKNOWERの魅力かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=P3zV7redc-o

「Crash The Car」
Louis Cole/Genevieve Artadi作。これまでのKNOWERの歩みや今作に込めた思いのようなものが伝わってくる歌詞をGenevieveがしみじみと歌い上げるビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=GZlVT8gPGEs

「Bonus Track」
Louis Cole作。まさにボーナス・トラックなお遊び的な短いインスト。

KNOWERの他作品やLouis Coleのアルバムもチェックを!

KNOWER『Let Go』(2013年)
Let Go +10

KNOWER『Covers』(2014年)
Covers

KNOWER『Life』(2016年)
Life

Louis Cole『Album 2』(2013年)
アルバム 2

Louis Cole『Time』(2018年)
Time [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC575)

Louis Cole『Quality Over Opinion』(2022年)
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2020年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする