発表年:1976年
ez的ジャンル:スペイシー系スピリチュアル・ジャズ/フュージョン
気分は... :一難去ってまた一難...
さて、今回はGene Harrisの1976年のアルバム『In A Special Way』です。
Gene Harris(1933-2000年)はミシガン出身のジャズ・ピアニスト。1956年にAndy Simpkins(b)、Bill Dowdy(ds)と結成したThe Three Soundsとしての活動が有名な人ですね。Three SoundsはLester Young、Lou Donaldson、Nat Adderley、Johnny Griffin、Anita O'Day、Stanley Turrentine等とも共演しています。
と書きつつ、Three Soundsについては殆ど聴いたことがありません(泣)
僕が知っているGene Harrisは、プロデューサーJerry Petersと出会って制作された『Nexus』(1975年)、『In A Special Way』(1976年)、『Tone Tantrum』(1977年)といった作品です。
これら3枚は、Larry MizellプロデュースのDonald Byrd作品あたりと同じで、正統派ジャズ・ファンから見向きもされないが、クラブ系リスナーからの支持は高い作品といったところでしょうね。
勿論、軟弱リスナーの僕はこれらの作品が大好きです(笑)
さて、本作『In A Special Way』ですが、前述の3枚の中で最も人気の高い作品だと思います。
バックは、George Bohanon(tb)、Sidney Muldrow(frh)、Azar Lawrence(ts)、Lee Ritenour(g)、Chuck Rainey(b)、James Gadson(ds)、Harvey Mason(ds)等のメンバーに加え、Phillip Bailey(vo)、Al McKay(g)、Verdine White(b)といったEarth,Wind & Fire勢やEW&FファミリーだったDenise Williams(vo)も参加しています。
EW&F勢の参加という点で言えば、『Sun Goddess』、『Salongo』、『Tequila Mockingbird』といったRamsey Lewis作品がお好きな方も気に入るのでは?
B級感も漂うアルバムですが、それが良かったりします!
全曲紹介しときヤス。
「Theme For Relana」
本作のハイライト曲の1つですね。神秘的なコーラスに導かれて、スピリチュアルな世界へ...といった趣の仕上がりですね。なんとSkip Scarborough作品です。
「Rebop」
70年代らしいジャズ・ファンク・チューン。Geneの軽快なピアノ・タッチがいいですな。
「Zulu」
アフリカン&スペイシーなファンキー・グルーヴ。ドラム・ブレイクがカッチョ良いですな。
「Always In My Mind」
この曲も本作のハイライトですね。クラブ系リスナーは気に入るであろうメロウ&ファンキー・チューン。大人のミッド・グルーヴといった感じですな。
「Love For Sale」
Cole Porterのスタンダードをメロウ・グルーヴへ変貌させています。女性コーラス隊とGeneの軽快なピアノの絡みがグッド!個人的にはかなり好きです。
「It's Your Love」
爽やかな気分にさせてくれるグッド・グルーヴ。Larry MizellプロデュースのSky High Production作品がお好きな方は気に入る1曲なのでは?
「Soft Cycles」
(多分)Lee RitenourのギターとGeneのピアノが美しく響きあう1曲。心が洗われるような仕上がりです。
「Five/Four」
スペイシーなミッド・ファンク。後半はかなりスピリチュアルな雰囲気も漂ってきます。
「Naima」
エンディングはJohn Coltrane作品のカヴァー。スピリチュアルな雰囲気を残しつつも、クロスオーヴァーな仕上がりです。
本作を気に入った方は、『Nexus』(1975年)、『Tone Tantrum』(1977年)もどうぞ!特に『Tone Tantrum』に収録されているStevie Wonderの名曲カヴァー「As」は人気ですね。