2008年06月25日

De La Soul『Stakes Is High』

成熟した姿を見せてくれた4thアルバム☆De La Soul『Stakes Is High』
Stakes Is High
発表年:1996年
ez的ジャンル:Native Tongues系Hop-Hop
気分は... :De La Soulは全てウェルカム!

De La Soulの3回目の登場っす。

『3 Feet High And Rising』(1989年)、『De La Soul Is Dead』(1991年)に続いて紹介するのは『Stakes Is High』(1996年)です。

Trugoy、Pos、Maseoの3人組De La Soulは、僕が本格的にHip-Hopを聴くきっかけを作ってくれたグループです。

『3 Feet High And Rising』(1989年)をはじめて聴いた時の感動は今でも忘れられません。もし『3 Feet High And Rising』を聴かなければ、90年代前半のHop-Hop黄金期に名作の数々をリアルタイムで聴くこともなくスルーしていたかもしれません。

その意味でDe La SoulA Tribe Called Questと並んで、僕にとってかなり特別なHip-Hopグループです。基本的にこの両グループの作品は全てウェルカムです!

今日紹介する『Stakes Is High』は彼らにとっての4thアルバム。
前作『Buhloone Mindstate』(1993年)から3年というインターバルを空けてリリースされた本作は、それまでのDe La Soulのアルバムとは少し異なった印象を受けるかもしれません。

明るく楽しく、コミカルでハジけた印象が強かったDe La Soulですが、本作『Stakes Is High』ではそうしたイメージから脱皮し、成熟したHip-Hopグループの音を聴かせてくれます。ダークなジャケからもそんな変化が窺えますよね。

制作陣における大きな変化として、1stから3rdまでプロデュースに携わってきたPrince Paulの名がなくなり、新たにJay Dee(J Dilla)らがプロデューサーとして加わっています。

最初に聴くDe La Soulのアルバムではないと思いますが、『3 Feet High And Rising』『De La Soul Is Dead』あたりを聴いてDe La Soulの魅力にハマった方は、さらにディープにハマる作品として本作をオススメします。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Supa Emcees」
De La Soulの成熟ぶりを感じさせるドープなトラック。Walter Wanderley「Summer Samba」、Slick Rick & Doug E. Fresh「La Di Da Di」 、Jimmy Spicer「Adventures of Super Rhyme」ネタ。

「The Bizness」
アルバムのハイライト曲その1。Commonをフィーチャー。Commonも大好きな僕としては嬉しい共演です。乾いたビートとフワフワした上モノのトラックがいいですね。Cannonball Adderley「Hummin'」ネタ。

「Wonce Again Long Island」
このドラムブレイクはカッチョ良いですね。淡々としたDe La Soulも悪くはありません。Lou Donaldson「Who's Making Love」ネタ。

「Dinninit」
密かに好きな曲その1。Milt Jackson「Enchanted Lady」ネタのループがグッドです。昔のようにハジけたDe La Soulの面影が残る仕上がりが好きです。

「Brakes」
哀愁トラックで迫ります。Kurtis Blow「The Breaks」、Schooly D「P.S.K. (What Does It Mean)」、Fantasy Three「It's Your Rock」、Slick Rick「Children's Story」ネタ。

「Baby Baby Baby Baby Ooh Baby」
女性ヴォーカル・デュオJazzyfatnasteesがバック・コーラスで加わっています。Malcolm McLaren「Hobo Scratch(She's Looking Like A Hobo)」ネタのトラックが80年代テイストで好きです。

「Long Island Degrees」
De La SoulというよりA Tribe Called Questっぽい浮遊感のあるメロウ・トラックですね。メロウ・トラック大好きな僕は大歓迎です。Les McCann「Before I Rest」、Aretha Franklin「It Only Happens (When I Look At You)」 ネタ。

「Betta Listen」
密かに好きな曲その2。ファンキーなトラックがグッド!Jimmy Bee「The Outside Man」ネタ。

「Itsoweezee (HOT)」
アルバムのハイライト曲その2。シングルにもなったJay Deeプロデュース曲。ユル〜い感じのトラックがDe La Soulのキャラと実にマッチしています。

「4 More」
アルバムのハイライト曲その3。Zhaneをフィーチャーしたキャッチーなミッド・グルーヴ。アルバムの中で最も華のある仕上がりですね。シングルにもなりました。Jungle Brothers「Jimmy's Bonus Beat」、The New Dynamic Chico Hamilton Quintet「A Rose For Booker」、Sharon Redd「Never Give You Up」ネタ。

「Big Brother Beat」
Mos Defをフィーチャー。そう言えば、Mos Defって本作同じ1996年にDe La SoulがプロデュースしたDa Bush Babees「Love Song」で注目されたんですよね。

「Down Syndrome」
どこかユル〜いのがJDe La Soulらしいファンキー・チューン。James Brown「Talkin' Loud and Saying Nothing」ネタ。

「Pony Ride」
Truth Enolaをフィーチャー。なかなかお茶目なトラックが好きです。

「Stakes Is High」
アルバムのハイライト曲その4。Jay Deeプロデュースのタイトル曲はシングルにもなりました。乾いたドラムと深みのある上モノのバランスがいいですね。Ahmad Jamal「Swahililand」、James Brown「Mind Power」ネタ。 DJ SpinnaによるRemixも人気がありますね。

「Sunshine」
密かに好きな曲その3。この曲は僕以外にも好きな人多いでしょうね。The Commodores「High On Sunshine」ネタのピースフルな仕上がりがいいですね。

6月に入って毎日Euro2008三昧だったので、久々に試合のない日々は何か物足りない気がします。
posted by ez at 02:12| Comment(3) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ezさん、こんばんわ。
商業的に衰退していくJazzの中で、カウンターカルチャーの溢れるパワーで大衆音楽に浸透するサイケを暗中模索で吸収した作品でしょうか・・・「侮れない一枚」賛成です。
Posted by asm at 2008年06月26日 23:50
すみません!
Miles Davis『Filles De Kilimanjaro』の投稿と間違えてしまいました。
スミマセン!
Posted by asm at 2008年06月26日 23:53
☆asmさん

ありがとうございます。

この時代の作品は、ジャズのみならず、ロック、R&B/ファンク等他ジャンルの状況を重ね合わせて聴くと楽しいですね。
Posted by ez at 2008年06月27日 00:19
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