2008年06月22日

Joni Mitchell『Don Juan's Reckless Daughter』

Jacoとのコラボ作と呼びたくなるほどJacoがスゴイ!☆Joni Mitchell『Don Juan's Reckless Daughter』
ドンファンのじゃじゃ馬娘
発表年:1977年
ez的ジャンル:クロスオーバー系SSW
気分は... :Jacoがシ・ゲ・キ・テ・キ!

Joni Mitchellの4回目の登場っす。

これまで紹介してきたJoni作品は以下の3枚。

 『Court and Spark』(1974年)
 『Hejira』(1976年)
 『Blue』(1971年)

4枚目は、これからの季節に相応しい『The Hissing of Summer Lawns』(1975年)あたりも考えたのですが、現在の僕が最も好きなJoniのアルバム『Don Juan's Reckless Daughter』(1977年)にしました。

一般的なJoni Mitchellの代表作と言えば、『Blue』(1971年)もしくは『Court and Spark』(1974年)ですよね。

僕もそうした意見に異論はありません。特に『Blue』は、僕が女性SSWのアルバム・ベスト3を選ぶとすれば、必ずセレクトするに違いありません。

でも、僕が最も好きなJoni作品は『Don Juan's Reckless Daughter』(1977年)なんですよね。次点が『Hejira』(1976年)といったところでしょうか。

これらの作品は、『Mingus』(1979年)、『Shadows and Light』(1980年)も含めてジャズ/フュージョン系のミュージシャンと交流したクロスオーバー的な作品です。

現在の僕はシンガーソングライターJoni Mitchellよりも、トータルなサウンド・クリエイターJoni Mitchellに惹かれます。その意味でJoniの創り出すサウンドが最も刺激的なアルバムが『Don Juan's Reckless Daughter』だと思います。

Joniのジャズ/クロスオーバー路線時代に欠かせない存在が、不世出の天才べーシスト故Jaco Pastoriusです。

Jacoが参加したJoniのアルバムは『Hejira』『Don Juan's Reckless Daughter』『Mingus』『Shadows and Light』の4枚。

その中でも『Don Juan's Reckless Daughter』は、Jaco Pastoriusとのコラボ作と呼びたくなるほどJacoの存在が大きなウエイトを占めています。

Joni MitchellとJaco Pastorius以外は、Larry Carlton(g)、Michel Colombier(p)、John Guerin(ds)、Alejandro Acuna(per)、Airto Moreira(per)、Manolo Badrena(per、vo)、Don Alias(per)、 Michael Gibbs(och)、Wayne Shorter(ss)、Glenn Frey(vo)、J.D. Souther(vo)、Chaka Khan(vo)等のメンバーがバックを務めています。

JacoがJoniに与えた刺激は相当大きかったようですね。
ジャズ/フュージョン・ファン以外の方がJacoの凄さを知るには絶好の作品だと思いマス。

全曲紹介しておきマス。

「Overture/Cotton Avenue」
Joniのギター&ヴォーカルによる「Overture」に続き、JacoのベースとJohn Guerinのドラムが加わったジャジーな「Cotton Avenue」へと突入。シンプルな編成だけにJacoのベースの存在感が際立ちます。

「Talk to Me」
この曲もJoniのギター&ヴォーカルとJacoのベースのみ。曲自体は昔ながらのSSWらしい作風なので、逆にJacoとのコラボ効果を実感しやすいかもしれませんね。2人だけでこんなグルーヴを生み出すことができるなんて驚きです。2人の相性はよほど良いのでしょうね。

「Jericho」
この曲はシングルにもなりました。何よりJoniらしさが溢れた楽曲が素晴らしいですね。そこにJacoのベースやWayne Shorterのソプラノ・サックスが加わることで幻想的な魅力が加わります。Joni meets Weather Reportといったカンジでしょうか。K.D.Langがカヴァーしていますね。ここまでがオリジナルLPのA面です。

「Paprika Plains」
オリジナルLPのB面を占めた16分強の大作です。Michael Gibbs指揮のオーケストラとの共演です。持久性のない僕にはこのタイプの曲で16分はいささかキツいですが(笑)Wayne Shorterのソプラノ・ソロなど聴き所もきちんとあります。

「Otis and Marlena」
この曲ではJacoの代わりにLarry Carlton(g)がJoniのパートナーを務めます。アルバム全体の中ではやや地味な存在。

「The Tenth World」
「Otis and Marlena」からシームレスに続くこの曲は大パーカッション大会!Don Alias、Manolo Badrena、Alejandro Acuna、Airto Moreiraといった名うてパーカッション奏者に加え、Jacoもボンゴで参加!ヴォーカル陣にはChaka Khanも加わっています。パーカッション好きの僕にとっては、なかなか楽しめる演奏です。

「Dreamland」
この曲も「The Tenth World」の5名のパーカッションが参加しているヴォーカル&パーカッションのみの演奏です。Joniがリード・ヴォーカルなのでコチラの方がJoniらしいかも?Chaka Khanのコーラスがいい感じです。

昨年発売されたJoniへのトリビュート・アルバム『A Tribute to Joni Mitchell』の中でCaetano Velosoがカヴァーしています。やはりこの曲のカヴァーはブラジル人シンガーがいいですね。ここまでがオリジナルLPのC面です。

「Don Juan's Reckless Daughter」
ここからがオリジナルLPのD面。タイトル曲は、SSW的なJoniとジャズに魅せられたJoniがうまくバランスしていると思います。この曲もパーカッションが賑やかなのがいいですね。そんな中でも最も目立つのはJacoのベースというあたりがスゴイですな。

「Off Night Back Street」
この曲にはGlenn Frey、J.D. Southerといったロック人脈のメンバーがバック・コーラスを務めています。典型的なSSW系の楽曲なのですが、Jacoのベースが加わるだけで表情が全く変わってしまいます。やっぱりJaco凄すぎですな。Michael Gibbsによるストリングスもミステリアスな雰囲気を高めてくれます。

「Silky Veils of Ardor」
最後はJoniによるギター&ヴォーカル。正直、Jacoの印象が強烈な「Off Night Back Street」とのギャップを感じてしまいます(笑)

今日のEuro2008は「オランダ対ロシア」!

オランダ優位は変わらないと思いますが、決勝トーナメントのこれまでの2試合がいずれもアップセットなのに加え、対スウェーデン戦でのロシアの素晴らしいパフォーマンスを考慮すると侮れません。アルシャービンあたりが奇跡を起こすかも?
posted by ez at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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